諏訪魔 三冠王者をピンフォールし和解!TAJIRI初遭遇!KAI誤爆!新日プロや大日本との対抗戦は大熱狂~全日本プロレス 新木場

[写真満載の完全版レポートは 7月7日(金)発売の週刊ファイト!(7月13日号)本誌にて掲載]

photo & text by 伊藤三世

 6日(水)、全日本プロレス『GROWIN`UP vol.4』が新木場1stRINGで開催された。カードはバラエティに富んだ興味深いマッチメイクが並び、悪天候にも関わらず満員の観客が詰めかけた。

 メインの三冠戦、世界ジュニアヘビー級選手権ダブル前哨戦は、序盤は佐藤光留と田中稔が格闘技色の強い打撃とサブミッションの攻防で緊迫感溢れる攻防を展開したが、諏訪魔と石川修司に変わった途端にド迫力の肉弾戦に豹変する。試合前には諏訪魔と佐藤の関係性に不穏な空気が流れており、エボリューションの分裂が懸念されたが、諏訪魔が現三冠王者からきっちり3カウントを取ると、佐藤は諏訪魔と和解し改めて結束を固めた。

 セミファイナルでは「OVER THE BORDER~OVER THE GENERATION」というテーマが掲げられ、全日本プロレスの大森隆男、秋山準と、新日本プロレスの期待の新人である北村克哉と岡倫之が対戦。対抗戦モードで登場した新日本プロレス勢に対し、秋山は不敵な笑みを浮かべて視線を送った。試合は新日本プロレスの岡と北村が気迫全開のファイトで、ベテラン勢に向かって行く。
 秋山のエクスプロイダーで沈んだ岡は、試合後のリング上で悔しさを余す事無くアピールし、全日本の若手を威嚇しながら退場した。秋山はこの試合をきっかけに、全日本の若手の気持ちに火が付く事を期待していたが、アクションを起こさなかった為に怒りをあらわにした。

 また第4試合では、KAIがTAJIRIと久々にタッグを結成。対する前三冠王者の宮原健斗と勢いに乗る若手のジェイク・リーがTAJIRIと初遭遇という事もあり注目された。
 試合ではTAJIRIが元WWEスーパースターの千両役者ぶりをいかんなく発揮し、独特なムーブで相手を本論し観客も魅了。そしてKAIとのタッグは、とても数年ぶりとは思えないほど息がぴったりと合っており、スムーズな連携と試合運びを見せた。しかし最後は、TAJIRIのグリーンミスト(毒霧)がKAIに誤爆し、宮原組が勝利した。

 第3試合の全日本プロレスvs.大日本プロレスとして組まれた岡林裕二vs.岩本煌史は、スパーヘビー級の岡林のパワーに対し、岩本が得意の投げとサブミッションを駆使して大健闘を見せて大いに会場を沸かせた。

 第2試合に登場した平日マスクは、リアルタイムの天候を考慮した演出として、ビニール傘をさして入場。風貌や試合のスタイルまで独特な空気感で観客の笑いを誘い存在感を示した。

 第1試合は「全日本プロレスvs大日本プロレス 青木×野村」という事で、それぞれの団体の青木と野村が一同に会した。
 最後はベテランの全日本プロレス青木篤志が、大日本プロレスの青木優也をテキサスクローバーホールドでエビぞりにしぼり上げてギブアップを奪う。

 様々な見所の詰まった今大会は、全日本プロレスの会場であっても、各団体の選手にもまんべんなく歓声が飛びかう熱い空間であった。
 そこには現在の全日本プロレスの勢いと、プロレス界の未来が詰まっていた大会であったと言える。


■ 全日本プロレス 新木場大会 ~GROWIN`UP vol.4~
会場:東京・新木場1stRING
観衆:352人(超満員札止め)


<第6試合 三冠ヘビー級選手権試合&世界ジュニアヘビー級選手権試合ダブル前哨戦/60分1本勝負>
佐藤光留 ○諏訪魔
 14分13秒 バックドロップ⇒体固め
●石川修司 田中稔

メインの三冠戦、世界ジュニアヘビー級選手権試合ダブル哨戦が行われた。諏訪魔と石川はリングインすると、リング中央でにらみ合う。序盤は佐藤光留と田中稔が打撃とサブミッションの攻防で緊迫感溢れる攻防を展開した。諏訪魔と石川修司に変わると途端にド迫力の肉弾戦が展開。石川は巨体だけではなくテクニックも駆使して試合を優位に進めるが、諏訪魔は石川対策としていた万力スリーパーを仕掛ける。しかし、これは田中がカット。
再び佐藤と田中が、打撃とサブミッションの攻防を展開。田中のアンクルホールドには、佐藤もたまらずレフェリーにすがりついた。
そして、諏訪魔は再び石川に万力スリーパーを仕掛けると、これで決める!とばかりに全力で締め上げ、石川の表情は苦痛で歪んだ。
最後は諏訪魔がバックドロップを決めて、現三冠王者から3カウントを奪った。

試合前には諏訪魔と佐藤の間に不穏な空気が流れており、エボリューション分裂の危機か?!と懸念されたが、試合後に佐藤は諏訪魔と抱擁し和解した。

<第5試合 OVER THE BORDER~OVER THE GENERATION/30分1本勝負>
大森隆男 ○秋山準
 14分13秒 エクスプロイダー⇒片エビ固め
●北村克哉 岡倫之

この試合はとにかく新日本プロレスの岡&北村の気合が凄まじいものがあった。
北村は入場から鍛え抜かれたド迫力の肉体を披露し。そして、リングインするや、ドンキーコングのごとく跳躍!
対するベテランの秋山と大森は、いつもと変わらぬ落ち着いた表情で入場。秋山は不敵な笑みで、岡と北村に視線を送った。

試合は岡と大森の対戦から開始したが、北村が待ちきれないとばかりに、コーナーに近づいた岡をつかまえてタッチ。秋山に対して臆する事無く、勇猛果敢に向かって行く。これに対して、ベテラン勢もそうはさせじと、厳しい攻めで応戦。果敢に向かって行った北村であったが、最後は秋山のエクスプロイダーに沈んだ。しかし、その凄まじい迫力の肉体と気迫は、大きなインパクトを残したと言える。
岡も試合後には敗けた悔しさを全力で表現し、全日本プロレスの若手を威嚇しながら退場した。

<第4試合 THE Miracle~初遭遇~/30分1本勝負>
ジェイク・リー ○宮原健斗
 14分13秒 ブラックアウト⇒片エビ固め
●KAI TAJIRI

TAJIRI&KAI組は入場はTAJIRIのテーマ曲だった。KAIが先に登場し、呼び込む様な形でTAJIRI登場。

そして、ジェイク・リー&宮原組は、宮原は何時もの様にたっぷりと時間を掛けて、入場のパフォーマンスに余念がない。
KAIとTAJIRIが何度も言葉を交わしていたのが印象的だった。
試合はTAJIRIが突然タッチしたり、場外へエスケープしたり、予想外の動きで技に入ったりと、独特な試合運びで相手を翻弄する展開。しかし最後は、TAJIRIのグリーンミスト(毒霧)がKAIに誤爆し、宮原組の勝利となった。

<第3試合 全日本プロレスvs大日本プロレス~FOREVER POWERFUL/30分1本勝負>
○岡林裕二
 11分37秒 アルゼンチンバックブリーカー
●岩本煌史

大日本プロレスの岡林が、スーパーヘビー級のパワーで圧倒。破壊力抜群の逆水平チョップ一発で、岩本はもんどりうち会場がどよめく。しかし、岩本も得意の投げやサブミッションで対抗し大健闘を見せたが、最後はアルゼンチンバックブリーカーで腰を折られあえなくギブアップした。試合後に岡林は岩本の健闘を称え、がっちり握手を交わした。

<第2試合 平日の新木場の夜、其の弐/30分1本勝負>
平日マスク ○青柳優馬
 10分05秒 逆エビ固め
●岡田佑介 中島洋平

平日マスクはリアルタイムの天候を考慮した演出としてビニール傘をさして入場。トップロープに上がれば、落ちるから揺らすなと仲間の攻防を制するなど、間抜けなキャラクター性で観客の笑いを誘った。終わってみれば全ての印象が平日マスクに集約された。平日マスクに始まり平日マスクに終わる。そんな内容の試合であった。

<第1試合 全日本プロレスvs大日本プロレス 青木×野村/20分1本勝負>
野村直矢 ○青木篤志
 10分05秒 テキサスクローバーホールド
●青木優也 野村卓矢

若手の中に一人ベテランの青木篤志。最後は青木篤志が、大日本プロレスの青木優也をテキサスクローバーホールドで搾り上げ、貫禄のギブアップ勝ちをおさめた。試合後に大日本プロレスの青木優也が、悔しさを抑えきれずに食って掛かるも、青木篤志は「お前がタップしたんだろ。タップして突っかかって来るんじゃねぇ!」と一蹴。敗れたものの、試合で感情を爆発させた青木優也は存在感を示した。


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’17年06月08日号新日jr.NWAブラッシーWWEアイスリボン235パンクラスBellator


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