[ファイトクラブ]2003年のWWE 日本侵攻『Mr.マクマホン 悪のオーナー』の野望

[週刊ファイト10月31日]期間 [ファイトクラブ]公開中

▼2003年のWWE 日本侵攻『Mr.マクマホン 悪のオーナー』の野望
 by Favorite Cafe 管理人

・WWE熱狂再び 日本流にアレンジ真っ向勝負でプロレス巻き返し
・WWE DIVASお色気満開に大歓声、日本プロレスマットに大きなヒント
・真骨頂みせたWWE・反省点解消、素早い方向転換(ターザン山本)
・WWE急展開“超人”ホーガン電撃再契約『レッスルマニア19』
・ロック俳優専念か?初主演『ザ・スコーピオン・キング』大ヒット
・ステファニーとの同棲発覚HHH 世界王座“義父”マクマホンの七光り
・セクシーマネージャー、トーリーもハリウッド進出視野に



 米マット・マニアの間では、今年9月にNetflixで公開された『Mr. マクマホン 悪のオーナー』の話題が尽きない。この番組のタイトルでもある“Mr. マクマホン”としてビンス自身が登場し、よりきわどい演出へと変わっていったアティテュード時代。そして2002年~2003年、WWEは世界制圧計画に日本マーケットも視野に入れてきた。

 今回は2003年のWWEに注目し、当時の週刊ファイトの記事を振り返ってみる。WWEは2000年代に入って2度目の日本公演を行っている。複数回に分けてお届けする予定だが、まずは、2003年1月~2月のWWEと日本侵攻計画の舞台裏を読み解いていきたい。

 WWE熱狂再び 日本流にアレンジ真っ向勝負でプロレス巻き返し
週刊ファイト(2003年2月6日付け)

 昨年(2002年)3月以来、10力月ぶりの再上陸となったWWE。1・24&25代々木2連戦は両日とも大盛況に終わった。内容的には日本向けにアレンジされていたが、アメリカンプロレスの魅力を余すところなく見せつけ、格闘技に押されている日本プロレス界にとっては海の向こうから強力な援軍がやってきた感じ。しかし、これでもWWEにすればハウスショーにすぎない。ファンはTVマッチがそっくりそのまま日本に上陸することを願っているが、その可能性を探ってみた。

日本上陸のエースは、HHH

 昨年3月、単独では日本初上陸となったWWF(当時)。横浜アリーナを満員の観客で埋め、その後、シンガポール、マレーシアと転戦したアジアツアーは大成功を収めた。
 2003年、WWEは3度のアジアツアーを計画しているが、それも昨年の成功があってのこと。ただ前回、日本のファンが横浜アリーナ大会に満足したかというと必ずしもそうではない。
 というのも、日本のファンが期待していたのは、『RAW』や『Smack Down!』といったTVマッチがそのまま日本に上陸することだった。
 しかしフタを開けると、その規模はハウスショーレベル。あのタイタントロンと呼ばれる大型ビジョンは設置されず、入場ゲートは必要最小限のもの。花火やライティングの演出も同様だった。

 今回、会場が代々木第1競技場に変更となって、完全にビジョンは無し。会場のキャパシティーも横浜アリーナに比べると3分の2程度で、相対的にランクが下がったと思われても仕方ない。
 来日メンバーも、前回に比べるとワンランク落ちた感じ。とはいうものの、それはザ・ロックとハンター・ハースト・ヘルムスリー(以下、HHH)のイメージの違いだろう。

 アメリカを代表するような陽気なロックに比べると、HHHはどこか陰がある存在。それでも当日券こそ発売されたが二日間ともチケットは完売したのだから、WWE人気は完全に定着したといって良いだろう。

 『RAW』メンバーなのだから、本来なら同GMであるエリック・ビショフ氏が来日するはずなのだが、観客の前に姿をみせたのは、ステファニー・マクマホン『Smack Down!』のGM。それはWWEビンス・マクマホン代表の指示であるのは容易に察せられる。
 しかも、今回のツアーメンバーとともに来日した首脳はジョニー・エース、ディーン・マレンコ、デーブ・フィンレー各氏。3氏とも日本マットを熟知しており、各選手に細かい指示を出したものと思われる。
 というのも、大半の試合が日本向けにアレンジされていたから。TVマッチのようなインタビューがないため、試合内容だけで観客を満足させないといけないが、世界の中でもレベルの高い日本のファンをうならせるのは容易ではない。

TAJIRIも活躍

 アメリカでも地方によって観客の気質は異なる。それを敏感に察知し、シフトチェンジできてこそ一流レスラーだ。その点では、時間の経過とともに観客をグイグイとリング上に引き込んだクリス・ジェリコ、ロブ・バン・ダム、HHH、TAJIRIは紛れもなく超一流のレスラーだ。彼らがセミファイナル、メーンを締めたからこそ、代々木2連戦は内容的にも成功を収めたとえよう。
 ファンから前回ほどの期待感こそ感じられなかったが、サインボードが数多く掲げられ、思い思いのコスプレで会場に足を運ぶファンはお祭り気分。日本のどんなビッグマッチでも感じられないほどの熱気があったのは事実。ハウスショーでこれほどまでにファンを熱狂させるのだから、TVマッチがそのまま日本上陸をはたせばどうなるか。

 ファンはそういう期待をいだくだろうが、残念ながら日本でTVマッチが行われる可能性は、きわめて低い。やはり大きいのは言葉の壁。短いスピーチならともかく、オールドタイマーが「いまのWWEはフィフティーンミニッツ・トーク、スリーミニッツ・マッチ」と批判するスタイルをそのまま日本のリング上で繰り広げても、十分に理解できないだろう。リング上と観客に一体感がなければ、それを電波で流すことはしない。

 しかも代々木2連戦を見た限り、観客がWWE首脳の狙い通りの反応を示すとは考えにくい。そうなるとますます日本で全米向けの映像を撮ることは難しい。とはいうものの、演出面でまだまだグレードアップすることは十分可能。タイタントロンを設置し、新日プロ東京ドーム大会並みの設備があれば、極上のハウスショーが提供できる。

 7月には『Smack Down!』のメンバーで再々上陸が決まっているWWE。今回の代々木2連戦を視察したステファニーGMは、観客の反応には満足していたようだが、大会として満足したとは思えない。どこまでもドン欲なWWEのこと、ブロック・レスナー、カート・アングルを擁して次回どこまでグレードアップさせてくるか。格闘技に押され気味のプロレス界にとって、現時点で真っ向から対抗できるのはWWEだけかもしれない。それだけの勢いを感じさせた代々木2連戦だった。

代々木2連戦の主な試合結果

▼Netflix『Mr.マクマホン 悪のオーナー』公開ストーンコールドかく語りき 

[ファイトクラブ]Netflix『Mr.マクマホン 悪のオーナー』公開ストーンコールドかく語りき

 WWE DIVASお色気満開に大歓声、日本プロレスマットに大きなヒント
週刊ファイト(2003年2月6日付け)

 『ロイヤルランブル・アジアツアー』WWE代々木2連戦でHHH以上に歓迎されたのは、セクシー路線でWWE人気の一端を担っているDIVASだった。
 すでにDIVAS路線は日本のファンにも浸透。代々木2連戦では屋外に特設売店が設けられ、Tシャツやパンフレット、ビデオ、DVDなどが販売されたが、ビデオDVDで1番の売れ行きを示したのがDIVASだった。

 発売元の『ユークス』もこれには驚き。関係者の一人は、「基本的にはアメリカで発売されているソフトに日本語の字幕を入れて発売しているんですけど、今後はDIVASにもっと力を入れていこうと思います」と語ったほど。

 今回は、ステファニー・マクマホン、ステイシー・キンブラー、トリッシュ・ストラタスとWWEのDIVAS路線を支えるトップ3がそろって来日。当初は来日 予定がなかったステファニーは、日本のファンにすればビッグプレゼント。時間はわずかだったが、マクマホン・ファミリーの思わぬ登場に会場は大歓声に包まれた。

ステイシーのリングイン

 中でも1番人気は美脚のステイシー。スラリと伸びた長い脚を強調するミニのドレスに身を包んで登場。リングインする際は、その脚を強調するような姿勢でロープをまたぐ。リングサイドの最前列のファンだけ、パンチラが拝めるか拝めないかという瞬間には、歓声ともため息ともつかない声が上がった。
 単なる美脚の持ち主というだけでなく、清楚な雰囲気を醸し出しているのも日本のファンに人気がある要因だ。

トリッシュ(左)、ステファニー(右)

 一方、ステイシーと異なり、巨乳で日本のファンを魅了したのがトリッシュ。胸元を強調するタンクトップにパンタロン姿でリングに登場。初日(1・24)はタッグマッチだったが、その中でもひときわ目立っていた。
 とはいうものの、試合が始まればお世辞にもレベルが高いとは言い難い内容。その点が日本再上陸の際の課題だろう。

 男子にない魅力となると、やはり女子らしさを強調するのが1番。DIVAS路線を担う各選手は、「私たちに期待されているのは何かというとセックスアピール」と公言する。そのため、美しいボディーラインを維持する鍛錬を怠ることはない。

 もちろん、7月の再々上陸でもDIVAS路線は欠かせない。このところ長い低迷が続く日本女子マット界にとっては、現状打破の大きなヒントを示したといっていい。しかし、WWEのDIVASが単独で日本に上陸したなら、試合内容はともかく人気面では完全に日本の女子団体を上回ることは間違いない。

 真骨頂みせたWWE・反省点解消、素早い方向転換(ターザン山本)
週刊ファイト(2003年2月6日付け)

 今年もWWEがやってきた。昨年3月の横浜アリーナ大会は大盛況。さて今年はどうなるものかと興味津々で代々木競技場第一体育館に足を運んだ。
 今回、私は取材ではなく2階席(1万円)のチケットを買った。会場には、最寄りのJR原宿駅から徒歩で向かったのだが、駅構内では若い女性2人が「チケットを譲ってください!」と書いた紙を持って立っていた。
 今年も爆発的人気でチケットが手に入らないのかと思ったが、体育館が見える地点にいるダフ屋が「チケットを持っていない人、割引だよ」と叫んでいるではないか。
 エッ、どうなってるの?

 ところが、ダフ屋からチケットを買っているファンの姿は見かけない。顔見知りのダフ屋に「どう?」と声をかけたところ、返ってきたのは「全くダメ。誰も買わないんだよ。チケットが余っちゃって。もうどうしようもない」という意外な言葉だった。
 そんなバカな。何でも、誰かがインターネットオークションで値をつり上げようともくろんだところ、その思惑が外れてチケットが大量に残ってしまったというのだ。昨年3・1横浜アリーナでは、正価の何倍もの値が付いた。その再現を狙ったというわけである。やはり悪い事はできないものだ。

代々木体育館につめかけたWWEファン

 さて試合だが、初日(1・24)を見た限りでは、完全に“地方興行”という印象だった。
 とはいうものの、さすがWWE。地方興行として見れば、よくできている。しかし『レッスルマニア』を10回近く観戦した者からするともの足りない。さすがに年間最大のイベントと比べるとそう感じるのも仕方ないが、私にとってはオープニングから全くつまらなく、知らぬ間に寝てしまっていた。

 TVマッチなら、入場ゲートの上に大型スクリーン(タイタントロン)があって、出場選手のプロモーション映像がガンガン流されるのだが、それもなし。そのため、どうしてもWWEらしくなく、興味も半減してしまった。

 WWEがエンターテインメントをうたい文句に掲げるなら、あのスクリーンをなぜ設置しなかったのか疑問が残る。怠慢なのか、手抜きなのか。もっと言わせてもらうなら、高額なチケットを買って観戦した日本のファンをなめているとしか言いようがない。今回のWWE代々木2連戦はプロ野球でいうオープン戦みたいな感じだった。

 ところが2日目(1・25)、カード的にはメーンのHHH vs. TAJIRIの世界ヘビー級タイトルマッチが発表されていただけに、初日と打って変わってベスト興行となった。
 さすがWWE。前日の反省点を踏まえて、すぐに日本のファンのハートをキャッチ。各選手も、それに見合った試合を繰り広げた。後半3試合はまさに日本スタイル。“カウント2.9プロレス”でファンをリングに引き込んでいく。見ていて非常に面白かった。

2日目は軌道修正されて、大盛況

 特にセミに登場したクリス・ジェリコとロブ・バン・ダム(RVD)は、ともに日本マットで芽が出たレスラーとは言い難い。いわば中堅クラス。そんな彼らがWWEで大ブレイク。まさにアメリカンドリームだ。
 WWEの長所というか、凄い点は、すぐにスター選手を輩出できるところだ。ジェリコなどWARマットで“ライオン道”を名乗っていたことを考えると、大出世である。この両選手は、外国人レスラーでありながら、日本マットに凱旋した形。

 ファンの反応も初日と全く違った。会場のムードを作り、レスラーを逆に引っ張る。そうなるとレスラーも持ち味を十分に発揮できる。WWEはファンのノリがすべてだ。
 メーンではTAJIRIが体格のハンディを乗り越えて大健闘。あわや王座奪取かというシーンもあり、完全にメジャー選手というムードがあった。HHHも相手の持ち味を十分に引き出すファイトを展開。チャンピオンの実力と風格の成せる業といっていいだろう。
 2日目こそWWEの真骨頂。あらためて同団体の凄さを再認識させられた。

▼巨額放送権契約後にビンス・マクマホン「SEX斡旋」スキャンダル発覚

巨額放送権契約後にビンス・マクマホン「SEX斡旋」スキャンダル発覚

 WWE急展開“超人”ホーガン電撃再契約、ロック俳優専念か?
週刊ファイト(2003年2月13日付け)

 『ロイヤルランブル』アジアツアーを終え、3・30シアトル『レッスルマニア19』に向けて動き始めたWWEが新展開を見せた。一時は離脱濃厚とみられていたハルク・ホーガンが再契約。さらにザ・ロックが俳優に専念すべく、名前の使用権の買い取りを申し入れた。一方で先の日本再上陸でも好感触を得たことで、年内にも東京ドーム初進出を果たすべく、さらなるリサーチを行う。『Smack Down!』を中心に動きが急になってきたWWEだ。

記事の全文を表示するにはファイトクラブ会員登録が必要です。
会費は月払999円、年払だと2ヶ月分お得な10,000円です。
すでに会員の方はログインして続きをご覧ください。

ログイン