両国のタイガーマスクWデビュー戦は新日メジャープロレス化への狼煙

@TigerMaskW

<第0試合 テレビアニメ「タイガーマスクW」放映記念スペシャルマッチ>
●レッドデスマスク
(07分25秒 タイガードライバー ⇒ エビ固め)
○タイガーマスクW

初お披露目となったマスク姿で、高角度ジャーマンスープレックスホールド~
強引に持ち上げて滞空時間の長いタイガードライバーの必殺コースを披露、
正体はジュース・ロビンソンと噂されるレッドデスマスク相手に試合を決めた
タイガーマスクW。

その試合が連動しているのが、第2話までの放送が終了したテレビアニメ『タイガーマスクW』だ。
放送時間は深夜3時15分 ~の『ワールドプロレスリング』の直前、2時45分~で、『プリキュア』『ドラえもん』など、朝~ゴールデン帯にファミリー向けアニメを放送するテレビ朝日としては数年ぶりの本格的深夜枠のアニメ作品となる。

制作はテレビ朝日の系列制作会社である東映アニメーション(かつての東映動画)で、「東映アニメーション60周年」を記念した作品の第1弾と云うフレコミではあるものの、50代以上にはお馴染みの、1969年~日本テレビで放送された初代のアニメにあった、孤児院出身の主人公伊達直人による暗く重いテーマが感じられないところから、むしろ制作の主導はブシロード・新日本プロレスサイドにあるのではないかと考えられる。

『ミルキィホームズ』『ヴァンガード』と云ったブシロードが主導してきたテレビアニメ作品でプロデューサーを務めてきた木谷社長は本作でクレジットこそされていないが、ヒロインの高岡春奈役に、プロレスファンにもお馴染み、同社系列の声優事務所響所属の三森すず子を起用し、敵団体「GWM(グローバルレスリングモノポリー)」の現場トップにはミスXと云う女性の新キャラクターを登場させ、第2話でその2人が記者会見場でやり合ってマッチメークを決める展開辺りからもそれが色濃く感じられる。

今年3月に木谷社長はコラムにおいて「プロレスの2.5次元ミュージカル化」「アニメ制作はWWEにはできない。日本ならではのやり方で世界に打って出る」
と発言しており、両国におけるタイガーマスクWの第0試合は序章であると予想されたが、1・4東京ドームへのタイガーマスクW参戦の発表でそれが現実の物となった。

今年1月に上海で18000人収容の大会場メルセデスベンツアリーナでイベントを開催、4月の東京ドーム公演2daysは台湾、韓国、シンガポール、オーストラリアまでの環太平洋でライブビューイングした世界的人気作品の『ラブライブ! 』μ’sのメンバーとして抜群の知名度を誇る三森すず子をヒロインに持ってきたのも、単に所属声優陣で最も人気があるからだけとは考えられず、ミュージカル女優出身で、既に舞台『カードファイト!! ヴァンガード~バーチャル・ステージ~』に出演済みである点も当然考慮されていると思われる。
また、悪役のミスX役の「小林ゆう」が、モデルもこなすビジュアルと、声優界では金田朋子と並ぶ個性派で、作品のアフレコ以外でのフリートーク力は声優ファンなら知らぬ者はいない逸材である事も考え合わせると、舞台映えする2人が記者会見場で実際にやり合う光景は当然増えていくのだろうし、東京ドームではセコンドとしてだけではなく、試合にも絡んでいきそうだ。

2.5次元ミュージカルの先駆者ネルケプランニングとブシロードがタッグを組んだ、ミュージカル&アニメプロジェクトが来春から始動するとも伝えられており、
新日本プロレスから分離した『タイガーマスクW』が、アニメと一体となったパッケージとして海外展開されるのであろうと推察される。

つまり、ブシロード・新日本プロレスが本格的にWWEと並ぶ世界のメジャー団体へ向けていよいよ始動するターニングポイントになるのがアニメ『タイガーマスクW』であり、プロレス者であれば押さえておくべき作品であると断言する。

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