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総合格闘技団体UFCは日本時間2018年3月18日(日)にイギリス・ロンドンにあるO2アリーナにて”UFCファイトナイト・ロンドン”を開催した。
今回が10回目のUFCイベント開催となったロンドンではファブリシオ・ヴェウドゥム(ブラジル 23勝7敗1分)とアレクサンドル・ボルコフ(ロシア 29勝6敗)がメインイベントで対戦し、ボルコフが元王者のヴェウドゥムをノックアウトして勝利を手に入れている。
試合序盤はヴェウドゥムが主導権を握り、要所でタックルを仕掛けてテイクダウンを奪うなどボルコフにプレッシャーをかけるシーンが目立ちましたが、蓄積したダメージの影響が徐々に出始め、第4ラウンドについにボルコフに捕まり、強烈な一撃でダウンを喫してノックアウト負けとなった。
セミメインイベントではライトヘビー級ランキング4位のジミ・マヌワ(イギリス 17勝3敗)に同11位のヤン・ブラホビッチ(ポーランド 21勝7敗)が挑み、激しい打撃戦の末にマヌワをダウンさせたブラホビッチがユナニマス判定勝ちを収めている。
なお、当初、予定されていたジャック・マーシュマンとブラッドリー・スコットのミドル級マッチはマーシュマンが試合に適した健康状態ではないと判断されたため、対戦カードから除外されました。加えて、イベント当日には目の感染症を患ったナスラット・ハクパラストが試合出場に適した体調ではないとの判断から、ナド・ナリマニとの一戦も中止されている。
次回のUFCイベントは4月、舞台はニューヨーク州ブルックリンにあるバークレイズ・センターです。トニー・ファーガソンとハビブ・ヌルマゴメドフによるライト級暫定王座決定戦がメインイベントに組まれ、セミメインイベントで女子ストロー級王者のローズ・ナマユナスが元チャンピオンのヨアンナ・イェンドジェイチェクと再び顔を合わせて防衛戦に挑むなど、見逃せない対戦カードが多く予定されているUFC 223は日本時間4月8日(日)開催予定。
■ UFCファイトナイト・ロンドン
日時:現地時間2018年3月17日(土)、日本時間18日(日)
会場:イギリス・ロンドン O2アリーナ
<メインイベント ヘビー級マッチ 5分5ラウンド>
○アレクサンドル・ボルコフ○
4ラウンド(1分38秒)KO
●ファブリシオ・ヴェウドゥム
勝者アレクサンドル・ボルコフのコメント
「最高の気分だ。一番気持ちがいい。ファブリシオはこのスポーツで大きな存在だから、つまり、今、自分の名前もでかくなったってことだ。もちろん、タイトル挑戦を目指しているから、もしかしたらすぐにでもあるかもしれないね。でも、ロシアでタイトルに挑戦したい。俺が心から望むことだ。ロシアでベルトをかけて戦えるなんてワクワクする。母国にUFCを連れていきたいし、そうなれば初めてのこと。ロシアにUFCを連れていければ、歴史を作ったファイターになれる。今、UFCで戦っているロシア人ファイターの一員でいられることが本当にうれしい。応援してくれているファンのみんな、ありがとう。どんどんたくさんのファンが応援してくれるようになって、ファンの数は増える一方だから、そのみんなにありがとうと言いたい」
【メインカード】
<ライトヘビー級マッチ 5分3ラウンド>
○ヤン・ブラホビッチ
判定3-0(28-29、28-29、27-30)
●ジミ・マヌワ
勝者ヤン・ブラホビッチのコメント
「彼はモンスターだった。トレーニングでは試合よりももっとうまくやれていたのに、ジミがとにかくタフで、ものすごく危険な相手だった。今日は自分の試合ができた。彼のじゃない。それがこの試合と前戦との違いになったと思っている。これで確実にトップ10入りだ。でも、ランキングが戦うわけじゃない。人が戦うんだ。オクタゴンに上がり、ドアが閉じられればランキングなんて関係なくなる。戦いがすべてだ。自分の対戦相手を選ぶのは好きじゃない。UFCが次の相手を選んでくれる。家族、友達、そしてイギリスまで見に来てくれたポーランドのすべてのファンに感謝したい。悪い時も良い時も、みんなの支えが本当に大きい。本当にありがとう」
<バンタム級マッチ 5分3ラウンド>
○トム・デュケノア
判定3-0(29-28、29-28、30-27)
●テリオン・ウェア
勝者トム・デュケノアのコメント
「予想していた通りのパーフェクトとはいかなかったけど、おもしろい試合だった。今度、戻る時に修正しておけると思うところはいろいろとある。イギリスで戦えたことは自分にとって喜びだった。キャリアをスタートさせたときから、ここのファンはとても歓迎してくれたし、今日の良い試合を見せることで彼らのサポートに恩返しできていることを願うよ。これから数日の休みを取るけど、その後には次のことについてもう少し分かるんじゃないかな。でも、ファンのみんなには今後、俺からビッグなことを期待しておいてほしい。まだまだここからだ」
<ウェルター級マッチ 5分3ラウンド>
○レオン・エドワーズ
3ラウンド(4分59秒)TKO
●ペーター・ゾボタ
勝者レオン・エドワーズのコメント
「5連勝、世界のトップ15、気分がいい。次を楽しみにしている。俺はダレン・ティルを指名した。それだけだ。このゲームに友などいない。今週末に休んで、そうしたらまたすぐ8週間に臨みたい。リバプールでティルとやらせてもらえないなら、7月のベガスになれば最高だ。スティペ(ミオシッチ)とDC(ダニエル・コーミエ)のカードに載りたい。久しくアメリカで試合をしていないから、そういう意味でもいいかもね。ただ、与えられる相手と戦うことに変わりはない。この5年でイギリスのMMAは育ってきたし、その一員であることはすごいと思う。イギリスで5連勝した。その間、どこにも旅をしていない。アメリカに行かず、バーミンガムにとどまってすべてを成し遂げたんだ。ダニー・ロバーツから話しかけられて、バーミンガムで一緒にトレーニングをしたいと言われた。歓迎するよ。イギリスでやり続けようぜ。イギリスで築いていくんだ。月曜日にはランキングがどうなるか見てみよう。トップ10に入っているはずだから、月曜日に見てみて、そこからまた進む」
【プレリム】
<ライトヘビー級マッチ 5分3ラウンド>
○チャールズ・バード
1ラウンド(3分58秒)サブミッション(リアネイキドチョーク)
●ジョン・フィリップス
勝者チャールズ・バードのコメント
「最高の気分さ。UFCデビューだったし、これをずっと待ちわびていた。相手がものすごく人気の敵地に乗り込んで、こうやって仕事を果たせたことは本当に最高。誇大広告とか、何もかもどうでもいい。ベルが鳴ったら真剣勝負の始まりだ。相手がツイッターか何かで俺をノックアウトしてひれ伏せさせてやるとか言っていたみたいだけど、こっちは”はいはい、やってみれば分かるさ”って感じだった。今はとにかくもっとうまくなれるように集中していきたい。階段を駆け上って、できればいつかビッグファイトを戦いたいね。地元のメインイベントなんかできたらうれしいな。イギリスで戦えたことはもちろん最高の経験になった。ファッションも人も文化も大好きだ。最高だったよ」
<ウェルター級マッチ 5分3ラウンド>
○ダニー・ロバーツ
1ラウンド(2分12秒)KO
●オリベル・エンカンプ
勝者ダニー・ロバーツのコメント
「今は世界の頂点に立った気分。この結果を得られたことは、自分にとってこれを上回るものはそれほど多くないから、本当にスペシャルだ。ここは俺が育った場所。今の自分があるのはイギリスが育ててくれたようなものだから、ここに戻ってきて、ファンのみんなにふさわしいパフォーマンスを披露し、彼らの愛と応援を感じられたことは刺激的だった。イギリスでは今やものすごく強力なチームになったから、その一員でいられることをうれしく思っている。ダイナミックなファイターがたくさん集まっているし、俺もそうだけど、ダレン・ティルやレオン・エドワーズなんかもいる。それぞれがパワーと能力を持っているけど、チームとして世界で最も大きいスポーツのひとつをこの国で確立させられているのはいいことだと思う。俺たちのほとんどがウェルター級だけど、この階級はスタックしているから、30試合を戦っても同じ国の出身者と一度も戦わないってこともあるはずだ。そうする必要なんてあるか? 俺はないと思う。次はリバプールに行けるといいんだけどね。リバプールでないとダメだ。タイミング的には現実的だし、俺の地元だからきっといけるさ、行こうぜ!」
オリベル・エンカンプのコメント
「今はちょっと悔しい。自分はスロースタート気味になるから、相手の感じをつかんで波に乗るのに少し時間がかかる。ゲームプランは序盤の膝蹴りで相手の様子を見ることだったけど、相手が出だしから激しくて、トライした時につかまってしまった。2分じゃ俺には足りない。第2ラウンドになればいつも良くなるんだ。自分の試合を分析したいから、戻って何回か見てみる。それから、次に向けて取り組むべきところについて話し合うつもりだ。でも、アクティブであり続けたいから、また試合に戻るのにそう長い時間を待ちたいとは思わない」
<ライト級マッチ 5分3ラウンド>
○ダニー・ヘンリー
1ラウンド(0分39秒)サブミッション(ギロチンチョーク)
●ハキーム・ダオドゥ
勝者ダニー・ヘンリーのコメント
「よく聞いて、俺が試合する時はちゃんと覚悟しておいてよ! 大興奮だ。こんな風にフィニッシュできるなんて、始まったと思ったら終わっちゃって本当にうれしい。この喜びをうまく言葉にできない。父方の家族はほとんどがアイルランド人だから、俺にとってはすべてがうまくはまった感じ。スコットランドのファンの声も聞こえた。戻ってくる時に30くらいのアイルランド国旗が見えたから、彼らの応援に報えて本当にうれしいし、彼らがパフォーマンスを楽しんでくれていることを願う。自分の対戦相手を指名するのは好きじゃない。用意される相手と戦うだけさ。スタイル的にはエキサイティングなパフォーマンスを見せられるように強い相手とやるのが好き。だから、次がそういう試合になることを願うよ。俺にとっては単に勝利を求めるだけじゃない。パフォーマンスも見せたいんだ。地元に近い場所での試合はいつも以上に地元からの応援を受けられる。イギリスで戦えて本当に最高だったし、自分の応援団がついていてくれるっていうのは本当に最高だ」
<ライトヘビー級マッチ 5分3ラウンド>
○ポール・クレイグ
3ラウンド(4分59秒)サブミッション(三角絞め)
●マゴメド・アンカラエフ
勝者ポール・クレイグのコメント
「ファンの声を聞いた? 前回、グラスゴーでは思い通りにいかなかったから、今日、スコットランドのみんなの前でフィニッシュできたことは本当にスペシャルだ。聞いてくれ、みんなはアイルランドのファンが一番だって言うけど、スコットランドのファンだってこんなに熱狂的でこんなにも応援してくれる。2敗した後、フィニッシュで勝てて本当にうれしい。コーチがオクタゴンに飛び入ってきて、残り数秒しかないタイミングでフィニッシュしたんだぞって教えてくれた。この後は子供たちをディズニーランドに連れて行って、トレーニングや試合の準備に費やしていた時間の埋め合わせをするよ」
<ライト級マッチ 5分3ラウンド>
○ケイジャン・ジョンソン
判定2-1(28-29、28-29、29-28)
●スティービー・レイ vs.
勝者ケイジャン・ジョンソンのコメント
「打ち込みたいと思っていた以上にやれたと思う! 最初のラウンドはかなり楽だったし、プラン通りにいけた。俺の長いレンジが効いていた。パンチはあまり当てられなかったけど、相手もこっちに近づけなかった。第2ラウンドはレフェリーから2人とももっと見せるよう言われたんだ。右パンチをかなりうまく当てられたし、相手にダメージを与えられたと思う。何度か強烈な打撃もヒットさせたけど、相手がダウンしなかったから、ダブルでいった。俺がこうかなと思っていた以上に、相手がうまかったんだ。第3ラウンドはびっくり。相手にかかってこられて、かなり撃ち込まれたから、予定通りにいかなかったし、テイクダウンも取られた。腕を背中に回されてしまって、いつもなら自分が好んでやることだし、自分がやられるのはごめんだと思った。自分が勝てたかどうかは分からなかった。第3ラウンドは相手の方が圧倒していたから、正直、負けてもおかしくないとは思っていたんだ。勝利を手に試合を終えられて本当によかった。フィニッシュできないと勝利の実感がない、なんて言うけど、でも、本当にうれしい」
スティービー・レイのコメント
「相手がかなり動いていたから、イラつく試合になるんだろうなというのは分かっていた。あれだけ動かれると、ファンのみんなが求めているパフォーマンスを発揮するのは難しいけど、それもゲームの一部だというのも分かっている。もうちょっとがんばってもらえたらよかったんだけどね。そうすればこっちももう少しいけたはずだから。自分自身にがっかりしている。接戦の判定だった。見直してみないと分からないけど、相手には一度もやられたと思っていない。俺はスタンディングでやりたいし、打ち合いたいのに、それができなかったから、とにかく悔しい。しっかりやれたとは思っているけど、でもしょうがない」
<ヘビー級マッチ 5分3ラウンド>
○ドミトリー・ソスノフスキー
2ラウンド(4分29秒)サブミッション(リアネイキドチョーク)
●マーク・ゴッドビアー vs.
勝者ドミトリー・ソスノフスキーのコメント
「信じられない気分だ。本当にうれしい。俺はロシアの小さな村の出身だ。金もそんなに持っていないから、この場所に来て、最大の舞台で戦うことが本当に重要だった。マークはタフな相手だと予想していた通り、自分のプランを思い通りにやらせてもらえなかった。3年ぶりだったから、もう一度、試合感を得るには少し時間がかかったけど、今は信じられない気持ちだ」
マーク・ゴッドビアーのコメント
「タフな試合になることは分かっていた。相手が強力なのも分かっていたし、距離を詰めてくるだろうことも分かっていたけど、とにかく試合を続けていたかったし、みんなを楽しませたかったんだ。楽しんでくれているといいけど。いくつかミスってしまった。何をミスしたかは分かっている。これがUFCだ。世界最高の奴らがそろっている。ひとつでもミスを犯せば試合終了。負けて悔しいけど、俺たちの仕事はみんなを楽しませることだから、今日はみんなに期待通りの試合を見せられていることを願っている」
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