[週刊ファイト7月10日]期間 [ファイトクラブ]公開中
▼月曜魔術のキセキ健在! NOAH『WRESTLE MAGIC 2025』総評
photo & text by 鈴木太郎
・4団体集結メインイベントで存在感見せた稲葉大樹”情熱”
・入場曲だけで反応明暗な団体差
・接点無いメンバーを繋ぎ留めた稲葉の存在感
・ノアマットで『ALL TOGETHER』実現の奇跡
・ビクトリア弓月奮闘も彩羽匠GHC女子王座V1で林下詩美戦へ
・技失敗イメージ払底の弓月
・セミファイナル相応しい激闘
・HAYATA体格差跳ね除けて石川修司撃破! GHCハードコア新王者
・体格差受容したHAYATAの戦略
・令和の弁慶-牛若丸だったハードコア戦
■ プロレスリング・ノア『WRESTLE MAGIC 2025』
日時:2025年6月30日(月) 18:45開始
会場:東京・品川ステラボール
プロレスリング・ノアの大人気ブランド『MONDAY MAGIC』による1年ぶりのビッグマッチ『WRESTLE MAGIC 2025』は、国内他団体との連帯を深める形で幕を閉じた。前回の『WRESTLE MAGIC 』が行われた両国国技館から会場規模を大きく落としたものの、余所行きではない『MONDAY MAGIC』の強みは、新宿FACEの約2倍にあたるキャパシティを有する品川ステラボールで存分に発揮された印象だ。
メインイベントでは、ノア以外にも、新日本プロレス、DDTプロレスリング、DRAGON GATEの3団体が参戦したが、団体で活躍するスター選手や、将来を担うであろう金の卵だけでなく、YOSHI-HASHI(新日本プロレス)や彰人(DDTプロレスリング)といった燻し銀の活躍を見せる中堅所を起用してきた点も見事だった。
大会中盤には『MONDAY MAGIC』新シリーズとして、今年10月にXTREAM SEASONが開幕することも発表された。数々の魔法が炸裂した新宿FACEから、デスマッチも多く開催されている新木場1stRINGへ会場を移動する点や、シーズン名にもなったXTREAM(=Extreme)の持つ『最高』、『過激』、『極端』という意味を踏まえると、次回の『MONDAY MAGIC』はノア本興行では出来ない試みを更に推し進める大会になるのではないだろうか?
▼別ブランド興行でも勢いホンモノ! ノア『MONDAY MAGIC』新期初回
▼NOAH『MONDAY MAGIC』新期2回目も勢い止まらぬ魔術炸裂!
▼王座戦線動きゼロもインディー大活躍回! NOAH『MONDAY MAGIC』
▼多幸感〆でビッグマッチ突入! NOAH『MONDAY MAGIC』新期最終回
4団体集結メインイベントで存在感見せた稲葉大樹”情熱”
<メインイベント 8人タッグマッチ>
○清宮海斗 大岩陵平 上野勇希 吉岡勇紀
17分51秒 シャイニング・ランサー⇒片エビ固め
YOSHI-HASHI KAI 彰人 ●稲葉大樹
プロレスリング・ノア、新日本プロレス、DDTプロレスリング、DRAGON GATEの4団体所属選手が参加することが発表されていた『WRESTLE MAGIC 2025』のメインイベント。タッグマッチの人数や参戦選手に注目が集まる中、イントロクイズの如く全選手の入場曲が流される展開で会場の反応も窺い知ることが出来てしまった。ノア所属の稲葉大樹や清宮海斗に加え、ノアと同じくサイバーファイトの一員であるDDTプロレスリングの上野勇希や彰人に関しては、入場曲だけで観客席からの反応も大きかったものの、ノアとも少なからず接点のある新日本プロレス勢とDRAGON GATE勢に対する反応は入場曲だけだと思いの外薄い印象を受けた。それでも、名前がコールされれば大歓声で迎えられたのだから、会場中の期待に応える人選だったと言えよう。
清宮海斗を筆頭に団体の現世代が集結する赤コーナーに対して、青コーナーは40歳前後の中堅どころの揃う顔触れとなったのだが、接点も薄そうな青コーナーのメンバーを纏めたのが、稲葉大樹の叫ぶ「情熱!」だったことは意外に映る。この豪華メンバーで、恐らく一番存在が喰われかねない稲葉が示したインパクトに会場も大いに沸いたのである。
そんな豪華メンバーの競演は、清宮と稲葉の一騎打ちに突入し、清宮が試合を制する形で幕を閉じた。試合後はKAIを除く7選手が手を取り観衆にアピールする大団円。『ALL TOGETHER』にも似た各団体の結集を実現させてしまう『MONDAY MAGIC』ブランドの多幸感に会場中が熱狂したのである。