初心者の書くプロレスコラム『プロレス編 其の六』

 新しいものにも目を向けるといいましたので、早速こんなものを見てみた。
 2007年、ファン感謝デーのF-1選手権試合「ダブル佐々木健介 vs ダブル武藤敬司」
 まず、一言いわせていただきたい。なんじゃこりゃ。

 まだ、ここには全く書いてなかったのだが、実は三沢の次に、武藤も気になっていた。とはいえ、私が見たことがあったのは、グレート・ムタの方であるのだが。
 入場曲もかっこいいし、つけていたあのごつい仮面も気に入っていたのだが、こうも変わってしまうとは。今の、スキンヘッドに白髭というのも、貫禄を感じさせて、好きではあるのだが。
 ・・・と、もっと書きたいのだが、そろそろ本題に戻ろう。

 なにはともあれ、その試合(?)を見たのだが・・・ひどい。なんだこれは。すでにプロレスではない。
 ファン感謝デーのイベントが、どんな趣旨で行われているのかも知らないし、私が見たのはほんの一部なので、それが全てかも判らない。
 だが、純粋にプロレスを見に来た人は、泣くぞ、これ。

 中の人物が誰かは判らなかったのだが、本物とは似ても似付かぬスタン・ハンセンの物真似をした奴が、まず出てくる。その時点で「はぁ?」なのだが、さらに彼に続いて佐々木健介と北斗晶の物真似をしたザ・タッチの2人と、本物の佐々木健介。そして最後に、武藤敬司に扮した神奈月とその本物が。ここまでくるとこの異常な光景にも少し慣れてくる。

 最初に1分半程は、本物同士の試合だったのだが、それから後は、もうお遊び。いつの間にかコント合戦になった挙句、本物の北斗晶まで登場。最後なんてもう、ぐたぐたもいい所な終わり方。
 さっきも言ったとおり、ただ純粋にプロレスを観に来た人にとっては、最悪だと思う。だが、私はこういうお遊びも、少し気に入った。

 正直、ザ・タッチは好きではない。神奈月に関しては、存在すら知らなかった。ザ・タッチのネタは相変わらず、面白くもなんともなかったが、それでも彼らは芸人。人が、どうすれば楽しんでくれるかというのを、よく知っているなと思った。ネタのふりかたが本当に上手い。
 それに、普段キッと顔を引き締め、必死に戦っている彼らが、ネタをふられて、たじろんだり、ファンの声援(?)につられて恥ずかしそうに一発芸をする姿などは、彼らがお笑いのプロでない分、余計面白い。

 プロレスはショー要素の含まれた格闘技。だとすると、こういうショーの部分が強く出ているのも、プロレスの一つの顔なのだろう。
 私は、真剣に戦う彼らが好きであるが、ファンも、そして選手自身も楽しんでいるのであれば、こういうのありかなと思う。
 まぁ、もったいない気もしますがね。
 それでは今日はこの辺で。また次回。

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梅季颯 山口敏太郎事務所
武藤こそ社長レスラーのカガミ 米国などへ出稼ぎツアー