『W-1 GP 2017』芦野祥太郎「僕がタップさせた人たちのトーナメントってことですね」黒潮“イケメン”二郎「メインに立たなきゃいけないのは俺しかいない」

 W-1王者として最多防衛記録を作った芦野祥太郎。7月12日の後楽園ホール大会で開催される『W-1 GP 2017』には出場せずに、その優勝者を9月2日の横浜文化体育館大会で迎え撃つことになった。そこで誰が自分の目の前にやってくるのか? その予想を行なってもらった。

辛口予想!芦野祥太郎インタビュー

──チャンピオン!『W-1 GP』の日が近づいてきました。誰がグランプリを制するのか? そして9月2日、横浜文化体育館で誰が自分の目の前に立つことになるのか? その予想をしてください。

芦野祥太郎選手
「じゃあ、トーナメントの山順にやっていきましょうか」

──よろしくお願いします! では、まずは1回戦の河野真幸vs稲葉大樹ですね。

芦野祥太郎選手
「実力を考えれば河野さんですね。稲葉さんはチャンピオンでしたけど、みんなそのことを忘れていますからね。それぐらい存在感の薄いチャンピオンでしたから。それじゃダメなんですよ。だから、ここは普通に河野さんが勝ち上がりますね」

──この2人は昨年の11月にタイトルマッチでぶつかっているんですよね。

芦野祥太郎選手
「やってますね。凄く熱い試合だったんで、そういう試合をここでも見たいです。で、河野さんは3月でしたっけ?」

──芦野選手とのタイトルマッチですか? それなら3月20日の後楽園ホール大会でしたよね。

芦野祥太郎選手
「そうそう。アンクルロックでタップを奪っています。で、稲葉さんが2015年ですね。デビューした年の11月にシングルでやって、やっぱり僕がタップを奪ってます」

──その試合は2015年11月27日の後楽園ホール大会ですね。たしかに変形アンクルロックでタップさせてます。

芦野祥太郎選手
「つまり2人とも僕がタップアウトさせた人間っていうことです」

──なるほど(笑)。

芦野祥太郎選手
「まあ、2人と闘った感じだとさっきも言ったように圧倒的に河野さんです。ということで、次にいきましょう」

──次は近藤修司vs伊藤貴則。伊藤選手は7月2日に行なわれたACE新木場大会の出場者決定トーナメントを勝ち上がってきてのエントリーですね。

芦野祥太郎選手
「立花との決勝もいい試合でしたね。僕は立花に来てほしかったんですけど、そこは実力差が出たと思います。伊藤はまだキャリア9カ月ぐらいで凄いと思いますよ。技術的にはまだまだ浅いところもありますけど、負けん気が見えてくるんで。それが今の彼の一番の魅力なのかなって思います。一方の近藤さんは文句なしで強いです。ただ、W-1のチャンピオンシップには縁がない」

──無差別級のベルトを取ってないんですよね。

芦野祥太郎選手
「そうなんですよね。ただ、近藤さんは頭脳を使ったプロレスをしてきますから。伊藤がそれに対してどこまで対応できるのか?キャリアで判断するのは好きじゃないんですけど、さすがに違いすぎますよね。伊藤は直線的な闘い方しかできないし、体格では上回っていても簡単にひっくり返されてしまうでしょう。河野さんと近藤さんのシングルも見たいので、ここは近藤さんですね。で、近藤さんは4月ですね」

──あ、またタップアウトを奪った日ですか? これは4月19日の後楽園ホール大会でのタイトルマッチでしたね。

芦野祥太郎選手
「はい。で、伊藤も4月に札幌でシングルをやってるんですよ」

──4月9日の札幌大会ですね。

芦野祥太郎選手
「これもタップさせてます」

──この2人も芦野選手がタップアウトを奪った者同士の試合ということですね(笑)。さて、次は征矢学vs熊ゴローというカードです。

芦野祥太郎選手
「ああ、鈴木こと熊ゴローですね。鈴木は熊ゴローなんてふざけたリングネーム使ってますけど、甘えですよね」

──何に甘えてるっていうんですか?(笑)。

芦野祥太郎選手
「リングネームに甘えてるんですよ。いま鈴木優也に戻っても誰も注目しないでしょう。人間としてもつまらないですから。まあ、これは征矢さんが完封しますよ」

──完封!熊ゴロー選手もタッグ戦線でけっこういい結果を残しているんですけどね。

芦野祥太郎選手
「でも、タッグ止まりなんですよ。シングルでは何も実績を残せてないじゃないですか?結局は誰かの金魚のフンなんですよ。前は征矢さんやAKIRAさんについていて、今は土肥さん。1人じゃ何もできない」

──同期に対しては異常に辛辣ですね(笑)。

芦野祥太郎選手
「まあ、上がってきてほしいとは思いますけど、冷静に考えれば無理でしょう。で、征矢さんは5月4日ですね」

──はい、後楽園ホール大会でタイトルマッチをやって、これもアンクルロックでタップさせてますね。

芦野祥太郎選手
「鈴木に至ってはデビュー戦でタップさせてますから」

──2015年2月13日の後楽園大会ですね。お互いがデビュー戦でした。

芦野祥太郎選手
「逆エビ固めでタップさせてますよ。いやあ、ここまで見事に全員シングルでタップさせてますね。我ながら凄いな」

──タップアウトコレクションですか(笑)。

芦野祥太郎選手
「結局はこれは僕がタップさせた人たちのトーナメントってことですね。なんか弱いトーナメントだな」

──そんなことないですよ!(笑)。では、1回戦の最後は土肥孝司vs黒潮“イケメン”二郎というNEW ERA対決ですね。

芦野祥太郎選手
「NEW ERAというよりはTAJIRIチルドレン対決ですよね。TAJIRIイズムをもの凄く受け継いでいる児玉、イケメン。ちょっとそれている土肥っていう感じですね、僕から見たら。まあ、僕もこんだけ尖る前はお世話になりましたからね、この2人には。これは予想するのが一番難しい試合ですね……あ、ここはドローじゃないかな?」

──ああ、1回戦は15分1本勝負ですから、時間切れ引き分けの可能性もありますよね。ちなみに引き分けの場合は両者失格になります。

芦野祥太郎選手
「じゃあ、ドローだ。この2人はハッスルから10年以上の付き合いなんでしょ? お互いに意地もあるから決着つかなそうですよね。ああ、やっぱりドローだ。ということは両者失格で、征矢さんが軽く決勝進出ですね」

──たしかにドローになる可能性もありますけど、イケメン選手は1カ月前に近藤選手にシングルで勝って勢いがありますよ。

芦野祥太郎選手
「すんなり勝ちましたよね。あれは驚きですよね。でも、じつは近藤さん、ジャケット着たかったんじゃないですか?」

──じつはカツラを被って、あれをやりたかった、と(笑)。

芦野祥太郎選手
「だからイケメンさんがすんなり勝てた可能性はありますよ。一方の土肥さんはNEW ERAでは一番主張が強いんですよ。ただ、僕は去年の12月に復帰してから、今年は2月以外は全部後楽園でシングルやっているじゃないですか? しかも、相手は全員アンクルロックで倒している」

──イケメン選手も1月8日の後楽園大会でタップアウトを奪っていますよね。土肥選手はそれこそこの間の6月6日の後楽園大会で勝ったばかりですし。

芦野祥太郎選手
「だから、土肥さんは研究材料がたっぷりあったんですよ。それなのに覆すことができなかった」

──これだけ手の内を見せているのに。

芦野祥太郎選手
「それだけ僕が強いからなんですけどね。まあ、僕もみんなが逃げ方を研究しても、それを上回る逃げられない研究をしているんで」

──強すぎるから仕方ないと(笑)。

芦野祥太郎選手
「そういうことです。まあ、話を戻しますけど、イケメンvs土肥はドローで両者失格!」

──わかりました(笑)。では、いよいよ準決勝です。まずは河野選手と近藤選手ですね。

芦野祥太郎選手
「これは事実上の決勝戦と言ってもいいんじゃないですか? ヒザvsラリアットになりますね。ただ、近藤さんは寝技はそんなに強くないんですよ。グラウンドの技術では河野さんのほうが上手ですよね。しかも体格差もあるし、僕のアンクルロックみたいに体格差関係なく仕掛けられる技もないですからね。パワー対決になっちゃうと近藤さんは分が悪いですね。この試合は相当おもしろそうですけど、ここは河野さんが勝つでしょう」

──ということは、決勝戦は河野選手と準決勝をせずに勝ち上がる征矢選手との対戦ということになりますか?

芦野祥太郎選手
「そうですね。征矢さんは3連覇がかかっていますけど、河野さんは意地でもそんなことさせないんじゃないですか? たしかに征矢さんはノーダメージで勝ち上がってきますよ。僕の予想が当たれば準決勝はしなくていいし、1回戦は鈴木ですからね。鈴木には一点攻めをする技術がないんで。セントーンしかないですからね。で、避けられてラリアットで負けるでしょう」

──同期に対しての愛情がまったくないですね(笑)。

芦野祥太郎選手
「あるわけないでしょう。まあ、だから征矢さんのほうが有利だけど、河野さんが意地でも3連覇を阻むと。僕の願望も込めて、優勝は河野さんですね。おめでとうございます!」

──優勝は河野選手!ところで、以前からおっしゃっていますけど、河野さんともう一度やりたいという理由を改めて教えてもらえますか?

芦野祥太郎選手
「タイトルマッチで勝った時は一発逆転だったんでね。もっと僕のペースで勝ちたい。ねじ伏せたいんですよ。なんかインタビューとかで優勝したら新王座設立とか言ってますけど、そういうことは一切やらないでいただいて、純粋に僕のベルトに挑戦してきてほしい。まあ、結局はこのグランプリは僕への挑戦者決定トーナメントということになりますよね」

──構図としてはそうなってしまいますけど、グランプリ覇者にはちゃんと別の価値があると思いますよ。

芦野祥太郎選手
「いや、W-1からのリリースに最強を決めるとかなんとかって書いてあったんですけど、訂正してほしいですね。ナンバー2を決めるトーナメント。挑戦者決定トーナメント(W-1 GP)という表記にしてほしいですね」

──でも、昨年のグランプリはケガで悔しい思いをされているじゃないですか? 今年はその雪辱で出てみたかったみたいな気持ちはありませんでしたか?

芦野祥太郎選手
「全然ないですね。3試合もしたくないんで。1試合で十分です。去年ケガでダメだったんですけど、あんま未練はないですよね。なんでトーナメントに出たかって言ったら、ベルトが欲しかったからなんで。復帰してすぐにベルト取っちゃったし、グランプリに関してはそこまでの思い入れもないですよ。だって、一番強いチャンピオンが出てないわけでしょ? しかも、今回のメンバーはみんな僕がタップアウトさせてる人ばかりですよ。大丈夫なんですか、このトーナメント?」

──いや、チャンピオンのこの言葉を聞けば、参加選手はみんな燃えますよ(笑)。きっと素晴らしい大会になるんじゃないですか?

芦野祥太郎選手
「本当ですか? まあ、あくまでこれは予想なんで、一つも当たらない可能性もありますから」

──まあ、優勝予想は河野選手でしたけど、同世代の若い選手に来てほしいという気持ちはないですか?

芦野祥太郎選手
「いや、強い選手に来てほしいですね。同世代とかどうでもいいんで。キャリアは関係なく強い人としっかりとした試合をしたいというのが僕の思いですよ。僕を叩き潰したいっていう気持ちが見えれば若い選手でもいいですけど、NEW ERAとかはただ仲良しこよしでやっているだけですからね。まあ、誰が来ても横浜文体ではいい試合をしてアンクルロックでタップアウトさせますから」

──誰が優勝しても、最後はアンクルロックの餌食だと。

芦野祥太郎選手
「はい。僕にはそれしかないんで、優勝した人は文体までに必死に逃げる方法を考えておいてくださいと。こっちは手の内を見せてるんですから。ただ、あと10種類ぐらいは見せてない入り方を持ってますからね。アンクルロックの入り方は世界一じゃないかなっていうぐらい持ってますから。お客さんにはそこを期待していてもらいたいですね。横浜では変幻自在のアンクルロックで、誰が来てもタップアウトさせるんで、楽しみにしていてください」

▼’16年11月10日号ノア身売り高円寺W-1河野真幸JWP中島安里紗トランプ長州力

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▼王者・芦野祥太郎が近藤修司キングコング討伐!新体制WRESTLE-1長時間興行に

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■ WRESTLE-1 TOUR 2017 SYMBOL
日時:2017年7月12日(水)19時開始/18時開場
会場:東京・後楽園ホール大会 
チケット情報
・特別リングサイド¥7,000
・リングサイド¥5,000
・指定席¥4,000
・レディースシート¥3,000
・ペアシート¥7,000
※当日各席500円UP、ペアシートは1,000円UP
※当日のみ一般立見¥2,500、小中高ワンコインチケット¥500ならびに試合開始1時間後より、アフターワンアワーチケット¥2,000を販売致します。

チケット販売所
・チケットぴあ(Pコード:594-330)TEL:0570-02-9999
・電子チケットぴあ http://pia.jp/t(PC、モバイル共通)
・ローソンチケット(Lコード:34353 TEL:0570-000-732(※10~20時))
・イープラス http://eplus.jp/
・後楽園ホール5階事務所 TEL:03-5800-9999
・書泉グランデ TEL:03-3295-0011
・書泉ブックタワー TEL:03-5296-0051
・チャンピオン TEL:03-3221-6237
・㈱GENスポーツエンターテインメント 03-6452-6815
・WRESTLE-1 Official Web SHOP http://shop.w-1.co.jp/

<WRESTLE-1 GRAND PRIX 2017 一回戦① シングルマッチ 15分1本勝負>
河野真幸vs稲葉大樹

<WRESTLE-1 GRAND PRIX 2017 一回戦② シングルマッチ 15分1本勝負>
近藤修司vs伊藤貴則(Pro-Wrestling ACE)

<WRESTLE-1 GRAND PRIX 2017 一回戦③ シングルマッチ 15分1本勝負>
征矢学vs熊ゴロ―

<WRESTLE-1 GRAND PRIX 2017 一回戦④ シングルマッチ 15分1本勝負>
黒潮“イケメン”二郎vs土肥孝司

<WRESTLE-1 GRAND PRIX 2017 準決勝① シングルマッチ 30分1本勝負>
一回戦①の勝者vs一回戦②の勝者

<WRESTLE-1 GRAND PRIX 2017 準決勝② シングルマッチ 30分1本勝負>
一回戦③の勝者vs一回戦④の勝者

<WRESTLE-1 GRAND PRIX 2017 決勝戦 シングルマッチ 60分1本勝負>
準決勝①の勝者vs準決勝②の勝者

<8人タッグマッチ>
カズ・ハヤシ&NOSAWA論外&MAZADA&皇壮馬(Pro-Wrestling ACE)
vs
アンディ・ウー&吉岡世起&三富政行&頓所隼(Pro-Wrestling ACE)

<タッグマッチ>
芦野祥太郎&立花誠吾(Pro-Wrestling ACE)
vs
児玉裕輔&タナカ岩石(Pro-Wrestling ACE)

「今のW-1のメンツの中でメインに立たなきゃいけないのは俺しかいない」
黒潮“イケメン”二郎インタビュー

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 今年は長期欠場しながらも、「勢いは止まっていない!」と豪語する黒潮“イケメン”二郎。スポーツ誌『Number』で行なわれたプロレス総選挙の最終中間発表でも6位と高順位を獲得し、周囲を驚かせている。あまりタイトルには貪欲なイメージはないが、今年はグランプリの制覇と横浜文体のメイン出場に闘志を燃やす。そんなイケメンの意気込みを聞いてみた。

──W-1の真夏の祭典『W-1 GP』が間近ですけど、現在はどのような心境ですか?

黒潮“イケメン”二郎選手
「今回はなぜやり方を変えたのか……なぜだ!」

──今回はワンデートーナメントですし、それに伴って1回戦は15分1本勝負という短時間での闘いとなりますね。

黒潮“イケメン”二郎選手
「要するに優勝するには3試合、勝ち続けなきゃいけないじゃないですか? 俺、3試合連続で勝ったことあんのかなって思って。1日じゃなくて、1週間ごとに試合をして、3週連続で勝ったことあったかな?」

──記憶にない(笑)。

黒潮“イケメン”二郎選手
「ただ、去年のイケメン興行ではぶっ通しで1試合目、2試合目、3試合目って全部出たので、間がある分、それよりも楽かもしれないです。でも、1試合目が土肥孝司。う~ん……って感じですね」

──他の1回戦の試合はベテランvs若い世代の選手という組み合わせなんですけど、ここだけ同世代対決なんですよね。

黒潮“イケメン”二郎選手
「お互い勝ち上がっていって、決勝で当たりたかった相手ですね。もう決まっちゃっているんでしょうがないですけど、どうせならお互いに端っこの山からトーナメントを勝ち上がっていって、決勝で闘いたかったですね。俺たち2人でもっとドラマを生み出したかったですよ。ただ、1回戦ということは100%の状態でぶつかれるわけですから、逆に考えると一番いい相手なのかなとも思いますけどね」

──最近はNEW ERAという形で一緒にやっていますけど、土肥選手はタッグチャンピオンやリザルトチャンピオンになったり、この間も芦野選手のW-1王座に挑戦したり、今年は実績面で大きく飛躍していますよね。最近の活躍ぶりはどのように見ていますか?

黒潮“イケメン”二郎選手
「まあ、勝てると思います」

──ズバリ勝利宣言ですか!

黒潮“イケメン”二郎選手
「たしかに最近の土肥孝司は近くで見ていて勢いはあると思います。でも、俺はW-1に来てからずっと勢いにノッてますから。一度として止まってない!」

──ケガで欠場している期間も(笑)。

黒潮“イケメン”二郎選手
「ケガをしている期間も止まらなかったですからね。ケガしている間に『Number』のプロレス総選挙があったじゃないですか?」

──はい。中間発表でいい順位を取りましたもんね。では、勢いということで比べると、自分のほうが断然上だと。

黒潮“イケメン”二郎選手
「そうですね。だから、土肥孝司には負けてる数のほうが多いんですけど、何があるのかわからないのがプロレスっていうのを信じてやっているんで」

──5月4日の復帰戦では近藤選手と試合をして叩きのめされましたけど、6月6日の後楽園大会では見事に勝ちましたからね。

黒潮“イケメン”二郎選手
「身体が順応しやすいんですよね。欠場して休みだってなったら、休みにも順応しやすいし、復帰して試合しだしたら、その試合勘もすぐ戻る。正直、復帰戦はきつかったですけど、もう完全に戻りましたね。しかも、体重も増えてるし」

──では、復帰前よりも数段グレードがアップしたと考えていいですか?

黒潮“イケメン”二郎選手
「断然いいですね」

──これは期待できますね。6月の後楽園大会後は近藤選手に弟子入りされていますけど、まだ短い期間ですが、成果は出ていますか?

黒潮“イケメン”二郎選手
「近藤さんに弟子入りというよりは、ずっとタッグを組んでみたかったんですよ。なんでみんな近藤さんのことを凄いって言うんだろうと思って。俺はひとつも感じたことがなかったんで」

──副社長に失礼ですよ(笑)。

黒潮“イケメン”二郎選手
「いや、みんなが言うその凄さを実感したかったんですよ。それで2回シングルマッチで闘って、6月24日の横浜大会で初めてタッグを組んだんですけど、まあ凄いですね。今までちゃんと見てなかっただけかもしれないですね」

──視界に入ってなかったっていうことですか?

黒潮“イケメン”二郎選手
「ずっと敵だし、俺に対しても否定的だし、距離をおいていたんですよ。でも、いざ近くで見たら本当に凄い。試合中はずっとふてぶてしく相手を攻めているのに、お客さんはノッてきている。これは何かあるんだろうなって思いましたね。まあ、とにかく俺に対しては否定的な人だけど、ツンデレだということはわかりました。一緒に組んだ横浜大会でも俺のことをマイクでさんざん否定したくせに、俺が怒って帰ろうとしたら、『それだよ。おまえに足りないのは怒った時の本気度だよ』ってそこで褒めてきて。要は女の子なんでしょうね。俺はそのツンデレにやられてしまっていますね」

──キングコングはツンデレでしたか(笑)。でも、得られるものも多いんじゃないですか?

黒潮“イケメン”二郎選手
「かなり多いと思います。だから、今回ばっかりは弟子入りしたというよりは盗むっていう感じですね」

──結果を出すために必要なものを近藤修司から盗もうということですね。でも、近藤選手から「おまえに足りないのは怒りの本気度だ」ってことを言われましたけど、これに関してはどう思われますか?

黒潮“イケメン”二郎選手
「たしかに怒るのは1年に1回ぐらいです。あんまり怒らない人なんですよ、俺は。だかれそういう感情の引き出し方を盗みたいですよね。だって、理由もないのに怒れないですよ。近藤さんとのシングルだったら、理由があるから怒れますけど、トーナメントの対戦相手に対して怒りにはつながらないじゃないですか? 怒りっていうのに全然ピンとこないんですよね。怒りの感情をぶつけろって言われても、俺には絶対にできない。まだ奥ゆかしさがあるんでしょうね」

──いや、決して奥ゆかしい性格じゃないですよね(笑)。でも、相手にやられて、「この野郎!」みたいな気持ちにはならないですか?

黒潮“イケメン”二郎選手
「それはなりますけど、でも怒りとはまた違うと思うんですよね。怒りの解釈が自分なりにできてないのかもしれないですけど、その感情がわからないです。だから、『怒りとは?』ですね。これが今回の俺のテーマです」

──プロレスは闘いですからね。相手に対して怒るっていうのは普通の感情なのかなって思ってたんですけど。

黒潮“イケメン”二郎選手
「だから、プロレスって難しいなと。まあ、とにかく課題だらけですけど、トーナメントまでに何かを見出だせる自信はあります。実は俺が一番気になっていたのはACEから誰が勝ち上がってくるかだったんですよ」

──7月2日の新木場大会で伊藤貴則選手が優勝して、グランプリに出てきますね。

黒潮“イケメン”二郎選手
「伊藤の野郎、俺の車の鍵を洗濯しやがって! そのせいで鍵が使えなくなっちゃったんですよ。もし当たることになったら、その鍵の恨みを晴らします!」

──それは怒りの感情じゃないんですか?(笑)

黒潮“イケメン”二郎選手
「なるほど!鍵の仇を俺が取る! これは怒りにつながりますね」

──怒りというものがちょっとわかってきた(笑)。ちなみに準決勝は征矢選手と熊ゴロー選手の勝者との対戦になるんですけど、自分が土肥選手に勝った場合、どちらが上がってくると思いますか?

黒潮“イケメン”二郎選手

「俺は熊ゴローが上がってくるんじゃないかと思いますね。で、熊ゴローが上がってくるなら、俺の試合は絶対に土肥孝司が勝つんですよ」

──土肥熊対決が実現してしまう(笑)。

黒潮“イケメン”二郎選手
「熊ゴローが征矢さんに勝つようなことがあったら、土肥熊はノッてるし、土肥孝司も同じぐらいノッているっていうことだから、たぶん今の俺じゃ絶対勝てない。だから、準決勝は俺じゃなくて、土肥熊対決になりますよね」

──自分が負けることを予想する人は初めて見ました(笑)。

黒潮“イケメン”二郎選手
「ただ、俺が上がったほうがおもしろいのは間違いないですから、負けられないですね。あとやっぱり征矢さんには壁として残っていてほしいんで、勝ち上がってきてほしいです。準決勝はイケメンvsワイルドでやりたいですね。で、そこで俺が勝てば、お客さんも『おおっ!』ってなるじゃないですか? そして、決勝戦は……稲葉ですね。俺の希望は稲葉と決勝で当たりたい」

──やはり、同世代のNEW ERA対決、若い力で優勝を争いたいと。

黒潮“イケメン”二郎選手
「だって、今さら決勝戦で近藤vs征矢とか河野vs征矢を見たいですか? 今のお客さんがW-1に欲しているのはそれじゃないでしょう。新鮮さが欲しいんですよ。まあ、稲葉も30近いしそんなに若くはないんですけど(笑)、俺はまだ24歳だし、そんな若い人たちが上で闘っているんだってなったら新鮮じゃないですか? なぜか暗いイメージが強いW-1に爽やかな光をもたらすことができるのは、このメンバーの中では稲葉とイケメンだと思います」

──まあ、この2人の対決だと爽やかなイメージができますよね。

黒潮“イケメン”二郎選手
「はい。他の団体も新陳代謝が進んでいるしね。まあ、チャンピオンは芦野ですから、W-1も進んでいるんでしょうけど、あいつのチャンピオン像はちょっと違うなと思うんですよ。だから、いろいろ変えるためにも俺が優勝しないと。W-1はイケメンしかいないでしょうっていう感じですね」

──やはり文体のメインに立つべきなのは黒潮“イケメン”二郎だとハッキリと言える。

黒潮“イケメン”二郎選手
「文体のメインというか、今のW-1のメンツの中でメインに立たなきゃいけないのはたぶん俺しかいないですね。今年は俺!来年はもっと違う選手が出てきているかもしれないけど、その時は俺はまた違う働きをしたいなって。ただ、今年は俺ですね、絶対に。ただ、文体のメインが芦野vsイケメンでお客さんが入るのかって言われたら自信はないです。でも、とにかくやるしかないんで」

──じゃあ、3回連続で勝ったことがないとか言わずにグランプリは是が非でも優勝しなきゃダメですね。

黒潮“イケメン”二郎選手
「うん、優勝を狙います。ただ、俺はW-1を良くするとかじゃなくて、自分が上に行くために文体のメインを目指します。自分だけが光るようにって考えてやっていけば、結果はついてきてくれるし、結果としてW-1も良くなるかもしれない。それでいきます。だいたい、W-1はできたばかりの団体だし、こんなにいろいろ試せる団体にいられることを幸せに思いますよ。日々勉強することがありますし、こっちに来てから書いたノートが15冊ぐらいありますから」

──え、イケメンノートみたいなものが存在するんですか?

黒潮“イケメン”二郎選手
「ありますよ。これまで日々起きたこと、気づいたことを書き留めています。だから、凄く幸せな環境ですよね。本当に今この時点で年を取ってなくて良かったなと思いますね」

──なるほど。いろいろ試せる時期に試せる団体にいられることが幸せだということですね。

黒潮“イケメン”二郎選手
「歴史のある団体にいたら絶対にできないですからね。幸せですよ」

──わかりました。では、最後に今回のグランプリではどのようなイケメンをファンに見せたいですか?

黒潮“イケメン”二郎選手
「かなり自己中な試合をすると思いますけど、今年はイケメンしかいないと、皆さんに思わせるような試合をお届けしたいと思っていますね。まあ、いざ試合が始まったらいつもと変わらずなんでしょうけど、それはそれでいつもと変わらず応援していただければと思います」


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