[ファイトクラブ]天龍源一郎1年3ヶ月振り復活華添えた拳剛『龍魂杯』優勝!

 天龍源一郎が公の場へ約1年3ヶ月ぶりの復活を果たした。天龍復活の日に後楽園ホール大会メインを飾った『龍魂杯』決勝戦は、天龍源一郎の現役時代から天龍プロジェクトとの関わりが深かった拳剛と、2021年の天龍プロジェクト復活後にレギュラーメンバーとして定着していった矢野啓太による龍の因果を思い起こす一戦となったのである。


[週刊ファイト11月30日号]収録 [ファイトクラブ]公開中

▼天龍源一郎1年3ヶ月振り復活華添えた拳剛『龍魂杯』優勝!
 photo & text by 鈴木太郎
・吉田和正逆さ抑え込み[カベジェラ・コントラ”売店スタッフ”]新井健一郎
・ドロー寸前も谷嵜なおき&進祐哉王者タッグ快勝x香取貴大&岩崎孝樹
・中盤まで出番なしも存在感の藤原喜明 6人タッグ越中詩郎&真霜拳號
・唯一の飛び道具だった大ベテラン勢の起用法は・・・
・WAR世界6人タッグ王座史刻んだ”大日本”橋本和樹&大地+神谷英慶
・曲者・鈴木秀樹&佐藤光留組UNタッグ王座諏訪魔&田村男児から奪取
・矢野啓太連覇阻む拳剛『龍魂杯』制覇!速攻4王座挑戦表明への期待
・2度の負傷欠場を清算した拳剛優勝の意義


■天龍プロジェクト『~第3回龍魂杯~LIVE FOR TODAY~』
■日時:2023年11月19日(日) 11:30開始
■会場:東京・後楽園ホール
■観衆:未発表

 療養生活中だった天龍源一郎が、約1年3ヶ月ぶりに公の場に復帰を果たした。杖をつきながらの歩行だった療養前と異なり、車イス姿での登場となったが、リング上のコメントは以前と変わらぬ天龍節が炸裂。天龍プロジェクトではお馴染みの「エイエイオー」の合唱でも力強い声を放っていたのである。
 天龍源一郎が戻ってきた11・19天龍プロジェクト後楽園ホール大会のメインを託されたのは、天龍の引退前から天龍プロジェクトのレギュラーであった拳剛と、2021年の天龍プロジェクト再開以降にレギュラーとして定着した矢野啓太の2人だった。第3回『龍魂杯』決勝戦として行われた大一番は、前年度覇者で連覇を狙う矢野が試合を優位に推し進める展開となるが、終盤に怒涛の畳み掛けで逆転した拳剛が見事優勝を果たした。
 試合後、拳剛は天龍プロジェクトが管轄するJrヘビー級、Jrヘビー級タッグ、UNタッグ、WAR6人タッグの全王座への挑戦を表明。天龍プロジェクトの興行数を考えれば、今後暫くは拳剛のタイトル挑戦行脚が続くのだろう。優勝特需もすぐに収まることはなさそうだ。

 印象的だったのはメインばかりではない。セミファイナルのUNタッグ王座戦は、2023年に入ってから勃発している諏訪魔と鈴木秀樹の因縁を感じつつも、因縁や遺恨に左右されないグラウンドでの一進一退の攻防は見応え充分。メイン前の段階で満足度溢れる内容を提示して見せた。

 第4試合のWAR世界6人タッグ王座戦では双方Jrヘビー級の選手が1名ずついた中、同王座の60分3本勝負ルールで行われた3本中2本はヘビー級同士で決着するなど、Jrヘビー級の存在が安牌になりがちなタッグマッチの不文律を崩すところも含めてゲーム性が見られた。前説では嶋田紋奈代表が「後楽園ホールでも飛び道具を使わない、普段通りの天龍プロジェクト」という言い回しで今大会のカードを評していたが、その言葉通り天龍世代に刺さりそうな参戦選手は藤原喜明と越中詩郎と限定的。2人の試合順も中盤の第3試合と、あくまでもレギュラー参戦中心でストーリーラインの組み立てを重視した事が窺える。
 動員面では苦戦したものの、内容の満足度は聖地でも不変。天龍が度々口にする「腹いっぱいなプロレス」がそこにはあった。

▼観客動員苦戦も好試合連発! 天龍PROJECT『龍魂杯』新木場大会

[ファイトクラブ]観客動員苦戦も好試合連発! 天龍PROJECT『龍魂杯』新木場大会

吉田和正逆さ抑え込み[カベジェラ・コントラ”売店スタッフ”]新井健一郎

<第1試合 シングルマッチ 15分1本勝負>
◯吉田和正
(7分30秒 逆さ押さえ込み)
●新井健一郎

 吉田和正が負けた場合は坊主頭が、新井健一郎が負けた場合は【大会後に大日本プロレスの売店スタッフになる】ことが賭けられた一戦は、新井がペースを握り続ける余裕の展開も、終盤でレフェリーに抗議した背後を吉田に奪われ、3カウントを喫する不覚。たまらず新井がマイクを握るも、劇的勝利を果たした吉田からは笑みが止まる事は無かったのである。

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