大仁田厚が地獄から生還した青柳館長との一騎打ちを熱望!

 “邪道”大仁田厚(59)が、かつてのライバル・青柳政司(59=誠心会館館長)との一騎打ちを熱望した。
 青柳は昨年5月、バイク事故で右足のヒザから下を34カ所、粉砕骨折。金属プレートを埋め込む手術を受け、医師から「もう蹴ることはできない」と非情な宣告をされ、同年10月4日、ノアの名古屋大会で引退セレモニーを行った。
 その後、青柳はさらなる悲劇に見舞われた。金属プレートが合わず、同月に右足が化膿し、同年11月に再手術を受けた。入院生活は実に4カ月にも及び、一時は自力歩行もままならなくなる可能性もあった。しかし、不屈の闘志で治療と向き合った青柳の右足は奇跡的な回復を見せ、今年2月に退院。現在では痺れこそ残っているものの、杖なしで歩くことができるようになった。
 体調が回復するに伴い、青柳は“ある男”への熱い思いが沸き上がってきた。“ある男”とは、大仁田のこと。昨年12月、入院中に大仁田の見舞いを受けた青柳は「引退セレモニーはしたけど、もう1度、大仁田を蹴りたい」との思いを吐露。その思いを胸に、つらいリハビリに耐えてきたのだ。
 自力歩行ができるようになり、まさに地獄から生還し、プロレス界への復帰を決めた青柳は、9月に新軍団「魔世軍」を結成。自ら総裁ミスターXとして、手始めにファイヤープロレスをターゲットにして、ケンカを吹っかけた。
 ファイヤー9・19名古屋で勃発した邪道軍と魔世軍の抗争は、10・29弘前、10・30青森を経て、11・3横浜・ラジアントホール大会で第4ラウンドを迎えた。大仁田は保坂秀樹、HASEGAWAを従え、魔世軍は2号、4号、5号の布陣で、スクランブルバンクハウス有刺鉄線ボード6人タッグマッチで激突。
 魔世軍はセコンドに就いた1号、怨霊が介入し、完全に3対5のハンディキャップマッチの構図となった。それでも、大仁田は4号にマトを絞り、“秘技”バックドロップホールドで3カウントを奪い、魔世軍相手に4連勝を飾った。
 納得いかないミスターX(青柳)は、試合後、脱兎のごとく乱入し、軍団メンバーとともに大仁田をボコボコにして、勇躍引き揚げた。
 控え室に戻ったミスターXは「魔世軍の目標は大仁田のクビを獲ること。大仁田のクビを獲るために、どんどん強いヤツを魔世軍に入れて、追い詰めていく。今日は負けたけど、魔世軍は負けても、ただではすまさない。大仁田を痛い目に遭わせるから」と言い放った。
 一方、大仁田は「青柳館長が戻ってきたのはうれしいけど、早く足を治せ。ノアで引退式をやったかもしれないけど、オレの選手生命もあと1年。名古屋に乗り込んでやるから、いつか一騎打ちをやろう! そのときは堂々とオマエの蹴りを受けてやるから」と激白した。
 さかのぼること、今から27年前。89年7月に、大仁田と青柳は、「格闘技の祭典」で初めて一騎打ち。そこで遺恨ができた両者は、同年10・6名古屋、10・10後楽園でのFMW旗揚げ2連戦で相まみえた間柄。青柳の存在は、FMWの原点であるだけに、大仁田の青柳に対する思い入れは深い。それは、青柳とて同様で、大仁田との一連の闘いがあったからこそ、その後、プロレス界にその名を刻めたのだ。
 巡り巡って、再び対峙することになった大仁田と青柳。大仁田に残された選手生命は限られているだけに、青柳の右足の回復が待たれるところだ。

 かつて、WMFマットを席巻した“伝説のユニット”GUN‘Sが一部メンバーを入れ替えて、ニューGUN‘Sとしてリスタート。11・3横浜では、ミスター雁之助、ミスター岩之助、ミスター頑之助の3人が初めて揃い踏みし、田中稔&松田慶三&Hi69と対戦。絶妙のコンビネーションを見せたGUN‘Sは、雁之助がファイアーサンダーでHi69を仕留めて快勝した。

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■ファイヤープロレス「魔世Night 1 in YOKOHAMA」
日時;11月3日(木・祝) 
会場:神奈川・横浜市ラジアントホール (18時)  観衆300人(超満員)

<第1試合 ミゼットプロレス 15分1本勝負>
○プリティ太田(4分28秒、片エビ固め)Mr.ブッタマン●
※真空投げ

<第2試合 アクトレスガールズ提供試合 15分1本勝負>
○仁科鋭美 (7分20秒、エビ固め) 中野たむ●
※ソウマトウ

<第3試合 6人タッグマッチ 30分1本勝負>
○ダイスケ、服部健太、戸井克成(13分42秒、片エビ固め) 蟹K☆ING、唯我、大谷譲二●
※ダイビングボディプレス

<第4試合 女子プロレス・タッグマッチ 30分1本勝負>
ダンプ松本、○堀田祐美子 (6分27秒、体固め) 渡辺智子、雫有希●
※張り手

<第5試合 シングルマッチ 30分1本勝負>
○藤原ライオン(10分53秒、ワキ固め)仲川翔大●

<第6試合 タッグマッチ 45分1本勝負>
怨霊、○アイガー (10分38秒、スクールボーイ)木藤裕次●、真琴
※パウダー攻撃

<第7試合 6人タッグマッチ 60分1本勝負>
○ミスター雁之助、ミスター岩之助、ミスター頑之助 (13分44秒、エビ固め) 田中稔、松田慶三、Hi69●
※ファイアーサンダー

<第8試合 邪道軍vs魔世軍with総裁ミスターX~スクランブルバンクハウス有刺鉄線ボード6人タッグデスマッチ 無制限1本勝負>
○大仁田厚、保坂秀樹、HASEGAWA (8分15秒、バックドロップホールド) 魔世軍2号、魔世軍4号●、魔世軍5号

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