[ファイトクラブ]THE MATCH「武尊vs.天心」が「天心vs.武尊」に変わるまで

[週刊ファイト6月23日号]収録 [ファイトクラブ]公開中

▼THE MATCH 2022直前企画!「武尊vs天心」が「天心vs武尊」に変わるまで
 by 神宮寺しし丸
・武尊「ファンだと思った」
・那須川天心「K-1よりも自分の名前をデカくする」
・K-1が那須川天心を提訴
・動き出した世紀の一戦
・那須川天心vs.武尊 電撃決定

 いよいよ目前に迫った「THE MATCH 2022」那須川天心vs.武尊。
 土壇場での地上波放送消滅というドタバタもこの一戦らしい。それほどこの一戦が実現するまでには色々なことがあった。そして「武尊vs.那須川天心」だったカードは、いつしか「那須川天心vs.武尊」に。改めてこの一戦が実現するまでの七年間を振り返る。

 武尊「ファンだと思った」

『2015年の那須川天心』
 アマチュアキックボクシングで数々のタイトルを総ナメ、高校生にして鳴り物入りで2014年7月プロデビュー。同年5月に新たな組織体として発足した「新生K-1」からも誘いがあったが、選んだリングは「RISE」。この選択がその後の人生に少なからず影響を及ぼすこととなる。

 2015年5月、デビューから6戦目でRISEバンタム級王者に。そして、同年8月各団体の日本王者を集めたトーナメント「BLADE FC JAPAN CUP -55kgトーナメント2015」で全試合1ラウンドKOという離れ業で優勝。当時まだ16歳の高校生は”神童”と呼ばれるようになる。
しかし、そのトーナメントに参加していない団体があった。「新生K-1」だ。そのK-1が同年4月に開催した「K-1 WORLD GP 2015 IN JAPAN~-55kg初代王座決定トーナメント~」で優勝したのが武尊だった。BLADEトーナメントを制した那須川天心はマイクを握った。

那須川天心
「まだ国内で1人やりたい選手がいる。K-1の武尊選手、かかってこいやって感じです」

『2015年の武尊』
 K-1に憧れて格闘技の世界へ飛び込んだ武尊。しかし、その後K-1は崩壊。
 2011年に「Krush」でプロデビュー。2014年に待望した「K-1」が新組織で復活。そして、2015年4月に「K-1 WORLD GP 2015 IN JAPAN~-55kg初代王座決定トーナメント~」で優勝。念願のK-1王者となった。
 そんな武尊に、那須川天心という高校生が対戦要求していると聞く。

武尊
「人づてでそういう話は聞いたが、僕がK-1の世界チャンピオンになってから、世界中から僕と戦いたいとの声が沢山来てるんで。その中の一人としか思っていない。K-1で試合が組まれるならいつでもやってやるし、僕は世界一強いと自負しているので、誰とやっても必ず倒す自信があります」

 K-1王者となった武尊は、11月21日K-1代々木大会で初防衛戦に臨む。相手はフランスの強豪チャールズ・ボンジョバーニ。武尊は先にダウンを奪われる展開からの逆転KOという劇的勝利で初防衛に成功。
試合後マイクを握ると「僕、大晦日めっちゃ暇なのでよろしくお願いします」と大晦日のビッグイベントRIZINへの参戦をアピールした。
 意気揚々と花道を帰る武尊に、観客席から一人の男が歩み寄る。那須川天心だ。「大晦日やりましょう!」なんとその場で対戦を直訴したのだ。それにグローブタッチで応える武尊。これはもう大晦日実現だ。と思いきや、試合後の会見で武尊はこう語った。

武尊
「(那須川天心を)ファンだと思ったのでハイタッチしたんですが気付きませんでした。周りがうるさかったので何を言っているかは聞こえなかったです。(那須川天心戦は)組まれたらいつでもやります」

 翌月の大晦日RIZIN。リングに立っていたのは武尊と中国人ファイターのヤン・ミンだった。

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