突然のツアー召集だったらしい。WWEと契約、二軍リーグFCWでチャンスをうかがっていた元・新日本プロレスの山本尚史が、ECWでデビューを飾った。
既報のように、WWEはメンバーの入れ替えをを実施。これによってRAWに移籍となったゲイル・キムの来日が危うくなったりしているが、もちろん補強も行われており、その隠し玉が山本尚史だったわけだ。これにより、7月7日、8日に武道館で予定される『スマックダウン&ECWツアー』に山本が凱旋帰国する可能性が高まった。
現地時間6月30日に開催されたカリフォルニア州フレズノでのECW大会。その第一試合に登場したのが、リングネームYOSHI TATSU。リングネームの由来は、本人によれば「ある日エージェントのダスティ・ローデスに呼ばれいきなり”今日からお前はYOSHITATSUだ”と決められた」という。
これはFCWのスタッフに「父親の名前は?」と聞かれ「芳龍(YOSHITATSU)」と答えると、「意味は?」と聞かれ何の気なしに「YOSHIは解らないけどTATSUはドラゴン」と答えたのが切っ掛けとなったらしい。東洋の神秘ギミックだ。
もっとも内部関係者の証言によると、スーパーマリオ・ブラザースに出てくるキャラクターヨッシーと、ドラゴン藤波辰爾のタツを合体させるという、古臭い発想に違いないとその安易さが内部告発されていた。
第一試合に登場した山本の相手は元US王者の悪役シェルトン・ベンジャミンだ。つまりは、山本はFCW時代のまま、薄気味悪く笑うベビーフェイスとなった。展開のプロットは、シェルトン・ベンジャミンが日本語らしき意味不明の言葉をわめき、対戦相手におじぎするスポットから。2009年でまだこれかよ、という突っ込みは実況席からもあったという。
シェルトンはさらに、映画『カラテ・キッド』の鶴の構えやら相撲のポーズやら…。WWEの筋書き担当者は、ジム・コルネットの辛辣なる告発のように、いずれハリウッドに雇われドラマの脚本家になることを願うだけの無能なライターばかりなのか?
ともあれ山本はハイキック一発でフォールを奪い、無事にECWデビューを果たしたのであった。これはダークマッチではない。「Sci-Fi サイファイチャンネル」の『ECW』で放送予定なので、正式に二軍から卒業したことを意味する。また、トップの一員であるシェルトンに勝たせてもらっている以上、扱いは大きいということだ。
日本公演参戦が発表されるのか、続報が楽しみである。
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