[ファイトクラブ]浮かび上がった【現地>配信】ジレンマ超満員第2回MONDAY MAGIC

 NOSAWA論外プロデュースによるプロレスリング・ノアの新ブランド『MONDAY MAGIC』。グレート・ムタ降臨という告知効果もあってか前売り完売をマークした第2回大会では、GHCハードコア初代王座決定戦が組まれるなど、本興行の流れと独自路線を両立させた内容が続いた。ただ、会場は大盛り上がりだった一方、同大会の目的である【動画配信サービス・WRESTLE UNIVERSEの加入者増】にリンクするのか疑問に感じた箇所もあった。その理由とは・・・。


[週刊ファイト11月2日号]収録 [ファイトクラブ]公開中

▼浮かび上がった【現地>配信】ジレンマ超満員第2回MONDAY MAGIC
 盛り上がり&満足度大も結果出なければ・・・?
 photo & text by 鈴木太郎
・本興行で抵抗感大なカードも実現可能な月曜魔術
・配信より現地観戦メリット勝るジレンマ
・11・4新潟『HAYATA-ダガ』GHC Jr前哨戦 シングルマッチ実現の衝撃
・藤村加偉&大和田侑『REAL』高い壁打ち崩せず完敗
・NOAH参戦半月で存在感抜群TERRY YAKI
・ニンジャ・マック下し田中将斗初代GHCハードコア王者シングル初戴冠
・GHCナショナル彷彿格上げた初代王座決定戦
・6vs6イリミネーションマッチ『G.L.G.』軍配! 試合後拳王登場も・・・
・タイトルに絡まない征矢学が一番会場を盛り上げたワケ


■プロレスリング・ノア『MONDAY MAGIC ep2』
■日時:2023年10月23日(月) 19:00開始
■会場:東京・新宿FACE
■観衆:未発表

 全容が明かされぬまま10・9にスタートしたNOAHの新ブランド『MONDAY MAGIC』。当日カード発表で、試合に関する事前情報も一切無しだった初回大会では、小島聡がミイラ男の【グレートマミー】として拳王と一騎打ちを果たすなど、3,000円~4,000円のチケット代に別の意味で見合わぬ価値を提供していたのだが、グレート・ムタ降臨が発表されて全席完売となった第2回大会も、初回に負けじと盛り沢山な内容で攻めてきた。
 ハードコア形式での試合や、若手vs.主力ヘビー級におけるパワーバランスの偏りなど、本興行ではファンの抵抗感も生まれそうなアクションも『MONDAY MAGIC』というフィルターを通せば、観客からも受容される事が証明されつつある。
 予々噂が立っていた佐々木憂流迦の参戦についても、次回11・13新宿FACE大会でエキシビジョンマッチとして実現する事が決定したのだが、これが本興行で実現したならば批判も大きかったはずだ。それでいて、別ブランドの立場を取りながらも本興行で展開されるストーリーは踏襲しており、上手く本興行の流れに繋げる役割も担っている。

▼NOSAWA論外 月曜魔術炸裂!ノア『Monday Magic』初回大会を斬る

[ファイトクラブ]NOSAWA論外 月曜魔術炸裂!ノア『Monday Magic』初回大会を斬る

 2023年に入ってからは興行時間も内容もコンパクト化しつつあるノアの本興行だが、メインの6対6のイリミネーションマッチはそうした流れに反する印象も受けた。大会開始直後に試合形式が決まるまでの経緯を観客に見せる流れはNOAHの通常興行というよりも、DRAGON GATEやGLEATといった闘龍門系や海外のプロレスに通ずるものがあった。以前にも当日カード発表の興行は『REBOOT!』と題して開催実績があるものの、メインカードが決まる経緯などを当日に見せてきたのは記憶にない。

 先日、某媒体のインタビューに答えた武田有弘取締役曰く、『MONDAY MAGIC』がノアも加わっている動画配信サービスWRESTLE UNIVERSEの加入者を増やす新たな施策として位置付けられていることを明かしていたが、その言葉通り、当日カード発表なのを良いことに形振り構わず詰め込んでいく内容となった。
 とはいえ、ジェイク・リーやイホ・デ・ドクトル・ワグナーJr.といった年間契約選手の試合が安価なチケット代で見ることが出来る状況は採算度外視にも感じられてしまうし、UNIVERSE加入者増に結び付かなければ責任を求められる上、サイバーファイトの中でも外部参戦選手に金を惜しまないノアに対するアンチの【金食い虫】という謗りからは逃れられないだろう。
 また、関東県内在住のファンの場合、チケット代が安価で通いやすい分、WRESTLE UNIVERSEに契約して配信で見るメリットよりも、現地観戦してしまうメリットの方が勝ってしまうところは否めない。それでも内容と満足度は間違いないものが窺えるだけに、加入者増に向けてギアを上げられるかどうかが気になる所である。

11・4新潟『HAYATA-ダガ』GHC Jr前哨戦 シングルマッチ実現の衝撃

<第1試合 シングルマッチ>
○HAYATA
(5分53秒 首固め)
●ダガ

 11・4新潟ビッグマッチで実現する『HAYATA vs.ダガ』のGHC Jr.ヘビー級王座戦。その前哨戦の一つとして組まれた試合は、何と両者のシングルであった。2018年5月、当時のJr.ヘビー級王者・原田大輔が挑戦者にHi69を迎え撃った際、タイトルマッチ前にハードコアルールでのシングルマッチを組んだ事があったものの、3WAYマッチといった特殊形式で茶を濁さず通常ルールで組んだことは、プロレスの定石から外れた奇をてらうマッチメイクにも見えた。
 とはいえ、互いの手の内を見せる試合展開にはならず、最後もHAYATAがロープに足を掛けた状態でダガを押さえ込み3カウントを奪取。塚越レフェリーのブラインドを巧みに突くHAYATAのズル賢さが炸裂したのであった。

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