新宿FACE熱狂KO決着続く対抗戦 スックワンキントーン王者2-1タイ

 2月19日、スックワンキントーンの本年度最初の興行があり、本物のムエタイを求めるお客さんが新宿FACEに集結。今回は『confrontation(対決)』の副題通りにスックワンキントーンの現役王者が、実績のあるタイからの刺客との対抗戦が3試合マッチメイクされた。
 よくムエタイは5Rまでもつれ込んで判定になりがちだが、今回はその3試合ともにKO決着となり、熱い戦いに会場は最高潮に盛り上がった。最近のキック興行では、飛び抜けて興奮度が高く、レベルの高い試合内容にお客さんは沸きに沸いていた。

■ SUK WAN Kingthong/スックワンキントーン confrontation(対決)
日時:2月19日(日)
会場:東京・新宿FACE

再び鈴木真治メイン締める! 180戦の人気選手だったコンデート沈めた
<メインイベント第9試合 スッワンキントーン日本王者 vs.タイ 3対3 65kg契約 3分5R>
○鈴木真治(フジマキックムエタイジム/37歳 174㎝ 47戦30勝12敗5分)-64.45kg
・スックワンキントーン スーパーライト級王者
・元J-NETWORK スーパーライト級王者
 3R 2分28秒 2Rに続きダウンにドクターストップTKO
●コンデート・ギャットプラパット(タイ/36歳 172㎝ 180戦105勝/36歳 170cm)-64.5kg
・元BBTVスーパーフェザー級王者

両者ワイクーを舞った。
1Rはどうなるかわからない互角の攻防だったが・・・。


 BBTVの超人気選手でラジャ、ルンピニのランカーだったコンデートは、ピンサーヤムやシンダム等の有名選手とも数多く対戦しており、実績では180戦の大ベテランである。但し、タイで一端引退してからは公式戦としては9年のブランクがあった。ただ、2022年から市原ジムでトレーナーに着任して褐色の肌は鍛えられており、試合に備えて仕上げてきたのは明らかだ。ジムの応援団や在日タイ人も多く来ており、「コンデート」の名前も最初から何度も連呼され、まるでホームで闘っているかのよう。しかしながら2R、鈴木真治のパンチもローも当たり出して疲労しているのが記者にはわかった。


 ミドルキックと膝を主武器とするものの、長期のブランクに加えて今回が日本初試合となることもあり、現役のスーパーライト級王者である鈴木真治も老獪だった。2Rに最初のダウンを奪い、3Rのダウンでレフェリーが試合を止めた。10月10日、聖地・後楽園ホールでデンノンブアを沈めて戴冠したが、37歳ながら油が乗っている鈴木真治は2度目メインを締めてくれたことになる。


 対抗戦を2-1の勝ち越しで終えた意義は大きい。マイクを取った鈴木は最後まで残ったお客さんに感謝した上で、スッワンキントーンをアピールしていた。ヒザも肘もありのムエタイに特化したプロモーション、レベルは確かに高いし、常連客も濃い方が多いのであった。

ジュニア時代からタイトル多数 19歳の桂英慈がタナデーを豪快にKO
<第8試合 スッワンキントーン日本王者 vs.タイ 3対3 54kg契約 3分3R>
○桂英慈(クレイン/19歳 172cm 7戦6勝1敗) -53.8kg ・スックワンキントーン バンタム級王者
 2R 1分57秒 フックTKO
●タナデー・ウォーワンチャイ(タイ/96戦績67勝 24歳 168cm)-53.35kg
・元プロムエタイフライ級1位 ルンピニーフライ級1位


 桂英慈はジュニアで数多くのタイトルを獲得しており、スックワンキントーン初代スーパーフライ級王者の石川直樹にKO勝利、8月28日の新宿FACE大会では【第1部】のメインにて宮坂桂介を下して王座決定トーナメント決勝を制して戴冠した期待の星である。


 一方のタナデーは、昨年の12月18日『ホーストカップ』名古屋大会で、初のキックルールで新しいスタイルを試みてみたが松田龍聖(京滋キックボクシング振興会/大原道場)に2RTKO敗け。今回は「ムエタイルールなので問題なく完勝する」とコメントしていたが・・・。


 桂英慈の豪快なフックが決まり、レフェリーはTKOを宣告するしかなかった。これで対抗戦は1-1になってメインに繋ぐことになる。

67kg重量級 応援団も多いシュートンが吉田敢を肘出血2度目TKOに
<第7試合 スッワンキントーン日本王者 vs.タイ 3対3 67kg契約 3分3R>
●吉田敢(bring it on/29歳 177cm 29戦13勝15敗1分)※初回800g⇒2回目200gオーバー⇒3回目67㎏でクリア
・スックワンキントーン ウェルター級王者
 1R 2分15秒 肘出血2度目ダウンにドクターストップTKO
○シュートン・ヨーユットムエタイジム(タイ/36歳 170cm)-66.3kg
・WMOムエタイ インターナショナル ミドル級王者 


 シュートンはセコンドというか、規定より多くが応援に来ており、日本語もわかる模様。激励賞も貰っていた人気者である。パンチの強打が武器の選手で今回は適性体重のウェルター級での戦いなので、「パンチで勝負して面白い試合を見せる!」と自信満々のコメントをしていたが、吉田敢の額を切り裂いたのは肘だった。


 傷口2度目のチェックでドクターが終了を宣告。1R 2分15秒の速攻であった。

必見!魅惑と感動のムエタイ女子頂上決戦ドゥオンダウノーイ伊藤紗弥
<第6試合 47.5㎏契約 2分5R>
○ドゥオンダウノーイ・ルークサイコーンディン(タイ)Duangdaonoi Luksaikongdin-47.4kg
24歳 160㎝ 65戦40勝20敗5分
WPMF世界ミニフライ級王者 他ムエタイ7冠王 ボクシングOPBFミニフライ級王者
 判定3-0(49-47×2, 49-48)
●伊藤紗弥(尚武会)-47.05kg 生年月日:1999年1月7日/24歳 身長:155㎝ 戦績:43戦35勝5敗3分
・IPCC世界女子アトム級(46.5kg)王者 
・BOM女子ライトフライ級(-48.98kg)王者
・元WPMF・WMC・WBCムエタイ女子王者

※拮抗する女子戦が会場を大興奮させた模様は[ファイトクラブ]公開中、金曜発売週刊ファイト収録

<第5試合 67㎏契約 3分3R>
○スーパーボーイ・ルークプラバーツ(タイ)-66.9kg 33歳 175㎝
 1R 2分59秒 ヒジTKO
●KAZU(GTジム)-67kg 34歳180㎝ 元WMC日本ウェルター級王者 KOS同級王者21戦11勝8敗2分

<第4試合 59㎏契約 3分3R>
●角谷祐介(NEXTLEVEL渋谷)-59㎏ 32歳 177㎝ 19戦9勝7敗3分
・スッワンキントーン スーパーフェザー級2位
 判定0-3(27-29×2, 27-30)
○近藤拓(sports24)-58.75kg 27歳174㎝ 5戦4勝1分 スックワンキントーン スーパーフェザー級5位

<第3試合 52㎏契約 3分3R>
●カズキ・シッソー(トースームエタイジム)-51.9kg 23歳 162㎝ 3戦3敗
 判定0-3(26-30, 25-30×2)
○竜輝(LEGENDGYM)-51.7kg 18歳 168㎝ 3戦2勝1敗

<第2試合 49㎏契約 2分3R> 
○安部纒(エイワスポーツジム)-48.7kg 160㎝ 3戦2勝1敗
 判定3-0(29-28×3)
●YURIKO・SHOBUKAI(尚武会)-48.7kg 162㎝ 3戦1勝1敗1分

<第1試合 50.5㎏契約  3分3R>
△JHO(MSJキックボクシングジム)-49.9kg 16歳 173㎝ 1戦1勝
 判定1-1(29-28, 28-29, 29-29)
△秋田巴琉(キングムエ)-50.25kg 15歳 171㎝ 1戦1勝


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’23年03月02日号東京D武藤敬司引退 WWE主役Sゼイン スックワンキントーン新日本キック