UFCホルヘ・マスヴィダル打撃圧倒!ネイト・ディアス流血ドクター3R止め!ロック様祝福MSG

(C)Josh Hedges/Zuffa LLC/UFC

 ニューヨークはMSGに乗り込んでの『UFC 244』。なんといってもタイトル戦ではないのに5Rのルールとトリの順番が与えられたのが、悪童人気のネイト・ディアスと、こちらもストリート系で上昇機運のホルヘ・マスヴィダルのマッチメイクだ。但し、ネイトに禁止薬物が出たとかで危ぶまれもしたのだが、外部機関に全面委託したハズなのに、スター選手と前座では扱いが違う以下、ご都合主義も見え隠れしたものだが・・・

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 試合はお客さんの望む通りの打撃戦になったものの、ホルヘ・マスヴィダルがディアスの右目上のカットを広げていく優勢な展開に。しかし流血に染まりながら戦う姿こそがディアスなのである。客を呼ぶのだ。実際、トランプ大統領以下、セレブたちもMSGに詰め掛けていた。

 あと昔からMMAを見ている方には「ついに」というか、UFCやPRIDE初期に活躍したマーク・ケアーの超傑作ドキュメンタリー『Smashing Machine』のドラマによる映画版が10数年寝かされてついに日の目を見る。制作と主演を買って出たのがロック様ことドウェイン・ジョンソンである。となると、本人も宣伝を兼ねてオクタゴンに顔見世と、さすがMSGだけあってゲスト観点からも豪華な大会となった。

■ UFC 244
日時:11月2日(土)現地時間
会場:ニューヨーク市 マディソン・スクエア・ガーデン

【メインイベント】
<ウェルター級マッチ 5分5ラウンド>
○ホルヘ・マスヴィダル
 3ラウンド(5分00秒)TKO(ドクターストップ)
●ネイト・ディアス

 今回の試合のためだけに用意された”BMF(バデスト・マザー・ファッカー)”ベルトをかけて対戦という、まぁ笑かしてくれたらなんでもアリだろう。
 開始早々、強烈なエルボーと打撃で攻め立てたマスヴィダルがディアスをダウンさせ、この時点ですでにディアスの右まぶたに切り傷が確認され流血もしていたが、ディアスは懸命に防御してマスヴィダルの攻撃を退ける。ラウンドが進んでもマスヴィダル優位の状況に変わりはないものの、ディアスが持ち前の粘り強さで前に出る姿勢を崩さない。しかしながら、第3ラウンド終了後、医師がディアスの右目を診断し、本人は「問題ない」と訴えましたが、ドクターストップにより試合終了が告げられ、世界最凶の称号はひとまずマスヴィダルに与えられることに。

 試合後、マスヴィダルとディアスは「もう一度やる」と声をそろえていたが、正直、専門媒体記者目線では差があったとは活字に残さざるを得ない。ディアスは「流血の原因になった傷は前の試合でできたものだった。4ラウンドも全然いけたんだけどな。今日のプランは4ラウンド目からエンジン全開で戦う予定だったし。まだ終わっちゃいねぇからな」と言葉を残してオクタゴンを去っている。ディナ・ホワイトは、可能性は否定せずとも、ビジネスを考えたらマスヴィダルの正式な王座への道筋を優先するのは当然だろう。例によってクロン・グレイシーがセコンドに就いていたディアスだが、まだまだ見たいと印象を残したのだから凄いことなのだ。また、以下のマスヴィダルの談話を額面通り受け止めるのは禁物だ。コイツはなかなかビジネスマンだと。それ以上でも以下でもない。

ホルヘ・マスヴィダル

「実際、今さっきネイトに言ったところなんだ。もう一回だってね。向こうの愛を感じたし、こっちもそのお返しだ。UFCが実現したんだから、もう一回やろう。対戦相手に意識があるのに、こんな形でオクタゴンを出るなんてゴメンだ。方法はひとつしかない。洗礼を施すのさ。俺はネイトに洗礼を与えていないから、もう一度だ。個人的なことを言うと、アメリカン・トップ・チームに感謝したい。ニューヨークに戻ってくるから、最高の3ラウンドを見せたと思っているし、俺にブーイングしないでくれよ。ちゃんと楽しませるからさ。もう一度やるから、ご心配なく。もう一度必ずやる。唯一の戦略がヤツを連れ出すことだった。ネイトはヤバイからな。4ラウンドでも5ラウンドでもやるつもりだったんだぜ。やる気マンマンさ。覚悟はできていた。ヤツの目を見たら、向こうも全ラウンド行く気なのが分かったからな。俺は医者じゃない。だから俺に文句を言わないでくれ。俺は戦うためにやって来た。俺のせいじゃない。医者が止めたんだ」

【セミメインイベント】
<ミドル級マッチ 5分3ラウンド>
●ケルヴィン・ガステラム
 判定2-1(30-27、28-29、27-30)
○ダレン・ティル

ダレン・ティル

「負けが込んでしまって、何人かの悪魔と戦わないといけなかったんだと思う。俺たちファイターはあまりそういうことを話さないけど、俺は今、心の底から話している。ウッドリーと戦う前、自分の人生で負けたことなんて一度もなかった。自分のことを超人だと思っていたのに、それから2回負けて、最近じゃメディアから前よりもっと非難される。だから、俺の中ではずっと戦っていた。正直に言えば、今日ここに来て、3ラウンドをやらないといけないことにビビっていた。最初のラウンドが終わったときに、“どうしたんだ、ダレン?”と自問自答した。自分が最強の一人だと思っていたから。BMFの話題で持ちきりだけど、俺は今、ケルヴィン・ガステラムと戦ったばかりで、ミドル級のブルドーザーを相手にしたんだ。俺は一歩一歩確実に行く。ここにいられたことにも満足している。70kg以上のヤツなら誰だってぶっ倒してやる。俺には階級なんて関係ない。明日にでもヘビー級のチャンピオンと戦えと言われたらやる。立ち向かっていくし、もしかしたら打ちのめされるかもしれないけど、俺は戦う。なぜなら俺は真のファイターだからだ。俺がBMFだ」

【メインカード】
<ウェルター級マッチ 5分3ラウンド>
○スティーブン・トンプソン
 判定3-0(30-26、30-26、29-27)
●ビセンテ・ルーケ

スティーブン・トンプソン

「勝利街道に戻ってこられて最高の気分だよ。ここ2試合は完全に負けてしまっていたから、ここで復活してUFCやファンにまだ自分がタフな相手とやり合えること、勝利を飾れることを示したかった。自分の腕が上がって試合を終えられたこと、言葉じゃ説明できないよ。マディソン・スクエア・ガーデンは聖地、1回や2回でもなく、3回もここで試合ができるなんて夢がかなったも同然だ。何にも変えられない。ここで戦ってきた才能ある人たちやアスリートたちを思いながら、このホールを歩く。なんて最高なんだ。正直、素晴らしい気分さ。向こうは激しく打ってきたし、自分よりも相手の方がハードだったんじゃないかと思うくらいだけど、最高だった。タフな相手なのは分かっていたから、3ラウンドの戦闘を覚悟していた」

<ヘビー級マッチ 5分3ラウンド>
○デリック・ルイス
 判定2-1(30-27、28-29、29-28)
●ブラゴイ・イワノフ

デリック・ルイス

「今回の相手はタフだったし、激闘だったから、勝利街道に戻れたのは本当にうれしい。何発か打てば仕留められるだろうと思っていたけど、すさまじくタフだった。めちゃくちゃショックだったし、他の人なら失神しているはずなのに。相手がタフなのは分かっていたし、でかいショットを何発も食らっても前に出てくると分かっていたから、こういう試合になるだろうとは思っていた。今回の試合に向けて必死にトレーニングを積んだ。すべてはジムのグラインドハウスのおかげだ。ストレングスやコンディショニングとか、俺のことをすごく支えてくれた。それから、栄養士のルーも。ルートリション(栄養学の“ニュートリション”とルーをかけた造語)だな。今回はフィニッシュすべきだったのに。この階級のこのポジションにいるのはそういうことだと思う。ちょっとがまんしすぎたのかもな。でも、しょうがないことだ」

<ライト級マッチ 5分3ラウンド>
○ケビン・リー
 1ラウンド(2分47秒)KO
●グレゴール・ガレスピー

ケビン・リー

「勝利街道に戻ってこられて最高だ。2連敗から復活するには何日もかかるから、ものすごく大きな意味がある。ここまで来るのに大変だったし、あのケリを生かせるようになるには何年もかかる。そりゃ最高の気分さ。自分のキャリアで一番クリーンなノックアウトだったと思う。向こうは予想もしていなかっただろうし、ライト級のほとんどのファイターも思ってもみなかっただろう。これまで誰も見たこともない、まったく違うタイプのパワーを培っている。まだ俺の力は半分も見せていない。UFCではたくさんの試合をしてきたけれど、本気でまだスタートしたばかりだという気分なんだ。この試合の前でさえ、試合展開がどうであれ、トライスターが俺をさらに優れたファイターにしてくれたと感じていた。もっと集中できるようになっているし、ずっと才能もスキルもあると思ってきたけど、すべてをまとめるのに苦労していた。でも今はそれを成し遂げるために完璧な場所と完璧なガイドを見つけられたと思っている。俺にはライト級が合っている。タイトルを狙っていく。ここでキャリアをスタートした。こここそ俺が輝く場所だ」

【プレリム】
<ライトヘビー級マッチ 5分3ラウンド>
○コーリー・アンダーソン
 1ラウンド(2分02秒)TKO
●ジョニー・ウォーカー

コーリー・アンダーソン

「やつの勢いを止めただけじゃないぜ、粉砕してやった。何回も繰り返し言ってきたけど、みんなあいつをおだて過ぎだ。格の違いを思い知らせてやったぜ。俺が14戦してきたのには理由がある。一度ベストに負け、そこから復活してベストを倒した。やつはそこにいなかったし、俺はみんなに証明する必要があったんだ。これだけ圧倒してフィニッシュしたからには、タイトル挑戦の筆頭候補にしてもらわなくちゃな。俺は一度たりともやつに触れられていないし、お得意のスピニング何とかもやらせなかった。一撃のパンチで終わった。これで言えるぜ。俺にはタイトルに挑戦する権利がある。トップ10の中でトップ5の連中を2人倒したのは俺だけだ。ドミニク・レイエスはクリス・ワイドマンを倒した。クリスは仲間だけど、あいつはそこまで好調じゃない。グローバー・テイシェイラはジョン・ジョーンズと戦っていて、イリル・ラティフィは強力な相手だし、俺はパトリック・カミングスに記録を作った。その全員を倒したんだ。1月の終わりがいいだろうな。まずはハンティングに行かなきゃならないんだ。金はもう使った。だから、まずはそれをやってからビッグゲームに備える」

<フェザー級マッチ 5分3ラウンド>
○シェーン・ブルゴス
 3ラウンド(4分32秒)TKO
●マクワン・アミルカーニ

シェーン・ブルゴス

「MSGで最初に試合した時はあっという間で、2分かそこらだったから、あまりじっくり味わえなかった。今回は存分に味わわせてもらったよ。入場して、そこに立ち、退場して、全部堪能した。最高の気分だったし、俺にとって大きな意味を持つ。会場の声援の大きさを聞いただろう。しびれるような興奮が巻き起こるのは分かっていた。カブ(スワンソン)の後で相手がステップダウンになることは考えないようにした。集中を保つのが少し難しく、対戦カード上で俺が一番人気だったから、それだけプレッシャーも大きかった。なにせ勝つのが当たり前と思われているんだからな。だから、ただ入場して勝つだけじゃなく、フィニッシュで決めたかったんだ。必要なのはそれだったし、そうしたかった。ペースとパワーが違いを生んだな。あのボディショットは効いたはずだぜ。もうちょっと長く立っているかなと思ったんだけどね。彼は始まってすぐに撃ってきて、少しだけ油断したけど、うまくいったよ。ハッピーだ。次はランク付きの相手が妥当だろう。でも、UFCが望むなら何だって従うよ。今回は俺の契約の最後の試合だったから、何かを伝えられたならうれしい。次は大きな契約が欲しい」

<ミドル級マッチ 5分3ラウンド>
●ブラッド・タバレス
 1ラウンド(2分27秒)KO
○エドメン・シャバージアン

エドメン・シャバージアン

「確かにブラッドは俺のキャリアにおいて最大の相手かもしれない、ただ俺は他の連中とは一味違う。最年少王者になってみせる。ジムにこもって強くなるだけだ。休みもとるつもりはない。試合後も一週間休んだらすぐにジムにもどる。今回は今まで披露しなかったスキルもみせることができた。この結果ならトップ10入りも濃厚だろう。3ヶ月に一回は試合したいと思っている。来年の初旬には試合がしたいね」

<ヘビー級マッチ 5分3ラウンド>
●アンドレイ・アルロフスキー
 1ラウンド(0分29秒)KO
○ジャルジーニョ・ホーゼンストライク

ジャルジーニョ・ホーゼンストライク

「自分のキャリア最大の試合だった。アルロフスキーのようなレジェンドに勝てて本当に嬉しいよ。彼のようなキャリアを歩みたいと思っている。このマディソン・スクエア・ガーデンで試合をすることが夢だったんだ。映画のような気分だよ。試合が終わった後もそれをすごく感じた。今年中にもう1試合しても良い」

【アーリープレリム】
<女子フライ級マッチ 5分3ラウンド>
○ケイトリン・チョケイジアン
 判定3-0(29-28,29-28、29-28)
●ジェニファー・マイア

ケイトリン・チョケイジアン

「シェフチェンコと試合がしたいとずっと言ってきたわ。タイトルが欲しいの。どんな試合も重要だけれども、常にシェフチェンコを意識している。UFCと契約してから左利きの選手と練習しているのもシェフチェンコが理由よ。次の試合も考えながら今回はキャンプに取り組んだ。シェフチェンコといい試合をする準備はできているつもり。月曜日にはジムに戻って練習するわ。相手のジェニファーが減量に失敗すると言われていたけれど、彼女も長い間、女子ストロー級で戦っているから私は大丈夫だと思っていた。最終ラウンド以外は勝ったと分かっていたけど、ジャッジがどう見るかはいつもドキドキするわね」

<ウェルター級マッチ 5分3ラウンド>
○ライマン・グッド
 3ラウンド(2分03秒)TKO
●チャンス・レンカンター

ライマン・グッド

「この業界は勝ってこそ自分の強さが証明される。この勝利でランキングトップ10入りに向けて勢いがついたはず。トップ10ファイターと試合したいね。今日のような試合をすればUFCも試合を組んでくれるはず。今回の試合は今まで積み重ねてきたことの集大成だったと思う。キャンプで取り組んだ内容を発揮することに注力したよ。コーチ陣が教えてくれた試合前の心構えとか、そういうことが今回は役に立った。相手の戦法がどうあれ今回は前進するつもりでいたんだ。カウンターを狙いつつ、距離を縮めながら一発を狙っていた」

<フェザー級マッチ 5分3ラウンド>
●フリオ・アルセ
 判定2-1(28-29、28-29、29-28)
○ハキーム・ダオドゥ

ハキーム・ダオドゥ

「自分らしい試合ができなかった。相手が思っていたより強かったのもあるけど、ここまで大規模なアリーナで戦うのが初めてというのも理由なのかもしれない。しっかり試合の映像を見て次はこんな試合をしないために備えるよ。最高の試合はできなかったけど、スプリット判定には反対だ。ジャッジに結果を委ねるとこうなるから嫌なんだ。次はアメリカでも母国カナダでもいい、2月頃に試合がしたい。クリスマスくらいは楽しませてくれよな」

 次回、UFCはロシアに乗り込み、モスクワのCSKAアリーナにて『UFCファイトナイト・モスクワ』が開催される。メインイベントにはフェザー級ランキング5位につけるザビット・マゴメドシャリポフと同11位のカルヴィン・ケーターの対戦が予定されている。


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