[ファイトクラブ]原田大輔引退も印象に残ったノアJrの面白さ!ポスト武藤の後楽園熱

 武藤敬司引退興行後初となった、プロレスリング・ノアの単独興行。
 ノアJrを牽引してきた原田大輔の突然の引退、3・19横浜武道館ビッグマッチに向けて動き出した前哨戦と、ドーム後約半月で激動を迎えたノアであったが、会場全体も声援や拍手が絶えず鳴り続け、動員もコロナ禍以降のノア後楽園ホールでは初と思われる1,000人超えをマークした。
 そんな大盛況だった大会は、原田引退の穴や不安を払底するかのように、Jr勢の活躍が印象的だった。中でもAMAKUSAの存在は、参戦半年と思えぬ内容に、Jr新エース誕生を予感したのである。


[週刊ファイト3月23日号]収録 [ファイトクラブ]公開中
▼原田大輔引退もメインに見たノアJrの面白さ!ポスト武藤の後楽園熱
 photo & text by 鈴木太郎
・東京Dビッグイベントを終えて動き出す、新たなストーリーの萌芽
・金剛vs.若手6人タッグ小澤大嗣の“金が取れるドロップキック”刮目!
・聖地でランセロット舞うも試合で感じるYO-HEY吉岡世起Jr本隊信頼感
・小峠篤司に能動的一分間!片山ジャーマン無しの原田大輔引退試合
・【谷口火山】噴火の兆しも全体が煮え切らぬ内容は周平だけの責任か?
・本番期待持てるGHCタッグ前哨戦も…ノムヤギ登場で耳目は対抗戦へ
・お株を奪うHAYATAの反則負けとブーイング!Eita流血葬
・”小川プロレス”で小川良成を圧倒!クリス・リッジウェイが前哨戦制す
・オーソドックスで場制するジェイク・リー!GHCヘビー前哨戦ゾクゾク感
・駆け抜ける12分15秒!AMAKUSAがHi69下しGHC Jrヘビー級V2


■プロレスリング・ノア『STAR NAVIGATION 2023』
■日時:2023年3月9日(木) 18:30開始
■会場:東京・後楽園ホール
■観衆:1,310人(主催者発表)

 2・21に東京ドームで行われた武藤敬司引退興行以来、約半月振りとなったノア単独興行。
 この日の後楽園ホール大会では、3・2に突然の引退発表となった原田大輔の現役最後となるエキシビジョンマッチに加え、3・19横浜武道館で行われる3大GHC王座戦(ヘビー、タッグ、Jrタッグ)の前哨戦が組まれるなど、一つのビッグイベントを終えて動き出す、新たなるストーリーの萌芽を感じさせた。


 中でも第5試合終了後、拳王と征矢学の前に現れた青柳優馬&野村直矢の世界タッグ王者組の来場は、特筆すべきサプライズだったかもしれない。
 武藤敬司引退興行における対抗戦から接点が生まれ始めた、全日本プロレスとノアの邂逅。今後の行方にも注目だ。

 そんな”アフター武藤”のメインイベントでは、GHC Jrヘビー級選手権試合・『AMAKUSA vs Hi69』が実現した。
 3・1『ジュニア夢の祭典』にも出場した王者・AMAKUSAが、Hi69の繰り出す怒涛の猛攻を浴びながらも、最後は開国で勝利。2度目の王座防衛を果たした。
 近年のノアJrにおいて、エースとして中心軸に立っていた原田が去るこの日、勝利したAMAKUSAに注がれる拍手と声援は、新たなるJrエースの誕生を予感させた。

 参戦半年で本領を発揮しつつある試合内容に加え、記者会見のやり取りで発せられた「愚問ではございませんか?」というフレーズの軽妙さも、観客の支持を取り付けるに至った。
 この先はHAYATA、小峠篤司、吉岡世起といったシングル戴冠経験者に加え、YO-HEYなどの実力者、外敵と当たることも予想されるが、爪痕を残した元日日本武道館の宮脇純太戦、2月に実現した高橋ヒロム戦、今回の後楽園ホールと内容の良さは立証済。今後の活躍に期待大だ。

金剛vs.若手6人タッグ小澤大嗣の“金が取れるドロップキック”刮目!

<第1試合 6人タッグマッチ>
近藤修司 ○タダスケ 大原はじめ
(5分00秒 後頭部への振り降ろしラリアット⇒片エビ固め)
岡田欣也 矢野安崇 ●小澤大嗣

金剛vs.若手による6人タッグマッチ。



 オープニングで目を見張る活躍を見せたのは、小澤だった。
 カメラで写真を撮っていても、何度となく四角からフレームアウトする跳躍力は圧巻の一言。
 ヘビー級の身体から放たれるドロップキックの、打点の高さは金が取れる域。ドーム後初戦の後楽園を飾る、キャリアの最も浅い若手の活躍が光った。

聖地でランセロット舞うも試合で感じるYO-HEY吉岡世起Jr本隊信頼感

<第2試合 6人タッグマッチ>
YO-HEY ●吉岡世起 アレハンドロ
(6分23秒 ランセロットフライ⇒片エビ固め)
スペル・クレイジー エクストリーム・タイガー ○ランセロット

 Jr6人タッグマッチ。


 ランセロットの顔見せにフォーカスされた試合だったが、気になったのは、飛び技やロープワークで何度も足を踏み外した場面か。
 客からすると、リングの感覚の不一致によるものなのか、別の点に問題があるのか判別出来なかったが、顔見せとはいえ初戦で爪痕は残せなかった印象。
 吉岡からピンフォール奪取も、この結果が格を左右する快挙に至らなかったのは、その点も大きかったように見える。これから状態を上げて、本領発揮といったところだろうか。

 NOAH Jr本隊の結果が出ていない点は批判も見聞きするが、初モノの外国人選手と当たる際に確実に当てられている点は信頼の証ではないだろうか?
 とはいえ、結果も欲しい所。原田引退で空位となった本隊Jrエースにおいて、現シングル王者のAMAKUSAの対抗馬が欲しい。そうなれる実力はあるだけに・・・。

能動的一分間!片山ジャーマン無しの原田大輔引退試合

<第3試合 原田大輔引退試合 エキシビジョンマッチ 1分>
△原田大輔
(1分00秒 時間切れ引き分け)
△小峠篤司

 原田大輔の現役ラストマッチ。
 医師立ち会いの下、与えられた1分間の中で、変則ロープワークからのエルボー、代名詞のニーアッパーと、長期欠場明けとは思えぬスピーディーな動きを披露した。


 最後は小峠のバックを取って、片山ジャーマンスープレックスかと思われた原田だったが、自ら両手を解き、程なくして試合終了のゴング。
 片山ジャーマンを決めなかったのは、首の負傷によるものだったのか、レフェリーに手を上げてもらう光景を狙ったものなのか、という考察の余地に溢れる着地点。ただ、この1分に、原田大輔の得意ムーヴがふんだんに詰め込まれていた。

 本人の希望により、引退セレモニーも10カウントゴングも実施しない形となったが、マイクを通さず発した「17年間ありがとうございました!」は、悲壮感も無い原田の新たなる航海を予感させた。
 苦しい時期のNOAH Jrを牽引し続けた原田に、大きな拍手を贈らずにはいられなかったのである。

【谷口火山】噴火の兆しも全体が煮え切らぬ内容は周平だけの責任か?

<第4試合>
○杉浦貴 藤田和之 鈴木秀樹
(12分59秒 フロントネックロック⇒レフェリーストップ)
丸藤正道 望月成晃 ●谷口周平

 杉浦と小島の合体入場曲が流れない事で、小島のノア参戦終了を実感させられた入場シーン。
 杉浦軍として仕切り直しの一戦ではあったが、試合は対角にいる谷口が、約5分以上にわたり捕まり続ける一方的な展開に。
 終盤、谷口の猛攻が火山の大噴火の如く杉浦に襲いかかるも、最後はフロントネックロックで敗戦。

 3・19で杉浦とのシングルが組まれた谷口だが、この一戦の後に何かが生まれるのか、はたまた会社決定的なシングルで終わってしまうのかは読めず。

 ただ、谷口を擁護する訳でも無いが、鈴木のナックルを被弾して動きが明らかに変わったのは明らかだったし、谷口の危機に対してカットに入る気配が無いパートナーの動きも気になった。
 前の引退試合の多幸感を壊したのは、果たして、谷口1人の責任だったのだろうか?

本番期待持てるGHCタッグ前哨戦も…ノムヤギ登場で耳目は対抗戦へ

<第5試合 6人タッグマッチ>
マサ北宮 ●稲葉大樹 稲村愛輝
(12分11秒 ジャンピングDDT⇒片エビ固め)
拳王 中嶋勝彦 ○征矢学

 GHCタッグ王座前哨戦。
 横浜武道館でタイトルマッチが決まっているものの、マサ北宮は宮原健斗、拳王は全日勢と火花を散らしており、完全にタッグの話題が置き去り状態。

 しかし、王座戦前最後となるタッグマッチ形式の前哨戦は、殊の外盛り上がりを見せた。稲村や中嶋が外れた本番でも、内容は保証してくれそうな期待が持てた。


 ただ、試合後に野村直矢と青柳優馬の世界タッグ王者チームがノアマットに来場すると、雰囲気は一変。
 全日本プロレスの3・21大田区総合体育館大会で次期挑戦者に拳王&征矢を指名すると、拳王も【GHCタッグ奪取→大田区で世界タッグ奪取&GHCタッグとの統一】をブチあげる展開に。

 既に『金剛』の王座戴冠が約束されたようなムード。果たして、稲葉&北宮の王者組はこの雰囲気を打ち破れるのだろうか?

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