WWE『クラウン・ジュエル』開催決行!RAWではSロリンズ、Dジグラーが予選突破

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 さまざまな観点から要注目だった今回のRAW生中継が現地時間月曜夜の10月15日、ペンシルバニア州フィラデルフィアから配信された。なにが論点かと言うと、現地時間11月2日にサウジアラビアで開催される『クラウン・ジュエル』の中止が発表されるかも知れないという関心があったからだ。
 すでに本誌10月18日号で触れられているように、ワシントン・ポスト紙に寄稿する59歳のジャマル・カショギ記者が、行方不明になって二週間。サウジの現政権に反体制の記事を書いてきた伏線がある。アメリカ人ではないがトルコのイスタンブールにあるサウジアラビアの総領事館を訪れ、トルコ人の婚約者との結婚に必要な書類を受け取るハズが、尋問中に誤って亡くなってしまったというのが、トルコ警察が普段は治外法権の総領事館を捜査するとなって、サウジ側が公表した最新情報となる。
 その婚約者には「2時間経っても出てこなかったらトルコ警察に通報するように」と指示していたが、4時間経っても出てこなかったため、ようやく通報という経緯になった。

 すでに社会問題に発展しており、民主党議員がWWEにサウジアラビア大会開催中心を求めたというなら驚きはないが、地元コネティカット州の上院議員であるクリス・マーフィーまでもが中止を求めた辺りから、トランプ政権の中小企業庁長官という政権閣僚でもあるリンダ・マクマホンへのプレッシャーは無視できない。なにしろリンダは、かなりの期間は夫ビンスではなく、彼女がプロレス会社のCEOを務めており、選挙に立候補した際も、まさしく中堅企業(今は、もはや株価から逆算しても大企業だが・・・)の代表として成功させてきた経歴が謳われていたからだ。これで、WWEはいったんは、「事態を見守っている」との声明まで出している。無視するのが得意なWWEが、わざわざ公式文を出さざるを得なかったということだ。

 なにしろ、直接の殺害?関与が疑われている若干32歳の皇太子ムハンマド・ビン・サルマンこそが、プロレス誘致の責任者でもあり、すでに女人禁制だけでも批判があるサウジアラビアなのに、二度目もやるのかという批判がある。一方で、一説には今年だけで4500万ドルもの大金が振り込まれた観測すらあり、初回のサウジアラビア公演が『レッスルマニア』よりも豪華だったのは周知のこと。営利企業にして、株主優先のニューヨーク証券取引所に上場された公開会社としては、大金が転がり込む機会を逃すのかという懸念もあろう。但し、新生UFCの親会社であるエンデンバー&ウィリアム・モリス連合は、サウジからの総額4億ドルの投資話を断ったとのことだ。

 結果、本日のRAWだったが、『クラウン・ジュエルズ』予選カード含めて予定通りに遂行。但し、開催場所がサウジアラビアである点は、テロップも含めて実況中に一度も触れられないという異常事態になった。すでにバックアップ・プランとして、そもそもが英国遠征からサウジに向かう予定だったこともあり、そのまま英国開催にシフトする代替案も練られているらしいが、どうなることやら。本誌続報を待て・・・

 本日のRAWだが、相変わらずセス・ロリンズがイイお仕事をしていた他、ドリュー・マッキンタイアの技の正確さが光る。またサーシャ・バンクスやタミーナが久しぶりにリング復帰するなど、盛りだくさんの内容となっていた。

◆ロンダ、裏切りのベラ・ツインズと舌戦

 先週のRAWでベラ・ツインズに裏切りの襲撃を受け、さらにPPV『エボリューション』でニッキー・ベラとのRAW女子王座戦が決定したロンダ・ラウジーが登場した。襲撃の説明を求めるロンダに応えて、意地悪度を増したベラ・ツインズがステージに現れると、「これはショービジネスでフレンドシップじゃないのよ。あなたは王座に挑戦する価値、ましてや王者になる価値はない。私たちの功績がなければ、あなたの持つRAW女子王座も存在しないんだから」とロンダに罵声を浴びせた。これにロンダは「ベラ・ツインズは彼(エースのジョン・シナ)が偉いからやってこれたんでしょ。私は人生を賭けて柔道、ストライクフォース、UFCのドアを蹴り破ってきた。そして今はWWEよ。ニッキーはジョン・シナの寝室のドアを蹴り破っただけでしょ」と挑発して舌戦を展開。「追い出された!」とまで内情を暴露した。
 一発触発となる両者だったが、ベラ・ツインズはセキュリティを引き連れてロンダと対峙すると、ロンダはセキュリティ2人を投げ飛ばし、さらにスタンディング・リバース・肩車も繰り出して蹴散らすも、ベラ・ツインズはその隙に姿を消した。

 ロンダvs.ニッキーのRAW女子王座戦が行なわれるPPV『エボリューション』は日本時間10月29日にWWEネットワーク(日本語実況版有り)で生配信される。

◆破壊兄弟、復活のDXに「安らかに眠れR.I.P.」

 PPV『クラウン・ジュエル』でDXとの対戦が決定したジ・アンダーテイカーとケインの破壊兄弟がRAWの映像に登場。メルボルンでの『スーパーショーダウン』に続いて先週のRAWで復活したDXから「準備はいいか?」と挑発を受けた破壊兄弟は、ショーン・マイケルズに対して「あいつは恐れている。2度と立ち上がれないようにしてやる」と宣告し、さらにアンダーテイカーは「クラウン・ジュエルで終わらしてやる」とトリプルHとの抗争に触れると、最後に3ワードで「安らかに眠れ(R.I.P.レスト・イン・ピース)」と決め台詞を放ってDXを挑発した。

DX対破壊兄弟が行なわれるPPV『クラウン・ジュエル』は日本時間11月3日にWWEネットワーク(日本語実況版有り)で生配信される。

◆ロリンズ、ジグラーが『WWEワールドカップ』出場権獲得
 PPV『クラウン・ジュエル』で行われる「WWEワールドカップ」の予選としてセス・ロリンズvs.ドリュー・マッキンタイアとディーン・アンブローズvs.ドルフ・ジグラーの2試合が行われた。

 ロリンズ対マッキンタイア戦ではジグラーが試合に介入してロリンズを場外に落とすと、アンブローズが突如救援に現れてジグラーを襲撃。さらに場外でロリンズがカーブストンプでマッキンタイアを沈めると、マッキンタイアはそのまま場外カウントアウト。ロリンズが勝利して「WWEワールドカップ」出場を決めた。
 一方、アンブローズ対ジグラー戦ではマッキンタイアが試合に介入すると、ロリンズも登場してアンブローズを救援。場外で乱闘するマッキンタイアとロリンズにアンブローズがコーナートップからダイブを決めてリングに戻ると、待ち構えていたジグラーがスーパーキックを炸裂。アンブローズはピンフォールを奪われて、ジグラーが「WWEワールドカップ」出場権を獲得した。

 PPV『クラウン・ジュエル』で行われる「WWEワールドカップ」にはこれでジョン・シナ、カート・アングル、ジェフ・ハーディ、ランディ・オートンに続き、ロリンズ、ジグラーの6人の出場が決定。さらに明日のスマックダウンでは「WWEワールドカップ」予選として中邑真輔vs.レイ・ミステリオ戦も決定している。

◆アスカ、PPV『エボリューション』でバトルロイヤル参戦決定

 女子だけのPPV『エボリューション』でアスカがバトルロイヤル戦に参戦することが決定した。バトルロイヤルに参戦するのは、アスカ、ナオミ、カーメラ、ナイア・ジャックス、エンバー・ムーン、アリシア・フォックス、デイナ・ブルック、ラナ、ビリー・ケイ、ペイトン・ロイス、マンディ・ローズ、ソーニャ・デビル、タミーナ、そして、明日のスマックダウン1000回記念大会に登場予定のトリー・ウィルソンも参戦。バトルロイヤル勝者は女子王座挑戦権を獲得することができる。

■ WWE RAW
日時:2018年10月15日(現地時間)
会場:アメリカ・ペンシルバニア州フィラデルフィア ウェルズ・ファーゴ・センター

<6人タッグマッチ>
○ザ・シールド
 ピンフォール
●ストローマン&ジグラー&マッキンタイア

<シングルマッチ>
○ナタリア
 反則
●ルビー・ライオット

<1対2ハンデ戦>
○AOP
 ピンフォール
●コンキスタドール

<シングルマッチ>
○ボビー・ラシュリー
 ピンフォール
●タイラー・ブリーズ

<シングルマッチ>
○フィン・ベイラー
 ピンフォール
●ジンダー・マハル

<W杯トーナメント予選>
○ドルフ・ジグラー
 ピンフォール
●ディーン・アンブローズ

<タッグマッチ>
○ナイア・ジャックス、エンバー・ムーン
 ピンフォール
●デイナ・ブルック、ミーナ

<W杯トーナメント予選>
○セス・ロリンズ
 ピンフォール
●ドリュー・マッキンタイア


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