アレキサンダー・シュレメンコが凱旋勝利！M-1チャレンジ75

(C)M-1

　3月3日（現地時間）にロシア・モスクワで『M-1 Challenge 75』が開催された。
　ロシア最大のメジャーMMA団体となっているM-1だが、今大会のメインは元ベラトール・ミドル級王者であるアレキサンダー・シュレメンコがアメリカのポール・ブラッドリーを迎え撃った。シュレメンコは現在、ベラトールとM-1チャレンジの両方に出場しており、2015年2月13日、ベラトール133でメルヴィン・マヌーフと対戦し、右バックブローで2RKO勝するも試合後の薬物検査で規定値を超えた高濃度のテストステロンが検出された事が発表され、カリフォルニア州アスレチック・コミッションから3年間の出場停止処分を受けているが、その薬物検査に不備があり無効だとシュレメンコ側が訴え、その主張が通った為、出場停止処分が解除され再び北米で試合をしている。そして母国ロシアでは英雄として、今大会でも王座戦を差し置いてメインに抜擢されている。対するブラッドリーはUFC、ベラトール、WSOFと北米メジャーを渡り歩いているものの、戦績がそこまで良い訳ではなく下馬評では圧倒的にシュレメンコだ。試合は、打撃勝負を避けたいブラッドリーがタックルからテイクダウン。しかし、膠着でブレイクとなると、その後はシュレメンコがテイクダウンを許さない。パンチ、キック、膝蹴りを自在に操り追い詰めるシュレメンコだが、ブラッドリーも粘るという展開が続く。ﾌﾞﾗｯﾄﾞﾘｰもパンチ主体で攻めはするのだが、シュレメンコの膝蹴りを食らい悶絶してダウンする場面も。それでも最後まで諦めず粘ったブラッドリーは判定まで持ち込んだ。判定は当然、シュレメンコだが、KO決着が出来なかったのが残念だ。

　セミファイナルでは、ウェルター級王座戦が組まれ、王者アレクセイ・クンチェンコがマクシム・グラボビッチの挑戦を受けた。王者クンチェンコはMMA15戦無敗という未だに負けた事がないまま王者に上り詰めており、下馬評は王者が圧倒的であった。しかし、試合はグラボビッチが善戦、基本、スタンド打撃の展開が続き、5Rを戦い抜き判定までもつれ込んだ。結果、判定で王者クンチェンコが勝利し王座防衛を果たすも、挑戦者も肉薄したという形だ。

　また、日本のドリームにヴォルグ・ハン軍団の一員として来日した事もあるマゴメド・スルタンアクメドフが2011年以来のMMAに挑んだ。対戦相手はセルゲイ・ロマノフで、試合は、地元の大声援を浴びたロマノフがグランドで上を奪って判定勝ち。スルタンアクメドフも肉薄したものの敗れてしまった。

■　M-1 Challenge 75
日時：2017年3月3日（現地時間）
場所：ロシア・モスクワ

＜ウェルター級＞
○アレキサンダー・シュレメンコ（ロシア）
　判定
●ポール・ブラッドリー（米国）

＜ウェルター級王座タイトルマッチ＞
○アレクセイ・クンチェンコ（王者／ロシア）
　判定
●マクシム・グラボビッチ（挑戦者／ロシア）

＜ウェルター級＞
○セルゲイ・ロマノフ（ロシア）
　判定
●マゴメド・スルタンアクメドフ（ロシア）

＜ライト級＞
○マキシム・ディバイック（ウクライナ）
　2R TKO
●キーオン・コールドウェル（米国）

＜ライトヘビー級＞
○カルロス・エドゥアルド（ブラジル）
　判定
●ボリス・ポエザリ（モルドバ）

電子書籍版は週刊ファイト3月16日号に収録されます。

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