前田日明、蝶野正洋、渕正信、船木誠勝が爆笑のクイズ・バトル!

 本誌でもすっかりお馴染みになったBSフジ『クイズ!脳ベルSHOW』。この番組は月~金曜までの帯番組として放送されており、午後10時から1時間のクイズ番組だ。
 40代以上の4人の解答者が月曜日と火曜日に出場、水曜日と木曜日にはメンバーを代えてクイズを行う。月・火および水・木それぞれ2位以上の解答者4名が金曜日の週間チャンピオン大会に進出し、そこで優勝した人が週間チャンピオンに輝くという仕組みだ。
 これまで、プロレスラーや格闘家が何度も同番組に登場している。先週もデビル雅美が出場し、週間チャンピオン大会に進出したが、惜しくも優勝は逃してしまった。

 今週は木曜日と金曜日がゴルフ中継のため趣向を変え、『もう一度見たい!おもしろ選抜』ということで、各ジャンルの著名人を集めてクイズをやろうという企画である。早い話、珍解答が期待できそうな業種のメンバーでクイズ大会を行うわけだ。
 月曜日(6月10日)は元宝塚トップスター選抜、水曜日(6月12日)は特撮ヒーロー選抜で、火曜日(6月11日)がプロレスラー選抜だった。なお、今週は木曜日と金曜日の放送がないので、週間チャンピオン大会は行われない。

 火曜日のプロレスラー選抜大会に出場したのは船木誠勝(50歳)、蝶野正洋(55歳)、前田日明(60歳)、渕正信(65歳)の4人。奇しくも、年齢が5歳刻みだ。解答者4人の中に1人でもプロレスラーが混じるとてんやわんやになるのに、4人全員がプロレスラーだと番組はどーなる!?
 司会は漫才コンビ・ますだおかだの岡田と、フジテレビの川野良子アナ。得点は『ノーベル』という単位で示され、基本的には1問正解すると10ノーベルを獲得する。

▼渕正信が『クイズ!脳ベルSHOW』でクイズ王&生涯の伴侶を獲得!?

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バラバラに見えて、実は根深い因縁のある4人

 4人が主に活躍した団体は、渕正信が全日本プロレス、蝶野正洋が新日本プロレス、前田日明がリングス、船木誠勝がパンクラス。この4人はバラバラに見えるが、実は因縁が深い。番組でも紹介されなかった4人の関係を見てみよう。

 4人のうち前田日明、蝶野正洋、船木誠勝の3人は、最初は新日本プロレスに入門した。このうち、蝶野は船木より5歳年上とはいえ、2人は同じ年に入門している。いわば同期だ。
 この2人が新日本に入門した1984年、前田日明は第一次UWFを設立。UWF崩壊後の前田は新日本プロレスにUターンしたが、その後の蝶野は海外遠征を行っている。蝶野が凱旋帰国した1988年、前田は『長州力・顔面蹴撃事件』により新日本を解雇、第二次UWFを設立した。つまり、前田と蝶野は新日本の先輩後輩でありながら、すれ違いの期間が長いのである。
 前田が興した第二次UWFに船木も参加。船木が格闘家としてブレイクするキッカケとなった。しかし、第二次UWFは分裂して前田はリングスを設立。船木はプロフェッショナルレスリング藤原組に所属したが、後にパンクラスを立ち上げた。

 4人の中で、渕正信だけは生粋の全日本プロレス育ちで、新日本プロレスに所属したことはない。しかし渕は、全日本出身者には珍しく、アメリカ修行時代にカール・ゴッチ道場を経験している。いわば渕は、新日本イズムを体験していたわけだ。もっともこれは、ゴッチに無理やり練習させられただけだったらしいが……。
 ジャイアント馬場の死後、2000年に全日本プロレスから選手が大量離脱し、三沢光晴を中心にプロレスリング・ノアが旗揚げ。その際にも渕は、川田利明と共に全日本プロレスに残った。
 所属レスラーが2人だけとなり、絶体絶命の全日本を救うべく渕は新日本プロレスのリングに登場。その際、対処したのが蝶野だった。「ここはテメェの上がるリングじゃねぇんだ、オラァ!」と叫んで帽子を投げ付けた蝶野に対し、「蝶野、忘れ物だ」と言って渕が帽子を投げ返すという名シーンが生まれた。その後、全日本プロレスのリングで渕は蝶野と対戦し、敗れている。

▼渕正信が新日本プロレスのリングに登場、蝶野正洋と睨み合う

 また、船木は総合格闘技を経てプロレスに復帰、2009年に全日本プロレスのリングに上がった。このときにはタッグ・マッチで蝶野と対戦している。2010年には正式に、全日本プロレスに入団した。
 なお、現在の船木が所属しているのは松竹芸能。つまり、ますおか岡田の後輩というわけだ(学年は同じ)。

▼新日本プロレス、UWF、パンクラス、全日本プロレス、松竹芸能と渡り歩いた船木誠勝

越中詩郎がVTR出演! 4人に怒りをブチまける!?

 いよいよクイズが始まるが、クイズ番組には程遠い無法状態。全てをいちいち書いていると10万字ぐらいになってしまう。そういうわけにもいかないので、少しだけかいつまんで書くことになるが、そこはお許しいただきたい。
 個性の強いプロレスラーが4人も集まったのだから、まともな番組進行になるわけがないのだ。クイズどころではなく爆笑の連続で、見逃した方は1年後ぐらいに再放送すると思われるので、そちらをご覧になることをお勧めする。

 渕正信が選んだのは『サイレントくちびる』という問題。この番組を熟知している渕は、『サイレントくちびる』には美人モデルがVTRに登場することを知っていたのだ。
 しかし今回は特別企画ということで、VTR出演したのは越中詩郎(60歳)。越中の姿を見た途端、怒って帰ろうとする65歳独身の渕。「美女が出てくると思ったのに、越中が出て来てガッカリだよ!」と渕は怒り心頭だ。
 ちなみに越中は『名曲ハミング』というクイズでもVTR出演。越中がハミングをして、その曲を当てるというクイズだが、あまりにも下手過ぎて前田日明が思わず「オンチやがな!」とツッコんだ。
 この『サイレントくちびる』と『名曲ハミング』で、越中は4人にメッセージを贈る。

「渕さん、全日本プロレスの合宿所では色々お世話になりまして、渕さんに掃除を手伝ってもらおうとすると『コノヤロー!』って怒られました。『掃除ぐらいテメェでやれ!!』って」
「アキラ! よくも蹴っ飛ばしてくれたなコノヤロー!! (前田のキックは)重い、痛いで胸は真っ赤っ赤でしたよ」
「船木、この前は沖縄で試合をしました。大阪に住んでいるそうなんで、大阪へ行ったらお好み焼きをご馳走してください」
「蝶野! 体育館を壊したのを覚えてるか? 試合後にお前の控室へ行って椅子を投げたら、体育館が壊れちゃったよな。あの後、坂口(征二)さんに『弁償しろ!』って怒られたよ。お前がよけたから壊れたんで、お前にも責任があるからな!」

 ますおか岡田が「あれって選手が弁償するんですか!? 団体が保険とかで支払ってくれるんじゃないんですか??」と訊くと、蝶野は「普通は選手が弁償します。人気のあるレスラーだったら会社が弁償してくれますよ。人気のないレスラー(越中のこと)は自腹ですよ」と悪態をついた。「やめなさい!」とツッコむますおか岡田。隣りの前田は大爆笑だ。

▼蝶野正洋のせいで体育館の修理代を弁償!? VTR出演した越中詩郎

プロレスに関するクイズが次々と出題!

『ダレの名刺』というクイズでは、鍋で『大』という文字を炊いていて、横には暑がっているシェフの絵が描かれていた。この名刺を持っている有名人は誰? という問題。
 蝶野はしきりにヒントを要求する。「プロレスラー? 正統派? 邪道??」と訊き、ますおか岡田は「それを言うと答えになります」と制した。答えは『大』を『煮た』『暑し』なので『大仁田厚』。船木以外の3人が正解した。
 ちなみに船木の答えは『大木金太郎』。「船木さん、蝶野さんの質問を聞いてました?」と、ますおか岡田が尋ねると「聞いてませんねえ」と船木が答える。「聞きなさいよ!」ますおか岡田が呆れた。

『名作CM』の問題では、1982年に放送されていた井関農機『コンバイン』のCMからの出題。このCMに出演していたのはジャンボ鶴田だった。
 CM最後のフレーズ『( ? )、( ? )、刈り取りました』で、( ? )の中に入る言葉は何? という問題。正解は『勝った、刈った、刈り取りました』だった。これは全員不正解。
 ジャンボの後輩だった渕はこのCMのロケに行ったそうだが、フレーズは全く憶えていないという。全日本プロレスに入門したとき、ジャンボとスパーリングをやって、ボコボコにされたとか。

『人気マンガ』のクイズでは『タイガーマスク』の正体は? という問題。さすがにこれは、全員が『伊達直人』と正解した。しかし、みんな『だてなおと』と平仮名で書いている。レスラーは漢字も書けないのか!?
「ミスター・ノーって知ってます?」と、ますおか岡田が訊けば、前田は「頭の真っ白いヤツ」、船木は「頭にボウリングの球を入れた……」と即答。さらに、ますおか岡田が「グレート・ゼブラは?」と訊くと、船木は「馬場さんですね」。船木はタイガーマスク愛読者だったようだ。

▼子供の頃からヒーロー物が大好きだった前田日明は、アニメ『タイガーマスク』も見ていた

最終コーナーで待っていた大どんでん返し! 優勝の行方は?

『一面スクープ』のクイズでは、2004年6月2日の東京スポーツの一面は、『小橋、あわや( ? )切断』という見出しだったが、( ? )に入る言葉は? という問題。小橋とはもちろん、小橋建太のことだ。
 小橋が北海道巡業で、生きたタラバガニ4kgをダンベル代わりにしたところ(何しとんねん)、カニが激怒。タラバガニは、小橋の何を切断しようとしたのか!?
 答えは『乳首』。蝶野と渕が、このクイズに正解した。蝶野は当時この記事を読んだそうで、そのとき「下らねぇな」と思ったんだとか。
 前田は「東スポの写真部に鈴木さんっていう、スポーツ大賞の写真を何度も撮っている人がいるんですよ。鈴木さんに『どうやって撮るんですか?』って訊いたら『前にいる奴はソイツのベルトを持って引きずり倒して、他の奴には裏拳を入れて写真を撮るんだよ』って言ってましたね」と、東スポの内幕を暴露した。いつもは暴露する東スポが、この日は暴露される側である。

▼若手時代の小橋建太にとって、高い壁となった渕正信

 最終コーナーを前に、順位は①渕正信100ノーベル②前田日明90ノーベル②蝶野正洋90ノーベル④船木誠勝70ノーベルと大混戦。
 そして最後のコーナー『クイズ!すごろく大逆転』を迎えた。クイズに正解するとサイコロを振って双六のマスを進め、ゴールすれば200ノーベルを獲得する。つまり、今までのクイズはほとんど関係ない。要するに、双六でゴールすれば優勝だ。

 クイズは進み、双六は終盤。トップにいるのが渕で、あと3マス以上だとゴールだが、この時点で痛恨の2回休み。2位の前田は、あと6マスでゴールまで迫っている。3位は船木、最下位の蝶野はゴールまで遙か遠いという状況だ。
 ここで、2位の前田は「チャイコフスキーのバレエ三大組曲、『眠れる森の美女』『くるみ割り人形』と、あと一つは何?」という問題で、見事に『白鳥の湖』と正解。ますおか岡田は「あの前田日明が、ピンポーン!『白鳥の湖』!」と驚いた。たしかにイメージには合わない。
 ここで前田がサイコロで6を出せばゴール、即ち優勝だが、出た目は惜しくも4。渕を抜いてトップに立ったが、そのマスに書かれていた指令は『場所チェンジ』。
 なんと、トップの前田と最下位の蝶野が入れ替わり、蝶野が一気にトップとなった。もっとも蝶野は、前田の顔が怖くて見れなくなったが。前田は正解して損したわけである。

 次の問題で蝶野が正解、サイコロで5を出して悠々ゴール。200ノーベルを獲得し、蝶野正洋がプロレスラー大会を制した。蝶野が最終コーナーで正解したのは2問だけ。まさしく運だけの、タナボタ式の優勝である。

▼プロレス界のクイズ王となった(?)蝶野正洋
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①蝶野正洋 270ノーベル
②前田日明 90ノーベル
③渕正信 80ノーベル
④船木誠勝 20ノーベル

 最終順位は、上記のような結果となった。優勝した蝶野は、あきたこまち5kgをゲット。
 優勝して、感想を求められた蝶野は「やりにくかったですね。この後、控室で何をされるかわからない」と恐怖を語った。
 トップを走りながらサイコロで負けた前田は「残念ですね」と笑顔で言ったが、ますおか岡田は「その笑顔がいちばん怖い!」と、誰もが思ったことを言う。
 船木は「(自分の)点数はダメですね」と見ればわかる当たり前の感想を述べ、渕は「(解答者に)色気があった方がいいよね。ゴツイ男ばっかりでさぁ」と、まだ女性に拘っていた。
 それにしても、爆笑の連続だった1時間。プロレスラー大会の企画、今後もありそうだ。

BSフジ『クイズ!脳ベルSHOW』公式サイトより


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