山口敏太郎の大人のプロレス(2)「ターザン後藤のセンチメンタルジャーニー」

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 最近一ケ月の間に、ターザン後藤のファイトを二試合も見る機会があった。新木場1stRingで行われた「スーパーFMW」での試合と、新宿faceの「IWAジャパン」の試合である。 当然、両団体もインディーであり、試合レベル、観客動員もメジャー団体には及ばない。
 だが、そのリングの上で仁王立ちになったターザン後藤の圧倒的な存在感は、特筆に価するものであった。まさに”鬼神”、まさに”デスマッチの宗家”とでも表現しようか。リングで凶器と共に、嬉々として躍動する後藤を見ていると、実家の箪笥の奥にしまい込んだ「鬼神Tシャツ」が、煌びやかな宝物のように思えた。あの電流爆破デスマッチで大仁田と共に爆死した”漢(おとこ)・ターザン後藤”は、今も健在であったのだ。いやはや、これは嬉しい誤算ではないか。
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 昨今まったく、存在感のない”無味無臭の平成プロレスラー”が多くなる中で、男臭さ
をここまで体現できるプロレスラーは、ターザン後藤以外にはいないだろう。全身全霊プロレスラーと呼ぶべき激しいオーラ、過激なダンディズムという言葉に相応しいデンジャラスな色気が立ち上る男の背中は、後藤ならではの味わいである。
 インディー団体におけるデスマッチというキラーコンテンツは、大仁田と共にターザン後藤が構築したと言っても過言ではない。いまやデスマッチは普遍的なものとなってしまったが、「スーパーFMW」で葛西純や、シャドウWX相手に見せた後藤の横綱相撲、タッグパートナーのミスター・ポーゴにかけた
「おまえの老後は俺が見てやる」
という優しい言葉。
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 ターザン後藤の振る舞い、全てが素晴らしいではないか。もはや、後藤はプロレス界を漂流しながら、先輩や後輩を幸せにする七福神になってしまったのだろうか。
 勿論、「IWAジャパン」の試合での後藤もなかなか泣かせた。かつて、後藤がIWAジャパンにレギュラーに近い立場であがっていたころ、付き人であった松田慶三のデビュー15周年に駆けつけた形であった。松田へのお祝いがてら対戦相手を務めた後藤であったが、毎日パンツを洗わせていた後輩の成長に後藤が何度も何度も目を細めているように思えた。後藤は本当にいい顔になった。
 これから、後藤は何処にいくのだろうか。プロレス界を活性化するターザン後藤のセンチメンタル・ジャーニーから目が離せない。
山口敏太郎 
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