レポート&写真:高崎計三
5月27日(日)、大阪・高石市 アプラたかいし大ホールにて、NJKF誠至会主催興行「NJKF 2018 west 3rd」が開催された。
「第1章」「第1章」の2部構成となった今大会、まず「第1章」のメインではNJKFスーパーウェルター級王座決定戦が行われた。イエティ達朗が返上した王座を争ったのは、同級2位の匡志YAMATOと、4位の変わり者。3度目の対戦となる両者、過去2戦はいずれも匡志の勝利。匡志が3連勝で王者となるのか、変わり者が一矢報いてベルトを勝ち獲るのか。
1R、バックブローや回転してのローキックなど、トリッキーな技も交えて攻める変わり者に対して、ローからパンチで応戦する匡志。後半、右ストレートをヒットさせると攻勢を掴む。
2Rに入ると、匡志のローキックで変わり者の奥足にダメージ。匡志はここぞとばかりにローキックとパンチを集めて攻め込む。変わり者は棒立ち状態となり、匡志はコーナーに詰めるとさらにパンチでラッシュ。
3Rには防戦一方となった変わり者を匡志が攻め立てる。何とか反撃しようとする変わり者をものともせずヒジでダウンを奪うと、その後もヒジとパンチで2度ダウンを重ね、TKO勝利を果たした。
9戦目にしてベルトを巻いた匡志は号泣。マイクを取ると、「支えてくれる人たち、応援してくれる人たちの力がなければ、チャンピオンにはなれなかったと思います。まだまだ上を目指してやっていきます」と感謝の意を述べた。
「第1章」のセミはミネルヴァ・スーパーフライ級挑戦者決定戦。1位の麻衣は前王者。昨年7月、伊織にベルトを奪われた後、負傷もあってブランクがあったが、これが10ヵ月ぶりの復帰戦となった。対する2位・芳美は昨年5月、現王者・伊織との挑戦者決定戦に敗れており、2人の対戦は伊織へのリベンジチャンスも懸けた激突となった。
1R、前傾しスイッチしながらフリッカー気味のジャブを放っていく芳美に対し、麻衣は前蹴りなどで距離を取り、接近すると組んでのヒザで応戦。ラウンド終盤には激しい打ち合いとなる場面も見られた。
2Rは後半まで、芳美のパンチから両者が組み合うという展開が多くなったが、終盤には麻衣が前蹴りを連続でヒット。終了時点でアナウンスされた判定の途中経過は三者とも20-19で麻衣を支持
3R、フックから組んでくる芳美に対し、麻衣はヒザ蹴り。後半にはまたパンチの打ち合いも見られ、互いにバックブローを繰り出す。
芳美は2R時点での劣勢を挽回するには至らず、判定は3-0で麻衣に。復帰戦で王座返り咲きのチャンスを掴んだ麻衣は「必ず伊織選手からベルトを取り返して、NJKFの看板女子選手になれるように頑張ります」と、奪回への意欲をアピールした。
大会大トリとなる「第2章」のメインは、今や誠至会興行の“顔”の一人である宮島教晋がタイの18歳、ラクレー・シットサイトーンを迎え撃った。昨年11月の大阪大会ではタイ人に敗れているだけに、ここは勝利で締めたいところだ。
1R、ミドルを中心に繰り出していく宮島に対し、ラクレーは待ちのスタイルからチャンスと見ると一気に前進してパンチ。
2R、ミドルに加えハイも交えながら出る宮島に、ラクレーもミドルを出して応戦。首相撲の展開にもなるが、宮島は互角以上の対応を見せる。終盤にも宮島はハイを繰り出す。終了時点の判定は19-19、20-19、19-20で三者三様。
3R、ラクレーはギアを上げてパンチを繰り出してくるが、宮島も簡単には攻め込ませない。しかし逆に突破口も見出せず、試合終了。判定は宮島が1ポイントを取ってのドローとなった。
「第2章」のセミはNJKFスーパーフェザー級挑戦者決定戦で、2位の佐藤亮と4位の大輔が対戦した。佐藤は19歳で12戦目、大輔は41歳で30戦目という、年齢・キャリアでは大きな隔たりがある両者。試合は、今年1月の大阪大会では29戦目で初のKO勝ちを記録した大輔が得意の首相撲に持ち込み、優勢に試合を進める。佐藤は試合が進むにつれ大輔のスタイルにはまる格好となり、終わってみれば試合時間の大半が首相撲という展開に。
判定3-0で王座に近づいた大輔は「首相撲という、皆さんから見たら分かりづらい技で勝ったかもしれませんが、僕が命懸けて磨いてきた技で、面白くなかったかもしれませんが僕としては誇れる試合だと思っています。41歳の、全く才能のないおじさんが、努力だけで王座を獲るところを見せたいと思います」とコメント。大輔は次回、8月19日に予定されている大阪大会で、1位の澤田曜祐と王座決定戦を行う。
〈全試合結果〉
■「NJKF 2018 west 3rd」
日時:2018年5月27日(日)
会場:高石市・アプラたかいし大ホール
OPEN 12:45
(昼)第1章 START 13:00
(夜)第2章 START 17:45(予定)
主催 NJKF 誠至会
[ 第2章 ](夜)
<メインイベント 日泰交流戦 64kg契約 3分3R 肘あり>
△宮島教晋(NJKF誠至会/ISKAムエタイインターコンチネンタル・ライトウェルター級王者)
判定1-0(30-28、29-29、29-29)
△ラクレー・シットサイトーン(タイ)
<セミファイナル NJKFスーパーフェザー級王座挑戦者決定戦 3分3R 肘あり>
●佐藤 亮(NJKF健心塾/同級2位)
判定0-3(28-30、28-30、28-29)
○大輔(NJKF TRASH/同級4位)
※大輔が1位の澤田曜祐と王座決定戦(8.19大阪)
<第6試合 64kg契約 3分3R 肘あり>
○中野椋太(NJKF誠至会/NJKFウェルター級4位)
TKO 3R 2分33秒 ※ヒジ打ちによる左こめかみ部カット
●どん冷え貴哉(Dropout)
<第5試合 59kg契約 3分3R 肘あり>
●山畑雄摩(NJKF心将塾/NJKFスーパーフェザー級6位)
TKO 3R 1分47秒 ※ヒジ打ちによる左まぶたカット
○ペットワット・ヤバチョウベース(YABA-CHO BASE/タイ国)
<第4試合 63.5kg契約 3分3R 肘あり>
△田邊裕哉(NJK京都野口ジム)
判定1-1(30-29、29-30、29-29)
△二條 司(NJK誠至会/NJKFスーパーライト級7位)
<第3試合 51.5kg契約 3分3R 肘あり>
●泉 丈成(NJKF誠至会/NJKFフライ級8位)
判定0-3(三者とも28-29)
○池上侑李(NJKF岩崎道場/NJKFフライ級6位)
<第2試合 54kg契約 3分3R>
●梅井泰成(NJKF京都野口ジム)
判定0-2(29-30、29-30、29-29)
○H∧L(team BEAST)
<第1試合 59kg契約 3分3R>
●SEIYA(NJKFセブンジム)
判定0-3(三者とも28-30)
○HIRO YAMATO(NJKF大和ジム)
[ 第1章 ](昼)
<メインイベント NJKFスーパーウェルター級王座決定戦 3分5R 肘あり>
○匡志YAMATO(NJKF大和ジム/同級1位)
TKO 3R 1分25秒 ※3ダウン
●変わり者(NJKF東京町田金子ジム/同級3位)
※匡志YAMATOが新王者に
<セミファイナル ミネルヴァスーパーフライ級王座挑戦者決定戦 2分3R>
○麻衣(NJKF TEAM武心會/同級1位)
判定3-0(30-28、30-28、30-29)
●芳美(NJKF take1/同級2位)
※麻衣が王者伊織への挑戦権を獲得
<第5試合 フェザー級 3分3R 肘あり>
○大樹(NJKF ARENA/NJKFフェザー級5位)
TKO 3R 0分41秒 ※ヒジ打ちによる頭部カット
●小田武司(NJKF拳之会/NJKFフェザー級7位)
<第4試合 63kg契約 3分3R>
○木村颯太(NJKF拳心會館)
判定3-0(三者とも30-29)
●堀池空希(究道会館)
<第3試合 65kg契約 3分3R>
○龍威地(NJKF ARENA)
判定3-0(29-28、29-28、30-28)
●佐野克海(NJKF拳之会)
<第2試合 55kg契約 3分3R>
●正木宏幸(NJKF闘遊塾)
判定0-3(三者とも28-30)
○郁弥(山口道場)
<第1試合 61kg契約 3分3R>
○元 義明(NJKF誠輪ジム)
TKO 3R 3分00秒 ※終了のゴングとほぼ同時にレフェリーストップ
●岩KING(NJKF心将塾)
〈オープニングファイト NEXT☆LEVEL提供試合〉
~NEXT☆LEVELジュニア日本統一王座決定戦~
<第9試合 NEXT☆LEVEL Jr.50kg日本統一王座決定戦>
●小森真琴(NJKF誠輪ジム)
判定0-2(27-30、29-30、29-29)
○川口惣次郎(NJKF岩崎道場ツクモジム)
※川口が新王者に
<第8試合 NEXT☆LEVEL Jr.45kg日本統一王座決定戦>
○山口 瑠(NJK拳心會館)
判定3-0(30-28、30-28、30-27)
●近藤由輝(BOSS GYM)
※山口が新王者に
<第7試合 NEXT☆LEVEL Jr.40kg日本統一王座決定戦>
●林 裕人(NJKF拳心會館)
判定0-3(三者とも28-30)
○末國龍汰(空修会館)
※末國が新王者に
<第6試合 NEXT☆LEVEL Jr.35kg日本統一王座決定戦>
○伊藤千飛(真門伊藤道場)
判定2-1(30-28、28-30、30-27)
●塚本望夢(team Bonds)
※伊藤が新王者に
<第5試合 NEXT☆LEVELJr.30kg日本統一王座決定戦>
○惣崎 宝(NJKF拳心會館)
判定3-0(30-29、30-29、30-27)
●辻畑元気(MA RKS昇龍會)
※惣崎が新王者に
<第4試合 NEXT☆LEVEL Jr.25kg日本統一王座決定戦>
●熊本和真 (真門伊藤道場)※関西推薦
判定0-3(27-30、27-30、28-30)
○髙山翔星(武魂会)
※髙山が新王者に
<NEXT☆LEVEL Jr.55kg王座認定式
嶋 颯太(月心会チーム侍)
※中四国代表該当者なし、嶋が新王者に
~NEXT☆LEVEL関西タイトルマッチ「TOP☆RUN」~
<第3試合 TOP☆RUN 一般55kg級王座決定戦>
○山脇飛翼(隆拳塾)
判定3-0(30-27、30-27、30-28)
●嶋 秀太(月心会チーム侍)
※山脇が一般55kg初代王者に
<第2試合 TOP☆RUN 一般60kg級タイトルマッチ>
○上田魁志(NJKF武心會)
判定3-0(30-29、30-28、29-29)
●山本麻太郎(NJKF健心塾)
※上田が初防衛に成功
<第1試合 TOP☆RUN 一般65kg級タイトルマッチ>
○成尾拓輝(究道会館)
判定3-0(30-29、30-29、30-28)
●野村一秀(NJKF健心塾 階道場)
※成尾が初防衛に成功
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