[ファイトクラブ] WWEビキニコンテスト横浜・神戸盛況2003 年『マクマホン』日本戦略

[週刊ファイト11月28日]期間 [ファイトクラブ]公開中

▼ WWEビキニコンテスト横浜・神戸盛況2003 年『マクマホン』日本戦略
 by Favorite Cafe 管理人
・Netflix『Mr.マクマホン 悪のオーナー』描かれていない日本侵攻
・KISS MY ASS! ビンス・マクマホン、トーリー・ウィルソンと尻出し共演
・WWE日本ツアー『UNLEASHED IN THE EAST』4万人動員圧勝予想
・2003年7月、日米メジャー横浜神戸“興行験争“にWWF独り勝ち
・トリプルスレッドWWE世界ヘビー級選手権戦レスナー、アングル、ベノワ
・大盛況セイブル、トーリー、ニーディア、ディーバ『ビキニコンテスト』
・色モノ”水着コンテストもWWEの演出では洗練されたショー
・WWEを世界のメジャ-に押し上げた育成、ドリー・ファンクJRコーチ道場
・ファームシステム「ディベロップメント・テリトリー」で実戦トレーニング
・カート・アングル、ブロック・レスナー、実力派トップスター選手排出


 アメリカ・マットのメジャー団体、アティテュード時代に大繁栄したWWEの秘密は、オーナーであるビンス・マクマホン代表の“率先垂範”ぶりにあった。2003年6月26日、ニューヨークのMSGで行われた『SmackDown!』では、セクシー美女マネージャーのトーリー・ウィルソンに負けじと、“尻出し”パフォーマンスも堂々と演じきるなど、リング上でもトップ・ヒールとして人気を得る看板役者を努めていた。

 一方では、バックステージで誰よりも仕事熱心な“敏腕”オーナーの顔を持っていた。2003年の日本ツアーでは、ビンスの来日待望論が、日本のWWEマニアの間で高まっていたが、夏の横浜、神戸ツアーでは叶わなかった。
 Netflix『Mr.マクマホン 悪のオーナー』は、アメリカ国内をターゲットにしたドキュメンタリーなので、日本との関係や日本ツアーについては描かれていない。今回は日本から見た2003年のWWE、6月のMSG大会、7月の日本ツアーを週刊ファイトから検証する。

 KISS MY ASS! ビンス・マクマホン、トーリー・ウィルソンと尻出し共演
週刊ファイト(2003年7月10日付け)

「KISS MY ASS!」WWEのビンス・マクマホンJR代表は、こう叫ぶと、左足が義足のプロレスファンの少年、ザック・ガワエンくんの眼の前でズホンを下ろした。
 これは6月24日(現地時間)、ニューヨークのMSGで行われた『SmackDown!』でのワンシーン。この大会の第4試合終了後、ビンスがリング上に登場し、愛娘でゼネラルマネージャーのステファニーと、ビンスの“仇敵”ハルク・ホーガンの大ファンで、しかも不自由ながらプロレスラーになりたいとWWE入りを夢見ているザックくんをリング内に呼び込んだ。そして、ビンスは「オレの尻にキスしたなら『SmackDown!』で契約してやる」と、ザックくんに“服従”を求めたのだ。

 すると、ステファニーに耳打ちされたザックくんは、ビンスの背後にひざまずいて、キスをするふりをして次の瞬間、急所打ちで“拒否”の姿勢をアピール。またもステファニーとザックくんはビンスに反旗を翻した。

 激怒したビンスは、2人に対し「ビッグショーとオマエらが闘うんだ。勝ったら契約してやる」と、大巨人vs.素人ペアによるハンディキャップマッチを強要した。
 もちろん、これは“WWE劇場”のストーリー。しかしながら、米マット界を制圧した代表(役職は代表取締役会長)のビンス自ら、会社の発展のためならと“汚れ役”も買って出るところに、現在(2003年)のWWEの繁栄の秘密がある。この日は、写真のように“セクシー美女マネージャー” トーリー・ウィルソンとの「尻出し競演」を堂々と演じきってみせた。

ザック君の急所打ちに悶絶マクマホン

 いくらファミリー経営の会社とはいえ、自分のお尻を衆人の前であらわにする大企業のオーナーがどこにいようか? 加えて、ビンスは部下のスタッフより仕事熱心だ。早くから会場入りし、いろんなセクションのスタッフに声を掛け、打ち合わせの確認など、バックステージでは忙しそうに動き回るビンスの姿が誰よりも目立つ。

 もちろん、リング上では今やトップレスラー並みのヒール人気を誇る“悪のオーナー”の顔を持ち、その役回りを際立たせるバックステージでの、つまり舞台裏での人間模様を映し出すVTR録りも器用にこなしている。迫真の演技力は、ハリウッド俳優も顔負けするほどである。

家族内トラブルもリングのストーリーにステファニーと共演

 その一方で、ビンスは怪物まがいのレスラーと一戦をまじえることも多く、肉体トレーニングにも怠りはない。単にエンターテインメントに徹するだけではなく、こうした“陰の努力”にもWWEの成功のカギがあるのだ。それもオーナー自ら率先垂範するのだから、傘下レスラーも手を抜けない。

 「素顔のビンスは、バックステージにいるプレスの面々にもアイサツを交わすなど、リング上の“嫌み男”とは全く違う印象です。そして旺盛な仕事ぶり、そんな姿を見ていれば、スタッフやレスラーを含め、彼に仕えている人たちが『今日もいい仕事をしよう』とヤル気を起こすのも分かりますね」(本紙前特派員)

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 これまでも本紙既報の通り、父親のビジネスを受け継いだ現在のビンスの時代になって、WWE(2002年にWWFから改名)は大きく発展した。旧勢力のNWA、それを買収した“メディア王”テッド・ターナー経営のWCWをも蹴散らして、米マット界を完全制圧。さらに、エンターテインメント企業として、ケーブルテレビやPPVを活用して全米に知名度を高めた。そして株式上場。ビンスの進取の精神が、プロレスビジネスを変革させたといっても過言ではない。

 また、本場・米国に匹敵するほどの“プロレス王国”である日本の市場にも、WWE(当時はWWF)は1980年代から目を付けていたが、日本のファンの関心を集めるには至らなかった。新日プロやSWSなどと業務提携や合同興行を行ったが、日本に本場のアメリカンプロレスが根付くことはなかった。

 ところが、21世紀になって新しい世代のプロレスファンが生まれ、ロックコンサートなどのノリで、WWEの試合も衛星放送や市販のDVDで紹介されて、日本の若者の共感を得た。WWEのダイジェスト版が一昨年(2002年)からテレビ東京、今年4月からはフジテレビで放映されて、さらにファンの層も広がった。WWE単独の日本ツアーも昨年3月、今年1月に続いて、7・17横浜&7・18横浜アリーナ、7・19神戸ワールド記念ホールが決まり、その前売りチケットが45分で完売したという異常人気を示している。

 ファンの間からは、主催者側に「今回、ビンスは来日するのですか?」との問い合わせが多く、日本でのビンス人気の高まりも証明された。過去2度の日本ツアーに、WWEの象徴的存在のビンスの姿がなかっただけに、ファンも“三度目の正直”に期待しているのだ。
 ビンスとは犬猿の仲であるアントニオ猪木が「バカになれ」と新日プロ勢を叱陀(しった)しているが、この金言をはからずも体現しているのがビンスなのである。

 WWE日本ツアー『UNLEASHED IN THE EAST』4万人動員圧勝予想
週刊ファイト(2003年7月24日付け)

 米メジャーWWEの今年2度目の日本ツアー『UNLEASHED IN THE EAST』(7・17&18横浜アリーナ、7・19神戸ワールド記念ホール)が目前に迫った。
 今年1月の『RAW』に続いて、今回はフジテレビのレギュラー中継でおなじみの『SmackDown!』の来日とあって、事前のPR効果も上々で、7・18&19は発売初日、45分間でソールドアウトとなったことは周知の通り。そこで7・17横浜アリーナが急きょ追加されて、昨年3月から通算3度目となるWWE単独日本ツアーの異常人気ぶりが如実に示された。

日本ツアーで来日も期待されたマクマホン

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