[ファイトクラブ]今週の肝 ヤマモpart2上場企業2社含むUJPW不入りAll Together

[週刊ファイト6月27日号]収録 [ファイトクラブ]公開中

▼今週の肝 ヤマモpart2上場企業2社含むUJPW不入りAll Together
 タダシ☆タナカ+シュート活字委員会編
・今週は二元中継~「ヤマモ酒in軽井沢」次回開催は2025年4月5日
・惨敗は1つの問題提起、厳しい現実見せつけられたオールスター興行
・絵に描いた餅に終わらせない!プロレスを公共の立場からなにかやる
・米Vice TVのインタビュー収録New Yorkへ☆トランプ34罪状で有罪に
・アムステルダム化のNew York合法現場~いちご白書:コロンビア大学
・女子タッグ地元・怪奇同盟!WWEスコットランド遠征Clash at The Castle
・新日ワールド英語実況担当ケビン・ケリー、解雇したAEWを訴える発言
・お別れはヴァネッサ・ウィリアムス唄Save The Best For Lastで締めよ


■ ALL TOGETHER in SAPPORO~能登半島復興支援チャリティ大会
日時:6月15日
会場:札幌 北海きたえーる 観衆2,156人(主催者発表)

 なんといっても国内に絞った”今週のニュース”としては、オールスター戦になるAll Together札幌大会の集客がわずか2,156人にとどまったことではなかろうか。

ヤマモ主催の恒例イベント「ヤマモ酒in軽井沢」開催地にて。同イベント次回は2025年4月5日に開催。

▼ヤマモ放談6月の花嫁「昭和は終わってない」マリーゴールド花園満開

[ファイトクラブ]ヤマモ放談6月の花嫁「昭和は終わってない」マリーゴールド花園満開

 ヤマモこと山本雅俊さんを迎えてお話を伺った際には、さまざまな話題が出てきたのであるが、とりあえずマリーゴールドの旗揚げに絞ったpart1とさせていただいた。ではpart2はなんなのか?・・・なんだが、日本プロレスリング連盟(UJPW)についてである。
 ただ、収録の時点でAll Together名義の、UJPWとしては第二弾になる大会が目前だった手前、「終わってから出してもいいのではないか」との編集部判断があった。もちろん、本誌ともども札幌大会が不入りに終わることは100%見越していた。まぁ余りにも悪い予感のマンマだったので、かえって拍子抜けというか、もはや収録内容を細かく紹介しても、意味がなくなった感がある。また、税金対策からチャリティ大会としたレポート評は、本誌・安威川敏樹が発表済みでもある。

▼北の大地に集まったのは僅か2,156人! UJPWとプロレスの現実

北の大地に集まったのは僅か2,156人! UJPWとプロレスの現実

 ということで、今回の[ファイトクラブ]記事は2部構成というか、ヤマモ放談part2に続いてはシュート活字委員会が担当する「今週の肝」対談に繋げることにした。どっちみち、黄金時代のアメプロは日付は同じ6・15にWWEがスコットランドはグラスゴーにて『Clash at the Castle』を開催。11,391人集客との対比を持ち出すまでもなく、地盤沈下の国内不況が論点になろう。

惨敗は1つの問題提起、厳しい現実見せつけられたオールスター興行

 なんといっても 日本プロレスリング連盟になってからのAll Together第一弾、武道館大会は4,583人の集客。ただ、これは同日にボクシング井上尚弥が東京ドームだったので、「井上一人に負けた!」との見出しというか、ある種の言い訳が成り立ったのではあるが・・・。

▼井上尚弥の観客数の僅か1/9! 厳しい船出となったUJPW

井上尚弥の観客数の僅か1/9! 厳しい船出となったUJPW

 正直、第二弾に関しても「マッチメイクが悪かった」は違うのではないかと本誌は考える。確かに6人タッグのカードばかりとか、大人のファン目線なら勝負論的に関心を持たせたのはスターダム提供のシングル戦、キッズ時代から因縁の「AZM vs. スターライト・キッド」くらいだったも指摘はあえて出来るのだが・・・。もっと根源的な、例えば新日本プロレスの近年のマッチメイク傾向が、ファン離れを起こしている国内市況の縮小パイを冷静に見つめ直す必要があろう。

 ヤマモさんの指摘で面白かったのは、なんでも「永田裕志の新日リング登場は3ヶ月ぶり」という別件のニュースに「せちがらい!」と漏らしていたこと。
確かに! 永田に限らず天山広吉だの4代目タイガーマスクにせよ、「若手のコーチ役」でもなんでもいいのだが、なんか役割に意味を持たせての使い方というか、起用法に工夫がないままなんで、本誌側スタッフはその「3ヶ月」という話題すら、把握してなかった。いや、聞こえてこなかったという笑い話になってしまっている現実がある。
 棚橋弘至社長の「10の指針」こそ、一応は目と耳には届いたけれど、中身は「今更なにを!」だったし・・・。

絵に描いた餅に終わらせない!プロレスを公共の立場からなにかやる

 安威川敏樹の分析と異なり、シュート活字委員会担当の記事なら、UJPW発足には政界との橋渡し役だった馳浩からも注意されていた懸案、「プロレス界には業界団体なり、統一機構のような窓口がなかったこと」からなら大きな前進だ。なにしろコロナ期の陳情だの、補助金申請の段階になって、マット界が慌てたことは記憶に新しい。

 この点についても、ヤマモの指摘は興味深い。
「ブシロードとサイバー・エージェントの2つの上場企業が名を連ねる日本プロレスリング連盟 というのは、つまり政財界との真っ当な繋がりが出来たということ。災害の際に援助を受けるということは、 国民の血税がマット界にも使われることを意味する。これは画期的なこと」
と、この切口には納得である。

「ならば、活動に責任と意味を持たせる為に加盟団体からは、少なくとも十万円は加盟費を取るべき。お金が発生しているのだから本部はどういう活動をしているか政府や団体側に報告の義務が出てくるし、加盟団体も支払った費用が無駄にならないように、いかにプロレスが社会貢献に役立っているかを意識して興行を打つようになる」。

「つまりプロレスに税金を使うという事を国民に納得させる作業が必要。それで首尾よく政府から援助が得られれば、加盟団体には助成金が支払われる。決められた数年の間に災害が起きなければ”運営費以外の残りはお返しします”までやらないといけないと思う。税金の一部をプロレスに回してくれと言う案件なのだから、そこまでをシミュレーションしないと」
との厳しい評価も大変に真っ当に思えた。

 やはり業界団体を発足させたのなら、「リスクを持ってやれ!」ということに尽きよう。その覚悟のようなものが見え隠れしていないから、All Together名義のチャリティ興行を2つやって、両方とも集客でも中身の評価面からも芳しくなかった点だけが、なんかオモテ向きは独り歩きしている。


 話はここから、2006年当時プロレスリングZERO1-MAXを運営していたファースト・オン・ステージ中村祥之が提唱したグローバル・レスリング連盟(Global Professional Wrestling Alliance、略称GPWA)だの、馳浩が会長、息子がプロレスラーの今井絵理子、元総理大臣の野田佳彦ら、超党派の国会議員が応援団となった2020年の格闘技振興議員連盟だのにヤマモがツッコミを入れたのだが、要するに忘れ去られてしまっている。リスクとリワードの深淵は週刊ファイトが取り上げるべきと諭された。

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