[ファイトクラブ]国際式ボクシングWBA世界バンタム級タイトルマッチからみた直前の減量と最近主流の水抜き減量

[週刊ファイト6月7日号]収録 [ファイトクラブ]公開中

▼国際式ボクシングWBA世界バンタム級タイトルマッチからみた直前の減量と最近主流の水抜き減量
 by 紅闘志也
・井上尚弥1RTKO勝で三階級制覇!WBSSトーナメント参戦へ!
・前王者ジェームス・マクドネルは急激な水抜き減量で計量パス
・キックボクサー、MMA選手に比べ国際式軽量級ボクサーの水抜きは厳しい!
・近年主流の水抜き減量は一朝一夕ではなし得ない
・自身の水抜き減量回顧


 5月25日東京・大田区総合体育館で行われた国際式ボクシングWBA世界バンタム級タイトルマッチ、王者ジェイミー・マクドネル(英)vs. 挑戦者同級2位の元WBC世界フライ級 & WBO世界スーパーフライ級王者・井上尚弥の一戦は、井上が1RTKO勝ちで国内最速のプロ16戦目での3階級制覇を果たし、ワールド・ボクシング・スーパー・シリーズ(WBSS)※のバンタム級トーナメント参戦の話が先行している。但し、筆者(紅闘志也)は、前王者のジェイミー・マクドネルの直前減量とリカバリー後の体重が気になった。
※米独のプロモーターが企画した賞金争奪戦トーナメント(賞金5000万ドル日本円約56億円)、すでにクルーザー級、スーパーミドル級の各8選手がトーナメント開催しており、そのバンタム級版

 ジェイミー・マクドネル5月21日の公開練習では軽めの練習で流した汗よりも、トレーニング中に補給した水分の方が多いのではないか?という状態で、24日の前日計量ではリミット53.5㎏をパスしたが1時間以上の遅刻、顕著なやつれ具合といい直前まで脱水していたと思わせる様子で、翌日の再計量では65.3㎏と12㎏以上の増量でリカバリーというより、身体に水分と食物の重りを積んだ増量であった。

 筋肉の8割は水分であるので、筋量の多い選手の方が水抜きをしやすい、よって国際式ボクシング選手よりコンタクトの多く、筋量の多いキック、MMA70㎏以上ある選手の方が水抜き減量しやすく、バンタム級(リミット53.5㎏)では長身の175.5㎝というマクドネルの水抜きはかなり厳しいものだったこともわかり、身体へのダメージもかなり大きいものと思えた。試合は1RTKOで完敗となってしまったが、減量苦の言い訳はせず素直に対戦相手の井上を褒め称えたが「次は階級を上げて戻ってきたい」と階級変更を明言したあたりかなりの減量苦であったことが予想できる。

 最近は格闘技でも直前の水抜き減量が主流となってきていて、情報も以前より流布するようになったので選手の知識も格段に上がっていますが、計量オーバーで失格、減点などのペナルティ選手も多いのも水抜き減量で5㎏くらいなら簡単に落ちると軽くみているんじゃないか?とも思います。

 実際水分は長期的に控えると内臓にダメージを与えてしまうの水抜き減量は本当に直前、今は前日計量が主流になっているので早朝水抜きをして昼過ぎ計量、パスしたら水分や糖分を補給してリカバリーするのが理想です。その為にも普段から体脂肪はむやみに増やさず水分代謝のよい身体にしておかないと水抜きで体重はそう簡単に落ちません。人によって誤差はありますが私は直前の水抜き、5㎏以上落とすと手や足が攣ってきますので3㎏以内ならすぐに落とせる無難な数値です。

2010年11月20日ISKA世界ムエタイ・スーパーウェルター級タイトル戦-69.85kg 

2011年8月13日ラウェイ-68kg

紅闘志也5R壮絶ドロー、篠原基宏は玉砕 8・13ミャンマーラウェイ国際大会



2013年11月16日KTMMA

紅闘志也、井上雄策ともに判定負け、新競技での勝利ならず~11・16英国ロンドンK-TMMA


 私は通常71~73㎏で試合は68㎏~70㎏で行うことが多く、身体も最低限できているので減量は食事に少し気を使い、直前の水抜きで減量は問題ないが、以前香港での66㎏ムエタイトーナメント戦では、いつもより減量幅も大きく、体重を落とせる準備が整ってるかどうかわからない海外なので少し手間取りましたが今まで一度も体重オーバーでペナルティをもらったことはありません。

2010年3月23日『WMC I-1 World Muaythai Grand Prix 2010』-66kg計量の様子

大会前日の撮影風景

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