10月16日(日)『KNOCK OUT 2022 vol.6』鈴木宙樹 vs.西岡蓮太、中島弘貴 vs.クンタップ・チャロンチャイ インタビュー!2023年スケジュール発表!

 10月16日(日)東京・後楽園ホールで開催される『KNOCK OUT 2022 vol.6』に出場する鈴木宙樹(クロスポイント吉祥寺) vs.西岡蓮太(龍生塾)、中島弘貴(LARA TOKYO)vs.クンタップ・チャロンチャイ(タイ/BTC GYM)のインタビューが届いた。また『KNOCK OUT』2023年・大会スケジュールが発表された。

◇プロ大会
 3月5日(日)国立代々木競技場第二体育館大会は「特別大会」、4月22日(土)後楽園ホール大会を「2023年シリーズ開幕戦」として、4月から12月までの9か月間に後楽園6大会を開催します。
◇アマチュア大会
4月1日(土)を皮切りに、5月27日(土)、9月2日(土)、11月18日(土)の全4大会を、すべて新宿FACEで開催します。
『KNOCK OUT』2023年・大会スケジュール(2022.9.28現在)
◇プロ大会
3月5日(日)国立代々木競技場第二体育館
4月22日(土)後楽園ホール
6月11日(日)後楽園ホール
8月6日(日)後楽園ホール
9月16日(土)後楽園ホール
11月5日(日)後楽園ホール
12月9日(土)後楽園ホール
◇アマチュア大会
4月1日(土)新宿FACE
5月27日(土)新宿FACE
9月2日(土)新宿FACE
11月18日(土)新宿FACE
※後楽園ホール大会はすべてプロ大会として夜開催、新宿FACE大会はアマチュア大会としてすべて全日開催の予定です。
※大会日程は都合により追加・変更・中止となる場合があります。

■『KNOCK OUT 2022 vol.6』
◇日時:2022年10月16日(日)17:00開場/18:00開始(本戦開始前にプレリミナリーファイト数試合予定)
◇会場:後楽園ホール
◇主催:株式会社Def Fellow
◇チケット料金
SRS席(最前列) 20,000円
RS席 10,000円
S席 8,000円
A席 6,000円
※全席指定/消費税込み
※当日券は各席とも500円アップとなります。
※6歳未満は入場無料です。ただし保護者同伴で膝上にてご観戦ください。なお小学生から有料、6歳未満でも座席を必要とする場合は有料となります。
※今大会は入場者数の規制が緩和されたことに伴い、会場側と協議の結果、観客席を100%フル使用として開催します。ただし、会場内における新型コロナウイルス感染防止対策は、これまでと同様の形で実施することに変わりはございません。また、声出し声援に関する対策はより厳しくなり、場内アナウンスや表示物などでの告知を今まで以上に行ってまいります。なお、現時点において「立見券」の販売は一切行わない予定です。
※今後、政府および自治体が発表する各ガイドラインの変更や感染状況に応じて、収容人数や運営上のルールを変更させていただく場合がございます。

◇チケット一般発売日
2022年8月31日(水)10:00~
◇チケット販売所
KNOCK OUTオフィシャルショップ https://deffellow.stores.jp/
チケットぴあ https://t.pia.jp/
出場各ジム
◇お問合せ
株式会社Def Fellow https://knockoutkb.com/

<KNOCK OUT-BLACK -64.0kg契約/3分3R・延長1R>
鈴木宙樹(クロスポイント吉祥寺)SUZUKI Hiroki
・元REBELS-BLACK -60kg級王者
96.11.20生/東京都三鷹市出身/25歳/175cm/オーソドックス/13戦13勝(8KO)無敗
 vs.
西岡蓮太(龍生塾)NISHIOKA Renta
・2020 KNOCK OUT無法島GP -64kgトーナメント優勝
・第2代シュートボクシング日本ライト級王者
99.4.11生/大阪府大東市出身/23歳/174cm/オーソドックス/25戦19勝(6KO)6敗

☆鈴木宙樹
「『KNOCK OUT』の新たなスター選手が現れる瞬間を見てほしい!」
10・16『KNOCK OUT 2022 vol.6』の「KNOCK OUT-BLACK -64.0kg契約/3分3R・延長1R」で西岡蓮太と対戦する鈴木宙樹。9月13日に行われたカード発表会見では、ボクシングに転向していた鈴木がキック復帰、そしてその相手が強豪・西岡ということで大きな話題となった。注目の復帰第1戦、鈴木はどんな試合をしようとしているのか? そしてその先に見据えるものとは?

──9・23後楽園大会ではリング上で挨拶されましたね。「東京のジャスティン・ビーバーです」という自己紹介が……。
鈴木 ウケなかったですね……。言わなきゃよかったと思いました(笑)。でもあの後、会場で何人かからは「ジャスティンさんですよね」って声かけてもらえましたし、ツイッターでも「ジャストさん」って書かれてたのをいくつか見かけたので、よかったかなと思ってます。なので、これからも「東京のジャスティン・ビーバー」で貫き通そうかなと。

──「戦うジャスティン・ビーバー」ってとこですかね。9月13日の記者会見で復帰と対戦カードが発表され、リング上から挨拶も行って、反響はどうでしたか?
鈴木 ボクシングからいきなり復帰するということで、いろんな声もあるんですけど、温かい言葉をいろんな方からいただいて、今はいい意見だけ聞いて励みにしています。

──以前の鈴木選手の試合を知っている人も知らない人も、「どんなもんなんだろう?」という目で見る人が多いと思います。そういう中で試合をするというのも、ちょっと新鮮なのでは?
鈴木 そうですね。もしずっと続けていたとしても僕はずっとチャレンジャーなんですけど、今回、西岡選手との試合が決まって、よりチャレンジャー、挑戦者という気持ちで挑めるかなと思っています。「無敗だから」とかの変な気負いもなく、今はいい状態で臨めている感じがしますね。

──もう試合が近づいてきましたが、最近の練習状況はいかがですか?
鈴木 記者会見があってさらに気合いも入りましたし、モチベーションが高い状態で試合ができていて、しっかりといいリズムで試合に向けての準備ができてますね。

──記者会見の段階では、「蹴りがまだ4割程度しか戻っていない。パンチで勝負したい」というお話でしたが、今は?
鈴木 正直、まだしっかり蹴れているという実感はないんですよね。試合までもうあまり時間はないですけど、以前みたいに蹴れるように調整していきたいとは思ってます。キックボクシングだから蹴りから組み立てられれば一番いいんですが、現状ではパンチがメインになっちゃうので、パンチを中心に、そこでしっかり圧倒できるように組み立てていきたいと思ってます。

──それは、以前のキックの試合での感覚とも違うでしょうし、もちろんボクシングで1試合された時とも違う感覚だと思いますが……?
鈴木 そうですけど、キックボクサーにはないパンチをこれからどんどん出せていくと思うので、そういう点ではいい意味で噛み合わない感じで攻撃が出せると思うんですよね。そこで圧力をかけて相手を呑み込めたらと思っています。

──では今は、キックボクシングに順応しようとしているというわけでもない?
鈴木 そうですね。特に今回は時間もあまりないので、無理に順応しようというつもりもあまりなくて。蹴りもしっかり使おうとは思ってますけど、「元ボクサー」の自分を見せられるように、パンチを多用して攻めていきたいです。

──西岡選手にとっては、鈴木選手がボクシング転向する以前の試合を見て対策するしかないと思います。それだとかなり違うぞという感じになる?
鈴木 そうだと思います。昔とはいい意味で全然違いますし、西岡選手にとっては研究材料がない状態だと思うので、西岡選手の考えないところを突いていきたいです。逆にそうしないと、キックのテクニックとかでは勝てない相手だと思うので。

──9月の後楽園大会は、「次は自分がこのリングに上がる」という意識で見られたんじゃないかと思うんですが、その意味ではいかがでしたか?
鈴木 すごくモチベーションが上がりましたね。小笠原瑛作選手の試合もセコンドについたので目の前で見て、早くリングに戻りたいなという気持ちが湧いてきたし、その後の練習のモチベーションも上がりました。

──同大会では他にも龍聖選手もいい勝ち方でしたし、メインでは良太郎選手という新チャンピオンが誕生しました。彼らは鈴木選手にとって、これから『KNOCK OUT』を盛り上げていく仲間でもありライバルでもあると思うんですが、その点では?
鈴木 今、そうやって『KNOCK OUT』を引っ張ってくれている選手たちがいるところに僕が復帰して、僕は一番いいポジションにいられていると思うんですよね。今、『KNOCK OUT』のトップ選手は同門の瑛作さんだと思ってますけど、その瑛作さんにも僕は負けるつもりもないですし、彼にはないものを僕は持っていると思うので、そこで引っ張れたらと思っています。

──この先には、来年3月に代々木第二体育館大会というビッグマッチも控えています。その点でも、ここで復帰第1戦というのはいいタイミングですね。
鈴木 そうなんですよ! 本当にいいタイミングでキックボクシングに戻れたなって思ってます。今回しっかり勝って、代々木大会でも僕がメインイベントを持っていきたいので、本当にここはいい勝ち方をして、次につなげたいですね。

──もちろん今回勝つことが前提ですが、目論見としては、今回10月に復帰戦、12月ぐらいにもう1試合、そして3月の代々木……という感じですか?
鈴木 いや、僕は試合間隔をあけずにどんどんやりたいタイプなので、チャンスがあったらどんどん試合に出て、試合勘を戻して3月につなげたいですね。可能なら、10月、11月、12月と3試合連続でもいいぐらいです。

──そうですか! そのためには勝つだけでなくケガなく乗り切る必要もありますね。
鈴木 はい。そうできる自信もあるし、勝ち方ももちろん大事だなと思っているので、そこも含めて練習でも頑張ってます。しょっぱい試合をしてしまうようなら、やる意味がないですし、みんなが楽しんでくれる勝ち方をしたいです。

──可能なら、弟の千裕選手のように速攻で決めたい?
鈴木 いや、僕は弟みたいに体が強い方ではなくて、あんな勝ち方はできないので、違うやり方でいい試合を見せたいと思ってます。完封してしっかりと魅せて、最終的にはKOにつなげたいです。

──テクニカルな面も見せたいと。
鈴木 そうですね。僕にしかできない戦い方があると思うので、短時間でバッと決着をつけるような勝ち方は弟とか龍聖選手に任せて、僕は彼らにはないところで盛り上がる試合をできればいいなと思ってます。

──TOKYO MXでのレギュラー番組『KNOCK OUT STYLE』もちょうど始まりましたしね。
鈴木 1回目を見ました。僕も撮影をしていただいたんですけど、知名度を上げるチャンスだなと思いました。そういうものもしっかり利用して、自分の知名度はもちろん『KNOCK OUT』の認知度も上げられるいいチャンスだなと思います。本当に全てのタイミングがバッチリなので、あとは試合に勝つだけです。

──では最後に、今回の試合で一番注目してほしいポイントはどこでしょう?
鈴木 これからの『KNOCK OUT』を引っ張るスター選手が現れる瞬間を見てもらいたいので、皆さんには僕の実力に注目してほしいです。「鈴木宙樹が戻ってきたぞ」と思ってもらえる試合をします。

──分かりました。ありがとうございました!

◇西岡蓮太
「燃える要素しかない試合。ここで勝って『KNOCK OUT』王座も狙っていく!」
10・16『KNOCK OUT 2022 vol.6』の「KNOCK OUT-BLACK -64.0kg契約/3分3R・延長1R」で鈴木宙樹と対戦する西岡蓮太。鈴木がキック復帰第1戦なら、西岡にとってもこの試合は手の手術からの復帰第2戦。復帰戦でKO負けしシュートボクシング・ライト級王座から陥落しているだけに、今回の試合に懸ける思いは強い。そんな西岡を一番燃えさせている、この試合のシチュエーションとは?

──9月13日の記者会見で、鈴木宙樹選手と顔を合わせての印象は?
西岡 「弟に似てるな」と思いました。

──弟さんとは対戦されてますからね(2020年2月、西岡の判定勝利)。兄弟両方と対戦するというのも、なかなか珍しいですよね。
西岡 はい。お兄ちゃんにも勝って兄弟2人ともに勝てればいいと思います。

──そもそも今回、試合オファーを聞いた時にはどう思いましたか?
西岡 最初は「ボクシング行ってたんじゃなかったっけ?」って思いました。それから「確か負けてなかったよな」と思って調べたら無敗のままで。弟の千裕選手とやってるってのもあるのでストーリー的にも面白いし、無敗なので相手としてもオイシイなと感じましたね。

──本来、西岡選手はシュートボクシングの選手ですが、キックボクシング・ルールでの試合には抵抗はなかったですか?
西岡 全然ないですね。むしろ、キックボクシング・ルールの方が得意かもしれないです(笑)。別に投げて勝ちたいとも絞めて勝ちたいとも思ってないし、シュートボクシング・ルールでも殴ったり蹴ったりして倒すことを狙って戦ってるので、むしろありがたいです。

──会見で鈴木選手は「蹴りの感覚はまだ4割程度。ボクシングで強化したパンチで勝負したい」と言っていました。西岡選手にとっては基本的にボクシング転向以前の材料しかないと思いますが、そこの不安はないですか?
西岡 ボクシングに行く前から、もともとパンチはけっこううまかったと思うし、ボクシングも1戦しかしてないですよね。言うてそこまで進化してるわけでもないやろなと思ってるんで。

──では、警戒するのはパンチ?
西岡 うーん、もしかしたら、ああ言ってたけど蹴りも隠されてるかもしれないんで、蹴りもちゃんと警戒しつつ。パンチは、ボクシングに行ってなくても警戒してると思うんで、一緒ですね。

──逆に西岡選手自身はどう戦いたいですか?
西岡 僕もパンチの駆け引きが好きで、蹴りもけっこういろんな人に誉めてもらえるので、最後はパンチで倒せたらいいなと思いますけど、蹴りでも倒せるところがあるなら狙っていこうと思ってます。彼がボクシングに行ってたのはは少しだけですけど、一瞬蹴りから離れていたのは確かなので、蹴りもしっかり出して様子を見ていこうと思ってます。

──西岡選手は手の手術を受けて、復帰2戦目になります。復帰してからの調子はどうですか?
西岡 4月に復帰戦(笠原弘希戦、2RKO負け)をやらせてもらって、その時は自分でも戻ってると思ってたんですけど、実際に試合をやってみたら「やっぱ戻ってなかったんやな」と実感しました。その試合の後は、練習でも一時期スランプみたいな感じになってたんです。「俺、どうやって戦ってたかな?」みたいな感じで。「こんなんで試合してたんか」って、すごく考えてた時期があったんですけど、最近になってやっと休む前の感覚を取り戻したというか、「あ、こんなんやったな」という状態にまで来れたので、今は誰にも負ける気はしないです。この感覚をリングで試すのが楽しみです。

──取り戻せたというのは、練習の中でだんだん思い出せてきたという感じですか?
西岡 僕もボクシングジムに行って見てもらったりするんですけど、コロナの期間は行けなかったんです。4月の試合を終えてからはまたそこでも見てもらうようになったので修正してもらって、あとは実戦練習でだんだん慣れてきたという感じですね。

──『KNOCK OUT』では「無法島GP」決勝戦で戦ったバズーカ巧樹選手からもラブコールが送られていましたが、今回は鈴木選手ということになりました。
西岡 僕も1回復帰戦で倒されて負けているので、そこで『KNOCK OUT』側もいきなり王者を出すわけにもいかないでしょうし。そこでワンクッション置くにはちょうどいい相手を連れてきてくれたなという感じですね。自分から彼とやりたいというわけではないですけど、彼は今チャンピオンでベルトを持ってるので、あのベルトを獲りに行っても面白いなとは思ってますけど。

──それだとライト級(-62.5kg)ということになりますが、今回の試合は-64.0kg契約ですよね。
西岡 今回は最初から64.0kgでというお話だったので、別にいいかという感じで受けました。これからタイトルを狙うとすればライト級ですね。

──今回は「復帰していきなり主役扱いの元王者」と当たるわけで、完全に“敵役”というシチュエーションですよね。そこに関しては?
西岡 いやあ、面白いですね。僕はこういうシチュエーションは好きですよ。どっちみち、僕は大阪の選手なので、シュートボクシングでも東京で試合してる時点でホームじゃないんですよ。大阪でも何年も試合してないですし。だからこういう扱いは慣れてますし、そこで今から売ろうとしてる選手と当ててもらえて、ポスターの扱いから言ってもメイン間違いなしじゃないですか。これで勝ったらもっとひっくり返せると思うので、燃えますね。

──会見でレギュラー番組『KNOCK OUT STYLE』の話が出た時は「大阪で放送がない」と言われてましたが、第2回放送からは「エムキャス」というアプリで全国から見られることになりました。
西岡 あ、そうなんですね。それはモチベーション上がりますね。やっぱりTVの影響力は凄いと思うんで、ありがたいです。そこで大きく取り上げられてもらえるような勝ち方をしたいと思います。

──調子が戻ってきた復帰2戦目で、相手といいTVのことといい、お膳立ては揃ってますね。
西岡 僕にとっては燃える要素しかないんですよ。あとはリング上でぶっ倒すだけです。

──では最後に、今回の試合で一番注目してほしいポイントはどこでしょう?
西岡 僕の復活劇を見てほしいです。前の試合に負けて、いったん評価は落ちてると思うんですけど、あそこからやっと感覚を取り戻したので、ここで復活するところを見てほしいです。

──分かりました。ありがとうございました!

<KNOCK OUT-BLACKスーパーウェルター級/3分3R・延長1R>
中島弘貴(LARA TOKYO)NAKAJIMA Hiroki
88.7.5生/東京都八王子市出身/34歳/175cm/オーソドックス/46戦30勝(18KO)16敗
・元Krushスーパーウェルター級王者
・K-1 WORLD MAX 2010日本トーナメント準優勝
・Krush-70kgトーナメント2009優勝
 vs.
クンタップ・チャロンチャイ(タイ/BTC GYM)KUNTAP Charoenchai
80.4.24生/タイ・ローイエット県出身/42歳/174cm/オーソドックス/98戦71勝(21KO)18敗9分
・第4代WMAF世界スーパーウェルター級王者/元WMC世界ウェルター級王者/元M-1スーパーウェルター級王者

☆中島弘貴
「KOするまでに実は細かい技術を使ってるんです。『俺もそういうのは持ってるぞ』と」
10・16『KNOCK OUT 2022 vol.6』の「KNOCK OUT-BLACK スーパーウェルター級/3分3R・延長1R」でクンタップ・チャロンチャイと対戦する中島弘貴。クンタップ同様に長いキャリアを持つ中島だが、実はタイ人との対戦は12年前のブアカーオ戦に続いて2回目だという。その一戦を前に、中島はどういう意気込みで臨もうとしているのか?

──今回の対戦相手はクンタップ選手です。彼も長く日本にいて多くの試合をしていますが、昔から知っていますか?
中島 僕、2010年12月に「戦極 Soul of Fight」でブアカーオ選手と試合する前に、ちょっとだけクンタップ選手と練習したことがあるんですよ。マススパーをお願いして。

──そうなんですか!
中島 それ以前は、リアルタイムで試合を見たりはなかったんですけどね。

──国内にいる70kgのタイ人という意味では貴重ですもんね。その時のこととかって、覚えてますか?
中島 どっしりとしたムエタイスタイルで、ミドルが強かったかなというぐらいですね。12年も前なんであんまり覚えていないし、まさか試合をすることになるとも思ってなかったので(笑)。

──そうですよね。ちょうどブアカーオ戦のことも伺いたかったんですが、これまでのキャリアでタイ人との対戦って、その試合だけですか?
中島 そうですね。2014年にタイで「THAI FIGHT」に出た時も、相手はカンボジア人だったので。その時は判定で負けちゃったんですけど。

──では、『KNOCK OUT』でサッシス選手、コーンリーチ選手とも対戦しているので、カンボジア人とは計3回当たっているんですね。タイ人は1回なのに。これだけのキャリアと試合数でタイ人と1回だけというのも、かなり珍しいですね。
中島 まあヒジなしと、70kgという階級もあるとは思うんですけど、確かにタイ人とは縁がなかったですね。

──ちなみに2010年のブアカーオ戦は、今振り返るとどうですか?
中島 うーん、それもかなり前ですからね(笑)。倒さないと勝てないなと思ったんですけど、うまく逃げ切られたみたいな感じでしたね。捕まえきれなくて、仕留められなかったという。

──そういうのを踏まえて、中島選手から見たムエタイってどういうものですか?
中島 のらりくらりとして、技術で戦ってるんだなという感じはします。だから、進んでやりたいという感じではないですね。やる時があればやりますけど。

──その「やる時」が来たわけじゃないですか。生涯2人目のタイ人との対戦の時が。今回はどう戦いますか?
中島 もちろんKOは狙います。結果的に判定になってしまうこともあるかもしれないですけど、「凄い試合」をするつもりでいます。やっぱり会場のお客さんは「普通の試合」を見たいわけじゃないですし、勝ち方だけでなくそこまでも「凄い試合」、裏切らない試合をしようと思ってますね。

──「凄い試合」という意味では、7月大会での漁鬼戦も凄かったですよね。
中島 いや、あれは「勝って兜の緒を締めよ」じゃないですけど、終わった後は負けたような気分でした。その前のコーンリーチ戦から、自分の動きに雑なところがあって、あの試合でもそれが出てしまってました。いい意味で言えば、そこに気づけたからよかったとも言えますけど。

──そのせいで、漁鬼選手に頑張られてしまった、という感じでしょうか?
中島 そうですね、本来なら延長までいかなくても勝てた、勝たなきゃいけなかった試合だと思います。

──では、あの試合の後に兜の緒を締めて、練習で取り組んだことというのは?
中島 雑なところを見直して、練習でしっかり動きを確認しました。例えば自分の打ち終わりとか、そういう部分ですね。あとは試合までの気持ちの持っていき方も、ちょっと見直しました。

──コーンリーチ選手も漁鬼選手も、キャリアや実績で言えば中島選手の方が上でしたよね。そのあたりも関係していましたか?
中島 いや、相手どうこうじゃないんですよ。最終的に自分の問題なので、相手が誰であろうとそこは変わらないです。コーンリーチもカンボジアでタイトルを獲ってましたし、漁鬼選手も強い選手とは思っていたので。

──では、クンタップ選手がベテランで、ここしばらくは実戦から遠ざかっていることも関係ない?
中島 というよりは、実績もすごくありますし、タイ人ならではの技術もあると思いますし。それに、あの年齢まで試合をしているというのも、ファイターの気持ちがあるからだと思うので、ナメてかかることはできないですね。

──前回延長までいった分、今回は速攻で倒したいとか、そういう気持ちは?
中島 試合になってリングで向かい合ってみないと分からないし、KOを狙うのはもちろんなんですけど、ただ殴り合えばいいわけじゃなくて、駆け引きが面白い試合になるかなと思ってるんですよ。その上でシンプルにKOまでいければいいかなと。自分もテクニカルな面は持ってると思っているので。

──中島選手というと、一般的には「豪腕でなぎ倒してKO勝ち」というイメージがあるかと思います。それに対して、「いやいや、技術もあるんだよ」という気持ちもある?
中島 けっこう、目線でフェイントをかけたり、相手が息を吸ってるか吐いてるかを打ったりはしてるんですよ。そういうのはあるんですけど、やっぱり周りからは「ただ殴って勝ってる」みたいに思われてる感じはしますね。

──では、実はそういう細かいテクニックも見てほしい?
中島 いや、見てほしいというわけでもないですけど、「俺も持ってるんだぞ」という気持ちはありますね。KOで倒すまでに、いろいろ技術は使ってるので。まあただ、7月の試合は「ただ殴ってるだけ」みたいになっちゃったところがあるので、何とも言えないですけど。

──それもあって今回は、しっかり技術を使った上でKO勝ちすると。
中島 そうですね。もし相手がタイ人らしくのらりくらりとした感じで来ても、それはそれで捕まえる技術もあるので。特にタイ人はいくら俺が振り回しても、それでうまく倒すことはできないと思うんですよ。最後はスカッと勝つところをお客さんに見てもらうために、必要な技術を使ってそこに持っていきたいと思います。

──そういう細かい部分も見てもらえるともっといいですよね。では最後に、今回の試合で特に注目してほしいポイントはどこでしょう?
中島 今さら中途半端な試合をするつもりはないので、勝ち方にもこだわりたいと思ってます。その勝ち方を見てほしいです。

──分かりました。ありがとうございました!

◇クンタップ・チャロンチャイ
「年齢は関係ない。ムエタイのテクニックを見せて倒す!」
10・16『KNOCK OUT 2022 vol.6』の「KNOCK OUT-BLACK スーパーウェルター級/3分3R・延長1R」で中島弘貴と対戦するクンタップ・チャロンチャイ。長く日本で活躍しているムエタイ戦士の一人で、これまで日本人のトップ選手も多数下しているベテランが『KNOCK OUT』に初来襲! 自身にとっても久々のリングとなるが、そこで彼は何を見せようとしているのか?

──公式な試合に出るのは久しぶりですよね。いつ以来になりますか?
クンタップ 2019年5月の巌流島(伊藤澄哉に3ラウンド一本勝ち)以来の試合になります。キック、ムエタイは2018年6月のNJKF(YETI達朗に1ラウンドKO負け)以来ですね。

──今回、久々にリングに上がろうと思った理由は何ですか?
クンタップ 日本に来てからこれまでの僕は、常に戦う場所を探していました。コロナに入り、時間がもったいないと感じました。そんな中、42歳になりましたが、それでも僕は、まだまだ試合をしたかった。それが参戦を決めた理由です。

──今はジムの会長として忙しいと思いますが、自分の練習、コンディション作りはできていますか?
クンタップ 僕はいつでも用意できています。もちろん、純粋な選手として過ごした頃と同じ練習ではありません。その中でもやれることはあります。準備はできているので、楽しみにしていてください。

──中島弘貴選手は長く現役を続けている選手です。彼のことは知っていましたか? 知っていたら、どういう試合を覚えていますか?
クンタップ ナカジマのことは、昔からよく知っています。僕が、彼のジム(当時)の会長の新田明臣さんと対戦した時、挨拶に来てくれたことをよく覚えています。K-1に出ていたことも知っていますし、いい選手だと思います。

──改めて、対戦相手としての中島選手の印象は? 警戒するべき部分はどこですか?
クンタップ 中島選手はいいストレートを持っていると思います。警戒というよりも、それを攻略するのが僕の課題となるでしょう。

──それに対して、自分はどう戦おうと思っていますか?
クンタップ ムエタイスタイルを貫き、そして勝ちます。今回のルールはムエタイではないけれど、その中でどう見せるか、みんなに楽しみしていてほしいです。そして最後は当然、倒して勝ちたいと思います。

──今回はヒジ禁止のBLACKルールですが、問題はないでしょうか?
クンタップ 日本に来てからも、ヒジ禁止ルールでの試合は数え切れないほどやってきて、もう慣れました。対応はできているので、問題ありません。

──『KNOCK OUT』についての印象は?
クンタップ 『KNOCK OUT』には非常にいい印象を持っていて、発足当時から出たいと思ってました。特に初期の頃はタイ人の出場選手も多く、母国の友人達を応援しに、何回も試合場に行ったことを覚えています。

──『KNOCK OUT』はスアレック選手のように、タイ人選手も勝っていけばタイトルのチャンスがあります。タイトルについてはどう思いますか?
クンタップ もちろんタイトルマッチをやってチャンピオンになりたいです! やりたくない人はいないと思います。

──ジムの会長としては、どんな気持ちで指導を行っているんですか?
クンタップ 会員さんたちには、強くなってほしい、健康でいてほしい、といつも思っています。
試合に出なくても、挑戦することで自信がつき、気持ちも強くなります。特に子供たちはそうですね。リングに上がるのも学校に行くのも同じ面があると思います。挨拶をキチンとしたり、人に優しくしたりしてほしい。ジムを通じて、人として成長してほしいと思っています。

──その会員さんたちにも勝つところを見せたいですよね?
クンタップ カッコいいところを見せたいと思っています。僕は42歳だけど、歳は関係ない。そんな僕の姿勢を見てほしいです。そして、その姿を見てみんなには頑張ってほしいですね。

──では最後に、今回の試合で一番注目してほしいポイントはどこですか?
クンタップ 僕のムエタイスタイルを見せます。楽しみにしていてください!

──分かりました。ありがとうございました!

<KNOCK OUT-BLACKスーパーライト級/3分3R・延長1R>
クボ マサヤ(PHOENIX)KUBO Masaya
93.7.23生/広島県広島市出身/28歳/173cm/サウスポー/35戦18勝(7KO)14敗3分
・WMCインターコンチネンタル・スーパーライト級王者
 vs.
CAZ JANJIRA(JANJIRA GYM)
87.9.2生/東京都調布市出身/35歳/サウスポー/39戦18勝(4KO)16敗5分
・元蹴拳ウェルター級王者

<KNOCK OUT-REDバンタム級/3分3R・延長1R>
大﨑草志(STRUGGLE)OSAKI Soshi
81.3.23生/広島県廿日市市出身/41歳/167cm/サウスポー/7戦4勝(2KO)3敗
 vs.
ナカムランチャイ・ケンタ(team AKATSUKI)NAKAMURANCHAI Kenta
00.8.18生/千葉県白井市出身/22歳/170cm/サウスポー/9戦3勝(3KO)6敗

<KNOCK OUT-BLACKスーパーフェザー級/3分3R>
智己(LARA TOKYO/スピリットジム仙台)TOMOMI
01.9.19生/宮城県塩竈市出身/21歳/175cm/オーソドックス/3戦2勝(1KO)1敗
・KNOCK OUTアマチュア・アダルト65kg優勝(2021年)
 vs.
佐藤拓也(クロスポイント吉祥寺)SATO Takuya
83.8.5生/山形県山形市出身/39歳/167cm/オーソドックス/1戦1敗

<KNOCK OUT-BLACKスーパーフライ級/3分3R>
竹田哲紳(クレイン)TAKEDA Tesshin
05.10.25生/東京都豊島区出身/16歳/173cm/オーソドックス/1戦1勝(1KO)
 vs.
剛大(Y’s glow)GOTA
06.3.28生/千葉県勝浦市出身/16歳/168cm/オーソドックス/デビュー戦

<KNOCK OUT-REDスーパーフェザー級/3分3R・延長1R>
新田宗一朗(クロスポイント吉祥寺)ARATA Soichiro
96.4.2生/沖縄県西原町出身/26歳/179㎝/オーソドックス/14戦9勝(4KO)2敗3分
・イノベーション・スーパーフェザー級王者
 vs.
カミ シロ(PHOENIX)KAMI SHIRO
91.12.4生/北海道広尾郡出身/30歳/172cm/オーソドックス/7戦4勝(2KO)2敗1分
・北斗旗全日本空道体力別選手権大会-240クラス優勝(2017年、2018年)

<KNOCK OUT-BLACKスーパーフライ級/3分3R・延長1R>
乙津陸(クロスポイント大泉)OTSU Riku
04.6.14生/東京都西多摩郡出身/18歳/163cm/オーソドックス/5戦5勝(3KO)
 vs.
酒井柚樹(TEPPEN GYM)SAKAI Yuzuki
96.6.10生/神奈川県横浜市出身/26歳/158cm/オーソドックス/24戦6勝(1KO)14敗4分

<KNOCK OUT-BLACKスーパーライト級/3分3R・延長1R>
YUYA(クロスポイント吉祥寺)
91.6.6生/東京都渋谷区出身/31歳/177cm/サウスポー/4戦3勝(1KO)1敗1分
 vs.
Apollo中山(GOD SIDE GYM)Apollo Nakayama
88.6.14生/神奈川県川崎市川崎区出身/34歳/170cm/サウスポー/6戦2勝(2KO)2敗2分
・KNOCK OUTアマチュア・アダルト65kgトーナメント優勝(2021年)


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▼スックワンキントーン鈴木真治タイ選手KO テーパプット肘KO戴冠セミ
 大興奮の武蔵2-1中島凛太郎 16歳対決 岡田直己 小林司 女子デビュー戦

[ファイトクラブ]スックワンキントーン大興奮の武蔵2-1中島凛太郎や女子デビュー戦も

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’22年10月20日号Extreme Rules 猪木追悼第2弾 新日両国 スックワンキントーン後楽園