[週刊ファイト12月22日号]収録 [ファイトクラブ]公開中
▼GLEAT挑戦MMA田村男児 田中稔50散る 覚えた井土徹也3R近藤有己
photo & text by 山下達也 w/編集部編
・ローで井土徹也を出血させ勝ちに徹した近藤有己と3R粘った金髪獅子
・格闘技というエニグマが田中稔と和田拓也を引き寄せた97秒の現実
・G馬場トランクス田村男児30kg差シュレック関根takedownも判定負
・夕月堂本舗42歳中村大介いつもの腕十字でなく肩固めGLEAT飯塚優
・泣くなGLEAT福田茉耶!キック46kg級1-2菊地美乃里「魅せられて」
・大差付いたがキック75kgGLEAT渡辺壮馬0-3 U-FILE CAMP有村脩也
・疑うも全ガチ興行会場で納得U-FILE榊原徹MMA三角締め長谷川暢哉
UWFスタイルのLIDET UWFに純プロレスのG-PROと、様々な試合が楽しめるGLEATではあるのだが、まさか2022年末に、格闘技だけのGLEAT MMA興行を開催するとは・・・。2022年に大きな戦争が勃発して今も終結してないとか、コロナもまだ続いているなど色々あった本年なんだが、「プロレスラーが格闘技に挑戦」が、まさかの復活とのビックリがマット界で起きるとは想定外だったかも。やはり血が騒ぐというか、このリスクあるGREATの挑戦を見届けることになるのだった。
プロ格闘技興行なるものが出始めた1993年シュート革命の元年ならいざしらず、あの時代はなにもわからないままプロレスラーがダシに使われていた訳なんだが、別モノとの認識が一般にも定着した21世紀になって、再びこの冒険はなにを訴えたいのだろうかとの謎がまずあったし、なにしろバトラーツ出身とはいえ、50歳になった田中稔がMMA戦やるというのも、最初に聞いた時は半信半疑だったのだが・・・。まして元パンクラス王者の肩書こそあるもののの、12年もMMA戦から離れていた和田拓也が対戦相手って、なにかの歯車の狂いが運命を引き寄せたのか。まして、セコンドに武内出の姿があって、ああ、これはマジなんだとほっぺたを抓りたくなった方は少なくないかと。
和田卓也は勝つことに徹して、田中稔はなにも出来ないまま一方的にヒジ落とされて97秒でレフェリーが試合止めるんだが、50歳の漢の美学、「やらないままでは終われない」だったんだろう。色々異なる意見はあるだろうが、記者としては田中稔の敗北がイチバン印象に残った。
あと、ちょうど本誌は鷹の爪大賞として年間総括を順次出しており、ブレイキングダウンなどYouTubeでお手軽な「企画格闘技」が話題というかヒット数を取ってしまっている現状に苦言を呈しているのだが、そこに出て勝ったという井土徹也なんだけど、そりゃアマや素人までもが参加してくるラウンド1分の試合とMMAは別次元なんであって・・・。ただ、名前は覚えました。今後に期待したいとは思う。
記者会見段階から、田村潔司監督が「勝敗は考えてない」と冷静に言い切った通り、GLEATの選手が全敗する結果になったんだが、女子キックの福田茉耶は、記者は勝ったと思ったんだが判定割れての敗戦で泣いていて、「泣くんじゃない!」と叱られる分だけ記憶に残ったかも。
また全日本プロレスの田村男児も、あれだけテイクダウン取った明らかにアマレスやってる選手だと名前がインプットされたんだが、グラップリングルールの場合、団体によって基準が違うんだろうけど、関根“シュレック”秀樹戦はドローだろうとは思う。まして30kgの体重差を考慮するなら、田村の勝ちに等しい10分間ではあった。
これからGLEAT MMAはどう回していくのか。2023年も想定外のことが起きるのであろうか。
■ GLEAT MMA ver.0
日時:2022年12月14日(水)
会場:東京・後楽園ホール
ローで井土徹也を出血させ勝ちに徹した近藤有己と3R粘った金髪獅子
<メインイベント MMAルール 5分3R 契約体重 73kg>
●井土徹也(GLEAT)
判定0-3(27-30×2、28-29)
○近藤有己(パンクラスイズム横浜)
一発のパンチは破壊力を秘めている井土徹也に対して、近藤有己セコンド北岡悟の作戦はローで動きを止めること。みるみる赤紫色になるだけでなく、右足は出血になっていった。47歳になった近藤は、寝技には行かず勝ちに徹していた。ブレイキングダウンの1分ではない、5分3RのMMAなのである。
もう判定はないと、3Rラッシュをかけて記者メモでは1ポイント取った井土を誉めるべきだ。
格闘技というエニグマが田中稔と和田拓也を引き寄せた97秒の現実
<セミファイナル MMAルール 5分3R 契約体重 無差別級>
●田中稔(GLEAT)
1R 1分37秒 ヒジ打ち連打⇒レフェリーストップTKO
○和田拓也(FREE)
府川唯未さんとの娘、長女の田中希沙さんがWAVEに入団、高校卒業後にプロレスラー・デビューする予定なんだが・・・。