[ファイトクラブ]サウジのゴルフ統一とマット界~NXT女子王座挑戦ティア・ヘイル優勝

[週刊ファイト6月15日号]収録 [ファイトクラブ]公開中

▼サウジのゴルフ統一とマット界~NXT女子王座挑戦ティア・ヘイル優勝
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・ブシロード30分番組は電気羊の夢を見るか?~横山やすしは悪くない
・サウジアラビア系政府ファンドによるゴルフ界3大メジャー組織の統合
・NXT新章バロン・コービン ムスタファ・アリ デイナ・ブルックスまで合流
・新章2ブロン・ブレイカー「セスが降りてきて世界王座に挑戦させろ!」
・エディ・ソープ(新日カール・フレドリックス)原爆固めデーモン・ケンプ足
・ダイアド&肥満気味エヴァが仮面頭突きアイビー・ナイル負け6人タッグ


ブシロード30分番組は電気羊の夢を見るか?~横山やすしは悪くない

 プロレス格闘技でも映画でも、期待せずに見始めた大会(作品)が意外と良かったというのはよくあることだ。確か、昔やっていた(ハズの?)「横山やすしは悪くない」内容のドキュメンタリーのことがなぜか夢に出てきた。2023年の梅雨入り日に、なんの脈絡なのかと前後の経緯は思い出せないままなのだが・・・。前日なりになんらかのお笑い番組を見た事実はない。惰性で”毎週録画”にセットしているスターダムの30分番組終了後、同じチャンネルでGacharic Spinアンジェリーナ1/3の『Artist File』なる4分間番組があることを知ってタイマー録画をスグにセット。6月7日(水)の夜、Panasonic Digaに赤い表示が見えたので「なにかあったっけ?」とすっかり忘れていたんだが、その時見ていた作品のあとで無事に視聴出来たのはあった。
 新日ワープロ30分番組もそうだが、仕事上大会の中継を見ていて、あとからブツブツに切られた短縮版に再度出くわして、「プロレスわかってない編集者がまとめている」と残念に思うことが多いのだが、ブシロード提供のCM時間枠、たまには役立つこともあるんだなぁ。

 もっとも、ローリング・ストーンズ/ゴダール監督の『ワン・プラス・ワン』は、米国で購入した特典DVD所有しているものの、あの政治メッセージは一体どう日本語字幕になるのかと、放送あることを知った時点で録画しようと思っていたものの、最近の電子番組評は1週間先までしか予約できず、忘れてしまい慌てて途中からチャンネルを合わせたんだが・・・。相変わらず「?」内容だったんだけど(笑)。

サウジアラビア系政府ファンドによるゴルフ界3大メジャー組織の統合

 前振りが長くなってしまったが、今週を振り返って新日Dominionがあれば、アイアン・シークの訃報も伝わったのだが、本当に大きなニュースはサウジアラビア系政府ファンドによるゴルフ界を揺るがず桁違いの経営統合、PGAツアーとLIVゴルフの合併に他ならない。実際は、もう1つの3つ目組織である欧州基盤のDPワールドツアーはPGAと共闘していたので、現実はサウジ・マネーが3つのメジャーを支配下に収めたことになる。

 マット界と関係ないニュースと思われたら大間違いだ。なにしろ格闘技のUFCとプロレスのWWEが、もともとは大手芸能事務所だったエンデバー主導により経営統合して新会社TKOとなる特大ニュースを本誌が報じたのは日本時間の4月4日である。それまでWWEの有力売却先として本誌も報道してきたのがこのサウジアラビア系政府ファンドPIF(パブリック・インベストメント・ファンド)なのだ。エンデバーの買収がまとまらなければサウジがやっていたという競りの二番手論もあれば、結局サウジはそっちに資金使わなかった分、さらに巨額(現時点で非公開、報道では”数十億ドルを新たに投資”のみの推測)のオイルマネーをゴルフ界につぎ込んで、市場全部を1つに統合したことになろう。

 PGAツアーのコミッショナー、ジェイ・モナハン氏は「分裂と混乱の2年間を経て、ゴルフにとって歴史的な一日となった」と発表したそうだが、なにしろPIF総裁ヤシル・アル・ルマヤン氏は熱心なゴルファーでもあるそうで、「プロレスよりもそっちかぁ~」がマット界関係者のため息になる。アル・ルマヤン氏が新組織の会長に就任する予定だ。なにしろ記者はゴルフは門外漢なので、名前と顔すら一致しないのだがフィル・ミケルソン(米)は2億ドル(約280億円)、ダスティン・ジョンソン(米)は1億5000万ドル(約210億円)、ブライソン・デシャンボー(米)は1億ドル(約140億円)がLIVゴルフの移籍で支払われたとか、賞金とか全部入れたら邦貨900億円になったとか、アメプロのギャラの高騰ぶりなんてモンじゃない。残念ながらゴルフは世間に認められている”スポーツ”なのである。記者でも名前は知っているタイガー・ウッズがオファーされた移籍金額は「7~8億ドル(約1052億円)だったが断った」と報じられたこともあった。

 サウジはサッカーにも数10億ドルを投入し、有名なスター選手に9桁の契約を提示しているほか、自動車レースのF1やテニス、そしてWWEのサウジ遠征には『レッスルマニア』よりはるかに純利益の高い超高額を支払っており、この動きを「スポーツ・ウォッシング」と批判する論調は根強い。まだ独占禁止法との抵触などもあり、完全に決まったわけではないようなのだが、それにしてもこのニュースを報道しないで、呑気にどこそこの大会で誰それが勝った、負けたとレポートしても、報道機関の役割を果たしてないことになる。いずれこの件はマット界にも影響するのであって、知らなかったではすまされないのだ。

NXT新章バロン・コービン ムスタファ・アリ デイナ・ブルックスまで合流

 専門媒体としてのNXT番組評に戻すなら、先週の予告顔見世に続いて今回からドラフト会議で「フリー」なる扱いだったバロン・コービン、ムスタファ・アリがSmackDown-RAWから、さらにNXT UKからはブレア・デボンポートがそれぞれシングル戦をして勝利を飾るという新章の回だった。
 あえて最後のメインから紹介するなら、『NXT Battleground』で戴冠したティファニー・ストラットンの王座挑戦者を決める(はっきり実況が言わない)15名以上の参加によるバトルロイヤルが行われ、高校卒業して「チェイス大学」に入学した(笑)ティア・ヘイルちゃんが優勝するという、ずっと見てきているフォロワーにはHappy endingなのだった。

 もっとも、知らない顔の選手も出ていたこのバトルロイヤル、入場段階でスポットが当たったのはコーラ・ジェイド、ティア・ヘイル、ロクサーヌ・ペレス、そしてやっぱりこっちに出戻りだったのかぁとなるデイナ・ブルックくらいで、大人のファンならこの時点でケツは読めたとは思う。デイナはRAWの24/7王者の常連だったし、確かアスカのNXTデビュー戦の相手も務めた記憶があるが、居場所がなくなっていた経緯があった。

 最後に残ったコーラとデイナをまとめてトップロープから落とすことでティアの優勝! チェイス大学の赤Tシャツが大勢出てきて大騒ぎというフィナーレは、新章としてよろしかったかと。

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