photo by George Napolitano
TOP画像:ブッチャー、DDPダブルJ、RVD、BアルフォンソPエラリング、AEW勢集結
“黒い呪術師”“スーダンの野獣(※日本では黒い呪術師だが、海外ではスーダンの野獣というニックネームが一般的だった)”として世界中のマットを血に染めた伝説の悪役、アブドーラ・ザ・ブッチャー(本名ローレンス・ロバート・シュリーブ=84歳/カナダ出身)が、深刻な健康問題により入院したことがわかった。米国時間10月23日、長年のブッキングエージェントであるスティーブ・スタシアック氏がSNSを通じて明らかにしたもので、世界中のファンが心配の声を寄せている。
ブッチャーは1961年にデビュー。流血戦を代名詞とし、“スーダンの野獣”の異名でプロレス史に名を刻んだ。日本では全日本プロレス、新日本プロレス両団体でジャイアント馬場、アントニオ猪木、ジャンボ鶴田らと数々の名勝負を残し、ヒールでありながらも圧倒的な人気を誇った。2011年にWWE殿堂入り、2019年には日本で引退セレモニーを行っている。

■ 長年の闘病と生活苦
高齢による体調悪化は近年続いており、ブッチャーは2024年7月に腸の疾患で米ジョージア州の病院に入院。鼻からチューブを挿入した姿をInstagramで公開し、「病院のベッドで苦しんでいる」と告白していた。
その際、股関節の手術も必要な状態にあり、歩行器を使っての生活を余儀なくされていたという。さらに離婚訴訟や財産喪失など経済的困窮も重なり、クラウドファンディングでは4,000ドル以上の支援金が集まった。
同年8月には一時退院し、ノースカロライナ州でファンイベントに姿を見せるも、完全回復には至らなかった。2024年末にはブル中野とのツーショットを投稿し笑顔を見せたが、根本的な体調改善には至らず、再入院が繰り返されていた。
■ 10月23日に再び入院 ファンの祈り止まず
今回の入院は、スタシアック氏の発表によると「深刻な健康問題によるもの」で、詳細な病名は明らかにされていない。報道を受け、東スポWEB、Yahoo!ニュース、TMZなど国内外のメディアが一斉に速報。X(旧Twitter)では「一日も早い回復を祈る」「猪木さんのように闘魂を見せてほしい」といった投稿が相次いだ。
特にアントニオ猪木公式アカウントが「ブッチャーさんのご回復を祈念しております」と発信した投稿は295件以上の“いいね”を集め、多くのファンがリポスト。往年の名勝負を思い出しながら、レジェンドへのエールが広がっている。

■ “流血の伝説”は今も生き続ける
ブッチャーは、フォーク攻撃や地獄突きなど残虐なスタイルで一時代を築いたが、その代償としてC型肝炎を患い、後年は感染訴訟にも直面した。WWE殿堂入り時のリングを売却するなど、長年の戦いの爪痕が彼の生活をも蝕んでいる。
現時点(10月25日)で退院の見通しは立っていないが、プロレス界内外からは励ましと祈りの声が絶えない。ファンの間では「もう一度笑顔を見たい」「プロレス史の象徴として元気な姿を」とのメッセージが広がっている。
“スーダンの野獣”の生命力は、リング外でも今なお人々を惹きつけてやまない。再び立ち上がる日を、世界中のプロレスファンが待っている。