怪人アンダーテイカー引退!超人類ゴールドバーグ散る!Jシナ指輪プロポーズ~WWEレッスルマニア33上下揺れライド6時間半

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 4月2日(現地時間・放送日)にフロリダ州オーランドでWWEのPPV大会『レッスルマニア33』が開催された。レッスルマニアはWWEが主宰する興行の中で、年間を通じて最大のイベントであり「WM」と略されることもある。レッスルマニアの第1回大会は一晩で400万ドルもの収益を上げ、アメリカン・プロレスの歴史を塗り替えた記念碑的レスリング・イベントと位置付けられている。また、9万3173人という大観衆を集めた1987年の第3回大会は、世界のインドア・スポーツのイベントにおける過去最高の観客動員数を記録している。名実ともにプロレスの興行としては世界最大の大会である。

 今大会の事前の目玉は超人類ゴールドバーグの保持するWWE王座へブロック・レスナーが挑戦する王座戦だ。ゴールドバーグはかつてWWE(当時WWF)を崩壊寸前まで追い詰めたWCWのエースで20世紀の終わりから21世紀初頭にかけて一世を風靡したプロレスラーだ。WCW崩壊後はWWEでも王者になる活躍を見せたが2004年に退団。しかし、2016年に電撃復帰したのだった。復帰したゴールドバーグはWWEで無敵を誇るレスナーを秒殺し、更にWWEユニバーサル王者のケビン・オーエンズまで秒殺で倒して王座を奪取。WWEの王座を奪った事で、レスナーの代理人ポール・ヘイマンがプロレス界の象徴であるスティングと並んでゴールドバーグもアイコンになったかもしれないと敵ながら絶賛したほどの強さを見せつけた。現在50歳ながら圧倒的な強さを誇るゴールドバーグ相手にUFCでも勝利を重ねたレスナーがリベンジ出来るのか期待された。
 試合は、開始直後にいきなりレスナーがスープレックス・シティ3連発。しかしゴールドバーグはすぐに立ち上がりスピアー2連発。そして場外でもスピアーをぶちかましてバリケードごと破壊してしまう。そしてリングに戻り必殺のジャックハマーを決め、ゴールドバーグ勝利間違いなしと思われたが、なんとレスナーが渾身の力でカウント2で肩を上げた。信じられない状況の中、ゴールドバーグが、もう一度スピアーを仕掛けるが、なんとレスナーはジャンプしてかわし、ゴールドバーグはコーナーに自爆。このチャンスにレスナーがスープレックス・シティ7連発からF5で遂にゴールドバーグからフォール勝ち。レスナーが悲願のゴールドバーグ超えを果たし王座を奪った。

 また因縁マッチが続々のラインナップされた。ミスター・レッスルマニアと言える怪人アンダーテイカーはロマン・レインズと対戦。次代のエースとしてプッシュされているレインズに、長年WWEを支配してきたテイカーが立ちはだかる一戦。テイカーは年齢的に満身創痍で引退がチラついているが、最後に大輪を咲かせる事ができるのか?
 試合はテイカーのツームストン、レインズのスーパーマンパンチ、スピアーとお互いの必殺技を出すもフォールを奪えない。レインズは何度もスピアーを決めるのだが、その都度、テイカーが起き上がってきて、どうしたらいいいのかという表情。それでも最後はパンチからスピアーを決めてレインズが勝利した。試合後、テイカーは手袋と帽子とコートをリングに置き、リング下の家族にキスしてゆっくり去っていった。これは引退を示唆しているのだろうか?

 WWE王座戦は、王者ブレイ・ワイアットにランディ・オートンが挑戦した。オートンは敵を探る為に洗脳されたフリをしてワイアット率いる怪奇一家入りしていたが、このレッスルマニア33で王座戦という最高の舞台を待って裏切ったのだ。心理戦では完全にオートンがワイアットにプレッシャーをかけている形だが、試合ではワイアットが超能力なのかミミズやゴキブリの映像をプロジェクションマッピングでリングに映し出し揺さぶりをかけた。しかし、オートンにはそれは通用せず、最後はカウンターでRKOを決めてワイアットからフォールを奪い、オートンが遂にWWE王座へ返り咲いた。

 遺恨清算マッチとしてトリプルHとセス・ロリンズの対戦も凄かった。極悪権力者夫妻としてWWEで悪の支配を行っているトリプルH。その秘蔵っ子としてプッシュしていたのがロリンズだったが、度重なる負傷欠場に業を煮やし遂に見捨てて、トリプルHはケビン・オーエンズやサモア・ジョーを代わりにプッシュするようになった。これにロリンズは裏切られたと思いトリプルHとの抗争が勃発。しかし、逆に返り討ちにあいロリンズは足を負傷したまま試合に臨んだのだった。この試合で何が起ころうとWWEを訴える事ができないという条件で試合を受けたトリプルHはステファニー・マクマホン共にバイクで登場。
 試合は当然、ロリンズの痛めている足を狙って椅子などまで使い非情な攻撃を繰り返した。更にステファニーも介入し、ロリンズ絶体絶命だったが、ロリンズはトリプルHとステファニーを同士討ちさせる事に成功。この隙にトリプルHをペディグリーで仕留め、ロリンズが勝利となった。

 一時はレッスルマニア33でWWE王座に挑戦する予定だったが、結果、挑戦者決定戦でオートンに敗れたAJスタイルズ。その怒りの矛先をスマックダウンライブ大会のGMであるシェイン・マクマホンにぶつけた。その挑戦を受けたシェインがAJスタイルズとシングルマッチを行ったのだった。漢字で「倶楽部」と入れたAJスタイルズに対して、久しぶりの試合で動きがよいシェインは、プロレス頭を回転させて自分で演じる晴れ舞台。スワンダイブ式のフォアアームを三角締めに捉えるも、AJはそのまま持ち上げてスタイルズ・クラッシュのhi-spotなど、世界でこの展開を考えたのは俺様だけと自己陶酔の作る側兼やる側シェインOマックだったが、お馴染みの実況テーブル自爆、シューティング・スタープレス失敗まで、自身がレイアウトした起承転結をミスなく全部やり遂げた。
「通常の試合でやってやる」が捨て台詞だったが、このspotも過去誰もやってないからとアイデア優先をゴリ押しするシェインは、リング下からゴミ箱を取り出し、AJのフォアアーム命中も敢行させたが、エージェントならカットを命じたと思われる。周囲がYESマンばかりになってしまい、試合時間も誰も縮める指示がなかったようだ。まぁ、『スマックダウン』が『RAW』より面白いと言わせるようにしたのは俺様、AJスタイルズを大人向け専門媒体のMVPにしたのも俺様との自負はわかるが・・・。最後はAJスタイルズがフェノミナル・フォアアームを決めて勝利した。

 虎の子WWEユニバーサル王座をゴールドバーグに奪われたケビン・オーエンズは、それまでバックアップしてくれた親友クリス・ジェリコと喧嘩別れ。結果、この2人はジェリコの保持するUS王座戦として一騎打ちを行う事になったのだった。4月1日、自身のSNSに足首負傷の写真を拡散させ、ドクターから明日のWM試合出来ないをPRしまくったメタルバンドFOXXYのボーカルだが、試合はオーエンズがホップアップパワーボムで勝利してUS王座を奪い、かつての親友超えを果たした。ジェリコは、またFOXXYとのツアーのためしばらくWWEから離れる。

 ジョン・シナとザ・ミズはお互いの恋人、妻を巻き込んで男女混合ミクスドタッグマッチで最終決着をつける事になった。シナに対し、散々、挑発を繰り返してきたザ・ミズだが試合となれば、やはりシナには敵わなかった。シナがアティテュード・アジャストメントで勝利すると、試合後にシナはニッキーにリング上で公開プロポーズ。当然、ニッキーも受け入れて指輪がはめられ、レッスルマニアという大舞台で結婚を宣言したのだった。

 また、RAWタッグ王座戦に前日ROHの大会に出ていたハーディー・ボーイズが現れて王座戦に加わるというサプライズが起こった。ハーディー・ボーイズのキャリア、実績を前にすれば、残りの3チームは敵ではなく、梯子の上からツイスト・オブ・フェイト、スワントーンを決め、ベルトを強奪。RAWタッグ王座を奪い、ハーディー・ボーイズは短期間でWWE、TNA、ROHという全米3大団体のタッグ王座を奪った事になった。

電子書籍詳細版は金曜7日発売『週刊ファイト4月13日号』に収録されました。

■ WWE レッスルマニア33
日時:2017年4月2日(現地時間・放送日)
場所:アメリカ・フロリダ州オーランド・シトラス・ボウル
Photo by 田宮繁人


<ノーホールズバードマッチ>
○ローマン・レインズ
 ピンフォール
●アンダーテイカー
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<SD女子王座6パックチャレンジマッチ>
[王者]●アレクサ・ブリス
 スレイ・オー・ミッション
[挑戦者]●ナオミ、ベッキー・リンチ、ナタリア、ミッキー・ジェームス、カーメラ

<WWEユニバーサル王座タイトルマッチ>
[挑戦者]○ブロック・レスナー
 ピンフォール
[王者]●ゴールドバーグ
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<ノン・サンクションドマッチ>
○セス・ロリンズ
 ピンフォール
●トリプルH
Photo by 田宮繁人(スクリーンショット)


<WWE王座タイトルマッチ>
[挑戦者]○ランディ・オートン
 ピンフォール
[王者]●ブレイ・ワイアット
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<ミックスドタッグマッチ>
○ジョン・シナ、ニッキー・ベラ
 ピンフォール
●ザ・ミズ、マリース
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Photo by 田宮繁人(スクリーンショット)


<RAWタッグ王座フェイタル4WAYラダーマッチ>
[挑戦者]○ハーディー・ボーイズ
 ベルト奪取
[王者]●ギャローズ&アンダーソン
[挑戦者]エンツォ・アモーレ、ビッグ・キャス
[挑戦者]シェイマス、セザーロ
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カール・アンダーソンは「俺たちは東京ドームに8回登場した。アガったりはしない」とほざいていたが、ラダーマッチに変更された時点で主役が誰かは察しが付く通りに。今後またWWEでテーマ曲♪Loadedが聞けるゾ~!ジェフが別の意味のLoadedにならない限り。

ブロークン・マット・ハーディ怪気炎!TNAインパクト・レスリング


<RAW女子王座フェイタル4WAYエリミネーションマッチ>
[王者]○ベイリー
 ピンフォール
[挑戦者]●シャーロット・フレアー
[挑戦者]サシャ・バンクス
[挑戦者]ナイア・ジャックス

<US王座タイトルマッチ>
[挑戦者]○ケビン・オーエンズ
 ピンフォール
[王者]●クリス・ジェリコ

<シングルマッチ PPV開始>
○AJスタイルズ
 ピンフォール
●シェイン・マクマホン
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キックオフショー
<IC王座タイトルマッチ>
[王者]○ディーン・アンブローズ
 ピンフォール
●バロン・コービン(挑戦者)
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<アンドレ杯バトルロイヤル>
優勝 モジョ・ローリー
参戦選手
・サミ・ゼイン
・ブラウン・ストローマン
・ゴールダスト
・R・トゥルース
・カーティス・アクセル
・ドルフ・ジグラー
・ジェイ・ウーソ
・ジミー・ウーソ
・チャド・ゲイブル
・ジェイソン・ジョーダン
・プリモ
・エピコ
・ボー・ダラス
・ジンダー・マハル
・ライノ
・ヒース・スレーター
・アポロ・クルーズ
・モジョ・ローリー
・ビッグ・ショー
・カート・ホーキンス
・タイラー・ブリーズ
・ファンダンゴ
・ティアン・ビン
・マーク・ヘンリー
・キリアン・デイン

<クルーザー級王座戦>
○ネヴィル(王者)
 ピンフォール
●オースチン・エリーズ(挑戦者)

WWEオフィシャルサイト

レッスルマニア33特設サイト

WWEネットワーク
※生放送終了後、ビデオオンデマンド方式で視聴可能です。
※WWEネットワークは英語でのサービスです。日本語字幕はありません。

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