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番組冒頭はサウジアラビアで”世界最高タッグ”の称号を得たアンギャロ(カール・アンダーソン&ルーク・ギャロウェイ)がアンディスピューテッド・エラを襲撃する場面から。AJスタイルズのThe O.C.が「倶楽部」のグラフィックともどもNXTに乗り込んでくるのはSNSなどでの事前告知はなかったからインパクトはあったかも。この3名は最初からメインルースター入りしているからNXT経験はなく、「これがNXTか!」とマイクするんだが、お客さんは親NXTだから”Go Back RAW”とヤジられるのは想定内か。
そして会場内にカメラが入ると、トマソ・チャンパが「よく、いつメインルースターに行くのか?と聞かれてきたんだけど、こっちがメインルースターなんだ」とやって、全員拍手喝采だろう。会場は”Daddy’s Home”の大合唱である。いやぁ、このブランド間抗争、フレッシュな顔合わせも実現するし非常に面白いのだ。
それにしても、AEWが目前に迫った次回PPV『FULL GEAR』を煽る構成に対して、たまたまサウジアラビア『クラウン・ジュエル』の帰路でトラブルになり、予定より早くSmackDownにNXTがテイクオーバーされて、続くRAWでもとなった順番の経緯だが、今度はRAWから誰かがNXTに来ることは容易に想像できるにせよ、やはりThe O.C.だったかと。そこにキース・リーとマット・リドルがあらわれて、前哨戦はこの6人タッグがトリにという番組の掴みだ。こっちの視聴者は、そりゃチャンネルを変えたりはしないだろう。
カードはピート・ダンと、ダミアン・プリーストの再戦から、NXTの世界に引き込まれていく次第である。今回はダンが指パッチンからの腕十字でタップさせたが、例によってキリアン・デインが乱入してかき回していた。次は3 wayということなのだろう。
女子カードも層の厚さで充実というのがNXTの売りになるが、スターダムにいたサンタナ・ギャレットも、ついにテレビマッチに出てきた。すでに何度か出ているタイナラ・コンティに寝たが、これからのお楽しみだろう。
そして間髪入れずに、ダコタ・カイとシェイナ・ベイズラーのシングル戦が組まれると。前回、カブキ・ウォリアーズに負けた際、ニクソン・ニューウェルことティーガン・ノックスはほとんど出てこず、カイがやられる場面ばかりが放送されて、後出しジャンケン組まで批判してたんだが、このカードは日本だけでなく国内のハウスショーでもやっているハズだ。とりあえずこのカードでWAR GAMEのリア・リプリー組4名が決まるというお題目があったものの、じっくり尺も貰ってシングル戦やらせてもらった方が美味しいんじゃないか。まぁケツは誰もがわかっている通り切り札クラッチにカイがタップするんだが、カイが”出来る”ことは伝わったかも。そこからWAR GAMEの面子が入り乱れて乱闘になり、竹刀で暴れたミア・イムが目立ってリプリー組の4人目に決まると。さらに、これまた前哨戦として来週には紫雷イオとラダーマッチでシングル戦との発表になった。
名称がNXTクルーザー級となり、王者リオ・ラッシュと戦うのはどっちだと、腹筋が6パックどころか8パックに割れてる肉体を自慢するトニー・ニースが、ルチャ家族の三代目になるエンジェル・ガザとのシングル戦も、内容が濃いレスリングを魅せるNXTならではだろう。
クロアチアの大男ドミニク・ダイジャコビックはRAWにも番組露出していたから、ここは最近目立ってきているイザヤ”Swerve”スコットをピンするんだが、昔のようなスクワッシュにせず、ちゃんと相手の技も引き出してレスリングさせるのがNXTということになる。もっとも、大技を出し過ぎの嫌いは残った。
そしてお待ちかね、トリの6人タッグなんだが、どうかWWEネットワークに加入しましょうとお願いするしかない。AJとマット・リドルの絡み、またどんどん魅せてくれとユニバースは念じたであろう。AEWの番組の終わり方と似ているというか、試合はケツのないままフィン・ベイラーは出てくるは、アダム・コールもと、顔見世の乱闘に。最後にはトマソ・チャンパにもラスト・ショットと、単純なベビーとヒールに2派ではなく、誰もが敵対みたいな恰好にしたのは少しひねっているのかも。もっとも、ベイラーとAJスタイルズがサインを交換というか、これが本物のバレットクラブという了解は、新日本プロレスまでフォローしているマニアを喜ばせたに違いない。
それにしても、しばらくアメプロ見てなかった方がAEWとNXTの「水曜生TV戦争」を見たら、両方がえらく日本流の試合やってると驚かれるのではなかろうか。これも2019年の「今」ということになる。
■ WWE NXT
日時:11月6日(現地時間)
会場:フロリダ州オーランド近郊 フルセイル大学スタジオ
◆紫雷イオがチーム・ベイズラー入り「私たちがウォーゲームズを制する」
「NXTテイクオーバー:ウォーゲームズ」で行なわれる女子史上初のウォーゲームズ戦でチームキャプテンのシェイナ・ベイズラーが紫雷イオ、ビアンカ・ブレアをメンバー選択したとNXTで発表した。そのシェイナがダコタ・カイとシングル戦で激闘すると、シェイナがキリフダクラッチでダコタを沈めて勝利。試合後、セコンドのジェサミン・デューク&マリーナ・シェイファーがダコタに暴行を加えると、チームメイトのイオとビアンカやチーム・リプリーのメンバーが現れて乱闘に発展。イオはキャンディス・レラエをタイタントロンに叩き付けて暴れたが、最後に登場したミア・イムがイオやシェイナらを竹刀攻撃で蹴散らした。
さらに次週、イオがチーム・リプリー入りしたミアとラダー戦で激突することが決定。バックステージでイオは「あのシェイナ・ベイズラーがこのイオ紫雷様をチームメイトとして指名したぜぇ。意味わかるか?どう考えたって私たちがウォーゲームズを制するに決まっているだろ」とチーム戦に自信をみせた。史上初の女子ウォーゲームズ戦が行なわれる「NXTテイクオーバー:ウォーゲームズ」は日本時間11月24日にWWEネットワークでライブ配信される。
【 #WWENXT 速報】紫雷イオ、勝利宣言!🔥🔥🔥
チーム・ベイズラーの一員としてビアンカ・ブレアと共に女子史上初のウォーゲームズへの参加が決定!#WWE #wwe_jp @shirai_io pic.twitter.com/yZIWhjmEPU— WWE Japan (@WWEJapan) November 8, 2019
紫雷イオ:コメント全文
「先週ウィリアム・リーガルが女子初のウォーゲームズをやるってアナウンスしてくれたけどな。なんとなんとシェイナが、あのシェイナ・ベイズラーがこのイオ紫雷様をチームメイトとして指名したぜぇ。意味わかるか?シェイナがチャンピオンだけどな、そのシェイナとこのイオ紫雷様となんとあとビアンカも同じチームに入ってるんだよ。どう考えたって私たちがウォーゲームズを制するに決まっているだろ。絶対に勝って盛り上げて、その先のNXT引っ掻き回してやるからな!」
◆The OCがNXTに殴り込み!ベイラー、コールも乱入で6人タッグ戦は大混乱!
NXTオープニングでジ・アンディスピューテッド・エラを襲撃したThe OCがリングに登場すると、RAW所属のAJスタイルズが「奴らがRAWに喧嘩を仕掛けてきた。The OCがNXTを乗っ取ってやる」と言ってNXTを挑発した。するとそこへトマソ・チャンパが姿を見せると、「アンディスピューテッド・エラのことは気にしないが、俺のリングを乗っ取るなら問題だな」と徹底抗戦の構えを見せると、マット・リドル&キース・リーも現れて6人タッグマッチが決定した。
ブランドを背負ったこの試合で両チームは白熱の攻防を展開し、終盤にはホームの声援を後押しにチャンパが必殺のフェアリーテイル・エンディングをAJスタイルズに狙ったが、そこへ突如フィン・ベイラーが登場。スタイルズはすかさず動きが止まったチャンパにペレキックを放つと、ベイラーも場外で1916(ブラディーサンディ)をリドルに決めて形勢逆転。しかし、スタイルズがトドメのスタイルズクラッシュをチャンパに狙うと、今度はアダム・コールが乱入してスタイルズにスーパーキック、チャンパにラストショットを決めると場外のベイラーと睨み合った。NXTが初参戦してブランド対抗戦が行なわれるPPV「サバイバー・シリーズ」は日本時間11月25日にWWEネットワーク(日本語実況版有り)でライブ配信される。
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▼今週総括:KnockOut重森x翔~子猫カイリらJoshi活躍の水曜生TV戦争必見
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’19年11月14日号新日 サウジSD-RAW-AEW-NXT ノア KnockOutRiseラウェイ 坂口杏里