OUTSIDERの“暴力大魔王”加藤友弥、鮮烈KOでプロデビュー飾る! 6・30『DEEP 42』

 30日、東京・後楽園ホールにて、『DEEP 42 IMPACT』が開催された。
 10試合中9試合が一本またはKOというエキサイティングな展開だった前回大会4・16『DEEP 41 IMPACT』とは対照的に、今大会は本戦11試合のうち一本勝ちがわずか1試合で、あとはすべて判定決着。内容も消極的な膠着戦が相次ぎ、この日の梅雨空のようにジメッとした、実に残念な興行になってしまった。
 メインの中西裕一vs.福田力のDEEPミドル級王座戦も、パンチ主体で攻め立てる福田と、要所要所でミドルキックを決める中西の攻防はまったくの互角。ドローで王座防衛という印象が記者にはあったが、結果は判定で福田の王座奪還。微妙すぎる判定に泣いた中西の心中は察して余りあるが、あのカッチカチに固い試合運びで「俺の勝ち」と胸を張られるもいかがなものか、という思いも記者の胸に残った。総合格闘技はボクシングではない。歴史も伝統も、一般層への認知度も違うのだ。タイトルマッチとはいえ、総合格闘技という未成熟なプロ競技のメインイベントを任される者への要求は、それだけハードルの高い、贅沢なものになるのである。
 
 判定続きの本戦と対照的に、フューチャーファイト(ダークマッチ)で気を吐いたのが、この日プロデビュー戦のBONDS・加藤友弥。言わずと知れた『THE OUTISDER』第1回MVPにして、OUTISDER3戦3勝のエース格が、満を持して臨んだプロのリングであった。BONDS大応援団の、ダークマッチでは異例の大声援を受ける加藤は、OUTISDERで醸し出すオーラをそのままDEEPのリングに持ち込み、とても新人とは思えぬ雰囲気。ファイト内容もOUTISDERで見せる野性味そのままの闘いぶりで、1R早々にコーナーの離れ際でパンチラッシュを決めて完勝KO。これまでのOUTISDER出身者のプロ試合というと、“柔術弁護士”堀鉄平がKO負けを喫した昨年8月17日の『DEEP 37 IMPACT』が印象に残るが、今大会で初めて、OUTISDER出身の荒くれ者が、ついにプロのリングで結果を残した。
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リングサイドの前田日明御大が見つめる中、KO快勝の加藤。DEEPのリングでも、加藤は“暴力大魔王”だった!
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 物議を醸した福田vs.井上の王座戦に、セコンド前田日明の目の前で秘技・ジャーマンスープレックをキメてみせた宮田和幸ら他選手の闘いの模様は、7月3日発売の『マット界舞台裏』7月9日号にて詳報の予定。お楽しみに!

■『DEEP 42 IMPACT』
2009年6月30日(火)開始:18:15
会場:東京・後楽園ホール

<フューチャーファイト第1試合 62kg契約 5分2R>
○鍵山雄介(総合格闘技道場コブラ会)
(判定3-0)
●川崎泰裕(R-BLOOD)

<フューチャーファイト第2試合 70kg以下契約 5分2R>
○和田竜光(吉田道場)
(1R 2分14秒 チョークスリーパー)
●土田達也(総合格闘技道場DOBUITA)

<フューチャーファイト第3試合 70kg以下契約 5分2R>
○加藤友弥(BONDS)
(1R 1分30秒 KO)
●淡路基(DEEP GYM IMPACT)

<第1試合 58kg契約 5分2R>
○RYOTA(キングダム・エルガイツ)
(判定3-0)
●パット・アンギャンコ(グアム/スパイク22)

<第2試合 62kg契約 5分2R>
○宮下トモヤ(POWER OF DREAM)
(1R 1分34秒 フロントチョーク)
●岡元飛竜(マッハ道場)

<第3試合 ミドル級 5分2R >
○飛鷺輝(X-FORCE)
(判定3-0)
●長井憲治(U-FILE CAMP赤羽)

<第4試合 ウェルター級 5分2R>
○岩瀬茂俊(T-BLOOD)
(判定3-0)
●奥野泰舗(フリー)

<第5試合 ウェルター級 5分2R>
○ペ・ミョンホ(韓国/CMA KOREA)
(判定3-0)
●九十九優作(和術慧舟會TIGER PLACE)

<第6試合 ライト級 5分2R>
○ISE(PUREBRED大宮)
(判定3-0)
●クレベル・コイケ(ブラジル/ボンサイ柔術)

<第7試合 無差別級 5分2R>
○金親尊氏(チームタックル)
(判定3-0)
●田澤和久(THUG LIFE香和)

<第8試合 87kg契約 5分2R>
○RYO(ランズエンド・ZERO1-MAX)
(判定2-0)
●ベルナール・アッカ(コートジボワール/フリー)

<第9試合 ミドル級 5分2R>
△桜井隆多(R-BLOOD)
(判定1-0 ドロー)
△金原弘光(UKR)

<第10試合 65.8kg以下契約 5分3R>
○宮田和幸(Brave)
(判定2-0)
●山崎剛(GRABAKA)

<第11試合 DEEPミドル級タイトルマッチ 5分3R>
○福田力(GRABAKA)[挑戦者]
(判定2-1)
●中西裕一(フリー)[王者]
※第4代王者中西が初防衛に失敗。福田が第5代王者に。

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