大樹が勝利して王座防衛! 大阪 DEEP☆KICK 62

 6月12日(日)泉大津市・テクスピア大阪において『DEEP☆KICK 62』が開催された。

(文・布施鋼治/写真・花井康成)

メインイベント 大樹 vs. 大前洸貴

 3月13日のDEEP☆KICK 59で岩郷泰成(TFT)を破り、大樹(HAWK GYM)への挑戦権を手に入れた大前洸貴(INFINITY KICK BOXING GYM)。リングを下りれば理学療法士として活動する頭脳派なだけに接戦が予想されたが、昨年7月に王者になった大樹が圧勝する形で初防衛に成功した。
 1R、大前は両腕でガッチリとカードを固め、大樹の出方をうかがう。そんな挑戦者に対してチャンピオンはワンツーやハイで揺さぶりをかける。
 2R、ガードを上げたまま前に出てきた大前に大樹は左のテンカオを軸に崩しにかかる。インファイトでの右アッパーも有効だ。2R終了時点のオープンスコアは20-19(●2)、20-18で3者とも大樹を支持した。
 もうあとがない大前は3Rになると再び前に出るが、サウスポーが苦手なのか攻略の糸口が見つけられない。結局、大樹はこのラウンドもテンカオで大前を追い込み、フルマークの判定勝ちを収めた。
 初防衛に成功した大樹はマイクを握るや、「もっとDEEP☆KICKのチャンピオンベルトの価値を高めたい。(強ければ)誰でも挑戦してきてほしい」とアピール。応援団を中心にやんやの歓声を受けていた。石川県在住という異色のチャンプは長期政権を築き上げるか。 

セミファイナル KING龍蔵 vs. 濱田祐生

 セミファイナルではKING龍蔵(ROYAL KINGS)と濱田祐生(山口道場)による-57.5㎏挑戦者決定トーナメント準決勝が行なわれた。1R、濱田は右ローを連打して試合の流れを掴みにかかる。そのローを龍蔵はなぜかカットしない。明らかに濱田が優勢のラウンドだったが、2R終了間際、龍蔵はコツンと当てるようなタイミングの右ストレートで逆転のダウンを奪う。もうあとがない濱田は3Rになるとテンカオで龍蔵を追い込む。記者の採点では28-28のイーブン。勝負は延長戦にもつれ込むと思われたが、2名のジャッジが29-28で龍蔵の勝利を支持した。
 龍蔵は9月25日に予定されているDEEP☆KICK 63で藤井海人(EXARES)と挑戦者決定トーナメント決勝を争う。

第4試合 タネ♡ヨシキ vs. KING剛

 タネ♡ヨシキ(直心会)は艶やかなふたりの女性ダンサーを従えて登場した。粋な演出だったが、ダンサーのひとりのヒールの部分が壊れ、リング上で転倒するアクシデント。そんなタネに対して、KING剛(ROYAL KINGS)は1Rから左の三日月蹴りを刺していく。タネもステップを使いながら痛烈なジャブを放っていくが、剛の左ボディフックを食らう場面も。
 剛がやや優勢という流れの中で2Rを迎えたが、剛は攻撃目標をタネのボディに絞る。左ストレートと三日月、さらにはミドルキックでボディを削っていく。ラウンド終了間際、タネはボディフックでついにダウンを喫してしまう。勝負の振り子は傾いた。3R、剛は左の三日月蹴りをボディに刺すと、タネは2度目のダウン。ダウンカウントが進む中、ギリギリ立とうとしたが、レフェリーは試合を止めた。剛の完勝といえる内容だった。

第3合 FUJIMON♡ vs. 鷹介

 いつものようにFUJIMON♡(京都亀岡キックボクシングジム)は踊って登場するが、彼のショータイムはここまでだった。鷹介(魁塾)は1Rから最後に得意の左ボディフックを織りまぜたパンチの3連打で襲いかかる。そしてフックをボディにねじ込むと、FUJIMON♡は片ヒザをつくように先制のダウンを許す。
 その後も鷹介は相手をコーナーに詰めてパンチで追い込む。2R、FUJIMON♡は右ローに活路を見出そうとするが、鷹介を攻略するまでには至らない。3Rになると、鷹介はバックハンドで立て続けに2度ダウンを奪い、粘るFUJIMON♡に引導を渡した。スタミナを強化すれば、もっと勝率は上がるだろう。

第2試合 YUTO vs. 井上大和

 アマチュアで実績を積んだ井上大和(NJKF TOKEN KICKBOXING GYM)がプロデビュー。こちらもプロ初陣となるYUTO(NJKF Vigor Kickboxing Gym)と拳を交わした。1Rから井上は当たりのきついローを放ち、観客席をどよめかせる。YUTOもロー返すなど一歩も譲らない。
 とはいえ時間が経つにつれ、アマチュア時代の積み重ねの差が如実に出た。井上は前蹴りで相手を飛ばすと、ミドルやヒザ蹴りで攻略にかかる。2Rになると、YUTOは目を大きく見開きながら耐える展開に。ダメージを重ねる相手に対して、井上はワンツーからちのローやヒザ蹴りで追い打ちをかける。3Rも井上は試合のペースを握ったまま、試合終了のゴングを聴いた。判定は3-0で井上。期待を感じさせる白星デビューだった。敗れたYUTOも気持ちの強さは見せただけに巻き返しに期待したい。

第1試合 嘉武士 vs. 山口真宙

 嘉武士(NJKF健心塾)はセコンドからの「打ち合わないでいい」という指示を忠実に守るかのように、1Rからインローで山口真宙(月心会チーム侍)を脚を壊しにかかる。続く2R、山口は左ストレートに逆転の糸口を見つけ出そうとするが、嘉武士はローやテンカオで詰め、試合の流れを渡さない。3R、嘉武士はハイキックで追い打ちをかけるが、倒すまでには至らず。文句なしの判定勝ちだったが、KOを狙っていたのだろう。ラウンド終了のゴングが鳴ると、悔しそうに首を傾げた。

〈オープニングイベント〉
NEXT☆LEVEL提供試合
NEXT☆LEVEL日本統一王座決定戦

 昼間の部として開催された61に続き、DEEP☆KICK 62のオープニングファイトはNEXT☆LEVEL日本統一王座決定戦。出色は-35㎏級王座決定戦で勝利を収めた林功太郎(山口道場)と-50㎏級王座決定戦を制した山田貴紀 (山口道場)だった。
 林は首相撲からのヒザ蹴りで山下城主(武魂會)から3度のダウンを奪い、この日行なわれたオープニングファイトの中では唯一KO勝ちを収めた。一方、山田はパンチで打ち合いたい羽生槙徒(WeedGYM)を首相撲からのヒザ蹴りで捕獲。2Rこそ羽生の反撃を許したが、3Rはパンチで攻勢に出て判定勝ちを収めた。

<メインイベント
 DEEP☆KICK-60kgタイトルマッチ 3分3R>
 ○大樹(HAWK GYM)
 ●大前洸貴(INFINITY KICK BOXING GYM)
判定3-0(30-28、30-27、30-28)
※大樹が初防衛に成功

<セミファイナル
 DEEP☆KICK-57.5kg挑戦者決定トーナメント準決勝 3分3R 延長1R>
 ○KING龍蔵(ROYAL KINGS)
 ●濱田祐生(山口道場)
判定2-0(29-28、28-28、29-28)
※KING龍蔵が-57.5kg挑戦者決定トーナメント決勝に進出

<第4試合 DEEP☆KICK-53kg契約 3分3R>
 ●タネ♡ヨシキ(直心会)
 ○KING剛(ROYAL KINGS)
TKO 3R1分2秒 レフェリーストップ

<第3試合 DEEP☆KICK-55kg契約 3分3R>
 ●FUJIMON♡(京都亀岡キックボクシングジム)
 ○鷹介(魁塾)
TKO 3R2分53秒 レフェリーストップ

<第2試合 DEEP☆KICK-57.5kg契約 3分3R>
 ●YUTO(NJKF Vigor Kickboxing Gym)
 ○井上大和(NJKF TOKEN KICKBOXING GYM)
判定0-3(27-30、27-30、27-30)

<第1試合 DEEP☆KICK-56kg契約 3分3R>
 ○嘉武士(NJKF健心塾)
 ●山口真宙(月心会チーム侍)
判定3-0(30-28、30-28、30-28)

〈オープニングイベント〉
NEXT☆LEVEL提供試合

<OP第4試合 ジュニア-50kg日本統一王座決定戦 1分30秒3R 延長1R>
 ○山田貴紀 (山口道場)
 ●羽生槙徒(WeedGYM)
判定3-0(30-28、30-27、30-28)
※山田貴紀がジュニア日本統一-50kg第9代王者に

<OP第3試合 ジュニア-45kg日本統一王座決定戦 1分30秒3R 延長1R>
 ●山中涼惺 (大阪キック T.B.NATION)
 ○平野詩苑(テツジム滑飛一家)
判定0-3(28-29、28-30、28-29)
※平野詩苑がジュニア日本統一-45kg第9代王者に

<OP第2試合 ジュニア-35kg日本統一王座決定戦 1分30秒3R 延長1R>
 ○林功太郎(山口道場)
 ●山下城主(武魂會)
TKO 2R1分10秒 レフェリーストップ
※林功太郎がジュニア日本統一-35kg第9代王者に

<OP第1試合 -35kg契約 1分30秒2R>
 ●杉生澪雅(NJKF心将塾)
 ○脇園明日翔(魁塾 中川道場)
判定1-2(19-20、20-19、19-20)

〈大会概要〉
○DEEP☆KICK 61
2022年6月12日(日)
泉大津市・テクスピア大阪
OPEN 11:15 / START 11:30

○DEEP☆KICK 62
同日開催
OPEN 15:30 / START 15:45

〈会場アクセス〉
〒595-0025 大阪府泉大津市旭町22−45

〈チケット〉
VIP席 ¥15,000 S席 ¥8,000 A席 ¥6,000
※当日券は¥1,000UP
※一部、二部チケット別料金(全席入替制)

〈チケット販売〉
DEEP☆KICK実行委員会(TEL 06-6754-8588)
または出場選手および所属ジム

〈問い合わせ〉
DEEP☆KICK実行委員会(TEL 06-6754-8588)
https://www.deep-kick.comhttps://www.deep-kick.com


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