[週刊ファイト12月4日期間] [ファイトクラブ]公開中
▼UFCドーハ熱狂:堀口恭司、9年ぶり復帰で絞殺決着の帰還劇
photo:© Zuffa LLC/UFC 野村友梨乃
・UFCドーハ初開催:堀口恭司、復帰戦フィニッシュで存在刻む
・フェイスオフ激突の余波:ツァルキヤン、地獄の肩固め葬送劇
・2度のアイポークで会場ブーイング:ギャリー、距離支配し完全勝利
・ウランベコフ戦意喪失:堀口恭司が見せた支配と破壊のフルコース
・ドーハの熱狂:堀口奮起、新時代の日本フライ級“覚醒の夜”
▼9年ぶりUFC-史上最強のMade in JAPAN 堀口恭司、再び世界へ挑む
UFCドーハ初開催:堀口恭司、復帰戦フィニッシュで存在刻む
2025年11月22日(日本時間22日24時)、カタール・ドーハのABHA Arena で『UFC Fight Night: Tsarukyan vs. Hooker』が開催された。UFCとしては初のカタール大会という歴史的な一夜。砂漠の新興都市で行われた初開催は、プレリムからメインカードまで熱気が冷める瞬間がないほどの盛り上がりを見せ、会場は終始“初開催とは思えない”完成度と熱狂に包まれた。
そんな特別な舞台で、やはり最大の注目をさらったのはこの男――堀口恭司。9年ぶりとなるオクタゴン復帰戦で、堀口はフライ級11位タギル・ウランベコフと激突。世界最高峰のケージに戻ってきた堀口は、初回から巧みな距離管理と鋭い打撃で試合を支配し、見事な白星でカムバックを飾った。さらにその内容が高く評価され、パフォーマンス・オブ・ザ・ナイトのボーナス5万ドル(約785万円)を獲得。“世界の本流に帰ってきた堀口”を強烈に印象づける一戦となった。
メインカード全6試合中、実に5試合がフィニッシュ決着。堀口だけでなく、初開催を彩るカードが次々とKO・一本を量産し、会場は興奮の坩堝に。プレリムから見ごたえある試合ばかりで、UFCが新たな市場に本格進出したことを強烈に印象づける大会となった。

初のカタール大会、堀口の完全復帰、そして大量フィニッシュ祭り。UFCファイトナイト・ドーハは、ただの地方大会ではなく、“2025年のMMAを象徴する夜”だった。

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フェイスオフ激突の余波:ツァルキヤン、地獄の肩固め葬送劇
【メインイベント】
<ライト級 5分5R>
○アルマン・ツァルキヤン(アルメニア)23勝3敗(UFC10勝2敗)※UFC5連勝
2R 3分34秒 肩固め
●ダン・フッカー(ニュージーランド)24勝13敗(UFC14勝9敗)※UFC3連勝でストップ
前日計量のフェイスオフでツァルキヤンがフッカーに頭突きを浴びせた時点で、この一戦はすでに火薬庫と化していた。会場の空気も、ライト級上位の潰し合いが始まることを察し、どこかピリついていた。

試合が始まると、ツァルキヤンはいつもの“静かな圧力”を全面に押し出す。派手さこそないが、一歩進めば的確に距離を潰し、組めば一切の迷いなくテイクダウンにつなげる。そしてグラウンドに持ち込むや否や、そこからが本当の地獄だった。
ツァルキヤンのパウンドとヒジは、ただ強いだけではない。“相手の嫌がるところにじわじわ落とす”精密機械のような攻撃で、フッカーは下になった瞬間から休む隙がなかった。ツァルキヤンの重い一撃が飛んでくる。ラウンド終盤には、フッカーの顔面はすでに変形。目の周りは腫れ、ツァルキヤンの圧力が視覚的に刻まれていった。
そして2R、ついに決壊の瞬間が訪れる。テイクダウンからトップを奪ったツァルキヤンは、ハーフを経てマウントへ。そこから肩固めに移行すると、逃げ場は完全にゼロ。締め直した瞬間、フッカーはタップし、試合は終わった。2R 3分34秒、ツァルキヤンの“隙のない総合力”がそのまま結果へ繋がる完勝だった。

勝利者インタビューでツァルキヤンは、「最高の気分だ。ダンには感謝している。彼が受けてくれたから今年試合ができた。“真のナンバー1コンテンダー”は俺だ。タイトル戦を組むべきだ。契約書を送ってくれ。俺のストライキングは別次元、レスリングも別次元だ。ケージの中で俺を止められる者はいない」と語り、ライト級王者イリア・トプリアに堂々の宣戦布告。
ツァルキヤンの強さは“破壊”よりも“支配”。相手の嫌がる攻撃を淡々と積み重ね、最後に逃げ場を奪う。UFCライト級は今後どうなるのか――化け物揃いのトップ戦線は、ますます目が離せない。
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2度のアイポークで会場ブーイング:ギャリー、距離支配し完全勝利
【コメインイベント】
<ウェルター級 5分3R>
○イアン・ギャリー(アイルランド)16勝1敗(UFC9勝1敗)
判定3-0 (30-27×2, 29-28)
●ベラル・ムハメド(パレスチナ)24勝4敗(UFC15勝4敗)

世界トップクラスの粘りを誇るベラル・ムハメドと、勢いに乗るイアン・ギャリーが激突したコメインイベント。開始直後からベラルが圧力をかけ続け、ギャリーはサークリングを大きく使いながら距離を管理する展開となった。序盤にはギャリーの前手がアイポークとなり試合は一時中断。会場からブーイングが起き、緊張感を伴う立ち上がりとなった。
試合再開後は、ギャリーが代名詞の関節蹴りとカーフキックを正確に当て、距離戦を支配。ベラルは前へ出て組みを狙うが、ギャリーはリストコントロールやフットワークで対応し、テイクダウンをほぼ完封するディフェンシブ・レスリングを披露した。
2R以降もギャリーは関節蹴り、前蹴り、右ストレートを軸に“間合いの攻防”を優位に進めめ、ベラルの前進を削っていく。後半には再びアイポーク気味の場面があり、会場がざわつくが、流れは揺るがず。打撃差と距離管理の巧さが際立ち、最終的にはギャリーが判定3-0でランキング2位のベラルを撃破した。

試合後、ギャリーは強烈なメッセージを投下する。
「彼がなぜ世界トップなのかよく分かった。強い打撃を何度も当てたのに止まらなかった。ただ──元王者に勝った今、チャンピオンのイスラム・マハチェフ以外、俺の上には誰もいない。地球上で最高のウェルター級ファイターと戦う義務があるのはチャンピオンのほうだ。マハチェフ、次は俺をテイクダウンさせてみろよ」
ベラルは前に出て圧力をかけ続けたものの、決定打を作れず、ギャリーのえぐい関節蹴りと巧みなフットワークに試合を支配された印象だった。2度のアイポークで会場はブーイングに包まれたが、それでも判定は揺るがず、ギャリーが世界トップへの距離を一気に縮めた夜となった。
試合後の宣戦布告を踏まえ、2026年――ギャリー vs マハチェフの実現は十分にあり得る。ウェルター級戦線は、この勝利を境にさらに激しさを増していくだろう。