[ファイトクラブ]潮目変わったノア 『N-1 VICTORY』前谷間シリーズも1,000人超え好調

 6・17名古屋ビッグマッチを終えた5日後に行われた、6・22ノア後楽園ホール大会。前年6月の後楽園大会は、『サイバーファイトフェスティバル』が控えたタイミングながら2日間の平均観衆は約450人だったものの、約1年で1,000人超えと倍増した。8・6の『N-1 VICTORY 2023』開幕まで1ヶ月以上時間はあるものの、7・15後楽園ホールも全席完売と好調。リーグ戦までの谷間シリーズも盛り上がりが途切れない、今のプロレスリング・ノアの地力を見た興行であった。


[週刊ファイト7月6日号]収録 [ファイトクラブ]公開中

▼潮目変わったノア 『N-1 VICTORY』前谷間シリーズも1,000人超え好調
 photo & text by 鈴木太郎
・今のノアには大きな後楽園大会1,000人超え
・【平均450人⇒1,022人】と倍増した6月ノア後楽園
・国内他団体のゲスト参戦に頼ることなく維持する動員
・有料興行ながら沢山聞こえた子供の声援
・7・15「中嶋勝彦-宮原健斗」前に大原はじめ張り手KO 宮原への回答?
・中島の張り手KO勝利に見た、宮原の張り手に対する意識
・辻陽太G1前、清宮海斗視察会場騒然もお構いなしのEita-LEONA因縁
・Eitaの首狙うLEONA、遂に【藤波辰爾のバーター】卒業か?
・果たして清宮のG1参戦は「顔じゃない」のか?
・急激若返りN-1も制覇に燃える拳王と潮崎豪!優勝決定戦で再会誓う
・50歳オーバー多数な前年から、潮崎豪が最年長という若返り
・外国人選手多数参戦で感じたコロナ禍からの復調
・優勝候補&ジェイク・リー対抗馬不在という不安
・メインで潮崎豪と拳王が見せた、N-1への仕上がりの良さ
・拳王のマイクに呼応する観客の「N-1!」コール
・ノアの盛り上がりを示したメインと拳王のマイク


■プロレスリング・ノア 『STAR NAVIGATION 2023』
■日時:2023年6月22日(木) 18:30開始
■会場:東京・後楽園ホール
■観衆:1,022人

 2023・6・22プロレスリング・ノア後楽園ホール大会。6・17の名古屋ビッグマッチから約5日後に行われた今大会の観衆は、1,022人だった。
 新型コロナウイルス禍以降、後楽園ホールで1,000人超えの動員を達成する団体や大会は少なくなったとはいえ、まだまだ満員には遠い数字ではある。しかし、今のプロレスリング・ノアにとっては非常に大きい1,022人であったと筆者は実感している。

 今年2月は825人だった後楽園ホール大会の動員も、3月以降の観衆は毎回約1,000人前後で推移している。今大会は平日開催だったものの、平日開催だった3月の原田大輔引退試合のように大きなトピックも無い、ビッグマッチ明けの大会で1,000人を超えた事実はNOAHが地力を戻しつつある証左と言えるのではないだろうか?

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 1年前の2022・6・7~6・8に行われた後楽園ホール大会2連戦は、6・12にサイバーファイトフェスティバルが控えていた状況にもかかわらず、2日間の観衆が455人と449人だった。この1年で後楽園大会の動員が倍以上伸びた事を考えると、年始の『新日本VSノア』による対抗戦を皮切りに、新日本プロレスなどの他団体と絡んだ事が実を結んでいると言えるのではないだろうか?
 この日登場した新日本プロレスの辻陽太もサプライズだったし、最初から新日などの外部参戦組が上がっていない状態でも、現地で試合を見たい状況が作れているのは間違いなさそうだ。プロレスリング・ノアをサイバーファイトの金食い虫と批判する意見も聞かれるが、武藤敬司という稀代の大スターが引退した直後も、国内他団体のゲスト参戦に頼ることなく、動員は落ちるどころか伸びている現状は評価されてしかるべきだろう。しかし、そうした結果をアンチは評価することがない。

 伸びたのは動員だけではない。この日、観客の中に子供の声援が多く聞かれ、選手を懸命に後押ししていたのである。現GHCヘビー級王者のジェイク・リーや拳王に対する子供たちの声援の大きさは、彼らの人気をハッキリと表していた。セミファイナルで組まれたGHC Jrタッグ王座戦では、劣勢を強いられるYO-HEYに子供が名前を叫んで応援した事で、ダガが「シャラップ!」と叫ぶ場面が見られた。子供たちが選手の身に着けるコスチュームの色ではなく、名前をハッキリ認知した状態で選手を応援している事実は見逃せない。プロレスの有料興行でも中々聞けるものではない子供たちの声援だが、そんな子供たちが複数名いたのだから、これからのプロレス界の未来は明るく感じられたのである。

7・15「中嶋勝彦-宮原健斗」前に大原はじめ張り手KO 宮原への回答?

 平日ながら1,000人超えで盛り上がった今回の後楽園ホール大会だが、7月はそれ以上の盛り上がりになる事が確定しそうだ。

 先日の名古屋ビッグマッチのバックステージで唐突に決定した、7・15後楽園ホール大会の『中嶋勝彦vs.宮原健斗』によるシングルマッチ。まだ1試合しか発表されていない段階にもかかわらず、チケットは急に動き、いつの間にか全席完売という事態に。追加販売された立見席も早々に完売した事で、7・15はパンパンの後楽園ホール大会で試合が見られることになりそうだ。ノアの興行で立見席が販売されたのは新型コロナウイルス禍に突入した2020年春以降初。コロナ禍以降のノア後楽園ホール大会では、2023・3・9に原田大輔引退試合が行われた際の1,320人を超える動員が確実視される。

 今大会では追加カードとして、新人の大和田侑デビュー戦、後楽園のノア本興行では初の女子プロレス『ジャジー・ヤン&高瀬みゆきvs.ハイビスカスみぃ&優宇』など4試合が決定。一部カードだけでも本興行とは異なる雰囲気を纏っており、まさに大会名通りの『One Night Dream』に相応しいカードが出揃いそうだ。

 そんな7・15のメインに立つであろう中嶋勝彦が、今大会のオープニングマッチに登場。吉岡世起と組んで金剛に挑んだ一戦は、中嶋が大原はじめを顔面への張り手で倒して3カウントを奪う衝撃の結末に。2日前の6・20に行われた記者会見の最後で、宮原健斗から張り手を喰らって倒された中嶋だったが、この日勝利を奪った張り手は宮原に対する強烈な意識めいたものが込められているように筆者は感じた。前哨戦の無いスペシャルカードを前に、中嶋が提示した張り手というアンサーは重い。既に二人の闘いは始まっていたのだ。

辻陽太G1前、清宮海斗視察会場騒然もお構いなしのEita-LEONA因縁

 第4試合では、新日本プロレスの真夏の祭典『G1 CLIMAX 2023』への出場が決定した清宮海斗が6人タッグマッチに登場。試合前、G1の同ブロックにエントリーされている辻陽太が来場し、最前列から清宮の試合を見守った。

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