[ファイトクラブ]安威川敏樹のザンゲ録 「正直スマンかった」

[週刊ファイト11月9日号]収録 [ファイトクラブ]公開中

▼安威川敏樹のザンゲ録 「正直スマンかった」
 by 安威川敏樹
・何が『プロレス人気に復活の兆し』だ!?
・クソつまらなかった『アントニオ猪木をさがして』
・高田延彦も映画を酷評
・何のためのドラマパート?
・『残念な映画』。こんな映画、プロレス・ファン以外で誰が観るのか


 週刊ファイトは読者の皆様もご存知の通り、裏ネタを売りとする週刊誌だ。よって、提灯記事は厳禁されている。
 とはいえ、プロレスを愛するあまりどうしても希望的観測記事などを書いたりしてしまう。その希望が叶えばいいが、大抵の場合は裏切られてしまうのが現実だ。

 そんな提灯記事を書いてしまった筆者から、読者の皆様に謝罪したいと思う。

▼秘蔵写真で綴る浪速のアントニオ猪木#18(1969年1・11ダニー・ホッジ戦)

[ファイトクラブ]秘蔵写真で綴る浪速のアントニオ猪木#18(1969年1・11ダニー・ホッジ戦)

何が『プロレス人気に復活の兆し』だ!?

 今年3月に行われたワールド・ベースボール・クラシック(WBC)では侍ジャパンが3度目の優勝を飾り、さらに優勝決定のマウンドにいた大谷翔平がメジャー・リーグで日本人初のホームラン王に輝いた。
 そんな侍ジャパンが快挙を演じた頃、筆者は『プロレスも人気復活の兆し』という内容の記事を書いてしまったのだ。

▼侍ジャパンに続け! プロレス人気に復活の兆し!?

侍ジャパンに続け! プロレス人気に復活の兆し!?

 プロレスの人気が回復傾向にある証しとして、BS朝日『ワールドプロレスリング・リターンズ』が、今年に入って3月12日まで10週中6週も無料BSスポーツ部門の視聴率トップテン入りしたことを挙げた。前年(2022年)は52週中で7回しかトップテン入りしていなかったのに、この躍進ぶりである。しかも、その7回も10月28日以降に集中していた。
 ところが……。

 皮肉なことに、この記事を書いた途端、3月13日以降は『リターンズ』がトップテンから遠ざかってしまう。ようやく9月11日から3週連続でトップテン入りしたものの(10位、8位、9位)、その後はまた10位に入れなくなった(10月30日現在)。
 これは筆者が疫病神なのか? あるいは提灯記事を書いた罰なのか??

 そして『リターンズ』は10月6日の放送から、金曜夜9時からの放送に格下げされた。これで『金曜夜8時はプロレス・タイム』というキャッチフレーズが使えなくなってしまったのである。
 プロレス黄金時代の1980年代、地上波のテレビ朝日では『ワールドプロレスリング』を金曜夜8時から放送していた。しかし、1986年10月から月曜夜8時に移動すると視聴率は低下する。やはり『金曜夜8時』のブランド力は強かったのだ。

 その後も放送日時を変え、悪名高い『ギブUPまで待てない!!ワールドプロレスリング』などで悪あがきするも視聴率低下は止められず、遂に1988年4月にゴールデン・タイムから撤退する。
 以来、プロレスの定期放送が地上波ゴールデンに復活することはなかった。

 しかも今回、金曜夜8時の座を奪ったのは、地上波で既に放送された2時間サスペンス。再放送番組にすら、プロレス中継は負けてしまったのである。
 もちろん、『リターンズ』の番組スポンサーは相変わらず新日本プロレスとブシロードのみ。つまりプロレスは、一般企業から相手にされていないのだ。

クソつまらなかった『アントニオ猪木をさがして』

 もうひとつ、謝罪しなければならないのが『アントニオ猪木をさがして』の映画評である。ハッキリ言って、久しぶりに「カネ返せ!」と思った映画だった。記事を書くために映画代2000円と、パンフレット代880円を支払ったが、2880円あればラーメンを4杯も食える計算だ。
 しかし、公開中の映画だったので、これから観に行く人のために露骨な批判は避けなければならない。そこで、公開終了後は本当の映画評を書かせて欲しいと、本誌の編集部に訴えた。

▼バカになれ! 行けばわかるさ『アントニオ猪木をさがして』

バカになれ! 行けばわかるさ『アントニオ猪木をさがして』

 すると編集部は、映画公開中でも構わないから書けという。実際、週刊誌の方では編集部でこの映画の酷評記事が書かれていた。

▼’23年11月02日号Noah後楽園-月曜 全日青柳V5勝彦 SukWanKingthong MAキック 河野真幸

’23年11月02日号Noah後楽園-月曜 全日青柳V5勝彦 SukWanKingthong MAキック 河野真幸

 ただ、筆者とて闇雲に提灯記事を書いたわけではない。一応は、いかにこの映画が駄作だったかを記事の中にちりばめたつもりだ。そのメッセージが、どこまで読者に届いたか不安だったが。

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