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現地時間4月21日(土曜夜)にアメリカ・ニュージャージー州アトランティックシティのアトランティックシティ・ボードウオーク・ホールにて『UFCファイトナイト・アトランティックシティ』が開催された。
タイトル戦線の生き残りをかけたライト級トップコンテンダー対決が実現したメインイベントではエドソン・バルボーザ(ブラジル 19勝5敗)とケビン・リー(アメリカ 16勝4敗)が激突。序盤こそリーのペースで展開していたが、第3ラウンドにバルボーザの回し蹴りがクリーンヒットして流れを引き寄せる場面を作る。しかしながら、以降は息を吹き返したリーがプレッシャーをかける場面が多く、第5ラウンドに入った頃にはバルボーザの右目周辺の腫れがひどくなり、出血もあったことから医師団の診察を受けた結果、試合続行は不可能と判断されてドクターストップによるリーのTKO勝利が宣言された。
セミメインイベントで対戦したフェザー級ランキング3位のフランキー・エドガー(アメリカ 21勝6敗1分)と同4位のカブ・スワンソン(アメリカ 25勝8敗)の一戦は、スワンソンがエドガーのテイクダウンをすべて防御するなど要所でベテランらしいパフォーマンスを見せつつフルラウンドを戦い抜いたものの、ジャッジはいずれもエドガーの勝利を支持し、元チャンピオンのエドガーが地元ニュージャージー州なので凱旋勝利を飾っている。勝ったエドガーは今回のイベント中に発表された『UFC 226』でのマックス・ホロウェイvs.ブライアン・オルテガ戦の勝者と戦いたいと希望を明かした。
オープニングマッチでトニー・マーティン(アメリカ 12勝4敗)とのウェルター級マッチに挑んだ中村K太郎(33勝8敗2分1ノーコンテスト)は3ラウンドを通してマーティンにペースをコントロールされ、得意の展開に持ち込めずにユナニマス判定で黒星を喫している。
なお、当初、フライ級ランキング15位のマゴメド・ビブラトフ(ロシア 14勝1敗)と対戦する予定だった佐々木憂流迦(20勝5敗2分)は、対戦相手の負傷欠場により試合が中止されてしまった。女子バンタム級ランキング9位のレスリー・スミス(アメリカ 10勝7敗1分)と同10位アスペン・ラッド(アメリカ 6勝0敗)の一戦も、ラッドが規定体重を満たせずにカードが消滅したため、アトランティックシティでのイベントは全11試合となった。但し、ハイテク画像で闘う選手の目がどこを向いているかがリアルタイムで画面に表示されるなど、わかりやすさの改善が進んでいるが、計量時間の変更による中止が相次いでいる課題が残された。
次回、UFCは日本時間5月13日(日)にブラジル・サンパウロのジュネス・アリーナにて『UFC 224』が開催される。メインイベントに組まれているのは女王アマンダ・ヌネスと挑戦者ラケル・ペニントンによる女子バンタム級タイトルマッチだ。セミメインイベントでミドル級ランキング2位のジャカレ・ソウザと同5位のケルヴィン・ガステラムが対戦する他、同じくミドル級のランキング9位につけるビトー・ベウフォートと同13位のリョート・マチダの、延期となっていたマッチアップなど激闘必至の試合が予定されている。ビトーは引退試合とのことだ。
■ UFCファイトナイト・アトランティックシティ
日時:4月21日(土)、日本時間22日(日)
会場:ニュージャージー州アトランティックシティ ボードウオーク・ホール
<メインイベント ライト級マッチ 5分5ラウンド>
●エドソン・バルボーザ
5ラウンド(2分18)TKO(ドクターストップ)
○ケビン・リー
勝者ケビン・リーのコメント
「この試合前に言ったように、メンタルの強さがカギになった。5ラウンドすべてを戦って、試合をちゃんと終えられるところを見せたかった。やり遂げたと思っている。俺は少しサウスポー気味にいって、5ラウンド目には相手を上回って止めた。何だってできる。この階級では俺が一番完成されたファイターだと思っている。世界で一番タフなストライカーとだってやってみせる。エドソン・バルボーザは間違いなく、この階級で最強のストライカーだ。試合に臨んでそれを示したかった。俺は自分が何でもやれるってことを見せたと思っている。どんな逆境だってはねのけられる。あの回し蹴りは痛かったけどね。相手の意地が爆発した感じ。俺たち2人はこの階級でベストなファイターだし、俺がその2人の中で上だってことを示せた。みんな、今が何時か知っているだろ。そう、ハビブタイムさ」
<セミメインイベント フェザー級マッチ 5分3ラウンド>
○フランキー・エドガー
判定3-0(30-27、30-27、30-27)
●カブ・スワンソン
勝者フランキー・エドガーのコメント
「カブは最高の仕事をした。もっと圧倒的なパフォーマンスを見せたかったけど、カブに脱帽さ。今回は俺が向こうを追いかけさせられた。テイクダウンを成功させるのが難しくなっていたけれど、打撃では上回っている。カブがストライカーでこっちがグラップラーのはずだったんだけど、立ちで彼を打ち負かした。タイトル挑戦権をもらって、リスクも犯した。ブライアン・オルテガ戦は本当にうまくやれていたけど、一発でやられてしまった。ホロウェイとオルテガの勝者とやりたい。どうなるかは見てみないと分からないけど。少し休む。2試合続けて戦ったからね。2人の試合でどうなるかを見て、そこから進もう」
【メインカード】
<ヘビー級マッチ 5分3ラウンド>
○ジャスティン・ウィリス
判定3-0(29-28、29-28、29-28)
●チェイス・シャーマン
勝者ジャスティン・ウィリスのコメント
「相手はとにかく生きながらえようとしていたけど、次はもっとうまくやってフィニッシュしないと。ノックアウトすることにばかりこだわるんじゃなくて、パンチを増やす必要がある。全体を通して押し込めるように集中しないと。ちょっと表面的だった。でもいい。勝ったから。UFCではそれが何より重要だ。勝つことがすべて。少し休んで、もっと良くなって戻ってくる。少し軽くして、キックを増やし、テイクダウンももっと生かせるようにしたい。俺にできることと言えば振り出しに戻ってさらに成長することだ」
<ミドル級マッチ 5分3ラウンド>
○デビッド・ブランチ
1ラウンド(2分30秒)KO
●チアゴ・サントス
勝者デビッド・ブランチのコメント
「チャンスを作るには相手がトリッキーだった。中盤になればこっちが落ちると予想していたはずだから、そういうパンチを切り抜けないといけなかった。ヤツは力が強い。試合になればいつだって盾をかまえてくるかノックアウトを仕掛けてくる。俺の存在を示すメッセージになったはずだ。ランキングの順位も守ったし、当然そうなると思っているけど、もう一度、駆け上るつもりだ。ジャカレ(ソウザ)とガステラムの勝者とやりたいと思っている。自分より上には何人も戦いたいヤツがいるけど、一歩ずついきたい」
<バンタム級マッチ 5分3ラウンド>
○アルジャメイン・スターリング
判定3-0(30-27、30-27、30-27)
●ブレット・ジョーンズ
勝者アルジャメイン・スターリングのコメント
「前回の試合は自分にとって大きな収穫があった。今回の試合はみんなに自分がここにいること、世界中のバンタム級ファイターで俺が最高の一人であることを示したかった。ずっと憧れてきた人がいる。でも、アイドルがライバルになる瞬間も来るんだ。ドミニク・クルーズ、試合しようぜ。今回の試合は決定的な瞬間を見つけられるかどうかだったし、こういう打撃戦はうまいタイミングを狙わないといけない。前の試合は慌ててしまい、自分らしくなかった。捕まってしまったんだ。とにかく自分らしさを取り戻して、ベストを尽くして戦おうと思った。ファンクマスタータイムさ。ハビブタイムってのがあるんだろ。でも、ファンクマスタータイムはちょっと違う。ブレットはタフなヤツだ。タフで粘り強いってことは分かっていた。大躍進を遂げようとハングリーだったけど、今回は俺の番だ。ブレットはきっとさらに優れたファイターとしてカムバックするはずだ。それはまったく疑いの余地がないと思っている。さっきも言ったけど、まだファンクマスタータイムだし、ベルトを狙っていく」
<ライト級マッチ 5分3ラウンド>
●ジム・ミラー
1ラウンド(3分00秒)KO
○ダニエル・フッカー
勝者ダニエル・フッカーのコメント
「今はものすごく夢のような気分。まだちゃんと実感が沸いていないんだ。このスポーツのことは理解している。これまで浮き沈みがあった。もっと楽にできたんじゃないかとも思っている。試合になったらコイントスのようなもの。だから、こういう勝ちは特にそうだけど、どんな勝利だって感謝の思いでいっぱいだ。相手は左のオーバーハンドでこっちを捕らえられただろうし、俺はグラウンドでいけただろうと思う。次はランキング入りしているヤツとやりたい」
【プレリム】
<ウェルター級マッチ 5分3ラウンド>
○ライアン・ラフレア
判定3-0(30-27、30-27、30-27)
●アレックス・ガルシア
勝者ライアン・ラフレアのコメント
「わりと予想していた通りに戦えた。相手の動きはすべて見えていた。一度もクリーンなパンチは受けなかったと思う。年も取ってきたし、ハイレベルな相手と戦いたい。自分を試さないといけない。ニックネームを”ザ・デシジョネイター”ライアン・ラフレアにすべきかもね。別に俺はかまわないよ。自分の責任だからな。ものすごく興奮する試合じゃなかったのは分かっているけれど、最後の10秒だって俺はフィニッシュしようとしていた。膝蹴りを食らわせたしね。もうあと10秒あればフィニッシュできたはずだ」
<バンタム級マッチ 5分3ラウンド>
●メラブ・ドバリシビリ
3ラウンド(5分)TKO
○リッキー・シモン
勝者リッキー・シモンのコメント
「起き上がって相手の目を見たらイッていたんだ。かなりきつくチョークを仕掛けていたし、相手は失神していた。相手の体をまたぐように立っていたけど、ぐったりしていたからね。落ちていたし、その後でぐったりしていた。この数年、ベニート・ロペスが俺から逃げ続けている。たくさんの試合から手を引いている。俺がヤツを狙う」
<ウェルター級マッチ 5分3ラウンド>
○シアー・バハドゥルザダ
2ラウンド(2分40秒)KO
●ルアン・シャーガス
勝者シアー・バハドゥルザダのコメント
「ゲームプランにこだわった。コーチたちは天才だな。試合がどんな展開になるのか正確に見抜いていた。俺はただ試合に臨んでその通りにやり、勝った。これ以上の満足感はないよ。最高のフィニッシュだ。ボディへのキックだった。究極のフィニッシュだろ。ウェルター級を破壊してやりたいんだ。これは俺の階級だ。2019年までにチャンピオンになってやる」
<ライトヘビー級マッチ 5分3ラウンド>
○コーリー・アンダーソン
判定3-0(30-26、30-26、30-27)
●パトリック・カミンズ
勝者コーリー・アンダーソンのコメント
「ゲームプランに従って100%いけた。ジャブがペースを決定づけるだろうと分かっていたんだ。自分のトレーニングパートナーほど速くなかったから、相手の動きが見えていた。完璧なゲームプランだった。これぞまさに俺たちが求めていた試合だ。ここまで2連敗していたから、誰かを指名するなんてできない。負けた分はやり返したいけど、ミシャ・サークノフが観客席にいるのが見えた。彼の目は試合をしっかりとらえていたようだし、いい試合になりそうだという目をしていたから、もし彼が望むなら俺は受ける。やろうぜ」
【アーリープレリム】
<ウェルター級マッチ 5分3ラウンド>
○トニー・マーティン
判定3-0(30-27、30-27、30-27)
●中村K太郎
勝者トニー・マーティンのコメント
「圧倒的なパフォーマンスだったと思う。次は自分について来て、もっと勝とうとする人とやりたい。右を当てたら相手がもっと死に物狂いでくるかと思ったんだけどね。何度かダメージを与えたし、襲いかかろうとしたけど、コーチが落ち着けと言っているのが聞こえたんだ。ウェルター級ではこれが初めてだったし、自分がどう対応するかを見たかったんだと思う。ペースをプッシュしすぎてほしくなかったんだろう。この試合後はもっとやらなきゃいけないことがある。もっと重くして筋肉も増やしていく。次の試合も圧倒したいからね」
*****
【中止】
<フライ級マッチ 5分3ラウンド>
マゴメド・ビブラトフ vs. 佐々木憂流迦
<女子バンタム級マッチ 5分3ラウンド>
レスリー・スミス vs. アスペン・ラッド
◆マット・セラがUFC殿堂入り
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— UFC (@ufc) 2018年4月22日
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