クリス・ジェリコ考 三位一体の「帰ってきた」エース

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さてさて、WWEのasia tourも終わり、次の来日はいつか、と早くも楽しみにされている方も居るのではないでしょうか。それほどに、素晴しいshowでした。
以前に書いたように、日本のwrestlingファンになじみの深いwrestlerの活躍が、showを盛りあげる原動力の一つとなったことでしょう。その中で、今回はクリス・ジェリコを取り上げ、理想のwrestler像の一つに迫ってみます。自分は評論家ではないので、上手くいくかわかりませんが。
クリス・ジェリコといえば、現在大きなmove、技が3つあります。
まずはウォールズ・オブ・ジェリコ。
日本式に言えば逆エビ固め。場合によって腰を深く落としたり相手の頭近くに立ち、首から腰、背中全体を圧迫する。大一番ではこの技を巡る切り返しや、思いもよらない使い方をすることも。
二つ目はライオンサルト。
ring上に倒れた相手に対して、セカンドロープからスプリングボード式ムーンサルトプレス!掛けた自分も大きな怪我を負うriskをものともせずに繰り出す。このほかにも、エンズイギリや三角飛びのドロップキックなど、跳躍を生かした多彩な技があります。
以上の、ウォールズ・オブ・ジェリコはいわゆる「極め」技、ライオンサルトや跳躍してのキックは一種の「打撃」技に属します。
ここで、一つ大きな問題があります。クリス・ジェリコは日本での活躍の通りジュニア・ヘビー級。グンユーカッキョのアメリカマットでは、パワーで敵わない相手がたくさんいるのです。つまり、pro-style-wrestlingの3大要素、「打・投・極」の投げの部分を満たすことが非常に難しい。
体格差がある相手にも決められる逆エビ固めを選んだところも素晴しいのですが、クリス・ジェリコはここで大きな「発明」をします。
それが、新しい必殺技、コードブレイカー。
相手に正面から飛びついて、両膝を相手のあごの辺りに固定して両手で相手の首をホールド。そのまま自分は後ろに倒れこみ、自分の背中をringに打ちつけながら、相手の顎、顔面を膝に打ち付けます。これは、相手をホールドしてから体勢を崩すという点で投げ技に属するものの、相手の体重は関係なく、むしろ重ければ重いほど大きなダメージを与えられます。
これで、クリス・ジェリコは「打・投・極」を併せ持つwrestlerになったというわけです。もちろん、多くのwrestlerがその3つの要素の技を使いこなしますが、3つ全ての要素でfinishが取れる技を持っているwrestlerとなると、そうたくさんはいないでしょう。
wrestlingの天才が、wrestlingを愛し、苦悩し、努力したからこそなしえた事ではないでしょうか。
この、三位一体となったクリス・ジェリコの活躍が、日本でのWWE’s show開催にも大きな影響を与えるかもしれません。なぜなら彼は、日本を最も愛するガイジンレスラーの一人ですからね!
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来日時のクリス・ジェリコの勇姿
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