何度かお伝えしてきたCMLLヘビー級チャンピオン=ドス・カラスJRのWWE入団であるが、コネチカット州本部から契約書は送られてきたものの土壇場でサインをしなかったことが判明した。
話を整理する前に、メキシコのTV状況を紹介する必要がある。TVアズテカがスマックダウンを中継、ユニビジョンがRAWを放送と、AAAと75年の歴史を誇る老舗のCMLLが競合するマット界に、WWEが割りこんできたからだ。
WWEがドス・カラスJRを狙ったのは、16と17日がモンテレイ、18日がロス・パラシオ、19日がメキシコ市内と続くWWEツアーが組まれていたから。もともとメキシコは前売り券をなかなか買わない国民性があるとはいえ、チケットの売り上げもかんばしくなく、現役王者であるドスの獲得と参戦は急務であった事情もある。
ドス自身の言い分によると、WWEからの3度目のオファーもまた、まだCMLLを裏切るに足る金額ではなかったという。また、あくまで3年契約で、WWEの序列のなかでは新人扱いになることも、プライドの高いドスには納得がいかなかったようだ。
スターとしてのカリスマ性が見込めるかどうかについて、WWEは最終的には素顔がハンサムなドスならマスクを脱ぐほうがファンの共感を得られるという、ミステリオのWCW時代に議論された項目も提案されたようであるが、「すでにメヒコではスターなのに、WWEに行ってルーキー扱いでは、他の仲間たちに示しがつかない」という思いもあったという。
ただし、ドスのCMLLとの契約延長は3ヵ月に過ぎないとの情報もある。10月10日のアレナメヒコ大会で勝たせてもらったドスだが、CMLLとも扱いをめぐってモメていたのは広く知られている通り。どうやらWWEの国内テレビ中継の反響を見極めているのではなかろうか。続報を待て。