(C)GLORY
12月10日（現地時間）にドイツ・オーバーハウゼンで『GLORY 36 COLLISION』が開催された。
K-1失速後、世界最大のキック団体となっているグローリーだが、最近は米テレビ局と長期契約、UFCファイトパスと契約でネット生配信もはじまり、勢いに乗っている。一時は北米進出にこだわるあまり失速していたものの、現在は本拠地である欧州を中心に戻し再スタートした事が成功したようだ。
そして今大会は本拠地欧州のドイツで開催だが、ここ数年のキック界で最大の戦いがマッチメークされた。現グローリーヘビー級王者であるリコ・ヴァーホーベンが、あの伝説の悪童バダ・ハリと対戦する事になったのだ。バダ・ハリはK-1のトップ選手として日本でも大活躍していたが、K-1活動休止となり、キック界の覇権がグローリーに移っても、グローリーは契約しなかった。理由はバダ・ハリの犯罪歴であり、オランダで一時期、キックが犯罪者の巣窟になっているという誤解でキック興行が打てなくなっていたので、バダ・ハリとの契約に慎重になっていたからだ。しかし、バダ・ハリも引退が近いという事もあり、最後にスーパーファイトを実現させようと遂にワンマッチ契約、それもヘビー級王者との対戦となった。まさに新旧王者対決であり、バダ・ハリとしては現在最強のヴァーホーベンに勝利して悪童はまだまだ終わってないところを見せたい。
バダ・ハリが入場してくると、会場は蜂の巣をつついたような歓声の渦。バダ・ハリに近づこうとリングサイドに観客が押し寄せ、会場は総立ち、喧嘩をする者まで現れ、収拾がつかない異常な状況。バダ・ハリのリング内外での行動には問題があるものの、現在のキック界でここまで観客を熱狂させる選手は他にいないのも事実だ。そうした状況の中、試合がスタート。会場はバダ・ハリコールで、バダ・ハリが攻撃すると凄い歓声が飛び、ヴァーホーベンが前に出るが、バダ・ハリがかわして返す展開になる。しかし、2R、クリンチの攻防でなのかバダ・ハリが肩を脱臼したらしく、試合続行不可能、ヴァーホーベンのTKO勝利となってしまった。 最後は残念な結果に終わったものの、バダ・ハリのカリスマ性、実力は今だに顕在である事が証明された。バダ・ハリは来年、この男（ヴァーホーベン）をKOすると現役続行をアピールした。
また、バダ・ハリの話題が圧倒的過ぎるので、どうしてもかすんでしまうが、ウェルター級とライト級の王座戦も組まれている。ウェルター級は、グローリーのエースと言えるニキー・ホルツケンが、セドリック・ドゥンベの挑戦を受けた。試合は、なんとドゥンベがラウンドが進むにつれペースを握り、遂に判定で勝利。ドゥンベが新王者に輝いた。
ライト級は、遂にムエタイのグローリー侵攻である王者シッティチャイ・シッソーンピーノーンに対し欧州にベルトを奪い返す為、マラット・グレゴリアンが挑戦した。試合は激戦となり、僅差の判定でシッソーンピーノーンが勝利し、王座防衛を果たした。
■ GLORY 36 COLLISION
日時：2016年12月10日（現地時間）
場所：ドイツ・オーバーハウゼン
＜ヘビー級＞
○リコ・ヴァーホーベン（オランダ）
2R TKO
●バダ・ハリ（モロッコ）
＜ウェルター級王座タイトルマッチ＞
○セドリック・ドゥンベ（フランス／挑戦者）
判定
●ニキー・ホルツケン（オランダ／王者）
＜ヘビー級＞
○ジャマール・ベンサディック（モロッコ）
判定
●イスマエル・ロント（オランダ／スリナム）
＜女子スーパーバンタム級グランプリ決勝＞
○ティファニー・ヴァンスースト（米国）
判定 5-0
●アメル・ディービー（フランス）
GLORY 36 GERMANY
＜ライト級タイトルマッチ＞
○シッティチャイ・シッソーンピーノーン（タイ／王者）
判定 4-1
●マラット・グレゴリアン（アルメニア／ベルギー）
＜ライト級コンテンダートーナメント決勝＞
○ディラン・サルバドール（フランス）
判定 5-0
●ヒズニ・ベキリ（スイス）
＜フェザー級＞
○ファビオ・ピンカ（フランス）
判定 4-1
●モサブ・アムラーニ（モロッコ）
＜ライト級トーナメント準決勝 B＞
○ヒズニ・ベキリ（スイス）
判定 5-0
●アントニオ・ゴメズ（スペイン）
＜ライト級トーナメント準決勝＞
○ディラン・サルバドール（フランス）
判定 4-0
●アナトリー・モイセエフ（ロシア）
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