[週刊ファイト07月09日]期間 [ファイトクラブ]公開中
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▼ジョン・シナが新境地を開拓! Netflix映画『Little Brother』で証明した底力
Mike Lano通信員提供 編集部編
・Jシナとエリック・アンドレが化学反応!笑いと人間ドラマを融合させた話題作
・製作の経緯と興収-「シナを取れれば作る」というNetflixの決断
・宣伝活動でも全力投球! 女装まで披露したJシナのエンターテイナー魂
・配信開始後に好意的な声が多数 「シナのコメディセンスは本物」の評価が定着
・ジョン・シナの俳優人生を振り返ると、その進化には驚かされる
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Jシナとエリック・アンドレが化学反応!笑いと人間ドラマを融合させた話題作

WWE史上屈指のスーパースターとして世界中にその名を知られるジョン・シナが、2026年6月よりNetflixで配信開始となった新作コメディ映画『Little Brother』で再び俳優として存在感を示している。監督は『Ingrid Goes West』で高い評価を受けたマット・スパイサー、脚本はジャラッド・ポールとアンドリュー・モーゲルが担当し、ジョン・シナ、エリック・アンドレ、ミシェル・モナハン、クリストファー・メローニという豪華キャストを揃えたR指定コメディとして制作された。
ジョン・シナが演じるのは、不動産業界で成功を収め、その生活を緻密にコントロールしながら生きてきた几帳面な男、ラッド・ランディだ。一方、エリック・アンドレ演じるマーカスは、少年時代にビッグ・ブラザー&シスターズというボランティア制度でラッドと縁を持った”弟”のような存在でありながら、予測不能で破天荒な人生を歩んできた人物である。マーカスは二人の「兄弟としての絆は永遠だ」という約束を文字通りに受け取っており、ラッドのことを今でも唯一の家族として慕っている。ラッドの妻ディアドレ(モナハン)が二人の間を取り持とうとするが、マーカスの巻き起こす混乱はいかなる努力も無力にするほどの規模だった。
さらに本作には、ラッドが自分の不動産会社を注目させようとニューヨークのリアリティ番組「NYCハスラーズ」への出演を決めるという設定も絡んでくる。自らの実兄でより成功した不動産王、ジョシュ(クリストファー・メローニ)の陰に長年隠れてきたラッドが、そこへ追い打ちをかけるように現れる”弟”マーカスの存在に翻弄されるという多重の兄弟コンプレックスが物語の核を成している。
本作最大の魅力は、決してドタバタコメディだけに終わらない点にある。監督のマット・スパイサーは「エリックが狂気的なことをやりながらも、それが愛情から来ている。マーカスが本当に探しているのは繋がりだ。そのふたつのトーンの融合こそがこの映画の魅力だった」と語っており、ミシェル・モナハン演じる妻ディアドレをその架け橋として機能させることで、単純な奇人とまともな男のバディコメディには留まらない深みを生み出すことを意図した。スパイサーは「彼女がまだ夫を愛しているということが示されることで、観客はラッドの良さを信じられる。それがこの映画の土台になっている」とも語っている。
批評家からは脚本の既視感を指摘する声もあったが、一方でジョン・シナとエリック・アンドレの掛け合いを高く評価するレビューも多く寄せられた。RogerEbert.comのマット・ゾラー・サイツは「傑作ではない。最も興味深いテーマを発展させきれていないし、本当に盛り上がってきたところで終わってしまう。しかし機智に富み、誠実で、本当に面白い。この作品にハマった人にとっては何度でも見返したくなる一本だ」と評している。
製作の経緯と興収-「シナを取れれば作る」というNetflixの決断
この映画がどのように生まれたかについて、ジョン・シナはThe Hollywood Reporterの取材に詳しく語っている。「エリックが必死でこの映画を作ろうとしていた。Netflixは『ジョン・シナを連れてこられるなら作る』と言った。エリックは俺のことを知っていたから声をかけてくれた。脚本を90分で読んで、24時間以内にゴーサインを出した」。
この経緯は現在のジョン・シナのハリウッドにおける地位を如実に示している。コメディ映画がなかなか製作にこぎつけられない時代に、シナの名前がついた企画はNetflixにとってゴーサインを出すに足る保証となる。オスカー受賞監督のピーター・ファレリー(2024年の『Ricky Stanicky』でシナを起用)は「ジョン・シナは間違いなく私がこれまで一緒に仕事した中で最も準備のできた俳優だった。初日に彼は脚本全体を最初から最後まで、一字一句覚えていた」と語っており、シナのプロフェッショナリズムへの評判は業界全体に広まっている。
2026年6月18日にニューヨーク・マンハッタンのパリス・シアターでワールドプレミアが行われ、同月26日にNetflixで配信を開始した本作は、公開直後から驚異的な再生数を記録することになる。FlixPatrolによると、配信開始からわずか1日でNetflix世界全体の映画部門で2位、アメリカ国内では1位を獲得し、カナダやウルグアイでも首位に立った。アルゼンチン、オーストリア、コロンビア、デンマーク、ドイツ、イタリアなど世界各地でTop10に入っており、批評家の賛否を超えて観客に届いていることは数字が証明している。
Rotten Tomatoesでは批評家スコア55%、観客スコア52%というミックスドレビューとなり、IMDbでは5.5という評価がついた。これらの数字だけを見ると評価が割れた作品という印象だが、批評の内容を読み込むと単純に「駄作」として片付けられているわけではないことがわかる。
肯定派のレビューに目を向けると、IndieWireは「もしこれがシナの近作コメディの中でベストであるとすれば、それはエリック・アンドレが彼がこれまで組んだ相手の中で最もふさわしいスクリーンパートナーだからだ。また監督マット・スパイサーが文学的なユーモアのセンス、ビジュアルギャグへの確かな目、そして脚本のより概念的な要素を痛快なスラップスティックの土台の上に着地させる信頼できる能力を持っているからでもある」と評している。
SlashFilmは「そもそも映画の内容がどうであれ、シナとアンドレはカメラの前に現れるだけで笑いへの準備を整えてくれる存在だ。本作は家族についての心温まる映画であり、汚れた試練を通じて二人の傷ついた人間が人生の意味を見出していく物語でもある」と本作の意義を肯定的に捉えている。
一方、批判的なレビューにも目を向けると、AV Clubは「シナの能力はBlockersのようなアンサンブル形式で最もよく発揮される。本作では感情がすべて表層的で、序盤から最大限に巻き上がった苛立ちを演じてしまうために、そこからどこへも行く余地がない。まるでリングの後ろの列に向かって演じているかのようだ」と指摘しており、シナのアプローチそのものへの疑問を提示した。
Hollywood Reporterは「まるで誰かがTwins、What About Bob?、Planes Trains and Automobilesを食べて、その内容をそのまま口に出したような映画だ」と既視感を批判しつつも、キャストのパフォーマンス自体は認めている。
批評が割れた理由は作品自体の構造的問題にある面が大きいが、共通しているのは「シナとアンドレ二人の演技への評価は高い」という点である。脚本への不満を述べるレビューであっても、主演二人の存在感を否定するものはほとんどなく、むしろ「二人の演技が作品を救っている」「もっと良い脚本があれば」という惜しむ声が目立った。
宣伝活動でも全力投球! 女装まで披露したJシナのエンターテイナー魂
映画公開に合わせたプロモーションでも、ジョン・シナはWWE時代から変わらぬサービス精神を存分に発揮した。
エリック・アンドレとともに各テレビ番組へ出演し、映画さながらのハイテンションな掛け合いを展開。中でも大きな話題となったのが、人気トーク番組で披露した女装コントである。ジョン・シナは女性衣装を身にまとい、ゲイ男性を演じながら司会者ジミー・ファロンらとコミカルな寸劇を繰り広げ、鍛え抜かれた肉体とのギャップによってスタジオを爆笑の渦へ巻き込んだ。