[ファとクラブ]7日後All Outケーフェイ再現スキット 竹下幸之助Kオメガ駆逐 MOX奪取

[ファイトクラブ]公開中 [週刊ファイト9月14日号]収録

▼7日後All Outケーフェイ再現スキット 竹下幸之助Kオメガ駆逐 MOX奪取
 (c) AEW 編集部編
・祝日週末”労働者の日”AEW恒例年間最大シカゴ連戦開催までの背景
・ベビーフェイス人気爆発MJF&Aコール負ける訳ないダークオーダー戦
・ジャングルボーイ役MJFとCMパンク演じるサモア・ジョーの事件再現
・ROHトーナメント優勝シェイン・テイラー大型同士戦 サモア・ジョー絞殺
・ナイジェル・マクギネス解説NJ World英語版実況ケビン・ケリーも流出
・途中でシングルと把握ルチャザウルスDアレン戦クリスチャン契約延長
・これまた大型同士ミロ-パワーハウス・ホッブスには元ラナ=CJペリーも
・元異星人クリスS防衛ルビーSOHO髪型60年代風トニー・ストーム妖艶


 part 2後半戦 タダシ☆タナカ+シュート活字委員会編
・進化するストラップ戦!CMパンク代打ブライアン・ダニエルソン大流血
・BCCクラウディオ&ユウタ-川田利明継承エディ・キングストン&柴田勝頼
・30分強尺貰い竹下幸之助&ドン・キャリスがケニー・オメガ倒す新章へ
・保釈中キャッシュ・ウイラー罰● Bullet Club Gold4人コルテン・ガン〇
・最高オレンジCからインタ-王座奪うDEATH JITSUジョン・モクスリー
・ベストマッチ賞のお仕事役やったオレンジ・キャシディがイチバン偉い
・予算オバー謳うバトルロイヤル 志田光6人タッグ トリオ王座戦3試合
・WCW全盛期Hホーガンらと絡んだnWoデニス・ロッドマンまで顔見世
・あらためての『All In』『All Out』総括:アメプロ黄金期ピークとCMパンク
・すでに英国TV視聴者数ではWWE上回っていたトニー・カーン交渉力
・10・1新日合同アントニオ猪木命日シアトル開催~PPV頻度も拡大方針
・$10MM+商売総括:Mモネ観覧、来年8月25日ウェンブリー再来発表


■ AEW ALL OUT
日時:9月3日(現地時間)
会場:米イリノイ州シカゴ郊外ホフマン・エステイト ユナイテッド・センター 観衆9,500人(主催者発表)

祝日週末”労働者の日”AEW恒例年間最大シカゴ連戦開催までの背景
 このPPV大会は、背景から解説しなければならない。まずアメプロの一般論として、WWEにせよ4大PPV大会というか、特に一番大きな『レッスルマニア』のあとになる次の配信大会は、もとからビジネスとしては大きい数字が期待されるものではないことも踏まえ、マニアで負けた選手が今度は勝ったりとか、序列のリハビリだったりフォローアップなりの内容となるプロレス文法の伝統がある。

 もっとも、例えば5,6週間も間隔が空いてしまうと、毎週、毎週大量の番組もあるのだから、もうそれでは遅すぎるという指摘もあろう。さて、AEWの場合はなんといってもロンドンはウェンブリー大会が8万人強の大観衆を集め、ゲート収益だけでも米$10million越えの未曾有の超大成功を収めたばかり。ところがもともとAEW年間最大の『ALL OUT』は、9月の第1月曜日がLabor Day(労働者の日)米国の祝日なので、その週末に集中的にシカゴで連戦を開催するのが定番だった。そこでロンドン遠征のウェンブリーが『All In』、こちらは例年通りの『All Out』として、名称としても”オモテと裏”になる。そこで鉄は熱いウチに打てとわずか7日の間隔で続けてPPVをやるほうが、その勝敗を逆にするとか、フォローの主旨にも合うとなったのだが・・・。
 もちろん『All In』のPPVに$50使って、また一週間後に財布の紐を緩めるなんぞ、無謀という指摘もまっとうながら、アメプロ超黄金時代のピークなんだから、今年や2024年はそれがやれる(来年のウェンブリー再来発表済み)との、強気の経営判断に踏み切った。さらに現地時間土曜夜の生中継番組Collisionも、いつものシカゴのダウンタウンにあるNOWアリーナではなく、巨大なユナイテッド・センターを二夜連続で抑えるという、大攻勢を畳みかけてきたのだ。

 もっとも、そんなすべてがうまくいくわけではない。ライバルのWWEは土曜夜に『Payback』だったし、日本から東京女子の伊藤麻希、新日本プロレスからはKUSHIDAも参戦したMLWの『Fury Road』(映画的には「怒りのデスロード」)があり、本誌ジョージ・ナポリターノ記者がフィラデルフィアに向かい、自前の独占写真も入稿済みと(お待ちください)、本誌編集部は悲鳴の超過密スケジュールなのである。アメリカは夏休みを各自が取るのはともかく、国が祝日と定めるゴールデン・ウィークのようなのはないが、あえて言うならこのLabor Day Weekendがマット界の興行数が膨れ上がる週でもあるのだ。
 さらに、このクソ忙しい週末に「CMパンク解雇」のニュースが駆け巡ったのだから、先にCMパンクの「☆☆☆」マークなど、主役用の舞台装置も完成していたAEWには、カード変更含めてスタッフ陣には休日どころか、不眠不休の週末になったことは想像に難くない。
 プリショー3試合、全部では13カードも組まれ、また長いのをやられて専門媒体も地獄の日々が続いているが、プリショーは後回しにして、本戦の第1試合から順番に深淵分析を試みる。

ベビーフェイス人気爆発MJF&Aコール負ける訳ないダークオーダー戦
<第1試合 ROH世界タッグ王座戦>
[王者]○Better Than You Bay Bay(MJF&アダム・コール)
 14分05秒 ダブル・クローズライン
[挑戦者]The Dark Order(ジョン・シルバー&●アレックス・レイノルズ w/EVILウノ)

 会場には「トニー・カーンは癌を駆除した!」とかプラカードをカメラに向ける最前列客を映しつつ始まった重要なPPV第1試合。人気爆発のBetter Than You Bay Bay(MJF&アダム・コール)が、ダークオーダー軍とのROHタッグ王座戦と言われても、正直「弱いカードだなぁ」となるのは無理からぬところ。

 MJFが『All In』で首を痛めたと強調されるんだが、まったくの三味線ではないにせよ、それをストーリー展開に組み込んで、途中で”さらに首を痛めた”MJFがドクター陣と花道に消え、アダム・コールが1対2で闘うというハンディ戦にすることで、恰好をつける試合デザインに。
 もっともやはりいったん奥に引っ込んでいたMJFが静止を振り切って出てきて、業界用語ホットタッグを経て、最後はダブル・クローズラインで防衛というケツに。ただ、次の試合に出てきたサモア・ジョーが、花道を引き揚げるMJFを小突いたことから、大きな布石の前ふりカードだったとわかるのだ。

ジャングルボーイ役MJFとCMパンク演じるサモア・ジョーの事件再現

 そしてリングアナが「ROH世界TV王者サモア・ジョー」と紹介していると、引っ込んだハズのMJFが走って来てジョーに襲い掛かり、体格的に大きなジョーが首に手を回してフロント・ネックロックの体制に。同時にセキュリティだの大勢が止めに入り、両者はスグに離されるのだ。

「ええええええ!」
もう一度
「えええええええ!」

 そりゃもうビックリなんてモンじゃない。これは間違いなく、CMパンクとジャングルボーイの舞台裏喧嘩をスキットとして再現したのである。そんな「凄い技が決まって驚いた」というのとは、まるで次元の違う”仰天”である。
 いくらトニー・カーン代表はファン時代あの時期(It’s NOT for Everyone)のECW好きで、ケーフェイをもパロディにしてしまい大人のファンに知恵比べを挑んだ番組が面白かったにせよ、これをやるのかと驚嘆したのだ。

 そもそも、あっと言う間のセグメントである。なんのことかもわからないままだった視聴者も少なくないと思うし、フロントチョークやっている絵は公式写真フォルダーには意図的なのか、ほんの2秒のことだからシャッター・チャンス逃しただけなのか不明なんだが、ありません。よくまぁこんなのをやるなぁと呆れるやら、衝撃がしばらく頭の中でグルグル回り続けることに。
 なにしろ思い起こせば1年前のシカゴ『All Out』の終了後舞台裏で、かの暴力沙汰が起きたのだが、この時の様子は現地媒体がヤングバックス派なのか、CMパンク側かによって極端に違う論調に別れて報道されたため、本誌は「こんなのどっちかを鵜呑みにして報道してたら信用を失う」と、わざわざ断った通りの密室での出来事である。

 今回のはどうやら本誌が聞いていた顛末そのままだったようだ。フロントネック・チョークっても、ガチに締め上げたわけではない。「CMパンクがギロチン締殺した!」とか書いてるアホなサイトもあったけど・・・。やはり、すぐに大勢が飛び掛かり喧嘩はそれまでだったことになる。
 ただ、これを再現してプロレスのスキットにしてしまうって、どうなんだろうか。AEWはWWEが禁止するカミソリ流血も容認どころか、ECWのような頓智を利かせた「ケーフェイの裏のウラ」まで見せるのだから、日本のすぐに卒業させてしまう教育法との巨大な差異もまた考え込んでしまうのであった。

ビジネスはDynamiteにto be continued…

 もっとも、(女子マネの)ビューラが「妊娠した!」とやって大騒ぎになるところまでなら「底なし沼を楽しもう」なんだけど、この路線の行きつく先は、大人のファンでさえガチなのかアングルなのか境界線がわからなくなるどころか、本人ブライアン・ピルマンでさえ、もはや区別がつかなくなり、自滅してしまう悲劇の例もあったから、本誌は必ずしも面白がるスタンスにはなれないと釘を刺さざるを得ない。

 いずれにせよ、AEWでのCMパンク契約解除はガチで終わった。シカゴ連戦の主役だったにも関わらず。ちなみに、当事者の相手ジャングルボーイは無期限の謹慎処分だそうだ。もっとも、若いジェック・ペリー君(ジャングルボーイ)にとっては、たとえその期間が半年とかもっと長くなろうが、影響なんかない。だいたい、ヤングバックス派の確信犯説もある。事実としては、AEWはスーパースターを失った。WWEにせよこの騒ぎなんで拾ったりはしないだろう。アメプロ黄金期のピークに起きた事件で、マット界は信奉者の多いCMパンクを失った可能性すらある。

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