[ファイトクラブ]10・23後楽園で見せたWRESTLE-1の底力と反転攻勢のキーマン

[週刊ファイト10月31日号]収録 [ファイトクラブ]公開中

▼10・23後楽園で見せたWRESTLE-1の底力と反転攻勢のキーマン
 Photo & Text by こもとめいこ♂
・タッグリーグ戦Enfant Terribleの明暗
・#STRONGHEARTS、一気呵成の天下取り!?
・全カード画像増量でお届け
・2020年反転攻勢のキーマンは、職人と熱い男と闘いたがらない男
・今日の櫻田愛実リングアナ


 10月23日(水)、ヤフオク! ドームで連敗してホームでの初戦を落とした読売巨人軍が崖っぷちでソフトバンクホークスを迎え撃ったプロ野球日本シリーズ第4戦が行われた。
 巨人は腰痛でポストシーズンの阪神戦を回避した菅野を立てて土俵際からの逆襲を狙ったが、4回に1発病が出てシリーズMVPを獲得したグラシアルに痛恨の3ランを被弾。1点差に迫った巨人は7回にエラー2つで追加店を許し、なりふり構わぬ補強で目指した日本一奪還の野望はもろくも崩れ去った。
 その直後、ネット上で千葉ロッテマリーンズファンは「巨人はロッテより弱い」で盛り上りをみせた。
 これは1989年の巨人vs.近鉄の日本シリーズでの加藤哲郎氏の「巨人はパリーグ最下位のロッテより弱い」発言が語源。
 今年、リーグ戦を2位で終えたソフトバンクホークスは優勝の西武ライオンズに13勝12敗と勝ち越しながら後塵を拝したが、その原因は千葉ロッテマリーンズに8勝17敗と大きく負け越した事。つまり千葉ロッテが圧倒的に勝つ事が出来たホークスに1勝も出来なかった巨人は、より弱いというこじつけのロジックではあったが、まあ、CS進出を逃したチームのファンが最後に盛り上がったというほほえましくもささやかなお祭りではあった。同時に、一時期は1リーグ制導入というセ・リーグへの吸収もあり得た永年に渡る人気のセ、実力のパ時代からの巨人へ対するうっぷんをパ・リーグファンが晴らしたという意味合いもあった。
 30年前、加藤氏の発言で発憤した巨人は4連勝で逆転の日本一となり、近鉄及びパ・リーグファンとしては屈辱の年となったのだが、近年加藤氏が語るには、「ロッテより弱い」発言は無かったという。
 ある記者のそういう挑発めいた質問に対する答えを部分的に切り取られたというのが加藤氏の説明なのだが、もう一方の記者の弁明が無いので検証のしようがないし、30年前の事ゆえ記憶も曖昧になっていよう。
 加藤氏の弁を信じるとすると、エモやんこと江本孟紀氏の引退に繋がった「ベンチがアホやから野球でけへん」発言同様、メディアによる過剰に煽る姿勢が招いた悲劇だと言えるだろう。
 30年後の今や、球団どころか選手個人がリアルタイムで発言出来る時代、こういった煽りは往時ほどの効果は無くなった。自らの意と反した報道は即座に否定が可能だし、そうなった場合逆に煽った側がバッシングされる様にもなっている。
 結果として、スポーツ誌紙は「…と、Twitterを更新した」「と、SNSで発言した」「ブログによると…」といった、まとめサイトのような、メディアとしての存在意義を問われる内容が多くなっているように思う。 

 当日、18:45〜隣の後楽園ホールでWRESTLE-1の後楽園大会があり、試合結果を撮影して後楽園駅まで急ぐと、丁度9回裏2アウト。早々に見切りをつけた数名の巨人ファンと共に、ドームからの帰宅ラッシュを間一髪免れた丸ノ内線の中で思ったのがそんな様な事である。
 帰宅して速報を準備していると、WRESTLE-1から試合経過と、第1試合からの全選手のコメントが届いた。当然、コメントには手を加える余地は無い。メディアとしてはありがたい時代でもあるが、より大変だとも言える。 

 さて、イケメン“黒潮”二郎離脱後に動員面での牽引力を期待された立花誠吾に続いて才木玲佳も負傷欠場となったWRESTLE-1。そんな四面楚歌の状態にあってなお、主催者発表700人超の動員は団体としての底力をみせた。

■ WRESTLE-1 TOUR 2019 UPDRAFT
日時:10月23日(水) 開始18:30
会場:東京・後楽園ホール
観衆:703人(主催者発表)

<第1試合 仁木琢郎デビュー戦!シングルマッチ 30分1本勝負>
〇カズ・ハヤシ
 4分26秒 逆片エビ固め
●仁木琢郎

 カズハヤシ自らが胸を貸した仁木のデビュー戦。マウントパンチで追い込むなど、ガムシャラなファイトで館内を湧かせた。最後は極反り逆片エビに屈したが、社長から健闘を称えられる満点デビューとなった。負傷欠場者の多い現状WRESTLE-1だけに、頑張りが即報われる環境なのは幸運と言える。怪我のない事を祈りたい。




カズのコメント
「非常に楽しみな若者ですね。なんだろう? ああいう子がプロレスラーを目指し、これからプロレスの素晴らしさとかそういうものを伝えていってくれるでしょう。幸せです。ああいう人と一緒にできるというのはね。プロレス界は明るいです」

仁木のコメント
「ハヤシさんとデビュー戦をさせていただきました。力も全然違います。今までの経験が違うからだと思います。何もできなかったです。でも、今日がスタートなんで、プロレスラーとしてしっかり最高のプロレスをお届けできるようにがんばっていきます。ありがとうございました」

<第2試合 「WRESTLE-1 TAG LEAGUE 2019」前哨戦!6人タッグマッチ 30分1本勝負>
河野真幸(TriggeR) ●アレハンドロ 一
 6分56秒 ファイヤーバードスプラッシュ⇒エビ固め
頓所隼 〇ペガソ・イルミナル 土方隆司



河野&アレハンドロ&一のコメント
河野 
「今日は公式戦じゃないから。前哨戦じゃねえか。最後突っかかってきたけどこっちは手段を選ばねえから。勝ち点を獲る。覚悟しとけよ。一、大丈夫か? せっかく組んだのにあんまり連携できなかったな」
一 
「凄え痛いです。やばいです」
河野 
「俺とアレハンドロの緩さについてこい」
アレハンドロ 
「本庄から出直す」
一 
「もうやりたくない、やりたくない。土方とやりたくない。暑苦しいし、嫌だ嫌だ。本当に嫌だ」




頓所&ペガソ&土方のコメント
頓所 
「こっちのチームに土方先生がいたとはいえ、ペガソのファイヤーバードスプラッシュが決まれば完全に3カウント」
ペガソ 
今日は俺が3つ獲っただけで頓所さんだって3つ獲れるドラゴンスープレックスホールドがあります。まあ本庄は俺と頓所さんが勝って、とりあえず1つ目の勝ち星をつけます」
土方 
「河野選手と当たった時のプレッシャーはさすがでした。それと一か? 嫌だってなんだよ? 裏で言うのはまだしもリングで嫌だはまずいだろう。熱いのは嫌だって言ってるけど語る資格がないぐらいプロレスしょっぱいからね。なんとかにつける薬はないっていう感じです。じゃあ上がってくんなよ、リングに。ナメてるよ、プロレスを」

<第3試合 シングルマッチ 30分1本勝負>※変更カード
●本田竜輝
 7分59秒 スモールパッケージホールド
〇新井健一郎(Enfants Terribles)





 急遽参戦となった新井健一郎だが、5分過ぎまで手首を極める攻防で湧かせると、レフェリーと客席も巻き込む流石のインサイドワークで盛り上げる。バンテージに注目を集め、投げ棄てるや急所に頭突き⇒丸め込みという流れる様な見事なフィニッシュ。セミとメインではEnfants Terriblesのサポート役と八面六臂の活躍。今日のMVPであった。
 
新井のコメント
「怪我人、病人の代打と言えば新井健一郎。いつか言ったコメントみてえだけど、ワタクシはどんな急なオファーでも受けますよ。怪我人、病人、そうだなあ、あとは会場に手を付けた女のファンがいてバッティングするのが嫌だな、じゃあ仮病でも使っちまえっていうレスラーがいたら俺が代打で出て丸く収めてやる。そして本田よ、今日はお前を使ってたっぷり遊ばせてもらってたよ。もっと染に染めに染めてやる」

本田のコメント
「今日の試合は新井健一郎選手とでしたけど、結果を残せない自分が凄い悔しいです。もっともっと自分から勝ちに行って、もっともっとがんばりたいと思います」

<第4試合 シングルマッチ 30分1本勝負>
〇タナカ岩石
 8分3秒 払い腰⇒片エビ固め
●鬼塚一聖(#STRONGHEARTS)



岩石のコメント
「どうだ文句あるか! 勝ったぞ! 何が#STRONGHEARTSだ! 俺たちはどんなにちっちゃくてもな、選手全員がスタッフ全員がコツコツやってるんだよ。ナメられてたまるか! 本庄でもう一回今度はタッグか。T-Hawk、W-1ナメるな! タッグリーグ出てなくても、俺には意地があるんだ! 」

鬼塚のコメント
「タナカ岩石、これで終わりと思うなよ。26日また埼玉でタッグで組まれているけど、この借りは返させてもらうぞ。これで終わりじゃねえぞ!」

<第5試合 「WRESTLE-1 TAG LEAGUE 2019」前哨戦!6人タッグマッチ 30分1本勝負>
稲葉大樹 土肥孝司 ●アンディ・ウー
 10分48秒 メテオラ⇒エビ固め
〇CIMA(#STRONGHEARTS) 吉岡世起(#STRONGHEARTS) エル・リンダマン(#STRONGHEARTS)







稲葉&土肥&アンディのコメント

アンディ 
「CIMA、完敗や。ただ俺は強い奴と闘えば闘うほどそれを吸収してここまで大きくなった。お前とやって大きゅうなってまたやってやる」
土肥 
「まあまあ連携は良さそうだなっていうのはあったけど、今日は向こうの大将がいたから」
稲葉 
「公式戦一発目は吉岡&リンダマン。スピードとずる賢さ、ああいうのに気をつけないと。このリーグ戦、とりこぼしができないんでね。何度も言っているように全勝で」
土肥 
「普通は顔はできねえ。やるのはいじめられっ子だ。しっかりいじめてやる。また俺のマグナム潰しやがって。ふざけんな! 」

CIMA&吉岡&リンダマンのコメント

CIMA
「チャンピオン稲葉と土と肥料の肥でなんて読むんや? まあいいよ、アンディ! 経験の差よ。武術凄いのは俺らは上海で何度も見てきたしな。経験の差や。W-1をなんとかしようと思え。アンファン軍だけやない、#STRONGHEARTSだけやない。W-1をなんとかしようと思え。その心を俺たち、#STRONGHEARTSにぶつけたれ! 」

リンダマン 
「タッグリーグ初戦は稲葉と土肥。今日見たところ大したことないな。俺たちのほうがタッグとして完成度高い。近藤と征矢はもめてるのかよくわかんないし、羆嵐は英語しゃべれない」

吉岡 
「しゃべれない」

リンダマン 
「見てもらったらわかる通り、いっちゃうんじゃないですか? 台風の目、タッグリーグに風穴を空けるのはチーム小沼。小沼スペシャルでしばくぞ! 」

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