[ファイトクラブ]WBCで物議を醸したネトフリ中継! プロレス放送のヒントになるか?

[週刊ファイト4月23日]期間 [ファイトクラブ]公開中

▼WBCで物議を醸したネトフリ中継! プロレス放送のヒントになるか?
・WBC終了と同時に多発したネトフリ解約、次回WBC中継はあるか?
・阪神タイガース人気を支えてきたサンテレビの完全中継
・野球以上にテレビ向きだったプロレス、その発展の理由
・テレビ・プロレスが衰退し、世間にプロレスを知らしめる方法はない?


 ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)は閉幕したものの、その後は春のセンバツ高校野球、プロ野球(NPB)にメジャー・リーグ(MLB)が開幕と、相変わらず野球の話題は事欠かない。もう野球はオワコンだと何年も言い続けられながら、ワイドショーは野球だらけだ。
 WBCで物議を醸したのが、NETFLIX(ネトフリ)による独占中継である。このため、超人気コンテンツにもかかわらず地上波でWBCを放送できず、多数のWBC難民を生み出した。

 だが、このネトフリ中継にプロレス放送のヒントがあるかも知れない。その点を探ってみた。

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WBC終了と同時に多発したネトフリ解約、次回WBC中継はあるか?

 WBC終了後、『ネトフリ解約』というキーワードがトレンドとなった。WBC目当てでネトフリに加入した視聴者が、WBCが終わるともうネトフリに用はないとばかりとっとと脱会してしまった、という現象である。
 かくいう筆者も『ネトフリ解約』組の1人で、WBC期間中だけネトフリに加入していた。ただ、WBCだけではもったいないので『極悪女王』はしっかり観て、その後に解約したのだが。余談ながら『極悪女王』は予想以上に見応えがあった。比較して申し訳ないが『アントニオ猪木をさがして』の10倍は面白かったのである。

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 WBCのネトフリ独占中継には、かなりの批判が集まった。国民的行事のWBCを地上波で視聴できないばかりか、わざわざ会費を払ってネトフリに加入しなければならなかったからである。特に年配の方はネトフリの加入方法が判らず、泣く泣くWBC視聴を諦めざるを得なかったのだ。これにより、ライト層はWBCを視ることができず、野球人気の低下に繋がると危惧されたのである。
 筆者はネトフリに加入できたものの、動画を視るのにパソコンに負荷がかかってしまい、途中でフリーズしてしまった。テレビはアプリに入っていなかったので、やむなくスマホの小さな画面でチマチマと視ていたのである。この時の筆者は、札束攻勢でWBCを独占中継したネトフリに殺意すら覚えたものだ。

 その反面、ネトフリに好意的な意見が多かったことも見逃せない。画質は綺麗で、様々な角度から野球を楽しむことができ、テレビでの野球中継とは一線を画す内容だった、と。ネトフリは、ネット中継ならではの強みを発揮したのだ。
 ネトフリを礼賛する人たちの中には、テレビをオールド・メディアと斬り捨て、ネトフリ批判する人たちを『時代に取り残された哀れな人』などと揶揄する意見も見られた。もう時代は変わったのだから、それについて来れない奴が悪い、という論調である。

 しかし、これは傲慢な意見と言わざるを得ない。視聴者の中にはネット環境にない人だって大勢いるのだ。それに、今回のネトフリ独占中継を批判する人たちの多くは、自分では視聴できるものの、WBCを手軽に見られない人たちを多く生んだことにより、野球人気の低下を危惧したのである。
 ネトフリがWBC中継をすることは全然構わない。問題は独占中継だったことだ。ネトフリも営利企業なのだから利益優先になることは仕方ないが、一時的な金儲けのために野球人気を低下させ、せっかくの金の鉱脈を枯渇させたとしたら本末転倒である。今回、ネトフリが大して儲からなかったのなら、次回はWBCを放送しない可能性も高い。

阪神タイガース人気を支えてきたサンテレビの完全中継

 戦後のNPBは良くも悪くもテレビを中心に発展してきた。野球中継は高視聴率をマークしていたので、テレビ局にとって優良コンテンツだったのである。
 その理由として、野球はテレビ向けのスポーツだということが挙げられよう。野球はイニングごとに間があるので、CMを入れやすい。また、野球はチーム・スポーツでありながら、投手vs.打者という1対1の個人戦を楽しむことができる。贔屓チームの勝敗に一喜一憂するだけではなく、エースvs.四番打者の対決のみに注目して『つまみ食い』できるのが野球の魅力だ。

 その反面、野球には『試合時間が読めない』という致命的な弱点がある。試合時間がほぼ決まっているサッカーなどと違い、野球はいつ試合が終わるのか判らないので、放送終了時間を決めにくいという欠陥があるのだ。
 放送時間を長めに設定していると、思いのほか試合が早く終わって放送終了時間まで間延びしてしまうことがあるし、逆に放送時間を短めにしたときに試合時間が長引くと、試合の途中で放送を打ち切らざるを得ない。そうなると野球ファンからブーイングを浴びるが、放送時間を延長すると今度は後の番組を楽しみにしている視聴者から反発を食う。

 そこで、21世紀に入り野球中継の中心となったのがスカパーのような有料テレビだ。カネさえ払えば試合開始から試合終了まで、心置きなく野球を楽しめる。だが、そのおかげで地上波での野球中継が激減してしまった。
 阪神タイガースがNPBで一番の人気球団になった理由として、サンテレビの存在が見逃せない。サンテレビは兵庫県の地方独立局だが、大阪府内でも視聴可能で、地上波でありながら阪神戦を完全中継してきた。阪神暗黒時代(最下位の常連だった1990年代の阪神のこと)でもそれは変わらず、阪神人気の礎となっている。無料で阪神戦をプレイボールからゲームセットまで視聴できるのだから、わざわざカネを払ってスカパーに加入する必要はない。

野球以上にテレビ向きだったプロレス、その発展の理由

 テレビと共に発展してきた、もう一つのスポーツがプロレスである。1953年8月に日本テレビが開局、翌年2月には本格的にプロレス放送を開始したが、この上半期で日テレは黒字をマークしたのだ。
 世界的に見ても、テレビ局が黒字に転じるのは最低4年ぐらいかかると言われていたが、日テレは僅か半年で黒字を達成したのである。まさしくこれは空前絶後、世界初の快挙だった。

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