“連勝街道vs.王座防衛”シャーロットからアスカ奪取ならず!中邑真輔ヒールターン!流血ローマン帝国F5に沈む~レッスルマニア

Photo by George Napolitano

 長い、長い、長い大会であった。さすがにこれでは記者連中でも集中力が切れてしまう課題が残る『レッスルマニア 34』であった。
 驚きのエンディングはトリのブロック・レスナーvs.ローマン・レインズ戦だ。そもそもロンダ・ラウジーの実質デビュー戦のため、UFCのディナ・ホワイトも来賓していたが、彼はWWEのアングルに協力しており、そもそも話半分(レスナーはUFCに戻る)に聞く必要があるにせよ、レスナーのWWEとの契約がいったん切れることは事実だったからだ。
 試合は、ハードウェイにせよローマン・レインズがレスナーの額パンチで大流血。やられても、やられても立ち上がる姿に観客が感情移入するベビーフェイス化が盛り込まれていたが、明日のRAW以降が注目される結末となった。

 そのローマンが、薬物検査に失格するかもという懸念のバックアップ案を含めて、なかなかカードが決まらなかったブラウン・ストローマンの怪物プッシュが続いており、放送では10歳くらいという観客席のプリティボーイをタッグ・パートナーに選ぶという奇行マッチメイク戦術に。ケガで新日本プロレスのLA大会にも出なかったミステリオ・ジュニアの名も取りざたされていたが、結局はパートナーの力を一切借りずとも、シェイマス&セザーロの超大型強力コンビをも一人で退治するという、もの凄いプロテクト路線を強調することになった。

 日本のファンにとって注目の中邑真輔エントランスは、アリス・クーパー・バンドからニタ・ストラウスのアイバニーズ・ギター(w/ Boss GT-1000CORE)がチョーキングで唸りを上げ、トレモノアームが宙を舞うアレンジに。LOUDPARKで来日したからメタルヘッドには馴染みであろう。さらには大勢の女性ヴァイオリン・トレインが続いた。試合はこの二人のサイコロジーを駆使した組み立ての集大成を目指すべく、中邑の得意技を放つ左膝がダメージ大という展開で練られた。ケツは伝家の宝刀、スタイルズクラッシュに中邑が沈む組み立てになるも、中邑がベルトを差し出し両者がお互いを讃え合うという結末になるかと思いきや、なんと急所蹴りから膝もブチ込んでの中邑のヒールターンが演出されている。

 大衆層には最大の注目であるロンダ・ラウジーの実質デビュー戦は、大型バイクにまたがる女性軍団の最後に、極悪権力夫妻のお出ましというド派手な演出から。ロンダ様はセパレートのタンクトップというのか、これはこれでそそられるコスチュームで大観衆の前にお披露目。出番は短くする予想通り、カート・アングルとトリプルHが7:3で試合を作り、ホットタッグ後のロンダ様はパンチ攻撃で特色を出していた。作る側からみたら実はゆっくりペースで組み立てられており、ヒートだけでレストタイムを埋めていく手法は勉強になったが、明らかに浮ついてしまっている新人のmoveは危なっかしい箇所だらけで冷や汗もの。課題は残ったが、これからなんだから無事にgood jobだったことに甘口採点しておく。

※他媒体では絶対に不可能な、日本語の媒体でアメプロ最強&最高峰を誇る週刊ファイトの『レッスルマニア』現地取材大特集は、金曜13日発売の4月19日号に収録されました。

■ WWE レッスルマニア34
日時:2018年4月8日(現地時間)
会場:アメリカ・ルイジアナ州ニューオーリンズ メルセデスベンツスーパードーム 観衆 78,133人(超満員札止め=主催者発表)

<第11試合 WWEユニバーサル王座タイトルマッチ>
[王者]○ブロック・レスナー
 15分53秒 ピンフォール
[挑戦者]●ローマン・レインズ


<第10試合 RAWタッグ王座タイトルマッチ>
[挑戦者]○ブラウン・ストローマン、ニコラス(サクラ観客)
 3分55秒 ピンフォール
[王者]●シェイマス、セザーロ


<第9試合 WWE王座タイトルマッチ>
[王者]○AJスタイルズ
 20分10秒 スタイルズクラッシュ⇒ピンフォール
[挑戦者]●中邑真輔


<第8試合 RAW女子王座タイトルマッチ>
[挑戦者]○ナイア・ジャックス
 9分2秒 ピンフォール
[王者]●アレクサ・ブリス
※ナイアが新RAW女子王者

<第7試合 タッグマッチ>
○ダニエル・ブライアン、シェイン・マクマホン
 15分22秒 イエスロック
●ケビン・オーエンズ、サミ・ゼイン

<第6試合 シングルマッチ The Dead man has risen>
○アンダーテイカー
 2分46秒 ツームストーン・パイルドライバー⇒ピンフォール
●ジョン・シナ
※最初はEマイナーのギターコードが流れてアライアスが出てきたが・・・。1年ぶりのテイカーの試合は短いものに。

<第5試合 SDタッグ王座トリプルスレットマッチ>
[挑戦者]○ブラジオン・ブラザーズ
 5分54秒 合体雪崩式パワーボム⇒ピンフォール
[挑戦者]●ニューデイ
※もう一組は[王者]ウーソズ

<第4試合 ミックスドタッグマッチ>
○ロンダ・ラウジー、カート・アングル
 20分26秒 腕十字
●ステファニー・マクマホン、トリプルH


<第3試合 US王座フェイタル4WAYマッチ>
[挑戦者]○ジンダー・マハル
 8分13秒 ピンフォール
[挑戦者]●ルセフ
※他は[王者]ランディ・オートン、[挑戦者]ボビー・ルード

<第2試合 SD女子王座タイトルマッチ>
[王者]○シャーロット・フレアー(王者)
 13分4秒 フィギュアエイト⇒タップアウト
[挑戦者]●アスカ(挑戦者)

 本誌が先行して活字にした通りだったが、ニューオリンズの街にアスカの旗が目立ち、なかにはジョン・シナとアスカが図案に使われた『レッスルマニア 34』の宣伝図案も広範囲にリリースした時点で、視聴者数の数字データなどからは、日本では一般ニュースで活躍が報道される大谷翔平よりも、お茶の間大衆の知名度がはるかに上なのが冷静な分析であろう。
 観客席に「ファンとして見に来た」ジョン・シナに何度かカメラが切り替わり、最後にシナが(着替えるため)バックステージに向かう構成だったが、初対決になるシャーロットとアスカ、やる側・作る側から見ている者にはパフォーマンス・センターでかなり練った構成ではあった。試合後、アスカはCongratulationとマイクしている。

▼レッスルマニア展望~中邑、アスカのガチンコ勝負~多面的深淵分析

[ファイトクラブ]レッスルマニア展望~中邑、アスカのガチンコ勝負~多面的深淵分析

<本篇第1試合 IC王座トリプルスレットマッチ>
[挑戦者]○セス・ロリンズ
 15分35秒 ピンフォール
[王者]●ザ・ミズ
※もう一人の挑戦者はフィン・ベイラー(LGBT軍団と入場、コスチュームにレインボーカラー♪True colors are shining through)

 MIXED MATCH CHALLENGEでアスカ&MIZ組が優勝。マリースとのパワーカップルに娘が生まれたばかりのMIZがお仕事役で、セス・ロリンズがoverすることは100%わかりきっていたに違いないが、史上最大の衝撃はフィン・ベイラーのカミングアウトなのだった。

KCIKOFFショー
<女子バトルロイヤル>
 9分38秒 勝者 ナオミ

<クルーザー級王座トーナメント決勝>
○セドリック・アレキサンダー
 12分15秒 ピンフォール
●ムスタファ・アリ

<アンドレ杯バトルロイヤル>
 16分35秒 優勝 ウォークン・マット・ハーディ


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’18年03月29日号新日NJC新潟キングダム東北大震災レッスルマニアGサスケK-1埼玉

’18年04月12日号猪木会見 新日両国 レッスルマニア Mr.高橋 Bたけし リーグ戦考