21日、「INOKI ISM.2 ~アントニオ猪木『生前葬』~」両国国技館大会が7000人(超満員札止め)で開催された。
藤原喜明が数珠を手に般若心経を全文読経すれば、アントニオ猪木は「私のお墓の前で泣かないでください~」で始まる「千の風になって」を唄いきる。入場時に配られたキャンドルを観客が灯すなか、“猪木”と“もう一人の猪木”が天の声で掛け合い。「オイ、オマエは誰だ?」との問いに、「お前こそ誰だ? そんな狭いところで何やってんだ。ふざけるな」と呼応する。「オレとオマエが一つでなきゃおかしいだろう。待ってろ」とも。
テンカウントの後に花道に姿を現した猪木は、ガウンを脱ぐと赤いマフラーと黒スーツ。リング上の白い棺桶をナックルパートで破壊した猪木は、死人から離れようとする人魂(赤い火の玉に見立てたボール)を掴み出す。
これで“あの世行き”を回避した猪木は「葬式はオレには似合わないよ」と、まさかのイベント全否定。「オレもカネがない。これから1年、全国で生前葬ツアーをやろうか」と自分で振りつつ、「バカ言ってんじゃねえよ」とツッコミ。どうやらそういった案もありそうだが、猪木自身は気乗りしないのか。“復活”を遂げた猪木の今後はウヤムヤに。
予定されていたタイガー・ジェット・シンの参列は、貼り紙により中止の発表。当日を待たずに完売となったはずの観客席は、招待客側の都合なのか空席が目立った。
アクラム・ペールワンの甥を「有望な選手です」とリングに招き、一緒に「ダーッ!」を決めた猪木。ラストには2度目の「ダーッ!」もあり、サンバダンサーズに囲まれた。若かりし頃、ブラジルに移民していた猪木の経歴にひっかけたものだったのだろうか。猪木劇場にどんなネクストがあるのか、まだまだお騒がせは続く? まわりの手を借りることなしにはリングからの階段を降りれなかった猪木。なかなか“ファイナル”させてもらえない哀愁を漂わせもした。
メインでは、大会前の舌戦で“負ければ引退”を背負ったスコット・ノートンがピーター・アーツにボストンクラブ勝利。セミファイナルでは“カール・ゴッチのトレーニングを受けた男”桜井隆多が鈴川真一を破り、カール・ゴッチ杯2017を制している。
■INOKI ISM.2 ~アントニオ猪木『生前葬』~
日時:2017年10月21日(土)16:30
場所:東京・両国国技館 7000人(超満員札止め)
<第1試合 カール・ゴッチ杯2017 一回戦 5分2R(延長1R)>
〇鈴川真一
1R3分54秒 肩固め
●ヂエゴ安楽
※鈴川が決勝進出
<第2試合 カール・ゴッチ杯2017 一回戦 5分2R(延長1R)>
〇桜井隆多
2R1分40秒 スリーパーホールド
●”brother”YASSHI
※桜井が決勝進出
<第3試合 タッグマッチ 20分1本勝負>
タカ・クノウ ●蓮見隆太
13分46秒 腕ひしぎ十字固め
ロッキー川村 〇マックス・ザ・ボディ
<第4試合 30分1本勝負>
〇ハマーストーン
4分32秒 片エビ固め
●モンターニャ・シウバ
※バックフリップ
<第5試合 ムエタイ ピン級 3分3R>
〇吉成名高
判定3-0
●セガイ・ラッチアノン
※判定=30:28、30:28、30:28
<セミファイナル(第6試合) カール・ゴッチ杯2017 決勝戦 5分2R(延長1R)>
●鈴川真一
1R2分32秒 肩固め
〇桜井隆多
※桜井が優勝
<メインイベント(第7試合) 時間無制限1本勝負>
〇スコット・ノートン
5分21秒 TKO
●ピーター・アーツ
※セコンドのタオル投入
大会後パーティ
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