ロメロのタックルに屈さず、ウィテカーがミドル級暫定王者に!3度目の決戦はオーフレイムがヴェウドゥムを下す!UFC 213



By courtesy of Zuffa LLC / Getty Images

 7月8日(現地時間)にネバダ州ラスベガスで『UFC 213: Romero vs. Whittaker』が開催された。
 当初、メインイベントに予定されていた女子バンタム級王者アマンダ・ヌネス(ブラジル14勝4敗)と挑戦者ワレンチナ・シェフチェンコ(キルギス14勝2敗)のタイトルマッチはヌネスの急病により中止された。セミメインイベントとして組まれていたヨエル・ロメロ(キューバ12勝1敗)対ロバート・ウィテカー(ニュージーランド19勝4敗)のミドル級暫定王座決定戦がメインイベントに昇格し、メインカードから元ヘビー級王者で同級ランキング1位のファブリシオ・ヴェウドゥム(ブラジル21勝6敗1分)と同級ランキング3位につけるアリスター・オーフレイム(オランダ42勝15敗)の一戦がセミメインイベントに変更された。
 PRIDE時代から数えること3度目の対戦となったヴェウドゥムとオーフレイムの対戦は互いに見合って攻撃のタイミングを図りながら要所で打撃を繰り出す展開となった。試合前、15分間をかけてオーフレイムを追い込むとプランを明かしていたヴェウドゥムの見込み通り、最終ラウンドまでもつれ込んだヘビー級トップコンテンダー同士の試合はヴェウドゥムが膝を命中させてついにオーフレイムからダウンを奪い、マウントからサブミッションをかけにいったところをオーフレイムに返されたものの、ダメージが激しい様子のオーフレイムにヴェウドゥムが連打を浴びせながらケージに押し込んでパウンドの嵐を見舞い、さらにテイクダウンを取って優勢に持ち込みましたがフィニッシュには至らなかった。結果は2-0のマジョリティ判定でオーフレイムに軍配が上がり、勝利を確信していた様子のヴェウドゥムが驚愕の表情を見せる一方で、勝者オーフレイムは「最初の2ラウンドは自分が圧倒的だったと確信していた。3ラウンド目はちょっときつかったけど、それまでは自分が試合をコントロールしていたと思っていた。ヴェウドゥムはタフだ。でも、今日は俺の方が上回った」と語り、ヘビー級王者を指名して「スティペ(ミオシッチ)と戦う準備はできている」とタイトルマッチを要求した。
 続いて行われたミドル級暫定王座決定戦は持ち味のタックルを生かしてテイクダウンを仕掛けるロメロに対し、ウィテカーは倒されながらも抜群のバランス感覚で元レスリング金メダリストの攻撃をはねのけていく。ウィテカーはロメロの強烈なケリで膝を傷めてしまったが、それでも、ハイキックを命中させるなど足技を控えることはなかった。両者ともやや疲れが見え始めた第3ラウンドはお互いの様子をうかがいながらも、ウィテカーが動きの止まりかけたロメロに対してさまざまな打撃で攻め立て、第4ラウンド終盤にはロメロのタックルが迫力を失い、ウィテカーに切られるシーンが目立ち始める。劣勢になったロメロが立て直そうともがく一方で、最終ラウンドも勢いをキープしたウィテカーがロメロを倒してマウントポジションを取った後、相手の攻撃を防ぎながら自らもパウンドの連打で試合をコントロールした。結果、後半の3ラウンドを取ったウィテカーがユナニマス判定でミドル級暫定王座を獲得し、次戦で正王者マイケル・ビスピンとの王座統一戦に挑むことになる。

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■ UFC 213: Romero vs. Whittaker
日時:2017年7月8日(日本時間:8日)
場所:アメリカ・ネバダ州ラスベガス

<ミドル級暫定王座決定戦/5分5R>
○ロバート・ウィテカー(豪州/ニュージーランド)
 判定 3-0
●ヨエル・ロメロ(米国/キューバ)

<ヘビー級/5分3R>
○アリスター・オーフレイム(オランダ/英国)
 判定 2-0
●ファブリシオ・ヴェウドゥム(ブラジル)

<ヘビー級/5分3R>
○カーティス・ブレイズ(米国)
 判定 3-0
●ダニエル・オミランチョク(ポーランド)

<ライト級/5分3R>
○アンソニー・ペティス(米国)
 判定 3-0
●ジム・ミラー(米国)

<バンタム級/5分3R>
○ロブ・フォント(米国)
 2R 4分36秒 ギロチンチョーク
●ダグラス・シウバ・ジ・アンドレージ(ブラジル)

プレミアムカード
<ヘビー級/5分3R>
○アレクセイ・オレイニク(ロシア)
 2R 3分44秒 リアネイキドチョーク
●トラヴィス・ブラウン(米国)

<ウェルター級/5分3R>
○チャド・ラプリーズ(カナダ)
 3R 1分27秒 TKO
●ブライアン・カモージ(米国)

<ミドル級/5分3R>
○チアゴ・サントス(ブラジル)
 2R 2分4秒 TKO
●ジェラルド・マーシャート(米国)

<ウェルター級/5分3R>
○ベラル・モハメッド(米国)
 判定 3-0
●ジョーダン・ミーン(カナダ)

<フェザー級/5分3R>
○コディ・スタマン(米国)
 判定 3-0
●テリオン・ウェア(米国)

<ライトヘビー級/5分3R>
○トレヴィン・ガイルズ(米国)
 2R 2分54秒 KO
●ジェイムズ・ボクノヴィック(米国)

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▼ベラトールMSG侵攻直前! ヒョードルが見せた知られざる素顔と格闘技・百花繚乱
 by 稲垣 收
・ヒョードルに4人の娘! 末っ子はなんと……
・自分が“史上最高の格闘家”だなどと思ったことは一度もない
・最も記憶に残っている2つの試合とは?
・復帰のために、ロシア連邦スポーツ省を退職し、すべてを賭けた
 稲垣收の海外情報~先週末は土曜にKNOCK OUT、日曜にK-1さいたまスーパーアリーナ大会があり、シンガポールではUFCで元女子バンタム級王者ホーリー・ホルムが“必殺”左ハイでKO復活するなど、盛りだくさんの格闘技ウィークエンドだった。今週末も注目大会が続く。
 ベラトールがNY初進出してマジソン・スクエア・ガーデン大会を行い、ヒョードルとヴァンダレイ・シウバらかつてのPRIDE王者たちが参戦。また、UFCオクラホマ・シティー大会ではミドル級に階級を上げた元ウェルター級王者ジョニー・ヘンドリックスが、岡見勇信をKOしたティム・ボーシュと対戦、元二階級王者のBJペンはデニス・シヴァーと激突する。特に注目なのは、NY進出を目前にヒョードルが語った知られざる事実だ。