[ファイトクラブ]AEW新番組Collision発表CMパンクなく混乱露呈!志田光Bベイカー組

[週刊ファイト5月25日号]収録 [ファイトクラブ]公開中

▼AEW新番組Collision発表CMパンクなく混乱露呈!志田光Bベイカー組
 (c) AEW 編集部編


■ AEW Dynamite
日時:5月17日(現地時間)
会場:米テキサス州オースチン ムーディ・センター

 なにしろ先週の番組段階から予告され煽られてきた「トニー・カーン代表の重大発表」当日である。ところがだ、すでに漏れていた通り土曜夜の新番組名が『Collision』になることこそそのままなんだが、それ以外の何重にも良いニュースをブチ上げる手筈が、すべて全部吹き飛んでしまったのだ。

 百聞は一見に如かずの公開された画像が上記である。AEWは試合写真の配布が遅いから、もうこれをトップに別エントリーを先に作成してニュースとして取り上げようかと準備したその時、スーパースター・ビリー・グラハムの訃報が飛び込んできてそれどころではなくなるという・・・。

 事前にわかっていたことだが、あらためて冒頭箇所におさらいするなら、
1)WWEの高額売却に象徴されるように(日本とは雲泥の差になるが)プロレスの新黄金期を謳歌してる米国。AEWもTNT/TBS局の親会社ワーナー・ブラザース・ディスカバリー(WBD)から好条件での再契約オファーがあった。

2)現地・水曜夜のDynamite生中継、同じ会場の3時間目が金曜夜のRampage放送は変わらないが、新たに土曜夜にCollisionが6月17日からスタート。SmackDown-RAWのように2班に分けることになる。

 そしてもちろん、新番組Collisionの主役はCMパンク・・・のハズだった。なので「トニー・カーン代表の重大発表」にせよ、まずは「CMパンクが復帰します」であり、本誌とかはそりゃもう「追放なんてことにはならない」と何度も書いてきていることではあるが、公式には発表されてないのだから、一般大衆には大きなGood newsに違いない。その次に「新番組が始まります」だったのだ。さらに加えるなら、「ロンドンのウエンブリー・アリーナ公演がもの凄い前売りになっている」だの、そのCollisionの「記念すべき初回の生中継会場は、シカゴの〇〇になる」との、様々な朗報をブチ上げる予定だった。

 ところが、CMパンクがゴネたらしい。つまり、「解雇された腹心のエース・スティール(裏方担当)も呼び戻せ!」と。だいたい、ポスターの顔触れ見たらおわかりのように、主流派というか本隊の幹部兼務選手と舞台裏で気まずくなった顔触ればかりが”島流し”にされている。例えばサンダー・ロサは、ブリット・ベイカー&ジェイミー・ヘイターから「もう一緒に仕事出来ない」と突き付けられ、怪我もあったにせよ長らくTVから消されていた。例の事件の時には関与してないが、FTRはCMパンク派として知られている。エース・ステールは繰り返すまでもなく、ヤングバックスたちエリート勢が「お礼参り」にCMパンクの控室にゾロゾロと乗り込んだ際に、最初にパイプ椅子を投げつけて暴力沙汰になった発端である。

 ただ、事件の勃発以来、米国の現地専門媒体はヤングバックスべったり組とCMパンク派に二分してしまい、極端に違うことを活字にやり出したので「アホか!」と、本誌は断固としてどちら側にも組しない。だいたい、どっちが先に手を出したかよりも、個人の見解としては「お礼参りに敵地に乗り込む」方がいけないことだと思うのだが・・・。なので「エース・ステールだけ解雇」というのは、「そりゃ筋が違う」とも思っていた。

 すでにこっそりとエースは復帰しているとの情報もあるのだが、会場に来たらまた揉めるとなって、「ひっそりとCMパンクのCreativeにインプットするだけにしてくれ」と言い渡され、「それでは承服出来ない」とCMパンクがゴネているのに驚きはないのだ。なにしろ未確認情報ながら、CollisionのCreative実行委員会には、以前から裏方業務に意欲のあるブライアン・ダニエルソンが加わるとの情報もあり、残念ながらB級番組に成り下がってしまったRampageと違い、予算もかけて生中継番組にするというCollisionともなれば、選手の顔触れだけでなく裏方スタッフの陣容も成否に重要なのは述べるまでもない。


 さて、予定の発表が出来なくてバックステージが大混乱に陥っている時に、大会がどうなったかなんだが・・・。先週、リングステップに腕をぶつけられたジェイミー・ヘイターが、上記予定番組画像にあるOutcastsとのトリオ戦、やはり試合は無理があると当夜欠場となり、AEWが始まった段階では対角線上に立っていた志田光とDr.ブリット・ベイカーがタッグを組んでのカードが、かえって良い試合になった。志田光が目立っていたとか良い方向の副産物は生まれたものの、他ではアチコチで「なんでやねん!」と首をかしげるマッチメイク(現地業界用語ではBooking=台割り構成と付け方)の箇所も散見され、Dynamite番組全体としては「?」内容だったことも指摘せざるを得ない。バックステージの混乱ぶりを思えば同情すら感じるんだが・・・。


 番組はTNT王者ウォードロウから。お客さんは「ウォードロウ、ウォードロウ」と合唱しているからベビーフェイス人気はわかるけど、台割で冒頭にしたのは意外かなぁ。そりゃクリスチャン&ルチャザウルスにラダーに2度も叩き付けられるんですけど・・・。ということで『Double or Nothing』ではラダー戦なんだそうです。普通は派手に飛ぶジュニア級戦士の見せ場なんだけど、巨体のウォードロウや長身のクリスチャンがどういうラダーの使い方をするのか、そこはちょっと見物かなぁ。


 試合はPPV『Double or Nothing』でAEW世界王者MJFに若手四天王の4way戦がラインアップされている中から、ベビーフェイスのオレンジ・キャシディとダービー・アレンが組んで、負け役のリー・モリアーティ&ビッグ・ビル組とのタッグ戦から。元Impact Wrestligのビッグ・ビルがいかに長身か、そこが生かされる展開は大変良かったと思うのだが、ビーチブレイクとコフィンドロップの連続でのフォールという当たり前すぎるフィニッシュといい、なんか4way戦の前煽りとしては弱いかも。
 次にもう一人のサミー・ゲバラのスクワッシュマッチも出てくるのだが、要するに大人のファンならMJF防衛になることがミエミエ過ぎて、そりゃ四天王が凄い中身の試合をしてくれることこそ保証付きなんだけど、勝負論的には盛り上がっていない感がある。そしてそれが、番組を通じて散見されてしまうのだった。

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