近藤からの突然のラブコールに戸惑うCIMA…… 「満塁ホームランか、空振り三振か、二つに一つ」 CIMAインタビュー
11月11日の新木場1stRING大会で、突然、近藤修司よりタッグ結成を呼びかけられた#STRONGHEARTSのCIMA。近藤の副社長としての強権発動で、11.27後楽園大会で芦野祥太郎&黒潮“イケメン”二郎組との対戦も決定してしまい、事態をTwitterで知ったというCIMAは戸惑うばかりだ。これまで常に対角線で向き合ってきた近藤とのタッグ結成に何を思うのか? 話を聞いてみた。
──近藤選手の副社長としての強権発動で、11月27日の後楽園大会でタッグを組むことになりました。CIMA選手にしてみれば突然の発表だったと思うんですが、この話を聞いた時にどのように思われましたか?
CIMA 僕はその時は自分の団体のOWEの関連でカンボジアに行っていたんですけど、現地でTwitterを見て初めて知ったんですね。だから、未だに事態がよくわかってないですね。もちろん僕はW-1は最初に#STRONGHEARTSを上げてもらった日本の団体ですし、W-1の会社にもそうですし、W-1のファンにも返せるもんなら恩返しをしたいと思っていますんで、それでファンが喜んでもらえるんだったらやらせてもらいますけど、ちょっと突然過ぎたかな、というのは当人としてはありますね。近藤選手の意図がわからなかったですね。
──#STRONGHEARTSとしてW-1に参戦して以来、ぶつかり合っていた中でのタッグ結成ですもんね。近藤選手とのタッグそのものについてはどのように思われているんですか?
CIMA ぶつかり合っていたって言っても、基本的にアンファン軍とやり合っていましたので、僕の中ではあんまりやり合っていたという記憶もないんですよ。だから、W-1の正規軍サイドの人とも試合もしましたけど、その中の一人というか一部という感じでしかなかったんで。
──近藤選手とは何度か闘っていますけど、それほど記憶に残っていないと。ということは、現在の近藤選手はW-1の中では存在感を発揮できてないということなんですかね?
CIMA W-1のリングを盛り上げようとか、自分が犠牲になっても盛り上げようという姿勢は僕のスタイルから見ると全然見えてこないんですよ。それだったら、社長であるカズ選手とかのほうがその姿勢は試合を見ていても感じられるんで。まあ、僕は外部の人間なんで、内部のことはわからないんですけど、あくまで外野から見た意見でもあるんですけどね。ただ、僕の感覚だと、#STRONGHEARTSがW-1に上がってから、中心になっていたのは#STRONGHEARTSとアンファン軍の闘いだったと思うんです。それが現状に表れているんじゃないですかね?
──W-1を盛り上げようという姿勢が見えてこないのが現在の近藤選手であり、W-1のリングそのものの現状になっていると。
CIMA まあ、選手としてはピカイチの素晴らしい選手ですよ。プライベートな面は昔も今もわからないんですけど、スタイル的にはそんなに変わってないというか、とにかくパワーと突進力と瞬発力は本当に凄いものがあると思いますんで。ただ、そこの姿勢の部分ですよね。
──もしかしたら、近藤選手なりにその現状を変えようと思いついたのがCIMA選手と組んで、W-1に刺激を与えるということなのかもしれないんですが、CIMA選手にとってこのタッグ結成は刺激的に感じますか?
CIMA まあ、普段組んでないんでどうなるかわからない刺激はあるかもしれないですけど、シナジー効果があるのかどうかは現場に立ってみないとわからないですね。選手同士がどう思っているというよりもファンがどう思っているのかが一番大切だと思います。僕らがリングで並び立った時にドカーンとなれば、それはそれで素晴らしいことですし、そうなると近藤選手が言っているように凄い刺激がリング上で生まれると思います。でも、もしファンの方の「なんでこのタイミングなんだ?」っていう空気が会場内に流れてしまうとどうなるかはわからないですね。
──長く見ているファンはこのタッグに対して、「お!」っていうのはあると思うんですよ。でも、最近のファンにどう響くかは立ってみないとわからないと。
CIMA だから、2カ月なり、3カ月を経て組むんだったらファンも乗りやすいと思うんですよねこれは僕らのやり方と全く違うところで、どうしてもリリース1枚とかツイート一つでW-1はカードを決めてしまう。本当だったらもっと遠くの人に興味を持ってもらえるようなタッグなのに、ちょっともったいないかなっていうイメージはありますね。
──唐突にカードが決まるのがW-1の常ですからね。
CIMA 今の時代だから僕もTwitterで知ることができましたけど、Twitterがなければ帰国して『週刊プロレス』とかを見るなりしないと、事態が把握できてなかったと思います。
──ところで、今回は対戦相手が芦野選手とイケメン選手になりましたけど、この2人についてはどのように思われていますか?
CIMA 唯一の救いじゃないですけど、対戦相手が良かったなというのはありますね。芦野選手にしてもさっき言ったようにアンファン軍を引っ張ってると。僕は#STRONGHEARTSがW-1のリングに上がらせてもらって、一番ベストだったのは今年の1月の後楽園ホールの芦野vsT-Hawkだと思いますんで。あそこが最近のW-1の頂点だったと思うんですよ。そっから転がり落ちていきましたんで。去年後半から今年の2月ぐらいまでですね。アンファン軍と#STRONGHEARTSがやり合っていた時が最近のW-1ではベストだったんじゃないですか?
──確かに両陣営がかなり熱くなって、お客さんも盛り上がっていましたよね。
CIMA あと、僕は去年の12月ぐらいに芦野選手にタッグマッチかなんかで負けてるんですよ。彼はそのままT-Hawkとのタイトルマッチに行ってしまいましたので、僕としてはもう一度個人的にガッチリやってみたいなというのはありますね。で、イケメン選手に関しては逆ですね。2018年のW-1の横浜文体でイケメン選手が怪我してしまって、僕としてもイケメン選手としても消化不良に終わってしまったというのがあって、その続きができるということですね。イケメン選手もポテンシャルは申し分ないと思いますので。
──この2人のタッグはCIMA選手から見てもおもしろそうだなと思いますか?
CIMA 魅力的ですね。また、僕と近藤選手もそこそこキャリアが長いプロですから。僕らが組んで、芦野&イケメンと混ざり合った時に、もしかしたらとんでもないものが生まれるかもしれないですね。それを引っ張り出してくれる対戦相手の2人だと思っています。一つ言えるのは、どう転んだとしても、いわゆるありきたりの予定調和の試合にはなり得ないんじゃないですかね? 無責任な言い方をさせてもらったら、満塁ホームランか、空振り三振か、みたいな。その二つに一つだと思います。
「俺たちは立っているだけで人を惹きつける何かがある」11.27後楽園大会でタッグを結成する2人にQ&A!黒潮“イケメン”二郎編
11月27日の後楽園ホール大会で初めてタッグを結成し、近藤修司&CIMA組と対戦する芦野祥太郎と黒潮“イケメン”二郎。イケメンがW-1に在籍していた当時は常に対角線に立ってやり合う間柄だったが、初タッグ結成に際し、お互いのことをどう思っているのか? 2人に同じ質問をぶつけ、Q&A形式で答えてもらった。今回は黒潮“イケメン”二郎編。
Q.芦野選手の凄いと思うところは?
A「まじめで努力家。自分にないものを持っている選手だと思いますね。あいつは実際に凄く強いし、結果も残しているし、お客さんからある意味パーフェクトな選手だと思われていると思うんですよ。でも、誰よりも練習しているし、誰よりも努力をしているし、誰よりもプロレスに向き合っている。そういった面では俺と真反対の選手です。同じステージにいない選手というか、そもそもいるステージが違うと思うんですよ、俺と芦野は。そう考えたら、組んだことが一度もないタッグだし、未知なる世界だし、純粋に楽しみですね」
Q.自分のほうが勝っていると思うところは?
A「誰よりも練習していて、努力をしていて、プロレスとちゃんと向き合っている。そう考えたら、俺が勝っていることって何一つもないですね。だからこそ闘い続けたんでしょうし、だからこそ俺はチャンピオンにもなれなかったんだろうし。結局、みんな見てるんですよね。誰がどういう努力をしているのかを。そういった点ではパーフェクトですよ。基本的に自分が芦野と試合をする時はいつも挑むという感覚でしたから。だから、勝っているところはないですね」
Q.イケメン選手が芦野選手に電話で「組もう」と言った理由は?
A「酔っ払っている時に携帯をバーンとぶっ壊しちゃって、何年か前ぐらいの電話帳になっていたんですよ。名前を見たら、羆嵐の名前が『鈴木グリーンボーイ』だったり、芦野が『芦野グリーンボーイ』になってたんですよ。彼らが新弟子だった時代に登録した名前ですよね。LINEでもそうなっていて、芦野グリーンボーイって気持ち悪いじゃないですか? それで名前を変えたらしいんです。酔っ払っていてなんの記憶もないんですけど(笑)。そうしたら、名前が『ジ・アッシィー』になっていて(笑)。それでかな、電話したのは。まあ、久しぶりにW-1に出るとしたら、俺の中ではそれしかなったんで。逆に言えば、芦野とのタッグしかやりたくないと言っても過言ではない。そんな思いでジ・アッシィーに発信しました」
Q.芦野選手の好きなところは?
A「好き嫌いで言うと、ファンとして見た場合、俺は基本的に派手な選手が好きだから、ファンにはなっていないですね。武藤、蝶野、橋本で誰が好きかって言われたら、やっぱり武藤さんを選んでしまうんで。ただ、ラーメンの好みって人によって違うじゃないですか? そういう好みの問題であって、芦野の人間性は好きでしたね。だから、闘ってたんじゃないかなと思うんだよな。逆を言えば、だからこそ闘わされてたじゃねえかなとも思うんですよ。プロレス界って不思議で、仲が悪い奴同士で組む場合が多いんですよ。本当に仲が良い人同士が組むことは少ない。仲良ければ闘うし、仲悪ければなぜか組む。多分、何かに操られてるんでしょうね、プロレスは。そういった不思議なからくりがあるんですよ。でも、正解は誰にもわからない」
Q.2人でどういうタッグを見せたいですか?
A「わかんないなあ? でも、俺たちは立ってるだけでおもしろいと思いますよ。みんないろんなプロレス観を持っていると思うし、そのプロレス観同士がぶつかり合うからプロレスの試合はおもしろいと思うんですよ。多分、芦野とはプロレス観というか、見ている場所は一緒なんですよ。見ている場所が同じ奴らのタッグはきっとおもしろいと思います。化学反応っていうんですか? それが起きると思いますよ。俺と芦野って、見てる場所もそこへの行き方も一緒。でも、やり方が違うんですよね。俺は一人じゃ練習しないほうだけど、芦野は誰よりも練習している。だから、やってきたことが違うし、ステージが違うっていうことになると思うんですよ。そういう2人が組むから、立っているだけで人を惹きつける何かがあると思います」
Q.対戦相手の近藤&CIMA組については?
A「まだW-1を離れて半年で、近藤さんと離れたのも実際にはたった半年なんですよね。でも、俺がこの半年でやってきたことって人生の中で一番大きな挑戦なんですよ。人間的な成長は相当レベルアップしていると思うんです。だから、近藤さんと久しぶりに闘った時に何をどう感じてもらえるのかは純粋に楽しみ。で、CIMAさんとは去年の文体での試合で俺が怪我をして、中途半端な形で終わってしまったと。CIMAさんは俺とのシングルまで見てもらっていたらしいんですけど、それが実現しないまま俺はW-1を辞めてしまったじゃないですか? そのCIMAさんと改めてやれるっていうのはかなり楽しみですね。ワクワクしてます」
「俺とイケメンが届けられる最後のファンサービス」 11.27後楽園大会でタッグを結成する2人にQ&A! 芦野祥太郎編
11月27日の後楽園ホール大会で初めてタッグを結成し、近藤修司&CIMA組と対戦する芦野祥太郎と黒潮“イケメン”二郎。イケメンがW-1に在籍していた当時は常に対角線に立ってやり合う間柄だったが、初タッグ結成に際し、お互いのことをどう思っているのか? 2人に同じ質問をぶつけ、Q&A形式で答えてもらった。まずは芦野祥太郎編。
Q.イケメン選手の凄いと思うところは?
A「天性の明るさですね。それは練習生の頃から思ってました。人の心を明るくできる存在じゃないですか? そこが凄いと思うところかな」
Q.自分のほうが勝っていると思うところは?
A「肉体的にはほぼ勝っていると思うんですよね。あとは責任感ですかね。それも今となってはどうなんだろうというところはありますけど、あの無邪気なところが彼の凄さでもあるので。いい意味で責任感のなさが凄いところでもありますからね。ただ、お互いに反対のことをしようと思っていたわけじゃなくて、自然とそうなっていったんですよ。イケメンが自由にやってたから俺に責任感が生まれたのかもしれないし、向こうも俺に責任感があるから自由にできたところもあるんだろうし。完全に無責任なクソ野郎じゃないんでね。こっちもそれなりに自由にやってたんで、相乗効果みたいなところあったと思います。団体において担う役割が違ったということですね。それも自然にそうなったんだと思います」
Q.イケメン選手から電話が来て「組もう」と言われた時はどう思いました?
A「それはそれでおもしろいなと思いましたね。今、俺たちにしかできないことだし、出し惜しみしてもしょうがないし、うれしさはありました。W-1を離れても何が一番おもしろいのかを考えているんだなと思って。今まで組みたいと思ったことはないです。あのジャケットを着たくないんで」
Q.イケメン選手の好きなところは?
A「難しいな……。人としては嫌いじゃないです。好きな部類に入っていると思います。やり合っていたからわかる部分もあるんで。ただ、適当だし、入場長いし、ジャケットは臭いし、リングシューズにカビが生えていたこともあったし……。まあ、仮に俺が今プロレスファンだとしたら、好きにはならないタイプの選手ですね。昔からガッチリとプロレスをやっていた選手が好きだったんで。WWEだと、イケメンはジェフ・ハーディが好きなんですよ。僕は嫌いまではいかないですけど、もっとちゃんと筋トレしろよって中学生ながらに思っていましたから。そういう目線で見ると好きにはならない選手だと思います。でも、華やかさを持っているんで、そういう部分は凄いなと思いますね。自分にはないものなんで」
Q.2人でどういうタッグを見せたいですか?
A「全く想像がつかないですね。若手の頃から一切組んだことがないですからね。ずっと対角にいたから横に並ぶのはおもしろいかもしれないですけど、どういうタッグになるんだろうな? 裕輔と組んでいる時、クマと組んでいる時って結構インスピレーションで連携が浮かんでくるんですけど、イケメンとは浮かんでこない。食らってた立場だから逆にわかんない。でも、だからこそ、プロレス脳を試される場面だと思うんですよ。相手は近藤、CIMA、そして隣にイケメン。みんな実力者だし、曲者ですよ。その曲者たちの中でいかに自分のスタイルを崩さずにインパクトを残すかっていうのが課題ですね。ただ、イケメンから電話来た時にもいけるなっていう感覚はありました。この4人でおもしろかった、凄えなって言わせたいです。この試合は俺とイケメンが届けられる最後のファンサービスだと思ってもらっていいです。辞めた人間と残った人間の最初で最後のファンサービス。ただ、ジャケットは着ないです」
Q.相手の近藤&CIMA組については?
A「近藤修司に関してはずっとやっているし、試合もちょいちょい当たるし、この間も副社長の強権発動だとか言っててイヤな感じを受けますね。あの性格で権力を手にしたらダメでしょう。一番権力持っちゃいけない人ですよ。それが権力を振りかざし始めた時にはW-1はどうなるんだろうって思いますけどね。CIMAに関してはまた試合ができるっていうのがうれしいですね。6人タッグでしか当たってないし、タッグでより濃く当たれるのでかなりやる気はあります。AEWのCIMAですから。それだけ需要があるっていうことだし、ここでCIMAといい試合したぞってなれば、俺にもお声がかかるかもしれないし。そういう意味でもオイシイ相手ですよね。まあ、その当時の闘龍門やドラゴンゲートを見てないんで、その2人の関係性はよくわからないです。逆にイケメンは凄え見てるんですよ。彼はマグナムTOKYOのファンだったんで。イケメンの一家はみんなマグナムTOKYOが好きなんですよ。超リスペクトしているって言ってました。ただ、自分は思い入れがないんですけど、今のプロレス界で試合をするならCIMAはオイシイ相手だなという印象です」
「羆嵐&レネはラッキーで上がってきたチーム。完成度の違いが出る」 決勝の相手・羆嵐&レネを一刀両断! T-Hawkインタビュー
入江茂弘とのタッグで『W-1 TAG LEAGUE 2019』のAブロックを全勝で突破し、11.27後楽園ホール大会で羆嵐&レネ・デュプリと決勝戦を闘うT-Hawk。自ら得意と語るタッグ戦線でも存在感を見せ、リーグ戦優勝とW-1タッグ王座奪取の完全制覇に狙いを定めている。
──まずリーグ戦を振り返ってみていかがでしたか?
T-Hawk 今回初めて入江さんと組んでタッグリーグに出場したんですけど、思ったよりも入江さんとのコンビネーションが自分の中で凄く噛み合っていましたね。どの試合も余裕はなかったんですけど、いい形で勝ち上がっていけたのかなって感じてます。初戦のチャンピオンチームの芦野&児玉に少し余力を持って勝てたと思っているんですよ。それが自信に繋がったのかなと思うんですよね。
──確かに初戦は激戦でしたけど、それ以降は余裕に見えましたけどね。特に頓所&ペガソ戦なんかは圧倒しているように感じました。
T-Hawk 僕、結構余裕に見せたいタイプなんで(笑)。一生懸命なところを見せたくないタイプなんですよ。熱くはなるけど、どっかに余裕を持っておきたいというか。だから、頓所&ペガソも若いなりにしっかりと考えて試合に臨んでいたと思いますし、あのチームが良くなかったとか言うつもりはないです。基本的に僕は相手のことを試合前にリスペクトし、その上で叩き潰すというスタイルなんで、どのチームも結果的には僕らが勝ちましたけど、試合をしていて楽しかったですよ。
──わかりました。そして決勝戦の相手は羆嵐&レネになりました。これは予想通りでしたか?
T-Hawk 羆嵐&レネは最後の公式戦で稲葉選手が足を怪我してしまって、煮え切らない形で上がったじゃないですか? だから勝ち上がった感がないんですよ。棚からぼたもちじゃないけど、ラッキーで上がってきたチームですよね。一方、しっかりと3発、どストレートで勝ってきたのが僕らですから。タッグとしての質の高さ、完成度は間違いなくこっちのほうが上だと思っています。体格は間違いなく向こうですよ。パワーもあるし、一発もある。でも、そこをすり抜けていけば絶対に勝てると思っていますね。
──なるほど。ちなみに羆嵐&レネの試合は見ていらっしゃいますか?
T-Hawk 見てます。大味な試合が多かったですよね。こっちは入江さんはヘビー級とはいえ、動けますから。なんなら僕よりも動きは速いですからね。だから、指示っていうと偉そうになっちゃいますけど、連携とかブレなく動いてくれるんですよ。頭で考えずに動ける部分がタッグって大事だと思うんですよね。アイコンタクトや見ている範囲もそうです。そこに関しては僕らのほうが絶対に上です。つまりタッグとしての完成度の違いが出ると思います。
──自然と呼吸が合ってしまうという感じですか?
T-Hawk 合わせなくていいんですよ、タッグは。各々がやることが自然と合わさっていく。それがいいタッグなんだと思います。だから、僕が引っ張っているように見えて、入江さんという存在に引っ張られているところもあるんですよ。僕も基本的には「俺が!」っていうタイプなんですが、入江さんも普段はポワーンとしていますけど、リング上の存在感は凄いじゃないですか? 同じチームでも凄く刺激になるんですよね。だから、入江さん効果で僕もいつも以上の動きができてるのかなと思って感謝していますね。
──入江選手の動きを見ていて負けてられないなという気持ちが湧いてくると。
T-Hawk 相乗効果ですよね。僕のポテンシャルの1.2倍ぐらいにはなっていると思うんですけどね、意識するのは外じゃなくて、内ですから。
──#STRONGHEARTS内部に凄い人がいることが刺激になっていると。
T-Hawk CIMAもそうだし、リンダマンもそうですよ。みんな僕にないものを持っている人の集まりなんで。試合を見ているセコンドの目とかも気になるし、ただ勝てばいいっていうタッグじゃないですからね。点数をつけるのであれば、80点は下回らないぞっていう気持ちでやってます。
──常に内側からも外側からもプレッシャーをかけられている状態だということですよね。
T-Hawk プレッシャーがないと成長しないですから。タッグとしての成長もそうだし、リーグ戦だけじゃなくその先も見据えてますからね。
──先のことと言うと、新木場大会では予選敗退が決まった芦野&児玉組が出てきて、優勝してタイトルマッチをやろうと呼びかけてきました。
T-Hawk 対芦野になると盛り上がりますよね。それは僕もお客さんもなんですけど、良くも悪くもリング上では馬が合うんでしょうね。僕も芦野が対角にいるとパチンとスイッチが入っちゃうんですよ。お客さんにしても、何もアクションを起こさずとも僕と芦野が向かい合うと反応がある。それは気持ちがいいですし、僕だけではそうはならないと思うので、それを持っている芦野も敵ながら凄いなと思いますね。
──では、タッグリーグを制覇して、タイトルマッチでタッグ王座を奪取するというのが直近の目標になりますか?
T-Hawk そうですね。しばらくタッグのタイトルには縁がなくて、まだシングルのベルトを持っていたイメージのほうが強いと思うんですけど、僕はどっちかって言うとタッグ屋ですから。僕のキャリアの中でタッグのベルトはめちゃくちゃ多いんですよ。自己分析しても誰にでも合わせられるし、それこそ野球部時代のキャッチャーとしての癖ですよね。味方から観察していくんですよ、人の癖とかね。20人ぐらいの宴会に行っても、誰が履いている靴なのかすぐに見破りますからね。
──それが入江選手とのタッグにも活きているということですね。
T-Hawk だと思います。突進型の入江さんを僕が猛獣を扱うようにコントロールする。そしてオイシイところは持っていくぞ、と。これが僕らのタッグです。
──わかりました。それでは最後に決勝戦ではどんな試合を見せたいですか?
T-Hawk 優勝するのはもちろんなんですけど、お客さんがリーグ戦を振り返ってみて「#STRONGHEARTSのタッグはふた味ぐらい違うな」と思わせるような試合をしたいですよね。「タッグとは」という試合を見せたいです。
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