NXT WAR GAMESリア・リプリー軍勝利!メイン4人目はやはりケビン・オーエンズ

photo by George Napolitano

 シカゴ4連戦2日目は『NXTテイクオーバー:WAR GAMES』だ。翌日の『サバイバー・シリーズ』は、WWEのテレビ番組を見ている方には「WWEネットワークに加入して見ましょう」という告知宣伝になるが、実際は有料ネット配信なんか入会しないという保守派も結構いるので、『レッスルマニア』と並んで実際には普通のというか、昔ながらのPPV中継でも$50取られるがやっている。高くともそれでいいという方は一杯いるのであって、日本のお盆になる感謝祭週間には各地に散らばっていた家族が揃うこともあり、大勢でPPVを大きなテレビで見るということ。但し、大半はテクノロジーに疎いというだけで、実際はWWEネットワークだって大型テレビの方で問題なく視聴できるのだが・・・

 しかし、こちらのWAR GAMESのほうは、その『サバイバー・シリーズ』のテーマが3大ブランド対抗戦ということになった手前、現地時間土曜夜のテイクオーバーは、ほとんどテレビ番組では宣伝されてないし、PPV中継はなくWWEネットワークのみの配信ということになる。但し、もともと毎週のNXTだってWWEネットワークのみだったわけで、まして4連戦になる場合、これまでほぼ全回、熱心なユニバースにとっては中身が最も凄い大会と評されることになるのが良くも悪くも恒例化している。まだ翌日のよりライト層向きのPPV大会や、RAW中継はまだ始まってもいないのだが、今回も大興奮の大会がデリバーされたことは間違いない。


 プリショーでは、ミア・イムが何者かに襲われて救急車というところから。本戦の番組冒頭では、ミア・イムが負傷で急遽ダコタ・カイになった発表から始まるのだが・・・。最初はやはり女子のWAR GAMESから。リア・リプリー軍は相談もナシに紫雷イオが最初に飛び出し、当然シェイナ・ベイズリー軍はキャンディス・レラエが迎え撃つ。ただ、やってくれたというか、コスチュームも新装のダコタ・カイのヒールターンが用意されていてのである。親友のティーガン・ノックスのあのギブスの足を花道ステージ上の待機する檻の金網ドアを使って滅多打ちに。「やった!」と喜んだのは本誌だけではないだろう。こうこなくっちゃ面白くない。ということで、ウィリアム・リーガルGMも飛び出してダコタ・カイも退場となり、人数的に合わなくなったリプリー軍がどう戦うのかというドラマが整った次第である。

 そして試合は、お約束でイオが金網頂上からのムーンサルトを放ち、実況は聞こえてないのに会場は「マンマ、ミ~ア!」の大合唱に包まれると。Oh my GODとつぶやくお客の表情をカメラが的確に捉えるのである。クライマックスはシェイナがリアのメタル・バンド風リストバンドに手錠をかけるのだが、結局はもう片方の手錠をシェイナにがつりとやって、昔のブル・ロープマッチというか、片手が繋がれたまま、実況ではそうは言わない約束なんだが、リアがレインメーカーを叩き込むと。うまくやったもんだ。大変良くできました。掴みは大成功である。お客さんのボルテージは最初からピークに持っていけたのだ。

 メインは男子WAR GAMESだが、アンディスピューティド・エラの4人で、ここは翌日の3 wayに出るロドリック・ストロングがまず出るのに対して、トマソ・チャンパ軍は御大のDaddy’ Homeから。但し、謎の4人目は当日発表どころか、入場曲が鳴るまでわからないという・・・。但し、本誌の定期購読者にはもう一貫して活字に残してきたことなので、一般の客にはサプライズでも、やはりケビン・オーエンズということだ。ただ、出てきた時の会場の沸きは凄かった。これでいいのだ。
 

■ WWE NXTテイクオーバー:WAR GAMES
日時:11月23日
会場:イリノイ州シカゴ オールステート・アリーナ

<第1試合プリショー シングルマッチ>
●イザヤ”Swerve”スコット
 7分35秒
○エンジェル・ガザ

◆紫雷イオがケージ上から豪快ムーンサルトもウォーゲームズ戦で逆転負け
<第2試合 女子WAR GAMES>
紫雷イオ ビアンカ・ブレア ケイ・リー・レイ ○リア・リプリー
 27分24秒 リップタイド
キャンディス・レラエ ●シェイナ・ベイズラー ダコタ・カイ(退場) ディーガン・ノックス(続行不能)


 NXTテイクオーバー:ウォーゲームズで史上初の女子ウォーゲームズ戦が行なわれた。チーム・ベイズラーとして出場した紫雷イオと元盟友で因縁のキャンディス・レラエ2人の対戦でウォーゲームズ戦がスタートすると、激しい殴り合いからイオがキャンディスのトペ・スイシーダを迎撃。さらに619を2発放つとダブルニーやスプリングボード・ミサイルキックで圧倒した。その後も味方のビアンカ・ブレアやケイ・リー・レイ、リア・リプリーが加入して激しい攻防を展開すると、チーム・リプリーのダコタ・カイが突如味方で盟友のディーガン・ノックスを襲撃。止めに来たウィリアム・リーガルGMも攻撃してダコタは退場となってしまう。最後にシェイナ・ベイズラーが登場して4対2と優勢となると、イオはケージ上からのムーンサルトをキャンディスに放って大暴れ。しかし、チームキャプテンのシェイナとリアが激突すると、シェイナはリアのリップタイドをパイプ椅子上に決められて3カウント。数的有利になったにもかかわらず、チーム・ベイズラーがウォーゲームズ戦で逆転負けした。ヒールターンのドラマ含めてベストマッチ賞は間違いない。

◆紫雷イオ、サバイバー・シリーズの女子エリミネーション戦への出場が決定、カイリ、アスカと対決

 NXTテイクオーバー:ウォーゲームズ終了後、未定となっていたサバイバー・シリーズの女子エリミネーション戦のチームNXTのメンバーが発表となった。チームキャプテンに任命されたリア・リプリーは、大会終了後のトリプルHとのFacebook LIVEにて「紫雷イオ、ビアンカ・ブレア、トニー・ストーム、キャンディス・レラエをRAW、SmackDownと対抗するチームメンバーに指名」という流れである。普段は、大会中やテレビ番組内でやらずに、あとからSNSで発表と言うやり方には苦言の本誌だが、『NXTテイクオーバー』はプリショー1試合、本戦4試合の凝縮だから文句ない。トニー・ストームが出ることは前日のSmackDownでわかっていたことだが、やはりイオ様とカイリが睨み合うのをもっと見たいと思ったユニバースが多かったということ。ミア・イムはまぁSmackDownに出して貰ったんだし仕方ない。これでストレッチャー・ジョブ(担架のお仕事)のアングルが、WWEネットワーク特番『THE BUMP』の、ややケーフェイの線を越えたことも話して許される大人向き番組での発言の謎解きになる順序である。
 ウォーゲームズで死闘を繰り広げた敵味方中心による混成チームがその翌日に1枚岩で戦えるのか不安を残す中、イオはチームRAWとして出場する元盟友カイリ・セイン、そしてアスカとブランドの威信をかけて対抗することになろう。3ブランド対抗の5対5女子エリミネーション戦が行なわれるPPV「サバイバー・シリーズ」は日本時間11月25日にWWEネットワーク(日本語実況版有り)でライブ配信される。

<第3試合 トリプルスレッド>
○ピート・ダン
 19分56秒 ピンフォール
●キリアン・デイン
※もう一人はダミアン・プリースト、ピート・ダンがアダム・コール戦へ

◆ベイラーがリドル制してNXT復帰戦を勝利で飾る
<第4試合 シングルマッチ>
○フィン・ベイラー
 14分21秒 1916(ブラディ・サンデー)
●マット・リドル

 NXT復帰としてフィン・ベイラーがマット・リドルと対戦した。序盤、ベイラーがドロップキックで攻め込むとリドルは腕十字固めやセントーンを放って反撃した。さらに2人はジャーマン・スープレックスの応酬を展開するとリドルがファイナルフラッシュ、ベイラーがダブル・ストンプからスリングブレイドを放って互角の攻防を展開。しかし、終盤にはリドルがスピアーからのジャック・ハマーやBTSを放って追い詰めるも、最後はベイラーが1916を決めて3カウント。ベイラーがリドルを撃破してNXT復帰戦を勝利で飾った。

◆オーエンズがNXTのウォーゲームズ戦にサプライズ出場!
<第5試合 男子WAR GAMES>
アンディピューティド・エラ(●アダム・コール)
 38分26秒 テーブル葬
トマソ・チャンパ キース・リー ドミニク・ダイジャコビック ○ケビン・オーエンズ

 チーム・チャンパとジ・アンディスピューテッド・エラがメインとしてウォーゲームズ戦で激突し、ケビン・オーエンズがチーム・チャンパの最終メンバーとしてサプライズ出場した。チームキャプテンのトマソ・チャンパとNXT北米王者ロデリック・ストロングの対戦でスタートすると、チャンパは打撃の連打からランニング・ニーを繰り出すと、ストロングもダブルニーガットバスターで反撃。その後も両チームメンバーが交互に登場すると、不明だったチーム・チャンパの最終メンバーとしてケビン・オーエンズがサプライズ登場。会場から大声援が起こる中、オーエンズはアンディスピューテッド・エラを蹴散らすとアダム・コールにスタナーを炸裂した。コールもお返しとばかりにパナマ・サンライズで反撃して白熱の攻防を展開すると、試合終盤にはオーエンズがフロッグスプラッシュでカイル・オライリーをテーブルごと破壊し、続けてチャンパがケージ上からコールを水車落としでテーブル上に叩き付けて3カウント。オーエンズの登場で息を吹き返したチーム・チャンパがアンディスピューテッド・エラを撃破してウォーゲームズ戦を制した。


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’19年12月05日号WWEシカゴ4連戦 メイ社長 鷹の爪大賞1 スターダム会見 ペイジ映画