廣木道心が繁包導結(はんほうどうけつ)マニュアル公開
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水道橋名物「チケット&トラベルT−1」は閉店するのか?
6月27日「T-1グランプリ」にて、プロモーターのみならずプロレスラーとしてもデビューを果たした二見社長が、独演会ですべての真相をぶちまける。
6月27日新宿FACE大会
【概要】
イベント名:ガチトーク “フタ・ミ塾”vol.5 “衝撃の告白”T−1二見社長独宴会
日時:7月23日(月)開場:19:40 開演:20:00
場所:闘道館(JR水道橋駅西口下車徒歩3分)東京都千代田区三崎町2−9−9ナガヤビル5階
TEL:03−3512−2080 (闘道館)
【チケット料金表】
会員:前売り券 1839円 当日券 2000円
※ 随時会員を募集中!
第1回&第2回「T-1GP」DVD購入者の方に、会員証を発行しています。
一般:前売り券 2300円 当日券 2500円
チケット販売所:チケット&トラベルT−1(東京・水道橋)
主催:チケット&トラベルT−1 03-5275-2778
内容: 22時30分までフルスロットル全開のガチトークバトルを決行!1995年8月23日に「チケット&トラベルT−1」を開業してから12年…。ところが、6月27日の「T-1グランプリ」で突然、プロレスラーとして衝撃デビューを果たし、浦井百合から勝利を飾ったにも関わらず、“水道橋名物”の「チケット&トラベルT−1」の閉店を発表した二見社長。この衝撃の結末の真相は…!?最後の(?)“フタ・ミ塾”の可能性も含めて、今回はゲストを呼ばずにお客さんとディスカッションを繰り広げて、一連の騒動のケジメを付ける意向。さらに、閉店問題の結論も含めてきちんとお客さんに発表する予定。また“フタ・ミ塾”恒例の上映会は、6月5日の「T-1スペシャル」新木場大会と6月27日の「T-1グランプリ」新宿大会の二本立て。“フタ・ミ塾”の主役はお客さん。お客さんあってのトークバトルに、二見社長のリアクションは…!?
ゲスト&司会:T-1二見社長
主役:お客様
先日(2007・7・7)
「活字プロレス」文化の歴史において重要な位置を占めるであろう岡村正史氏主宰の(第29回)プロレス文化研究会に行ってきた。
テーマはプロレスとメディア。私自身、感心をもった題目なので出向くことにしたのだ。
場所は京都三条のル・グラン・ジャズという、年代物のジャズミュージシャンの写真が貼られたしゃれた小さな空間である。私自身年代物の音楽がプロレス、格闘技同様に好きなので心地よいひとときを満喫しえたと思う。
全盛期のアントニオ猪木のまばゆいばかりの輝きを知る者であるならば、アドリブで構成される自由空間のジャズという音楽と”燃える闘魂”との相性のよさはなんとなくわかっていただけるであろう。
一般紙における力道山プロレスの取り上げられ方は、社会におけるプロレスの位置付けを知るには興味深いテーマだ。プロレス文化研究会の発表は、このサークルならではの学術的なスタイルである。毎日、読売、朝日の主要3紙の相関性、年代(1954−1963)ごとに取り上げられた数々のデータ。それは試合記事、結果のみ、団体関連、その他の記事と細部にわたり調べ上げられている。これはとても頭が下がる思いである。
偉大なる力道山の、手を変え品を変えのリングのパフォーマーとしての考察もうなずけるものがあった。
次の発表は、梅津顕一郎氏の「80年代以降サブカルチャーとして再生したプロレス、その後の展開、衰退について」〜村松友視本以降の流れが紹介されており、現代の萌えの時代といわれるまでが考察されているがこちらも興味深いテーマである。
活字プロレス、大衆感情操作、テレビ放映、多団体時代満開、その後行き着くところまで行き着きプロとアマの境界線が暖味になった現在、それにネット時代さらにはシュート活字についても氏の独自の見解が述べられ勉強になった。
話は前後することになるが、ここ数年の試合ではもっとも知的興奮に満ち溢れた99年1・4東京ドームの橋本真也対小川直也戦の映像が流される。
シュート試合であろうが擬似格闘技であろうがそんなことは問題ではないだろう。
この試合は試合前、試合の結末、当時の政治的状況はいろいろな邪推解釈がなされ物議をかもし出したが・・・。ただ言えるのは、プロレスにおける何か大事なものが破壊されたので一つの大きな事件となってしまったのだと私は考える。
謎は謎のままにしておいたほうがいいことはある。・・・というのが個人的見解だ。
今、プロレスは浅く、軽くなってしまったような嫌いがあるが、プロレスを奥深く語り合い、考察、研究するサークルが残っている。そして生涯プロレスと向き合うことと心に秘めたるものがある者なら、新たな感動に出会えるかも知れない。例えば一枚の年代物のプロレスラーやプロレス試合の写真が、自らに何かを語りかけてくるような思いを感じるのならば、ぜひプロレス文化研究会というすばらしい空間に行ってみることをお勧めしたい。
レトロ狂時代
* 次回予定が決まればファイト!ミルホンネットにて告知いたします。
全日本プロレスの至宝といえば、インターヘビー・PWFヘビー・UNヘビーの3本のベルトから成る三冠ヘビー級王座。ジャンボ鶴田が統一して以来、ハンセン、ゴディ、ウィリアムス、三沢、川田、小橋、武藤、小島、そして鈴木みのると蒼々たる名レスラーの腰に巻かれてきた(「世界一性格の悪い男」鈴木みのるは振り回しているだけだが)
3本の中でももっとも由緒あるのはもちろん、かつてルー・テーズ(初代)、力道山(2代目)もチャンピオンだったインター王座。では、現在あるインター王座のベルトを最初に巻いたのは?

まさにプロレス温故知新。8月の両国大会で3本のベルトを1本にまとめることを提唱している武藤敬司社長、「ぜひ正しい歴史認識を持っていただきたい」(井上譲二)。
詳しくは「週刊マット界舞台裏7月20日号」の本文をお読み下さい。
インター王座のベルトを最初に巻いたのは馬場だ
HERO'SがPRIDEの機能停止を受けて攻勢をかける。なんと、最後の大物・船木誠勝がついに現場復帰オファーを受諾したという。船木は、存在がすでに都市伝説になりつつある教祖プロレスラー格闘家だ。柴田勝頼の師匠でもある。
都市伝説と言えば、ベストセラー作家・山口敏太郎が新作「格闘技・スポーツ都市伝説」を発表した。アントニオ猪木から植草盛平まで、数々の怪奇エピソードが網羅されたお得な資料集でもある。
圧巻なのは、これまで発売されたスポーツ選手関連のお弁当リストだ。これを読めば、弁当販売がいかに呪われていたかが明かされている。

船木と言えば、「コロシアム2000」の舞台でヒクソン・グレイシーに絞め落とされ引退した。そのヒクソンは、1982年に放送された「川口浩探検隊」の原始人バーゴン編に出演したのであろうか? 山口敏太郎の「格闘技・スポーツ都市伝説」は、爆笑と衝撃のネタが満載なのだ。
7月7日、七夕の週末にパリにおいてJapan Expoが開催された。
このイベントは毎年恒例で、ヨーロッパの「アニメ」「マンガ」オタクの間では年に一度のビッグイベントである。そこにここ数年、日本を代表する文化の一つとして「プロレス」も参加、去年に続いてのNOAH勢(今年は力皇、太田)、DRAGONS GATEのCIMA、ドランゴンキッド、息吹からは吉田選手らと、日本国内で考えてもかなりの豪華なラインナップとなった。
3日間で何と8万人を集めたこのイベント、XJAPANのYOSHIKIなどの交流会もあり、かなりの大成功を収めた。このイベントのために呼ばれた女子勢と異なり、Dragons GateやNoahのレスラー達は前々日アイルランド、前日はドイツで興行があり、移動移動でかなりハードな日程だったようだ。
それでも、さすがは日本が世界に誇るトップレスラー達、移動の疲れも見せず、最高のファイトでプロレス以外の「オタク」達の度肝を抜いていた。”フランス人レスラー”のいないフランスでのプロレス(フランスヘビー級王座はイギリス人のダグウイリアムス)、これを機に、フランスでの「プロレス」熱も高まるかもしれない。
公式サイト
来年も予定されているこのイベント、次回はアニメ、マンガ(どちらもこの言葉がヨーロッパでは浸透している。オタクも同様)に続いて「プロレス」オタク達の一大イベントになるかもしれない。
在英 冬塚 天一郎
7月5日は元大英帝国ヘビー級王者にして英国プロレスOB界筆頭幹事のウェイン・ブリッジの誕生日。
お祝いに集まった常連客でごった返す彼のパブ「The Bridges」で話を聞いた。
■誕生日
お祝いありがとう。トシは・・・教えない(笑)。見た目よりもいってるよ。インターネットでチェックしても無駄。そこに出てるのは本当の生年じゃないよ。僕の正しい年齢を知ってるのはピート(ロバーツ)くらいじゃないかなあ(笑)

■前田日明
オヤジになったって!?知らなかった。何で教えてくれないんだ。いやあ、彼が父親ねえ(感慨深げに)・・・。妻のアドレス知ってる筈だから、写真を送ってくれるように伝えてくれないか。お祝いは何がいいかともね。
■故ダニー・リンチ
彼は何年も前から体を悪くしてたんだけど、OB会には必ず来てくれていた。葬儀では僕が弔辞を読んだよ。奥さんによると、入院中のある晩、世話を終えて帰宅しようとしたらダニーが「ダーリン、抱きしめてくれないか」と頼んだんだ。「何馬鹿なこといってんのよ」と笑った彼女に「いや、おれはもう行っちゃうからさ」って答えたそうだよ。奥さんが帰ったのが10時。彼は翌朝2時に息を引き取ったんだ。来月のOB会では、彼のポスターを一杯貼るからな。(リンチ氏は5月29日に逝去)
■親友カール・ゴッチ
一緒に新日に行った時、家庭の事情で週払いのギャラをその都度送金してたんだ。当時一週●000ドルだったよ。そんなわけで巡業中はスッカラカン。ある日カールの部屋に呼ばれて「お前、一体何にカネを使ったんだ」と叱られてね。正直に話したら「そうか、俺が悪かった」。で、次の週には600ドル、翌々週にはさらに600ドル上乗せされていたよ。カールが猪木に掛け合ってくれたんだな。本当にいい男だよ。猪木にも感謝している。凄くよくしてくれたからね。
■セコい奴
新日が送ってくれる航空券はファーストだった。ところがイギリスの某レスラーが、名前は訊くなよ(笑)、そのチケットをエコノミーに変更して差額をポケットに入れててね、それが猪木にバレたんだ。その後、僕とピート以外の英国のレスラーはエコノミーという時期が続いたんだって。ヒドい話だろ?誰かって?う〜ん、OB会に出席すると思うから、自分で探してみなさい(笑)。
■英国マット界
若い子たちが薄給で頑張ってるのは知ってるよ。でもねえ・・・。この前もある団体に顔を出したら「試合中(現役)レスラーと絡んでくれないか」とか「レジェンド・マッチを組みたいんだけど」とか持ちかけられてね。即座に断ったよ。この年齢の人間にレスリングをさせようという発想は馬鹿げてる。それよりも、こんな老いぼれより貧弱な体のレスラーばかりという状況を変えることが先決だろ?
■再び誕生日、そして禁煙法
誕生日だからって、特別何もしないよ。今夜だってこうしてここに居るじゃないか。一昨日NYから帰ったばかりだけど、その日からジムとパブに足を運んでるよ。ウチは365日開けてます。クリスマスも、正月も。こんな田舎だからね、ここが閉まると皆することがなくなるんだよ。
禁煙法?全く影響なし。ウチは僕を始め、従業員誰も吸わないからね。吸うお客さんも少ないし、吸いたい人はほら、こんな雨でも外で吸ってるだろ?パブは元々、酒を飲みながら無駄話をする場所。煙草が吸えないから来なくなる人なんていないよ。(イングランドでは7月1日より禁煙法導入)
前特派員 U.I.
ウルティモ・ドラゴンが後楽園ホールでレスラー生活20年を振り返り、次々とゆかりのあるゲストをリングに招き入れた。すでに「20周年記念興行」としては、アレナメヒコの大会場に高山善廣、鈴木みのる、ミル・マスカラスらを招聘して満員にしているが、聖地・後楽園では原点回帰をテーマに、20年前にメキシコのイダルゴ州パチューカでデビューした際の対戦相手、地獄の伝道師(ロス・ミッショネロス・デ・ムエルテ)を指名。幸いネグロ・ナバーロは現役、エル・テハノは息子が登場してタッグを結成、ウルティモの方はノアで活躍する佐野巧真を呼び寄せた。
かのデビュー戦は6人タッグである。新日本プロレスにいた畑浩和さんが観客の前に姿を現し、チーム名テルシア・オリエンタルがおそろいの衣装で記念撮影に収まるなど、粋な計らいに古くからのマニアは涙した。また、先日『HEROS’S』で現役復帰を宣言したばかりの船木誠勝も、新日道場時代の仲間として花束を渡すなど、船木自身の言葉を借りれば「タイム・マシーンに乗ったような」夢の光景が実現している。さらには、レフェリーは鬼軍曹・山本小鉄が勤めた。試合はウルティモが、大先輩ナバーロをきっちりアサイDDTで仕留めて有終の美を飾っている。

エル・ブレイザー&フジタ“Jr”ハヤト組が、南野たけし&野橋真実組に勝利したタッグ試合から大会がスタート。同じくデビュー20周年になる下田美馬は、メキシコから一時帰国して第二試合で堀田祐美子と対戦。レフェリーの松山勘十郎のセクハラ攻撃もあって、このカードは休憩明けにも急遽「3WAY」戦として再戦している。下田はムチムチの肉体をピンクのコスチュームに包み、エロさ全開の大サービスでファンを大喜びさせていた。

第4試合は闘龍門カナダの提供ということで、イタリア系選手によるお笑いありのタッグ試合となった。ここで観客の注目を浴びたのは、およそレスラーとは思えないガリガリ体型にメガネをかけ、「ハリー・ポッター」のサントラ曲で入場してきたジョー・ポッター君だ。ホウキにまたがったまま、コーナーポストから場外に飛んだのには驚いた。プロレスの職人を称える表現に、「ホウキを相手にでも試合できる」というのがあるが、本当にホウキをリングに持ち込んだのみならず、スティックを使って対戦相手に魔法をかけるなど、新鮮な試合展開で場内をわかしている。
ウルティモにゆかりのある選手ということでは、獣神サンダー・ライガーも外せない。C.T.U.の親分はミラノコレクションA.T.と、191cmの岡田かずちかを従え、TAJIRI、折原昌夫、大原はじめ組と対戦した。ハッスル・ポーズにこだわるTAJIRIに対し、新日ジュニアらしい激しいぶつかりで意地を見せたのがライガーだ。フィニッシュは大原が、必殺ドゥイットナウを岡田に極めている。試合後、キャリア4年ながらまだ19歳の岡田の闘龍門卒業が、校長ウルティモより告げられ、新日本プロレス入りが発表されている。
セミ・ファイナルには、5月に同じ後楽園ホールで永田裕志とのIWGP戦に玉砕した越中詩郎が、メキシコ修行時代のリングネーム=サムライ・シローとして羽織、袴姿で入場。闘龍門の田島久丸に貫禄勝ちしていた。

メインイベントの選手紹介には、究極龍の膨大なタイトル歴が長々と読み上げられたが、一番最後はIWGPジュニア・ヘビー級王座に二度就いたことであった。ウルティモは試合後、「味のあるレスラーになりたい」と、世界中を旅することを宣言。ただし現在、メキシコ・マットが好景気ということもあり、40歳になった浅井嘉浩は日本での試合から当面は遠ざかるという。「笑点」の収録で後楽園ホールが仕事場の三遊亭楽太郎師匠は、「日本でこれだけの人をだましてきた。これからも、みんなにマジックをかけていくと思う」と挨拶していた。控え室の浅井は、「先輩たちが来てくれて嬉しい」と、誰もがハッピーな気分になった大会を締めくくっている。
24日夜、フジテレビの「ガスペ!」特番枠で放送された「マジック革命!セロ」が、プロレス関係者の間でその恥ずかしい内容故に物議を醸し出している。この回は、ロサンジェルスで行われた”マジシャン・オブ・ザ・イヤー”をセロが受賞した記念というテーマのもと、ハリウッドでのロケを含む構成で2時間番組が制作された。ところが、カット割りの編集権はマジシャン側の担当であるにもかかわらず初歩的なミスを連発、マニアのファンを失望させてしまった。セロは売れっ子になった途端、テープの提出締め切りに間に合わなかったためなのか、細部のコマ切り編集が雑になり、バレバレのネタが続出していたのだ。
セロのマジックは、10数年ほど前に全米を震撼させたデビット・ブレインのストリート・マジックをベースにしているが、聴衆はすべてやらせである。この回も、高級自動車展覧会やテラスのあるカフェ・レストランを背景に、明らかなさくら客の前でガラス貫通芸を披露していた。しかし、レストラン自体がセット丸出しで、女性の驚きの表情が生かされていない。自動車の展覧会場だと視聴者に思わせておいて、別の場所で撮影したトランプのカードが車の窓を貫通するスポットは、あまりにもさくら客が自動車ファンとかけ離れていて、フジテレビの企画意図が疑われる始末であった。
テレビ東京が最初に「セロ」の企画を買ったデビュー作での斬新さと衝撃に比べれば、予算が10倍になったフジテレビの、制作陣の発想の貧困さはどうだろう。小学生の姉妹とその家族を使い、これから行われることがすべてスケッチ・ブックにあらかじめ描かれているとするイリュージョンでは、やらせ家族とリハーサルをやり過ぎたためか、途中で台詞を忘れた姉妹のせいで、100%ハイスポットであることが簡単にわかってしまう。おまけに2時間の番組中、いわゆる新ネタは皆無で、同業者からネタを買う側になってしまったセロなのだ。
食物を使うネタのしょぼさが度々指摘されてきたにもかかわらず、ギャル曽根とのラーメン大食い競争では、情けない映像編集ばかりが目立ってしまい興ざめであった。また、香取慎吾をダシに使い、スイカから種を消すという臭い芝居には唖然とした。夏の風物のイメージ・トレーニングから、いわばフィニッシュ(種なしスイカ使用)だけ決めてスタジオ収録したものの、起承転結のストーリー構成が練られてなかったため、視聴者に展開を読まれてしまう。フジテレビが制作資金を捻出した映画『西遊記』公開とのタイアップとはいえ、「モンキー・マジック」はスペル・デルフィンのアステカ式ジャーマンのタイミングとスピードだけで十分なのであった。
今回の放送がプロレス関係者の話題になったのは、22日に福島市で行われた『プリンセス天功スーパーイリュージョン 2007サマーツアー』にて、天功が箱抜けエスケープ・イリュージョンに失敗、病院送りとなったからである。アクシデントは業界用語の「ストレッチャー・ジョブ」ではなく、マジに「山いっちゃた」わけであるが、その報道内容には大笑いだ。種を知っている者なら、「あと1センチで右目に剣が突き刺さる状態だった」という主催者発表は200%嘘であるとわかるからだ。
新聞報道を読んで、どの部分がマジで、どれがエスケープの仕組みを一般人向けにカムフラージュするためのアングルか、ブッカー経験者ならお見通しであろう。火曜日のプロレス関係者間の電話内容は、マジック・エンターテインメントのプレゼンテーションと、プロレス表現法の相関である。プリンセス天功からセロ新作のしょぼさまで、魔法使いたちによる「錯覚の芸術論」に会話が終始したのであった。
7月7日の例会レポートでお伝えしたように、関西を基盤とする「プロレス文化研究会」は、この愛すべきジャンルを学究対象として長い歴史を誇るユニークなサークルである。第29回に関しては、筆者を含めて二次会などでもレトロマニアが集結していた印象があった。そこで私事で恐縮ながら、レトロ・ビデオ「ストロングプロレスの巨人たち」(全10巻)が東映ビデオ株式会社から発売された際の随想を記してみたい。
あれは1984年当時であったか、当時まだビデオデッキは高価な商品であった。DVDが主流となった今、LDとともにビデオテープは過去の遺物になった感がある。この作品は1本9800円、各編収録は1〜5試合、35分〜53分しかない。それでも、厚紙ケース仕様のビデオテープを借金してでも購入した全国のプロレスマニアは、かなりの割合でおられたかと思う。初めての「レトロ・タイトル」だったからだ。

パッケージにある、体を鍛え上げたレスラーが膝を曲げてしゃがんで右腕でバーベルをあげている小さいイラストは素晴らしい。各巻の試合が流れる前の、アップテンポのテーマ曲もまた耳に残っている。収録試合についても貴重なものばかりだ。1961年6月30日、シカゴ・コミスキーパークでの、記録的なすさまじい大観衆を集めたNWA世界ヘビー級王者交代劇パット・オコーナー対バディ・ロジャース戦は、活字でしか知らなかった伝説をついに見たという満足感があった。
この時代に最高の遺恨試合だったフリッツ・フォン・エリック対ホイッパー・ビリー・ワトソン戦の映像(同年1月21日)も残されている。レフェリーは元プロボクシング、ヘビー級世界チャンピオンのロッキー・マルシアノだ。当時から、外部の大物をレフェリーに迎えるギミックは遂行されていたのである。ホイッパー・ビリー・ワトソンと言えば、ロックの王者エルビス・プレスリーが若き日のカナダ・トロント公演バックステージで、紳士然としたワトソンと記念写真を撮ったことが知られている。ミルホンネット発売のTOSHI倉森氏による『カリフラワーレスラーの誇り』という写真集には、エルビスがプロレスリングのファンであることに触れられており、かの写真はこちらにも収録されている。対するエリックのセコンドは、のちのNWA世界王者ジン・キニスキーだった。
1954年9月30日の黄金カードは、アントニオ・ロッカ対ハンス・シュミット戦だ。レフェリーは、これまた元プロボクシング世界ヘビー級チャンピオンのジョー・ルイスである。1963年5月30日のNWA世界ヘビー級タイトル戦ルー・テーズ対アントニオ・ロッカ戦をはじめとして、選手リストは「貴重」というにはもったいない豪華な陣容のビデオだ。未来日の強豪ドン・イーグル、ベアキャット・ライト、フレッド・アトキンス、ムース・ショーラック、素顔の頃のザ・デストロイヤー=ディック・ベイヤー、未来日の強豪ユーコン・エリック、クラッシャー・レジー・リソワスキー、正当派時代のフレッド・ブラッシーに悪役専科のミスターモト、さらには兄ビルと同様シューター!ダン・ミラーまで映っている。ちなみにもう一人の兄弟ビッグ・エド
・ミラーに関してはギミック用の兄弟であり、大物フリッツ・フォン・エリックに対して大善戦している試合が収録されている。
キラー・コワルスキーは、のちに道場師範としてHHHを鍛え上げた。その他おなじみのボボ・ブラジル、スカイ・ハイ・リー、エドワード・カーペンティア、バーン・ガニア、ウィルバー・スナイダー、デューク・ケオムカ、ショーマン派の元祖ゴージャス・ジョージ、ザ・シーク、未来日の超大物バロン・ミッシェル・レオーネなど、そうそうたる面子の伝説的なファイトを観れたのは本当に感激であった。特に、テレビ・プロレスの元祖であるゴージャス・ジョージのパフォーマンスは何度繰り返し観たことか!
現在は、とうの昔に海外版のレトロプロレスのVHSテープまで入手可能になった。例えば東映ビデオ版のオコーナー対ロジャース戦はところどころカットしてあり、試合後のロジャースのインタビューも収録されていないが、海外版にはノーカットで収録されている発見もあった。また、開局10年になるファイティングTVサムライの出現によって、映像の価値に限っては薄れた感もある。しかしながら、レトロプロレスの映像がキチンとした形で観れると待ちに待って購入して、即ビデオテープを再生して食い入る様に観た最初の感動に勝るものはない。それはかつて、テレビの音楽公演の番組を(旧式の)テレコで録音しては擦り切れるくらい聴いたということと同等のものだと思う。
筆者にとって、厚紙ケース仕様の10本のテープは今をもってレトロプロレスマニアの証として、手放すことはありえないほど大事なものなのだ。唯一、店頭に置いていたチラシによって発売を知ったわけであるが、そのチラシを紛失してしまったのが至極残念でならない。
プロレス文化研究会の二次会の席では、隣に座った方から「ストロングプロレスの巨人たち」の映像を見たとの話題が出た。普段はなかなか話すことの出来ないレトロプロレスの話が思う存分出来て思わずうれしくなった。このサークルにはレトロ愛好家が集結しているようで、同好の士にはお勧めの集いなのだ。
最後に筆者がレトロプロレスに特に魅せられた理由は、アニメや漫画のタイガーマスクの影響に加え、月刊ゴングで見た往年の名レスラーの写真に響くものがあったからである。自分の理想のレスラー像は入場シーン、そしてリングに立っただけで絵になる千両役者的な存在、かつ往年のジャズ・ミュージシャンのように、背広にネクタイ姿がピシっと決まった、ただずまいのあるレスラーです。
レトロ狂時代
ご好評いただいています元週刊ファイト編集長・井上譲二の「週刊マット界舞台裏」。
これまで毎週金曜日に発行して参りましたが、マット界がもっとも激動する週末の動きを専門誌よりも1日でも早く速報するため、8月より毎週火曜日に発行することとなりました。
新日本プロレス・夏の本場所「G�汽�ライマックス」、プロレスリングNOAH恒例の武道館大会、さらにはK-1、HERO’S、そしてアントニオ猪木がまたぞろ世間を騒がしてくれるIGFと、マット界はこの夏も話題に事欠きません。
火曜日発行の第1弾は7月31日発行の8月7日号。どうぞお楽しみに!
追伸)今週金曜日7月27日に発行される「週刊マット界舞台裏」8月3日号もお忘れなく!

さる7月28日、アメリカ・フロリダ州タンパにて「プロレスの神様」カール・ゴッチさんが大動脈瘤破裂のため亡くなりました。82歳でした。
カッコいいプロレス技ナンバーワンの「原爆固め」(ジャーマン・スープレックス・ホールド)の考案者にして、新日本プロレス最強論のバックボーンとなった存在。「ショーマン派」全盛のアメリカマット界に背を向けた伝説のレスラーで、日本マット界に「ストロングスタイル」を導入したのもゴッチさんだったといって過言ではないでしょう。(副作用として「練習する新日レスラーは、身体が大きいだけの全日レスラーより絶対的に強い」という誤ったイリュージョンももたらしましたが)。ゴッチさんがいなければ、猪木の異種格闘技戦も、前田のUWFも、後に世界中で大ブームとなるPRIDEを筆頭とする総合格闘技も生まれなかったといって構わないのではないでしょうか。
金曜日から火曜日に発売日が移動した井上譲二の「週刊マット界舞台裏」、今週は「追悼!カール・ゴッチ」大特集。知られざるエピソードはもちろん、秘蔵写真も満載。ぜひお読み下さい。