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UFCは日本時間2018年2月25日(日)にアメリカ・フロリダ州オーランドにあるアムウェイ・センターにて“UFCファイトナイト・オーランド”を開催した。
メインイベントでフェザー級ランキング4位につけるジョシュ・エメット(アメリカ 13勝1敗)と拳を合わせた同7位のジェレミー・スティーブンス(アメリカ 26勝14敗)は短期間での試合ながら万全の準備を整えたことを立証するように序盤から鋭いパンチを浴びせていき、第2ラウンドにエメットをノックアウト、見事な勝利を飾った。
念願のオクタゴンデビューを果たして以降、4勝1敗を記録して初のメインイベントに臨んだエメットは第1ラウンドに放った一撃でスティーブンスからダウンを奪うなど好機もあったが、全体的に自らのペースを築けず、スティーブンスにプレッシャーをかけられ続けてしまった結果、KO負けを喫した。
また、セミメインイベントで対戦したジェシカ・アンドラージ(ブラジル 17勝6敗)とテシア・トーレス(アメリカ 10勝1敗)の女子ストロー級戦は序盤に激しい打撃戦が繰り広げられた後、アンドラージが得意の展開に持ち込んでテイクダウンを連発し、フィニッシュこそかなわなかったが、ユナニマス判定でアンドラージが白星を手に入れている。メインカードでライトヘビー級ランキング5位のオヴィンス・サン・プルー(アメリカ 22勝10敗)に挑んだ同8位のイリル・ラティフィ(スウェーデン 14勝5敗1ノーコンテスト)は第1ラウンドにギロチンチョークで一本勝ちを収めた。
次回、UFCは本拠地ラスベガスに戻り、T-Mobileアリーナを舞台にてUFC 222を開催。メインイベントではクリスチャン・サイボーグがヤナ・クニツカヤを迎えて女子フェザー級タイトルの防衛戦に挑む予定。その他、メインカードにはフェザー級ランキング2位につけるフランク・エドガーと同3位のブライアン・オルテガの一戦が組まれるなど次回も注目戦が多数予定されている。
■ UFCファイトナイト・オーランド
日時:現地時間2018年2月24日(土)、日本時間25日(日)
会場:アメリカ・フロリダ州オーランド アムウェイ・センター
<メインイベントフェザー級マッチ 5分5ラウンド>
○ジェレミー・スティーブンス
2ラウンド(1分35秒)KO
●ジョシュ・エメット
勝者ジェレミー・スティーブンスのコメント
「これで、フェザー級で一番のパワーヒッターが誰か分かっただろ。ジョシュを見下しているわけじゃない。ダウンさせられたし、機転を利かせる必要もあった。でも、俺はやられない。俺を打ち破るなんて無理さ。キャリアを通してたくさんのアップダウンがあったけど、それが、絶対にあきらめたらいけない、という証拠になっている。エメットはタフで、素晴らしい動きだったし本当にすごかった。見下すなんてとんでもない。キャンプ中にそんなことを言った覚えはない。彼らはタフだ。いいショーを見せられたと思う。デイナ、タイトルに挑戦させてくれ。俺の上には3人しかいない。3人だ。頼むから俺にチャンスをくれ。いつだってショーを見せてきただろ。逃げられても隠れられやしないさ。やってやる」
<セミメインイベント 女子ストロー級マッチ 5分3ラウンド>
○ジェシカ・アンドラージ
判定3-0(29-27、29-28、29-28)
●テシア・トーレス
勝者ジェシカ・アンドラージのコメント
「タフな試合だったのはみんなも分かっていると思うけど、私は始まった時からこうなると思っていた。ライオンとの決闘みたいだったわ。今回の勝利を手に入れるためにグラウンドのスキルを生かさないといけなかったけど、でもそれは予想していた。もう一度、タイトルをかけて戦う時が待ちきれないし、どれだけ成長したかを見せたい。世界最高の女子MMAチームの一員なんだということを見せつけたかった。ヘッドコーチのパラナに心から感謝している。この勝利は彼のものよ!」
<ライトヘビー級マッチ 5分3ラウンド>
○イリル・ラティフィ
1ラウンド(3分48秒)サブミッション(ギロチンチョーク)
●オヴィンス・サン・プルー
勝者イリル・ラティフィのコメント
「いろいろあって大変なキャンプだったけど、何とか乗り切って今日は勝利できた。タイトルマッチをやりたいから、ゲームプランはフィニッシュすること、大勝利を収めることだった。ヘビー級だろうとライトヘビー級だろうと、今年中にチャンピオンと対戦したい」
<ウェルター級マッチ 5分3ラウンド>
○マックス・グリフィン
判定3-0(27-29、27-29、27-30)
●マイク・ペリー
勝者マックス・グリフィンのコメント
「相手は雄牛、こっちは闘牛士だ。チャージをかけられたし、豪拳を知らしめようとしていたんだと思う。自分はじっくり正確にいった。動き回って打ち砕いてやれるとも思っていた。相手がスローに思えたんだ。かなり重いようだった。いろんな人を打ち負かす彼を見てきたけど、実際はかなり遅い。戦いが好きなら、優れたファイターのことは尊敬するし、ファンも尊敬を持って迎えるものだ。いいショーを見せられたんじゃないかな。ファンの何人かをかっさらって、自分の味方につけられた気がする」
【プレリム】
<バンタム級マッチ 5分3ラウンド>
○ブライアン・ケレハー
判定3-0(28-29、27-30、27-30)
●ヘナン・バラオン
勝者ブライアン・ケレハーのコメント
「最高の気分だよ。UFCに来る前から彼のことは見ていたし、世界チャンピオンだった。こういう時を夢見てきて、それが実現したんだ。スゲェことだと思う反面、ずっとここにいるんだという思いもある。自分の力をとても信じているし、今日はそれを示せた。ジョン・リネカーがいいんじゃないかと思っている。初勝利を挙げてからずっと彼の名前を言ってきたけど、まだ自分はランク入りしていないから理にかなっていないのも分かる。ただ、今回の勝利でトップ10に入れると思うから、(リネカーのような)相手と戦えるようになるはずだ」
<女子バンタム級マッチ 5分3ラウンド>
○マリオン・レノー
2ラウンド(3分40秒)サブミッション(トライアングルチョーク)
●サラ・マクマン
勝者マリオン・レノーのコメント
「最初のラウンドでつぶしにかかってくるのは分かっていた。試合が始まればプレッシャーをかけてくることも分かっていたわ。向こうがブレイクするだろうから、とにかく最初のラウンドを切り抜けないといけなかったの。ボクシングのコーチが相手は中盤になったらストレートにくるだろうから、仕留めるなら右を使えと教えてくれた。だから第2ラウンドでそうしたの。右パンチを放って相手に響いていたのは分かっていたし、ジャブも彼女のバランスを崩していたと思う。右の拳で勝負できるのは間違いなかったから、とにかく耐え続けた。彼女がこちらのガードに入ってくれば一気にいけると思っていたし、三角絞めを狙っていた。足を膝裏でロックできた瞬間にこれでおしまいだと分かったし、あとは時間の問題だった。2004年のオリンピックに出た選手だけれど、もう随分、前のこと。18歳だった2000年にランニングしていたのを覚えているようなものよ。昔のこととはいえ、それで彼女の何が消えるわけでもないし、今回は最高の相手に素晴らしい勝利を飾れたと思っている。3人のタイトルコンテンダーを打ち破ってこれで3連勝。タイトルマッチの準備はできているわ。もう若くなることはないし、待ち時間が長くなれば手に入れるのも難しくなる」
<女子ストロー級マッチ 5分3ラウンド>
○アンジェラ・ヒル
判定3-0(30-27、30-27、30-27)
●マリナ・モロズ
勝者アンジェラ・ヒルのコメント
「第2ラウンドと第3ラウンドの間にコーチから言われたの。ラウンドは取っていると思うけど、相手の手数が多いから次のラウンドは大量に仕掛けていかないといけない。相手が取りに来るだろうからって。コーチは過信しない人だから、もし確信がなければラウンドを取ったなんて言わない。第2ラウンドが終わった後、スローダウンしたけど、私の方が力強いショットを当てている感触があった。前回の試合はかなり接戦だったから、確実な勝利を手に入れられるように第3ラウンドはペースを取りにプッシュした。素晴らしいファイターに勝った今はランキング入りしていてほしいわね。ジェシカ・アギラーが対戦相手を欲しがっていると聞いたから、立候補するわ。来週は無理だけど、2週間か3週間あれば。もっともっと経験を積んでいきたいの」
<ウェルター級マッチ 5分3ラウンド>
●アラン・ジョバーン○
2ラウンド(2分38秒)KO
○ベン・サンダース vs.
勝者アラン・ジョバーンのコメント
「最高の気分。とにかく集中したかったから、この感覚は今この瞬間に爆発させようと言い聞かせてきた。すべてが報われた気持ちになるノックアウトした気分、勝った気分を思い浮かべたかったんだけど、集中し続けたかったから抑えていた。宣言通り、完璧な試合にしたかったし、今日は記念日だから、お祝いもしたかったんだ。息子にとっては初めて見る試合だからね。この気持ちをじっくり味わいたい。動物に鳴った気分だったよ。オクタゴンに入って、エンジンがかかるまでちょっとかかったけれど、セクション102の20列に息子が座っているのが見えて、手を振ってくれているのが見えた時に恐れはなくなった。打撃戦がやりたかったし、彼の勇敢さを感じた。最高だよ。友達と戦うのは好きじゃないし、本当に尊敬している人だけど、自分の次の試合はカウボーイ(ドナルド)・セラーニがいいんじゃないかと思っている」
【アーリープレリム】
<ライトヘビー級マッチ 5分3ラウンド>
○サム・アルビー
1ラウンド(4分23秒)TKO
●マルチン・プラフニオ
勝者サム・アルビーのコメント
「ネイサン・マーコート以来のフルキャンプだった。ケガしちゃって、いろんなところを痛めていた。でも、今回はフルキャンプで来ているし、コーチたちも一緒だから、もう影響はないと思えたし、しっかりパフォーマンスできたと思う。最高の気分さ。減量しても185パウンド(ミドル級)でいけると思っていたけど、205パウンド(ライトヘビー級)ははるかにやりやすかった。どっちの階級でも構わない。もしヘビー級を求められるのなら誰とだって戦うつもりだけど、フランシス・ガヌーかな」
<バンタム級マッチ 5分3ラウンド>
○ハニ・ヤヒーラ
3ラウンド(2分32秒)サブミッション(ヘッドアンドアームチョーク)
●ラッセル・ドゥアン
勝者ハニ・ヤヒーラのコメント
「母を亡くしたことで今日はもっと集中できた気がする。母はいつも自分のモチベーションを高めてくれる1人だったし、支えてくれる人だった。この状況で戦ってほしくなかったと思う。母はいつも自分の試合を見に来てくれた。今日は母のためにここに来た」
<フライ級マッチ 5分3ラウンド>
○アレックス・ペレス
判定3-0(30-27、30-27、30-27)
●エリック・シェルトン vs.
勝者アレックス・ペレスのコメント
「最高の栄養管理会社のひとつであるパーフェクティング・アスリートと取り組んでいるんだけど、出発した時は140パウンド(約63.50kg)あって、予想よりも2パウンド重かったんだ。でも、LAで朝の8時から夜の11時まで足止めされて、練習ができなかったから、とにかく水を飲んで食事もして健康状態を保つしかできなかった。プロとして言い訳はしない。ただ、必死に残りの0.5パウンドを落とそうとしたけどダメだったんだ。エリックと彼のチームには申し訳ないと思っている。俺のミスだった。勝利はいつだって気分がいいし、すべてのハードワークが報われる。修正すべきところがいくつかあるけれど、すぐにまた試合ができることを願っている」
<バンタム級マッチ 5分3ラウンド>
○マニー・バミューデス
2ラウンド(2分33秒)サブミッション(ギロチンチョーク)
●アルバート・モラレス
勝者マニー・バミューデスのコメント
「1月に試合をしたばかりでキャンプまで3日間しか間がなかった。ゲームプランはいつもやっていることをやる。ハードかつ速く動くことだった。相手が経験を見せつけて、距離を取りながらタイミングをうまく使っていたから、最初のラウンドはタフだったけど、第2ラウンドは相手がもたついていたからギロチンを決めて仕留めた。俺にはネコ並みの反射神経があるし、序盤に相手に捕らえられた時だって、グラウンドでやるべきことをやらないと、と思っていた。そういう時も、ただ休んでいるなんてできないんだ。それでも、彼はすごい相手だったし、敬意を表したい。次はベニート・ロペスとやりたい。彼は3ラウンドの判定でアルバート(モラレス)に勝ったけど、俺はアルバートをフィニッシュした。どうなるか楽しみだ」
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